Avid 4Kソリューション事例: メ~テレ様

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カラーグレーディングシステム、有機ELマスターモニターで東海エリア初「HDR対応編集」を実現

 

局内「4K一貫制作システム」を稼動

メ~テレは腹を括った。「次世代放送の先進局」を目指して、昨年に4Kカメ ラ(PMW-F55)を導入し、4K映像によるダンス番組『ALL 4 DANCE』を関連会社の名古屋テレビネクストと共同で制作。それに続く第2弾として、今年9月にレギュラー放送『BOMBER-E ダンスナイト』の4K特番『BOMBER-E ダンスナイトSP』を制作し、そのダイジェスト版を9月26日~27日開催の「メ~テレ秋まつり2015」会場に設置した180インチの大型マルチ4Kモニ ターで上映した。この『BOMBER-E ダンスナイトSP』の編集で、メ~テレ4K編集室がデビューした。メ~テレが込めた次世代戦略の考えを交え、導入した4K編集システムを取材した。

(レポート・写真:吉井 勇・本誌編集長、資料提供:名古屋テレビ)

デビューした4K編集室導入システムの概要

新設した4K編集室は、ドアひとつで20人以上が入る会議室が控えており、スタッフミーティ ングができる会議卓も隣接するなど、使い勝手の配慮がある。 導入した4K編集システムは、 4K/HDのフィニッシングに対応している。

【編集システム】

・編集ソフト Avid Media Composer 8.4 + Symphonyオプション(Win)

・素材ストレージ Avid ISIS│5500 32TB(4K素材20時間)

・編集用マスターモニター ソニーBVM- X300(有機EL、4K・HDR対応)

・波形モニター リーダー電子 LV5490

・カラーグレーディングシステム BlackMagic Design DaVinci Resolve

【試写システム】

・4Kメモリープレイヤー ソニーPMW-PZ1

・クライアント用4Kモニター ソニーKJ-75X 9400C

【CGシステム】

・CGシステム 朋栄VWS-4K

 

 

4K撮影の経験だけでは4Kの編集ノウハウを蓄積できず

いち早く4Kへ動いたメ~テレの動きについて技術局技術戦略部長の村田実氏は、「2013 年10月に横井正彦社長をリーダーにした次世代放送の会議組織を発足させ、動向調査や局内の体制づくりなどに取り組んできました。昨年は4Kカメラを導入し、イベント撮影やダンス番組づくりなどの経験を積んできました」と話す。 技術戦略部サブマネージャーの筒井宏隆氏は「コンテンツメーカーとしての立ち位置から 4K制作に取り組んだのですが、一つの課題が見えてきました。外部に4K編集を依頼したのでは編集ノウハウがメ~テレには積み上がらないということです。やらないとわからない。オフライン編集に必要なフォーマット変換など、実感をともなう経験がすっぽりと抜け落ちて いることです」と考え、局内で撮影収録から編集、最終の仕上げまで行う4K番組の局内一貫制作体制にこだわって構築したという。

まず、複数の4K素材の同時編集(4Kマルチレイヤーリアルタイム編集)などの作業に対応し、4K番組の局内一貫制作の「最終仕上げ編集室」、ポストプロダクションの役割を果たすこと。そして試写用に75インチの大画面4Kモニターと、5.1chサラウンドスピーカーを用意し、優れた視聴環境で映像確認ができること。最大の特長として、最高峰の色調整ができるカラーグレーディングシステムと、HDR表示が可能な有機ELモニターを導入し、現時点で最も進んだ映像表現の制作システムとしたことだ。

2K編集との連動性を考え アビッドの4K編集システムを採用

4Kの編集システムは、素材ストレージと編集ソフトをアビッド (Avid)で貫いている。その考えを映像技術部主事の長田圭介氏は 「2月に現行HD放送用の編集室をリニューアルしました。その時にアビッドのMedia Composerを2室に導入しており、それとの親和性を考えてバージョン8.4を導入しました」と説明する。つまり、HD編集室とシステム連動できる4K編集を考えたという。

また、既存HD編集室システム用ストレージISIS│5500の容量は128TBあり、4K用も同 じISISを導入して32TBとなっている。両者の現行システム同様の連動性は現在のところはない。それは制作・管理システムのInterplay│Productionが両者をカバーできるバージョンでないためで、アビッド テクノロジー営業の光岡久治氏は、「最新バージョンにすることで対応ができます」と説明する。当然、そうなるとストレージ容量の強化も求められるが、「ISISの拡張を想定しています」と長田主事。

“アビッドのMedia Composerを2室に導入しており、それとの親和性を考えてバージョン8.4を導入しました。”

—長田圭介氏

映像技術部主事

AAFファイルなどの交換ファイルフォーマット との連動性

今回初めて4K編集を経験したEditor( B-edit room)の田中博昭氏は、「編集のオペレーション感覚はHD編集と同じでした」と印象を語ったが、編集システムの核となるコーデックはアビッド独自のDNxHRであり、これによって4K編集であっても同等の操作感が実現している。

編集の流れは、4Kマスターデータからプロキシデータ(HD)を 生成してオフライン編集(今回はFCP)し、そのEditデータとして AAFファイルを採用して4K編集のファイルフォーマットへ交換して いる。「独自のコーデックをベースにするアビッドの編集システムに 対応できました」と、名古屋テレビ映像・取材編集部の藤澤貴英氏。 それを受けて筒井サブマネージャーは、「オフライン編集のいろいろなパターンに合わせた検証をお願いしたい」という要望を話す。

さらに光岡氏は、「EDITタイムベースの切り替え」という機能を 紹介した。これは4K60Pで編集作業を行うとき、必ず偶数フレームのみでカットされる仕組みで、「奇数フレームでカットしてしまうと、インターレースに変換した際におかしな画が入り込んでしまう。これを許さないもの」(光岡氏)である。4K撮影して2Kダウンコンバ ートして現行HD放送で使う場合、「p」から「i」への変換ではこの機能が欠かせない。

外部への貸出も想定 東海エリアの新たな映像表現の拠点

4K制作における「最終仕上げ編集室」という役割を持つ4K編集室を、外部の制作プロダクションなどが利用できるように有料での提供を予定している。使用料の詳細は後日に案内されるとのこと。

4K制作のコンテンツは現在、地上波放送で公開するチャンネルがなく、CS衛星による試験放送か実用放送か、IPでの動画配信での提供になる。そこで4Kの事業モデルとして筒井サブマネージャーは「イベントでの大型映像利用や、サイネージのコンテンツ提供、 HD映像にダウンコンバートして地上波やCSの衛星放送に展開することを考えています。

10月3日~29日まで東山動植物園との4K映像コラボイベントとして『4Kどうぶつ図鑑』を180インチ大型マルチ画面で公開しています」と話し、放送外の利用ニーズの掘り起こしと、それに相応しい制作ノウハウの蓄積を急いでいるという。

最先端のHDR表示に対応した東海エリア初の4K編集室が、今後どういった制作に使われていくのか。次世代放送の重要なテーマを担う拠点が動き出した。

(月刊『ニューメディア』12月号掲載)

Avid 4K編集スターターパッケージ

業界標準のノンリニア編集ツール「Media Composer システム、小規模ポストプロダクショ ン向けエントリーレベルのメディア共有ストレージ「NEXIS | PRO」、最新のビデオ・インターフェー ス「Artist | DNxIO」を組み合わせた、よりコストパフォーマンスに優れたターンキーシステム・パッケージです 。SD/HD/2K/4K/UHD のプロジェクトをはじめ、カスタムラスターまでサポートし、あらゆる環境での多目的な制作用途に対応します 共有ストレージ NEXIS を中心に構築することで、ストレージ容量および再生スループットの拡張、編集機の増設、ファイルベース化、協調作業の完全対応など、プロジェクトに応じて拡張性の高い柔軟な制作環境を構築することができます。

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次世代メディア共有ストレージ Avid NEXISはMedia ComposerやPro ToolsはもちろんのことAdobe Premiere、Apple Final Cut Pro、Grass Valley EDIUS等3rd partyのNLEにも対応しています。

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アビッドテクノロジー株式会社、マーケティング・マネージャー。 役立つアビッドユーザー事例やソリューションをブログで紹介していきます。