Avid at NAB 2019:イマーシブ・オーディオ・プロダクションへの新たな提案

By in Pro Mixing

2017年、Pro Tools | UltimateはDolby Atmos™に対応しました。この統合機能は、AvidとDolbyの二社のコラボレーションによって誕生し、Atmosミックス環境の可能性が大きく広がりました。

近年、Dolby Atmosは次世代のイマーシブ・サウンドの事実上の標準として確実にその地位を築いています。フィルム市場に於いては、Atmos対応シアターが世界中に広がり、NetflixやAmazon Primeといった大きな影響力を持つストリーミング・サービスが、3D/オブジェクト・ベースのサラウンド・サウンドでの制作を推奨することで、多くの人気ムービー・コンテンツがイマーシブ・オーディオ環境でミックスされるようになり、Dolby Atmosは今、ホーム市場でも大きく浸透してきています。

イマーシブ・オーディオ・ニーズの拡大に伴い、ポスト・プロダクションや、それに携わるプロフェッショナル達も、市場ニーズに対応する為の様々な新しい試みが必要になってきています。イマーシブ・オーディオ・フォーマットの要件に基づき、より多くのトラックを用いる事になる為、セッション・サイズは大規模化し、Dolbyレンダラーに128チャンネルを送り込み、最大64チャンネルのスピーカーにサウンドをフィードする為、より多くのI/Oが必要になっているのです。また、Atmosだけではなく、複数のイマーシブ・オーディオ・フォーマットにも対応するスタジオでは、ルーム・アコースティックや空間スペースの設計などにも、より気を配る必要が出てきました。

その為、設備規模はより拡大・複雑化してきており、そういった設備に必要な高いメンテナンス性も踏まえたシステム・インテグレーションを、効率的に行なう事が重要になってきています。つまり、将来イマーシブ・オーディオ化がより進んでいくフィルムやTVサウンドに対応していくには、より正確で透明性の高いサウンドを持つ、柔軟かつ多くのI/O環境が必要になるのです。

 

よりエレガントなソリューションを求めて

NAB2019で、AvidはPro Tools | Ultimate、Pro Tools | S6、 HDX、そしてMTRXといったDolby Atmosの為の完全統合されたオーディオ・ポスト・ソリューションを展示します。これらを組み合わせる事で、イマーシブ・オーディオ・ミックスを行なう為の、より一体感の高いスムースなエンド・トゥ・エンド・ソリューションを実現可能となるのです。

 

1台のMTRXが持つパワー

Pro Tools | MTRXは、要件に応じて任意のオプションを追加できる8つの拡張カード・スロットを搭載したパワフルで柔軟性の高いI/Oシステムで、Avidのイマーシブ・オーディオ・ソリューションの中心となる製品です。最大化されたMTRXでは、2Uラック・サイズの筐体上で膨大な数のI/Oをハンドリングし、アナログ及びMADI, DanteそしてDigiLinkといった多くのI/Oフォーマットに対応することが可能です。

この広大なI/Oキャパシティーとカスタマイズ性により、より多くの入出力を使うモニター/レンダー環境が必要なオーディオ・ポスト・ワークフローを完璧にサポートすることが可能となります。このMTRXを中心にシステムを構築することで、デジタル領域内で、複数フォーマットを持つ複数のディバイスを柔軟にルーティングし、EUCON対応のコントローラーを、統合コンソールとして機能させる事ができるようになります。

 

オプション・カードによるMTRXの拡張 

今、ポスト・プロダクション・スタジオには、イマーシブ・ミキシングに適した正確にチューニングされたサラウンド・ルームが必要となってきています。昨年リリースされたSPQ スピーカー・プロセッシング・オプションでは、1枚のカードでAtmosがサポートする最大スピーカー数である64チャンネルの倍に当たる128チャンネル分の1,024ディスクリート・フィルターが搭載され、正確なルーム・チューニングが可能となります。このスピーカー・キャリブレーション・オプションは、MTRXに完全統合されていますので、シグナル・チェーン内に追加のI/Oを加える必要もありません。

 

昨年末にリリースされた128-チャンネル対応IP オーディオDante カードは、単体または複数のHDシステムを、Danteネットワークに接続することを可能にします。カードを拡張することで、1台のMTRXで最大1,088チャンネルのDante I/Oを接続でき、複数の部屋をコスト・エフェクティブなIPオーディオ・ソリューションであるDante対応機器で統合していくといったことも可能となります。

 

DigiLinkオプション・カードをプレビュー

現在、MTRXベース・ユニットには、64チャンネルに対応したデュアルDigiLinkポートが標準搭載されています。これは1枚のカードを持つHDXシステムには非常に有意義ですが、イマーシブ・オーディオ・ミックス時に必要となる複数のHDXシステムを統合する場合は、MADI等の他の複数のI/O機器を各HDXシステムに接続し、MTRXとインテグレートする必要がありました。

今回発表されたMTRX用の64チャンネルDigiLinkオプション・カードの登場により、複数のHDXシステムがMTRXの強大なルーティング・キャパシティーに直接アクセスすることが可能となります。1台のMTRXに最大6枚まで搭載可能となる、このDigiLinkオプション・カードにより、複数のHDXカードをMTRXに直接接続可能となり、1台のHDXシステム用のI/Oキャパシティー(カード3枚時最大192チャンネル)が増えるだけではなく、それぞれのDigiLinkオプション・カードに別々のHDXシステムを接続することもできるようになるのです(最大6 x HDXシステム)。これにより、追加のハードウエアの必要性が減り、より低コストでシステム構築を行なうことが可能となります。

 

Dolby Atmosでは、複数HDXシステムのサウンドを128チャンネルにまとめ、それをDolby RMUに送る必要がありますが、これまでは複数のMADI及び/またはDanteインターフェースを使いMTRXに統合したサウンドをRMUに送受信を行い、そしてそれをモニター・スピーカーにフィードしていました。

DigiLinkオプション・カードを使い、複数のHDXシステムを1台のMTRXに直接接続可能となることで、必要なインターフェース数が減り、よりシンプルにAtmosインテグレーションが可能となります。

NAB 2019では、Avidの最新のイマーシブ・オーディオ及びオーディオ・ポスト・ワークフローを紹介しています。是非、お立ち寄りください。

Pro Tools | MTRX

Pro Tools | MTRXは、DAD社の伝説的なAD / DAコンバーターの優れた音質に加え、スタンドアローンまたはAvid Pro Mixing サーフェスを使用して、広範で柔軟なルーティングおよびモニターコントロールを提供します。

 

マーケットソリューション・マネージャーとして、音楽制作とオーディオポストのお客様のために最高のクリエイティブなソリューションを提供することにフォーカスしています。クリエイティビティとテクノロジー、特に音楽、ソングライティング / ストーリーテリング、そしてレコーディングアートに情熱を注いでいます。業界を定義する製品や人々と密接に協力することができて幸せです。