Avid S4導入事例 #1:ブロードメディア株式会社

By in Pro Mixing

Installed by

取材日:2019年12月20日

(ブロードメディア・スタジオ株式会社は2020年4月1日に親会社ブロードメディア株式会社と合併し、現在の社名はブロードメディア株式会社となっています。)

 

東京・港区に本社を置くブロードメディア株式会社は、コンテンツ・放送・スタジオ・技術・ネットワーク営業の5つの領域で多角的に事業を行っているマルチメディア配信会社です。コンテンツ事業ではテレビやスマートデバイス向けに様々なサービスを提供し、放送事業では日本で唯一の釣り専門チャンネルである『釣りビジョン』を制作・配信。技術事業では、CDNサービスの提供や高度な配信技術の開発などを手がけています。そんな同社のスタジオ事業を担うのが、ブロードメディア・スタジオという子会社で、東京・六本木と月島に多数の編集室/MA室を擁し、外国映画/テレビ・シリーズの日本語版制作を中心に様々な業務を行なっています。そのブロードメディア・スタジオでは昨秋、月島スタジオのMA室のリニューアルを2部屋同時に行い、ICON D-Commandシステムに替わる新しいコンソールとして、Avid S4を導入しました。リニューアル工事が完了したのは2019年9月のことで、ブロードメディア・スタジオは世界で初めてS4が導入されたスタジオになります。ブロードメディア・スタジオ プロダクションカンパニー 音声技術グループ フィールドマネージャーの岡田光成氏は、「新しいコンソールについて検討していたときに、渡りに船というタイミングでS4が発表になり、ほとんど迷わずに導入を決めました」と語ります。

 

「弊社の主な業務である吹き替えの仕事では、3本ないし4本のマイクを同時に収録するので、物理フェーダーは絶対に必要なんです。また、英語の音声を別回線で出さなければならなかったり、モニター系も同時にいろいろと操作しなければならない。そういった吹き替えのワークフローを考えると、新しいコンソールの選択肢はS6しか無かったのですが、予算の関係で2部屋同時に入れるのは正直難しかったんです。それでどうしようかと悩んでいたときに発表になったのがS4で、まさにこのスタジオにはベストなコンソールでした。S6を元に開発された製品なので機能的にも遜色はなく、サイズがコンパクトなところも良いなと思ったんです。実績のないコンソールを導入することに少し不安はありましたが、実際に作業を行うのはPro Toolsなわけですから、とりあえず音が出て、フェーダー操作ができれば問題ないだろうと(笑)。何かトラブルが起きたとしても、最悪Pro Toolsだけで何とかできてしまいますからね」(岡田氏)

世界で初めてS4が導入されたブロードメディア・スタジオ(東京・月島)

2部屋あるMA室両方にS4を導入

ブロードメディア・スタジオのS4は、2部屋とも同じ24フェーダー・システムで、ディスプレイ・モジュールは3面装備。モジュールは、フェーダーの手前に広いスペースが確保されたオリジナルのデスクに収納されています。

 

「以前のICON D-Commandシステムも24フェーダーだったので、S4でもその仕様を踏襲しました。ディスプレイ・モジュールはS4というコンソールの大きな特徴だと思っていたので、初めから3面搭載しようと考えていましたね。デスクに関しては今回新たに製作したものではなく、実はICON D-Commandシステムを埋め込んでいたデスクを引き続き使用しているんです。デスクを製作した職人さんが、コンソールを入れ替えても使えるような特殊な構造にしてくださったんですよね。それによってスタジオの印象を大きく変えることなく、自然な形でS4を導入することができました」(岡田氏)

24フェーダー・システム、ディスプレイ・モジュールは3面という構成のS4

ICON D-Commandシステム用に特注したデスクを改造し、引き続き使用している

核となるPro Toolsは、2S部屋ともカード1枚のHDXシステムで、オーディオ・インターフェースはS4と同時にPro Tools | MTRXが導入されました。Pro Tools | MTRXには、8 Line Pristine ADカードが1枚、8 Pristine DAカードが2枚、8 AES3 I/Oカードが1枚装着され、S4との組み合わせでモニター・コントローラーとしても活用。専用のリモート・コントローラーとしてDAD MOMも用意されています。

 

「アフレコ制作の仕事は5.1chがほとんどで、切り替えなければならない音声回線の数がとても多いんです。なので以前のICON D-Commandシステムでは、タックシステムさんに改造していただいたXMONに、DirectOut Technologies ANDIAMOを組み合わせることでチャンネル数をカバーしていたのですが、そのシステムを今回、Pro Tools | MTRXで組み直した感じですね。これまで同様、5.1chの音源を3系統にパラって、1系統はVTRに送り、もう1系統はモニターに送るといったこともパッチ無しですぐに対応できるようになっています」(岡田氏)

 

S4と同時に導入されたPro Tools | MTRXとSYNC HD

Pro Tools | MTRXのリモート・コントローラー、DAD MOM

世界初の導入例となったブロードメディア・スタジオのS4。リニューアル工事が完了した翌日から通常業務を開始したとのことですが、まったく問題なく運用できているとのことです。

 

「マニュアルを読まないと分からない操作があったとしても、マスター・モジュールのタッチ・スクリーンからほとんどの操作が行えてしまうので、ICON D-Commandシステムからスムーズに移行することができました。使っていて便利だなと感じるのは、やはりディスプレイ・モジュールで、次にくる音が視覚的に分かるので、とてもミックスがしやすいですね。また、Pro Tools | MTRXを導入したことによって、スタジオの音がかなり変わりました。これまでよりも低音がスッキリして、高音がきれいになったというか、ザラついた感じが無くなりましたね。モニターの方も、出音が良くなりました。最初はDAコンバーターが良いのかなと思っていたのですが、デジタル出力を聴いても音が良いので、内部の処理が凄く優秀なんでしょうね。総じて今回のリニューアルには大変満足しています」(岡田氏)

写真手前右がブロードメディア・スタジオの岡田光成氏、手前左が同じくブロードメディア・スタジオの長井利親氏、奥がタックシステムの益子友成氏

ブロードメディア株式会社
https://www.broadmedia.co.jp/

Avid S4

S4は、ファイナル・ミックス・ステージで業界標準のS6のミキシング・パワーを、よりコンパクトな環境でも実現可能です。

Creating the digital audio and video technology used to make the most listened to, most watched and most loved media in the world.