Avidメディア共有ストレージ ユーザー事例:大分朝日放送(OAB)様

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報道・制作・4K制作のリアルタイム編集コラボレーションを実現

Avid共有ストレージ「ISIS | 1000」+編集機「EDIUS」
社報「OAB」No.30(2016年5月13日発行)に「4.14、4.16熊本・大分地震」報道対応のレポートがある。“全社一丸”のタイトルで「無人の報道フロアが約30分後に各部署の人であふれた(4・16未明)」という2度目の地震対応を次のように伝える。「今回、系列の多くの局から応援の申し出をいただいたが、より被害の大きい熊本へ系列のマンパワーを集中し、大分は自社で乗り切るという姿勢を貫いた」(地震発生直後よりL字画面によるローカル情報提供を延べ8時間、ローカルマスターカットを9回、地震関連制作番組として8月放送の全国ネット『テレメンタリー』を制作)。この緊急報道体制をしっかりと支えたのが、新しく稼働したリアルタイム編集ネットワークシステムである。(レポート:吉井 勇・本誌編集部、写真提供:OAB)

写真01: 4月16日未明の大分最大震度6弱の30分後、報道フロアには報 道スタッフをはじめ制作部、アナウンサー、営業推進部、音声 技術、関連会社など各部署のスタッフであふれた

これまでにない斬新発想 大胆な局舎デザイン

OABを初めて訪ねた人たちは一様に驚く。本館エントランスまでの通路を植栽が被い、ゆったりとした曲線が招き入れるというアプローチは、他の放送局にはない。さらに、本館1階にある報道センターで驚く。黒を基調にした円形フロアで、どの位置からでも全体が見えるようになっている〔写真.01〕。道路1本を隔てた別館は2年前に改修を終え、編集センターがある。こちらも黒を基調に、コックピット感あふれる編集室の8室は狭いスペースに効率良く配置されている〔写真.02〕

地方民放局は没個性の局舎と内部設備が多い。ところがOABは個性バリバリで、上野輝幸代表取締役社長が目指す「斬新かつ戦略的な放送局づくり」というメッセージを視覚で感じさせている。そして、このメッセージは本館と道路をはさんだ屋外も使う「OABガーデンスタジオ5」というユニークなスタジオから放送する生番組『5スタ』(毎週月~木・朝9時54分)を通じて視聴者にも届けられる。OABの目指すメッセージを“見える化”しているのだ。

写真02: 編集センターのドアを開けると斬新なデザインで 編集室が並ぶ

地方民放初の「4K一貫制作」 積極的な国際展開
2015年6月に、地方民放で初となる4K番組制作の撮影から編集、仕上げに対応した「4K一貫制作システム」を編集センターに整備した。昨年の時点で自社制作した4K番組は、タイの公共放送局や台湾の民放などで放送されているという。もちろん自局番組として、4K制作・2K放送の番組『豊の国をゆく』(毎週土・朝6時30分~15分番組)がある。
編集センターに設置した4K専用の編集ルームとプレビュールームは、地元のプロダクションにも開放し、地元の制作力の底上げを図る。また、BS朝日との4K共同制作や、自社4K企画番組『司馬遼太郎の世界』シリーズと意欲的に動いている。多くの地方民放が4K制作に迷う中、この先駆けた動きに注目が集まる。

左から技術局長兼技術部長の塩川秀明氏と 技術部課長の澤村孝志氏

Avid「ISIS」とGV「EDIUS」の連携システム

報道と制作の両部門で、それぞれ別個にサーバーを導入する計画づくりが2年ほど前から始まっていた。ところが、4K制作のシステム構築も加わったことで、システム構築の基本の考え方を大胆に切り替えたと技術局長兼技術部長の塩川秀明氏は話す。「扱うデータ量が大きい4K制作をリアルタイムに編集できるサーバーシステムにする必要が出てきました。また、これまでの編集作業は、報道も制作もHDDボックスにデータを入れて編集室を渡り歩くというロスがあり、もっと集中して作業したいという要望が強くありました」という課題を模索したのである。素材サーバーの共有というアプローチもあったが、編集室を占有したいという要望に応えるために、編集サーバー導入という目標にしたと続ける。

そこで編集サーバー導入では、報道と制作はともにグラスバレー(GV)「EDIUS」を採用していたので、これとコラボレーションできることや、素材データを互いに見ることができても、2つのネットワークは独立していることを求めた。システム構築を依頼していた報映産業株式会社の提案は、「Avid ISIS|1000」(現在名は「AvidNEXIS|PRO」)であった。担当した営業部福岡事業所の佐藤洋貴氏は「互いのサーバーにあるデータを見ることはできますが、ネットワークは独立したアイランドとなって守られています。特に報道から強い要望のあるレスポンスの低下がないことを実現するため」と提案理由を話す〔図〕。

「素材サーバーではなくて、リアルタイムで動く編集サーバーの導入を考えた時に、ISISしかなかった」と塩川氏はISISに決めた理由を語る。技術部課長の澤村孝志氏は「系列局のメ~テレさんがISISを導入されていたので品質を確かめました」と振り返る。では、ISIS|1000とEDIUSの組み合わせは他局では実績はあるのか。佐藤氏は「EDIUSとの連携実績はなく、国内初の試みでした」と語った。

そのISIS|1000とEDIUSの連携システムは、熊本・大分地震の緊急報道対応に安定して機能したという。OABは4月14日21時26分の1度目の発災直後、素早く全国マスターカットを行い、スタジオを開いた。現地からの生中継とともに、大量の素材映像をもとに深刻な被災状況と初期の救助対応を伝えたのである。この時、レスポンスの低下がまったくなく、導入時に描いていた実力をフルに発揮した。

〔図〕 新しく稼動したリアルタイム 編集ネットワークシステム概要

“素材サーバーではなくて、リアルタイムで動く編集サーバーの導入を考えた時に、ISIS しかなかった。”

—塩川秀明氏
技術局長兼技術部長

“想定外の変更”に即時対応 ISIS | 1000ならではの特長

ISIS|1000について、アビッド テクノロジー株式会社エンタープライズ・セールス・マネージャーの友井貴士氏は次のように話す。「放送局がサーバーシステムで求めることに想定外の変更への対応があります。例えば、帯域幅の再割り当て、ストレージ容量の追加と削除、ワークスペースの自由なサイズ変更など、これらをダウンタイムなくできる機能となっています。ですから、編集作業などを中断せず継続しながら対応できるのです」

また、日々の制作ワークフローでもOAB独自の問題を解消したという。これまで編集データをHDDボックスで扱っていたので、本館と別館の間を担当者がスニーカーネットで持ち運んでいた。隣の建物とはいえ外を歩く必要があったが、ネットワーク化で解決したのである。さらに、素材管理もサーバー上でコントロールできるので、探し出す作業もいち早くできる。HDDボックスの時は、ファイルにいちいちアクセスしながら探し出すというロスが解消されたのである。

報道と制作が同じサーバーを利用するという場合、トラブルから報道システムをいかにして守るか――これを最も重視したと澤村課長は話す。外部業者と連携した作業が多い制作部門で、もしウィルスに感染したとしても報道システムに影響を与えないシステム構築にする必要があった。報映産業の佐藤氏は「影響を未然に防ぐことを前提に構築しました」と説明する。また、アビッドの友井氏は「ネットワーク仮想化サーバーシステムをより強固にするため、Avidラボでは高度なセキュリティ対応の研究開発を最優先項目の一つにしています」と説明する。

OABの「より新しい発想と戦略で情報発信を積極的に行う」というビジョンを、技術局の柔軟なシステム戦略が支えている。

月刊『ニューメディア』10月号掲載記事

地方民放初の「4K一貫制作システム」

4KプレビュールームとMAセンター

4K編集システム

課題
報道と制作の両部門に渡る4K制作をリアルタイムに編集できるサーバーシステムの構築

ソリューション
既存の編集機EDIUSに繋がるAvid ISIS | 1000 (現在 Avid NEXIS | PRO)の導入

導入製品
ISIS | 1000

 

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次世代メディア共有ストレージ Avid NEXISはMedia ComposerやPro ToolsはもちろんのことAdobe Premiere、Apple Final Cut Pro、Grass Valley EDIUS等3rd partyのNLEにも対応しています。

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アビッドテクノロジー株式会社、マーケティング・マネージャー。 役立つアビッドユーザー事例やソリューションをブログで紹介していきます。