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Avid VENUE | S6L 導入事例 #09:Avidライブサウンド最前線 イマーシブ・ライブサウンド サカナクション オンラインライブ「SAKANAQUARIUMアダプトONLINE」に見るS6LとSPAT Revolutionの活用

2021年11月20-21日、“舞台×MV×ライブ” というコンセプトで4階建てビル相当の巨大な造形物「アダプトタワー」を舞台としたオンラインライブ「SAKANAQUARIUMアダプトONLINE」が行われた。

常に進化を続ける人気バンドサカナクションが行った配信ライブではAvid VENUE | S6Lと話題のSPAT Revolutionソフトウェアが使われたという。

長年同バンドのオペレーターを務める株式会社アコースティック社長 佐々木幸生氏にこのライブの背景と、Avid VENUE | S6Lを使い続ける理由について伺った。

 

サカナクションの取り組む立体音響演出

――サカナクションと言えば近年イマーシブオーディオに取り組んでいるということが話題になっています。経緯を教えてください。

■6.1サラウンドっていうのを2013年くらいからやっていました。いわゆる3Dツアーと呼ばれているのは今回で3回目ですね。もともとは今風のオブジェクトベースのイマーシブではなく、本当に物理的にフロントLR、サイドLR、リアLRで。だからそこに振り分けてあるのはシーケンスだけだったんです。リアルタイムでそこに振り分けるというのも、ちょっとやっていましたけど。2in 6out の6chパンナ―というのを作ってもらって。それでも2inだから、リアルタイムでいじれるのはその2chしかない。あとはシーケンスに入ってる音源をそこに振り分けて、コーラスは横から来るとか、飛行機のSEが後ろから前に行くとか、サラウンドになってますよということを実感してもらえるような演出をやっていましたね。

 

――そういったシーケンスの音像移動っていうのはある程度スタジオで組み立てて持ってこられるんですか?

■そうです。メンバーともあらかじめ打ち合わせしてあって、最初は幕張メッセだったんですけど、メッセの楽屋にもその6.1のちっちゃいシステムを組んで、実際にそこで直しをしたりとか、会場で実際ならしたりもしたりとか。割とプリプロの段階で詰めたものを実際の会場でならしている感じです。ただし最終的に会場でもチェックするのは、実際に鳴らしてみてその距離感とか、時間差がどこまで許容できるかのチェックはしなければならないですからね。

 

――それが第1回目の6.1ch。そのあとd&b Soundscapeを導入されました。

■六本木EX THEATERで初めてSoundscapeを使ったとき、「Sound Visual Session」はステージ上180度のSoundscapeだったので、見た目と立ち位置が一致するということを目的にやっていました。音の定位が客席のどこからでも確認できるという意図ですね。

そのあとに「暗闇」っていう別のタイトルの演目があって、名古屋でやったんですけど、そのときもSoundscapeでやりました。全く別の演目、暗闇の中でやるっていう催しです。

ですから実際は6.1chでやろうとしたことと、Soundscapeでやろうとしたことはそもそもコンセプトが違います。ただS6LでやるとSoundscapeはいろんなパラメーターが盤面に出てきますから、音聞きながらそれを動かしていくっていう、割と簡単にできる。PCでもできるけれどPCがなくてもそれができるっていうのはいいなと思いました。

 

――そしてアダプトオンラインです。コロナが始まってからのサカナクションチームのことを教えてください。

■コロナが本格化してきたとき、まだツアーの途中でした。2019年の2月、仙台でライブをやっていまして、仙台は2Daysだったんですけど、東京でやってる別のアーティストの公演が中止になったっていう情報が入って来ました。幸いにもその時点ではまだ仙台では感染者が出ていなかった。とりあえずやれるだろうということで、一応その日はやって、本当はすぐそのあと札幌だったんですけど、それも延期になってしまいまして、そのあと結局、延期→延期→中止ってことに。そこから活動はパタっとなくなってしまって。

これまでアーティストというのは表現の場としてCDを作るかライブするかしかなかったわけですけれど、この頃になるとオンラインライブを皆いろんなところでやり始めていた。サカナクションもオンラインをやることになるんだけども、他ではやってないようなオンラインをやりたいと。ただライブ流すんじゃなくて、映像もしっかり作りこんで、だけどちゃんと生でライブするってことをやりたい。最初は生配信で映像に凝るということだけで企画が進んでたんですけれど、配信ならではのできることがあるんじゃないかなと思って、そこで3Dっていうことですね。配信でも「3D」できるんじゃないのっていうことで探しました。そしてKLANGにたどり着いて。もともとイヤモニ用ですけど、配信だったらみんなイヤホンで聞いてもらえば同じだろうということで、それで実現したんです。

 

――KLANGでやってみて課題は何でしたか?

■KLANGはハードウェアなので、配信ということでアウトは実際2chで済んだんですけど、インを増やすとアウトが減るし、アウト増やすとインが減っていくっていう、ハードならではの制約があって。

あと3Dにすることによって、2Dで音を作ってた時とちょっと音質が変わる。定位させることによって位相が変わるわけですから。それが2Dでミックスを作りこんでいたものを3Dにしたときに、ちょっと位相が変わってハイ上がりになったりしました。とくに一番顕著に表れるのはステレオに組んであるもの。例えばキーボードとか、シーケンスとか、それを動かすと如実にL/Rで位相感が変わってくる。マニピュレータさんはそもそもレコーディングエンジニアなので、この音色が変わるのは許せない。ステレオ物はちょっと無理だねって話になってしまった。

あと3Dにすることによって見るパラメーターが増えること自体も時間がかかる要因になります。オペレーターにとっては見る場所が増えるっていうだけで結構大変で。作りこむのに結構時間がかかるから、リハーサルの時間をたっぷりとってないと、大変だと感じましたね。クオリティを保つためには結構時間が必要です。

 

――KLANGでやるときも別にミキサーはあるんですよね?

■S6LのダイレクトアウトをポストフェーダーでKLANGに入れて、KLANGのほうのミキサーは全くいじらずに、あくまで卓のほうで音色とかは作っていきます。

そうしないと2つ操作するデバイスができて、そっちも見てこっちも見て、になっちゃう。とにかく時間がかかります。

 

――そこで今回の配信ではSPATが採用されました。SPATであればS6Lのサーフェース上でコントロールすることもできます。SPATを使ってどのような事を感じましたか?

■SPATのほうが正直音色の変化は少ないです。SPATのほうが定位を動かしていっても音色の変化はほぼないです。ただステレオで組んであるものに関しては、どうしてもちょっと違和感が出ちゃう。シーケンスやキーボード、サカナクションはステレオ素材多いですから、モノで出てるのってドラム、ギター、ボーカル、その辺だったら定位させることはできるんだけれども、ステレオ物は動かすのは厳しいと感じました。

株式会社アコースティック社長 佐々木 幸生 氏

Avidライブコンソールとの歴史について

――続きましてAvid VENUEのことを伺っていきたいと思います。S6Lの前からAvid VENUEシリーズをお使いいただいていると思うんですけど、元々Avid VENUEとの出会いはどんな感じでしたでしょうか。

■Avid VENUEを最初に使ったのはフェスだったと思います。フェスで最初にいきなりAvid VENUEを使わないといけないみたいな。でも最初はHeritageを持ち込みましたね。無理だろうと思って(笑)。とりあえずまず慣れてないし、その頃ちょうどアナログ卓からデジタル卓に変わっていく時期だったんで、まだまだアナログを持っていければ持っていくみたいな時代だったんで。だから最初の印象はめちゃくちゃ悪くて(笑)。

当時アナログしか知らなかったわけですから、Avid VENUEは音もアナログに比べるとちょっと薄いっていう印象が正直なところあって、プラグインもまだ全然知らなかったわけですから。結局そういうプラグインを挿していって解決しなきゃいけない、ミキサー自体はまっさらなもので、プラグインを挿して色をつけていくという。それがわかったのがだいぶ後の話です。慣れるまでけっこう時間がかかりましたよね。

 

――その後自社でもProfileを導入されました。

■そうですね、2台買って。ちょっとずつ、「あ、このプラグイン使えばこういう音が出るんだ」というのが分かってきて。自分で使うときはもう先に絶対挿しておく、というのが決まってきました。そのうち業界標準もだいたいAvid VENUEみたいになってきたんで。フェスに行ったらもうどこもAvid VENUE。ファイルだけ持っていけば良いということになってきたので。そこからはもうずっとAvid VENUE使っています。

 

――S6Lとの出会いを教えてください。

■S6Lが出るぞっていうタイミング。まぁ悪いわけないだろうと。レディオヘッドも使ってるらしい。ちょうどサマーソニックでみたんですね。サナカクションの後がレディオヘッドで。S6L使ってるなと。それを見てすごい良さそうだなと思って。これは即変えていくべきだなと思いました。ちょうどリキッドルームもその頃ミキサーの更新時期でした。リキッドの卓も変えようと。あそこはライブハウスの中でも早かったと思います。

実際に使ってみると音がきれい。とにかく第一印象はそれでしたね。綺麗というか、奥行き感があるというか。それが48kHzと96kHzの違いだと思うんですけど、とくに金物系が全然うるさくないというか。そこが一番違うなと思いました。上げていってもうるさくないし聞きやすいし、かといって音が薄いというわけでもなくて。あとは内蔵のコンプ系がすごい優秀だったのと。そうなってくるとあんまりプラグインいらないじゃないかと。

でも必ずベースにはこれ、とかキックにはこれ、とかは使うプラグインは全然変わってないですけど(笑)

 

――S6Lを引き続きサカナクションでも使って頂いています。使い続ける理由はなんでしょうか。

■S6Lのいいところは、ソフトウェアの進化によってどんどん卓そのものが使いやすくなっていくというところです。ファームアップで進化していくのがコンピューターみたいで新しいなと感じます。これまでは機能が追加されるたびに違う製品を買わないといけなかったりしたんですけれど、S6Lの場合はソフトがどんどん進化していって使いやすくなっていくということなんで、一回それを買っちゃえばそのソフトの更新だけで良い。そういうところが一番良いなと思いました。

イマーシブオーディオを実際にやってみて

――イマーシブオーディオを現場で実践することの苦労はなんでしょうか。

■実際にライブで使うとなると、物理的にたくさんスピーカーを仕込んだりとかしなきゃいけなかったりすることになるので。あとはライブの場合、時間の制約とか客席の制約とかけっこうあるので。どこかの会場でロングランをやるっていうのであれば可能性があると思いますけど、ツアーでそれを持ちまわれるかっていわれると、そこはちょっとまだまだ大変。そんな手軽ではないという印象はまだまだありますね。

だからヘッドホンのように2つのスピーカーで3D表現できるようになったらすばらしいですけど(笑)実際には最低でもフロント5か所とか仕込まないといけない。これはなかなか大変なことです。

 

――逆に6.1chが長続きしている秘訣もその辺りにあるのでしょうか。

■6.1の場合は物理的なものなんで、仕込みの時間さえあれば大丈夫ですし、それはアリーナでしかやってないので。そうすると必ず仕込みに結構ちゃんとした時間がとれる。そういう時だったら大丈夫だと思います。

あとフロントに5ヶ所も吊るというのは意匠上のインパクトもあります。サカナクションでは「暗闇」というタイトルのSoundscapeを使った演目があったんですけど、その場合は本当に真っ暗でなにも見えないんで、どこに何を仕込んでも全然関係ないんですけど。そういういう特殊なものじゃないと難しい。「暗闇」は仕込み入れて一週間ぐらいあったんですけど。仕込みに、2~3日あって。本番は昼夜と4日間ぐらいだったと思いますね。ツアーリングで、短時間でイマーシブを仕込めるのかといったらまだまだ難しいですよね。そういう常設会場があるのはいいと思いますけどね。

タイムコード同期とスナップショットの活用

――タイムコード同期の話をお聞かせてください。

■マニピュレータからLTCタイムコードが来ます。それが卓の背面のLTC用の入力に入ります。これを使っていろいろなものをきっかけで動かしています。

 

――どのあたりを同期で動かしているのでしょうか。

■基本はエフェクトのプラグインのディレイタイム、最初はそこだけだったんです。楽曲によってディレイのタイムを変えていくというのがたびたびあるのですが、いちいちタップして合わせなくてもいいように、ここは付点とか、ここは2拍とかってスナップショットに組み込んでやっていたんです。ただ扱うチャンネルが多かったので、じゃあON/OFFも覚えさせちゃおうと、さらにここでこういうエフェクトが欲しいというような要望が出てきたので、タイムコードもらってるからスナップショットを作ってその時間で切り替わるというように。

結構デジ卓ってリアルタイムでエフェクトするのが、アナログみたいにはいかないので、もう覚えさせたほうが良いだろうと考えました。今、最終的には、AUX SENDのON/OFFとかAUX SENDのバランスとか、曲によってはEQも変更したりしています。

ただし、配信ではなくライブの時はEQとかダイナミクスはそのまま、リアルタイムでどんどん変わっていくので、そこは変更しないようにしておきましたけれど。

当日のコンディションで変えてく要素があるものは同期せず、決まったタイミングでこうなってほしいというのは同期しておく。使うチャンネル/使わないチャンネルのON/OFF、曲頭のバランス、あとエフェクトのきっかけ、は全部覚えさせています。

 

 

ライブサウンドの未来像

――佐々木さんが考えるライブサウンドの未来とは、アフターコロナあるいはWithコロナで、今後ライブサウンドはどうなっていくとお考えですか。

■いまは配信もありつつライブがあるというスタイルが、今既にほぼそうなっていますよね。コロナに対する向き合い方は人それぞれでしょうから、やっぱりまだちょっと怖いっていう方は配信でみるでしょうし。一方ライブっていうのは「体験」なので、実際目の前で起こっていることを体験したいっていう人だったらライブ会場まで行ってみるということだと思います。今はそのどちらにも対応しなければいけなくて、それに対応したMixというか、そこの差がないようなMixをするよう心掛けています。

スピーカーから出ているバランスと配信の方にいっているバランスがどちらも成立するような。まったく別に分岐していることもありますけど。自分がやっているアーティストはそのまま配信の方に行くことが多くて。

 

――配信用のエンジニアさんがいるわけではなくて、両方佐々木さんが行っているのですか?

■アンビエンスをまぜたり、映像とのタイミングを合わせたり、ツーミックスを整える専用のスタッフはいますが、ミックス自体は自分です。楽曲に合わせたきっかけでエフェクトかけるとかいう演出があるので。となってくると、配信のほうも気にしつつライブも気にしつつみたいになってくるんですけど。実際にはどういう音で配信されているのかは全くわからない(笑)そこは信頼できる後のエンジニアに任せているっていうっていうのは実際ありますよね。

 

――ということは、配信の音も結果的にS6Lの音を聞いているということになるのですか。

■そうです。今までは中継車がきて、頭わけを別ミックスしてたのですが、わりと最近はそのままいっていますね。

 

――その例が示すように、これからライブエンターテイメントはハイブリッドになっていくということなのでしょうか。

■それが普通になっていくと思いますね。ただ配信の場合、最初に流しちゃうと何本も公演があった場合はネタバレになっちゃうので。だいたい最終日に配信というのが多いですかね。最初から配信だとまだライブ見てない人たちにネタバレになってしまいますからね。

 

――例えば集客制限によってライブが減収となったとき、配信はそれを補完する要素になりますか?

■それはアーティストによりけりですね。ビッグアーティストしか、今は配信を見てくれない傾向があります。今回のサカナクションに関して言えば、視聴者がトータルで2万4千人とかいたので、配信のチケットは安いですけど、ライブの人数制限を補完するには十分だったりします。

 

 

イマーシブオーディオの未来

――イマーシブオーディオの未来についてお考えをお聞かせください。

■ツアーリングだとやはり難しいと思いますね。準備にまず時間がかかるというのと、当然ばらしも時間がかかるわけですから。トランポが増えるのはなんとかカバーできるとして、仕込みに一日必要。ばらしに次の日一日必要とか、けっこう経費が掛かっちゃうと思うので。仕事が増える音響さんはいいですけど、それは他のセクションの予算を圧迫することになる。よっぽどでかいプロダクション、たとえばワールドツアーをまわるような何万人も入るようなツアーじゃないとカバーしきれないんじゃないですかね。普通にホールをまわるぐらいのコンサートだったらなかなか厳しいと思います。

ただしイマーシブオーディオという演出表現自体には可能性を感じます。やっぱり一番のいいところは没入感です。ライブを観てて、端っこにいる人達とかスピーカーの前にいる人たちは、爆音でその片側チャンネルの音を常に聞いていなきゃいけなかったわけです。見えている景色と音の来る方向も違っていた。それがそういうことじゃなくて、実際にあそこで演奏している人たちがいて、それがひとつに合わさって聞こえてきてるんだぞっていう。もっと言うと、そのことすら意識させないのがイマーシブの一番良い所だと思うんで。これは今までのL/Rでは表現できなかったこと。本来的にはたぶん一番いいんですよ。

――最後に、サカナクションで次なる取り組みを考えるとしたら、何かもうアイデアはありますか?

■そこが難しい所で…もはや「普通」のことはできない(笑)

何かないかなと、ずっと探している状態ですね。

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Avid VENUE | S6L 導入事例 #08:Billboard Live TOKYO

東京・六本木のランドマーク、TOKYO MIDTOWNの4階にあるBillboard Live TOKYOは、国内屈指のライブ・レストランです。オープンは2007年8月のことで、以来スティーリー・ダンやボビー・コールドウェル、スタイリスティックス、セルジオ・メンデスなど、名だたるアーティストのライブが行われてきました。ラグジュアリーで落ち着いた雰囲気と、東京の夜景を見渡せるステージ奥の眺望はBillboard Live TOKYOならではのもので、これまで延べ220万人以上の観客を動員。最近は国内のトップ・アーティストも多く出演しているBillboard Live TOKYOですが、運営元の株式会社阪神コンテンツリンクの長﨑 良太 氏によれば、ライブはすべて自社で主催しているとのことです。

 

「出演アーティストはすべて我々が選定していますし、自分たちで交渉して、ビザの取得もサポートしています。出演アーティストを自分たちで選定することによって、“Billboard Live TOKYO” というブランディングがしっかりできているのではないかなと。ずっと外国のアーティスト中心でやっていたのですが、井上陽水さんに出演していただいたのを皮切りに、国内だったらこの人というアーティストに出演していただくようになり、今では外国のアーティスト6〜7割、残りが国内のアーティストという割合になっています。それとこだわっているのが “毎日営業する” ということで、“あそこに行けば、何かおもしろいことをやっている” というイメージは大切にしています」(長﨑氏)

Billboard Live TOKYO(東京・六本木)

株式会社阪神コンテンツリンク ビルボード事業部副部長の長﨑 良太 氏

そしてオープン以来、Billboard Live TOKYOの音響を支えてきたのが、VENUE | Profileシステムです。VENUE | Profileシステムは、FOHとモニターの両方に導入され、バックヤードにはライブ・レコーディング用のPro Tools | HDシステムも設置。Billboard Live TOKYOのテクニカル・ディレクター/エンジニアである奥出 幸史 氏(サンフォニックス)は、VENUE | Profileシステムの操作性の良さを高く評価しています。

 

「VENUEに関しては、D-Showシステムが発売になったときから気になっていたのですが、Billboard Live TOKYOの機材を選定しているタイミングでVENUE | Profileシステムが発表になったんです。この施設にちょうど良いサイズ感で、Pro Toolsにレコーディングできる点も気に入り、FOHとモニターの両方に導入しました。国内でVENUE | Profileシステムを導入したのは、かなり早かったのではないかと思います。VENUE | Profileシステムで何より良かったのが操作性で、オペレーションしていて凄く楽しい卓でしたね。操作ボタンを何度も押すことなく、最低限の操作でオペレーションできるというか。Pro Toolsにそのままレコーディングできるというのも画期的で、オープンして間もなく、Pro Toolsで収録したデータをDigiDeliveryでエンジニアさんに送り、すぐにミックスしてもらってその日の夜に配信したこともありました」(奥出氏)

 

「この店をオープンして、みなさんできるだけライブ収録をしたいと思っているということに気づきました。とりあえず録ってみて、出来が良かったら商品として世に出そうと。そういう意味でもVENUE | Profileシステムの導入は正解だったと思っています」(長﨑氏)

Billboard Live TOKYOのテクニカル・ディレクター/エンジニアの奥出 幸史 氏(サンフォニックス)

そんなBillboard Live TOKYOは先頃、音響システムをリニューアル。約15年間使用されてきたVENUE | Profileシステムを、VENUE | S6Lシステムに更新しました。奥出氏は、「VENUE | Profileシステムからの流れを重視して、ほとんど悩まずに選定しました」と語ります。

 

「いくつかのメーカーのコンソールをデモして、実際に試聴したりもしたのですが、ほとんど迷いなくVENUE | S6Lシステムを選定しました。VENUE | S6Lシステムは、姉妹店のBillboard Live YOKOHAMAで既に使用しており、乗り込みのオペレーターさんにとっても同じデータでツアーを回れるというのは作業効率が良いのではないかと。ぼくらもAvidのコンソールは使い慣れていますし、それこそ “Ready to go” のコンソールというか」(奥出氏)

Billboard Live TOKYOに導入されたVENUE | S6Lシステム

Billboard Live TOKYOに導入されたVENUE | S6Lシステムは、コントロール・サーフェスが24フェーダーのVENUE | S6L-24D、プロセッシング・エンジンがVENUE | E6L-144、ステージ側のI/Oが64ch入力のStage 64という構成。VENUE | E6L-144に装着されているHDX-192 DSPカードは1枚で、ローカル入出力用のI/OとしてLocal 16も用意されています。

 

「VENUE | Profileシステムが32フェーダーでしたので、本音を言えばVENUE | S6L-32Dを導入したかったんです。Billboard Live YOKOHAMAもVENUE | S6L-32Dですしね。しかし設置スペースの関係で、24フェーダーのVENUE | S6L-24Dを選定したのですが、実際にはまったく問題ありませんでした。最初8本少ないのはどうなんだろうと思っていたのですが、VENUE | S6Lシステムはサーフェスを自由にレイアウトできるので、フェーダーを効率的に使うことができるんです」(奥出氏)

ステージ袖に設置されたI/O、Stage 64

FOHに設置されたローカル用I/O、Local 16

リニューアル工事後、すぐにフル運用が開始されたBillboard Live TOKYOのVENUE | S6Lシステム。奥出氏は、32bit浮動小数点/96kHz処理の解像度の高い音質と、VENUE | Profileシステム以上にフレキシブルになった操作性を高く評価しています。

 

「音質はもう全然違います。これまで聴こえなかった音まで聴こえるというか、それほど音量を上げなくても、各楽器の音がしっかり聴こえるんです。ここまで解像度が高いとごまかしがきかないので(笑)、これまで以上にミックスに集中しないといけないと思っています。それと操作の自由度の高さも凄いですね。本当に何でも自由に出来てしまうので、事前にしっかりカスタマイズしておくのが重要だと思っています。フェーダーの操作感は、VENUE | Profileシステムも決して悪くはなかったのですが、VENUE | S6Lシステムはさらに良くなりました。指で触れたときの “金属感” がVENUE | S6Lシステムは良いんですよ。それとVENUE | S6Lシステムは、メーターの表示が細かいのがいいですね。本当に細かいので、マニピュレーターさんからのシーケンスのレベルの違いも、“前の曲よりも6dB大きいですよ” と細かく伝えることができる。従来のコンソールですと、ざっくりとしか伝えられなかったので、これはとても気に入っています」(奥出氏)

 

また、Pro Toolsとのインテグレーションもさらに進化し、ここ数年で一気に増えてきたライブ配信に便利な機能も充実していると語ります。

 

「個人的に一番気に入っているのはAVBに対応しているところですね。コンピューターを接続するだけで、Pro Toolsを使って即座にマルチトラック収録が行える。今の時代、これだけだったら珍しいものではないかもしれませんが、VENUE | S6LシステムとPro Toolsの組み合わせですと、AVB経由でチャンネル・ネームも自動的に吸い上げてくれるんですよ。VENUE | S6Lシステムで設定した “Kick” や “Tom” といった名前が、すべてPro Toolsにも反映される。これはめちゃくちゃラクですね。また、バスからバスに、AUXからAUXに音を送れるようになったのも便利で、最近増えている配信でオーディエンスを混ぜたいという場合も、簡単にルーティングを組むことができるんです。至るところで、VENUE | Profileシステムからの進化を感じますね。海外のアーティストも、VENUE | S6Lシステムであれば何の問題もないでしょうし、このコンソールへの更新は本当に正解だったと思っています」(奥出氏)

 

VENUE | S6L

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常に一歩先を行くフル・セイル大学のAvid活用法

「夢を真剣に追いかける人の夢を、私たちは真剣に受け止めます。」

これは、1979年の創立時から変わらず持ち続けるフル・セイル大学の理念です。

 

フロリダ州ウィンター・パークに位置し、音楽・録音(Music & Recording)、映画・テレビ(Film & Television)など、さまざまな分野の学位課程を提供するフル・セイル大学は、エンターテインメント、メディア、アート、テクノロジー分野における世界有数の教育機関として評価を確立しています。同校卒業生は、音楽界の大物アーティストや、世界中の大作映画、名だたるテレビ番組で活躍し、次々とグラミー賞、アカデミー賞、エミー賞にノミネートされ、受賞者も数えきれません。

 

では、どのように意欲的な学生を、同校はどのようにして集めているのでしょうか?大きな理由は、フル・セイル大学が、講師や技術インフラを業界から直接調達していることです。そして、夢の仕事に就くために知っておくべき適切かつ必須のツールやテクニックだけをトレーニングするよう設計された同校のフルスピードのカリキュラムにより、学生は、従来の学士課程の半分の時間で卒業することができます。

 

そのために、数十年の長きにわたりAvidとの関係を築いてきたフル・セイル大学は、技術革新の動向を常に把握しながら、学生には最新の業界ツールを提供することができます。同校では最近、所有するPro Tools、Media Composer、Sibeliusソフトウェアを刷新し、デュアル・オペレーターのAvid S6コントロール・サーフェスでダビング・ステージをアップグレードしました。

フル・セイル大学のS6導入のタイムラプスをご覧ください。

学生の成功を確実にするのは、ツールだけではありません。フル・セイル大学を際立つ存在にする講師陣と彼らの専門知識と体験のレベルです。

 

技術、個人指導、プロジェクト ローンチ・ボックスによる教育

すべての学生には、ノートパソコンとローンチ・ボックスに入った学位課程固有のソフトウェアが配布されます。学生は、キャンパスでも自宅でも、インスピレーションが沸いた時にいつでも創作活動に
勤しむことができます。

フル・セイルの講師陣は、教えるツールや技術を熟知しているだけでなく、業界で活躍する実務者でもあります。だからこそ適任であり、学ぶ上でこれ以上ない講師陣なのです。

 

「伝統的にフル・セイルの講師は、何よりまず業界人です」
とオーディオ制作(Audio Production)プログラム・ディレクターのブライアン・スミザ―ス(Brian Smithers)氏は話します。

 

「学位要件もありますが、私は演奏家です。講師陣にはAAAタイトルの制作者もいます。自分が目指すところに講師がいることを学生が知ることは、現実的で効率的な道筋で、彼らの夢に向かい導く講師の能力に大きな信頼性と信用を与えていると思います。」

 

フル・セイルの教育の中心となるのは、オンラインでも、キャンパスでも、授業を受ける場所を問わず各学生に配られるローンチ・ボックスです。特にオンラインで提供されるオーディオ制作(Audio Production)学位課程では、Pro Tools | Ultimate(現在はPro Toolsに変わっています)、マイク、ノートパソコン、ヘッドフォン、モニターを含み、学生が課程修了に必要となるコアツールがすべてローンチ・ボックスに含まれています。映画・テレビ(Film & Television)学位課程の学生は、Media Composerの代わりにMedia Composer | Ultimateが入った同様のローンチ・ボックスを受け取ります。

 

ローンチ・ボックスに含まれるハードウェアに加えて、学生は24時間いつでもファイル、ソフトウェア、コースウェアにアクセスできるので、教室の外でもツールを探求して先に進む時間を多く費やすことができます。特に映画・テレビ(Film & Television)コースの学生は、学内のAvid NEXISストレージ・インフラストラクチャにより、学内のどのMedia Composerワークステーションまたはポストプロダクション教室からでも、自分の作品にアクセスすることができます。

映画学科の学生は、大学のバックロットでのシーン撮影を含み、
プリプロからポスプロまで映画制作の全工程を学内で学び、体験します。

しかし、コロナの影響もあり、ローンチ・ボックスに入っているAvidソフトウェアを学内で使用しているソフトウェアと同じ“Ultimate”版に刷新するという考えが出てきました。

 

「コロナが流行し始めた頃、Avid社の好意で90日間、学内の学生がPro Tools | UltimateとMedia Composer | Ultimateへアクセスすることができたのですが、2カ月間ほど、学生はラボに来られませんでした。それが、一連の考えに至るきっかけの1つになりました」とスミザ―ス氏は説明します。

 

業界関係(Industry Relations)担当ディレクターのスコット・ダンスビー(Scott Dansby)氏も次のように話します。「コロナ禍の当初、これは非常に助かりました。学内学生からオンライン学生へ迅速に移行しなければならない学生にも、同様のツールを提供することができました。彼らのためにカリキュラムを大幅に変更する必要もありませんでした。」

 

オーディオ制作(Audio Production)学科の学生は、ローンチ・ボックスに含まれたPro Tools | Ultimateにより、以前はレコーディング芸術(Recording Arts)学科の学生だけが利用できた高度な機能の利用が可能になります。

 

「Pro Tools | Ultimateを手にすることで、学生は、サラウンド・サウンドを深く掘り下げ、実際にオペレーターレベルの資格取得を目指すことができます」とスミザ―ス氏は説明します。「これらの高度なワークフローを自宅のノートパソコンで実際に練習できるということは、本当に役立ちます。」

 

 

Avid S6とPro Tools | MTRXで完全制御

もちろん、ローンチ・ボックスは、学内の学生に提供される技術やトレーニングのほんの一部にすぎません。レコーディング芸術(Recording Arts)の学士課程では、現在、42台のAvid S6コントロール・サーフェスを所有しています。調達はすべて、フル・セイルのメディア・システム・エンジニアのマイケル・オールウィスク(Michael Orlwiski)氏が指揮しました。

 

「フル・セイルでは、2014年に(Control|24の代わりに)25台のS6 M10コンソールを購入して、Pro Toolsのワークステーション上級コースで使用する12ステーションのラボ2室に分けました。その導入と使用例がとてもうまくいったので、2019年にAvid ICON D-Controlコンソールを入れ替えました。」

 

そのアップグレードでは、4室のサラウンド・ポスト・スイート(ジョイスティック・モジュールで構成)と学内の「Mix Palace」ラボにある12の個別ミキシングルームで使用するためにS6を16台追加購入しました。また、数カ月前には、System 5に代わり、片側に48フェーダーを備えた新しいデュアル・オペレーターのS6でダビング・ステージをアップグレードしました。

フル・セイルのダビング・ステージの中心的存在となったデュアル・オペレーターのAvid S6と
(左から)スコット・ダンスビー、ブライアン・スミザ―ス、マイケル・オールウィスク

「学生がS6に慣れ、同様のサーフェスを使用するダビング・ステージなどの高度なラボへ進むことで、ラボに備えるために必要な研修が劇的に減りました。わずか15分以内に稼働することができます。私たちが気に入っているのは、S6が課程全体を通して一貫したコンソール体験をもたらすことです。ラボを活用できるコースが増え、複数の学位課程でS6を活用できるようになったのは大きいです」とオールウィスク氏は話します。

 

それぞれのS6は、ルーティングとモニタリングを扱い、ワークフローを大幅に簡素化するPro Tool | MTRXインターフェースを伴います。

 

「MTRXは、Danteオーディオへアクセスできるようになって、とても気に入っています」とオールウィスク氏は話します。

「Dante Virtual Soundcardを使用して、Macからサラウンド音声を出力しているので、学生は、ミキシング時に使用するのと同じスピーカーで、コンピューターから直接サラウンドでステムを試聴することができます。学生の耳にプレビュー・オーディオを届けるには、これまでは複雑なルーティングを行っていましたが、今は、MTRXとDanteを介して届けています。」

 

 

ソフトウェア選択の問題

フル・セイルでは何十年も前からカリキュラム全体でAvid製品を幅広く活用してきましたが、スミザ―ス氏は、Pro Toolsを除くソフトウェアについては、個人の選択だと明確に指摘します。

 

「フル・セイルの哲学は、ツール、技術、概念を教えることであって、ソフトウェア製品を教えることではありません。しかし、Pro Toolsは業界の必須アイテムです。Pro Toolsに精通した学生にすることが私たちの利益であり、そうしないことは損失になります。」とスミザ―ス氏は強調します。

 

ダンスビー氏も同意見です。

「Pro Toolsについてブライアンが言ったことは、Media Composerにも当てはまります。映画やビデオを学び、ポスプロに進むことを決めた学生にとって、これから行う仕事の中で、Avidは大きな役割を担うでしょう。」

 

フル・セイルのプログラムに関する詳細はこちら、活躍する卒業生についてはこちらをご覧ください。

番組制作(Show Production)学位課程に在籍する学生は、
Avid VENUE | S6Lを使用してライブ・サウンド・ミキシングを体験します。

© 2021 Avid Technology, Inc. All rights reserved. Avid、Avidのロゴ、Avid Everywhere、iNEWS、Interplay、ISIS、AirSpeed、MediaCentral、Media Composer、Avid NEXIS、Pro Tools、Sibeliusは、米国とその他の国またはそのいずれかにおけるAvid Technology, Inc.またはその子会社の商標または登録商標です。「Interplay」の名称は、Interplay Entertainment Corp.の許可に基づいて使用しています。Interplay Entertainment Corp.は、Avid製品に関していかなる責務も負いません。その他の商標はすべて、各社が所有権を有します。製品の機能、仕様、システム要件および販売形態は予告なく変更されることがあります。

Avid S6


S6は、モジュール式設計であり、構成されたシステムを選択するか、または独自のシステムを構築することが可能です。




Avid VENUE | S6L + Pro Tools | MTRX 導入事例 #07:BLACKBOX³

2021年4月にオープンしたBLACKBOX³(東京・新宿)は、国内屈指の設備を誇るライブ配信スタジオです。運営するのはファン・コミュニティー・アプリ『Fanicon』で知られるTHECOO(東京・渋谷)で、4面LEDパネルを常設した“BOX STUDIO”と、幅広い用途に対応する“BRICK STUDIO”という2つのスタジオを併設。『Fanicon』やTHECOOのチケット制ライブ配信サービスを利用しているアーティスト/クリエイターは、すべての設備を無償で利用することができます。THECOOの代表取締役CEOである平良真人氏は、本格的なライブ配信スタジオを開設した理由について、「せっかく始まっている“おもしろいこと”に火を灯したかった」と語ります。

「コロナの問題が起きた昨年(注:2020年)、弊社では『#ライブを止めるな!プロジェクト』というキャンペーンを行うなど、様々な形でアーティストのライブ配信を支援しました。ライブ配信を本格的に始めて、これによって新しい音楽の表現が生まれるのではないかと凄く可能性を感じたのですが、同時にいろいろな課題もあるなと思ったんです。ライブ配信を行う上で一番ネックになるのが場所で、ライブ・ハウスでは演出は比較的自由にできるものの、音質にこだわることができない。一方、レコーディング・スタジオは音にはこだわれるけれども、自由に演出するのは難しかったりする。だったら、ライブ・ハウスでもレコーディング・スタジオでもない、その2つの中間のようなライブ配信に特化した場所を作ったらどうかなと。それを具現化したのが、このBLACKBOX³なんです」(平良氏)

東京・新宿にオープンしたライブ配信スタジオ、BLACKBOX³。写真はメイン・スタジオとなる“BOX STUDIO”のブース

メイン・スタジオとなる“BOX STUDIO”には最新鋭の映像/音響機器が常設されており、高さ4メートル/横幅9メートルのLEDパネルが壁面に取り付けられた広大なブースは、4K/60p対応のリモート・カメラが5台完備。リモート・カメラはパン/チル情報をFreeDプロトコルで出力する最新のもので、現実空間の動きを仮想の3D空間でトレースできるだけでなく、Unityなどのゲーム・エンジンを接続すれば、現実空間とLEDパネルの境目を無くしたXR的な演出も可能になっています。また、LEDパネルのコンテンツを出力するメディア・サーバーとして、高スペックなdisguise vx2も常設。単にコンテンツを送出するだけでなく、UnityやTouch Designerなどを使用した複雑なエフェクト処理も行えるようになっています。

 

「“BOX STUDIO”のコンセプトはシンプルで、“LEDパネルが常設された最先端の技術が使えるスタジオ”というものでした。ただ、最先端の技術と言っても、現時点ですべての人がそれを活用できるわけではありませんし、将来にわたって拡張できるようになっているのがポイントです。映像周りの機器だけでなく、照明機器も充実していて、常設していないのはレーザーくらい。ライブ配信/ビデオ撮影スタジオとして、十分過ぎる設備になっていると思います」(平良氏)

 

“BOX STUDIO”のブースには、高精細なLEDパネルが4面に取り付けられている

そして“BOX STUDIO”の配信用コンソールとして導入されたのが、Avid VENUE | S6Lです。コントロール・ルームに設置されたVENUE | S6Lは、サーフェースが24フェーダーのS6L-24C、DSPエンジンはE6L-112、ステージ・ボックスはStage 64とStage 16という構成で、Stage 64はブース側、E6L-112とStage 16はコントロール・ルーム内に設置。BLACKBOX³の音響システムをプランニングしたLSDエンジニアリングの遠藤幸仁氏は、音質の良さと拡張性の高さを評価してVENUE | S6Lを選定したと語ります。

 

「実際のライブ配信では、PAのオペレーターさんが配信を担当するケースと、レコーディング・エンジニアさんが配信を担当するケースがあるんです。なので、どちらのエンジニアさんでも扱えて、96kHzに対応した高いクオリティのものということでVENUE | S6Lを選定しました。VENUE | S6Lであれば、Pro Tools用のプラグインも使うことができ、拡張性が高いところも、このハコにはマッチしているのではないかなと。それと今回のシステムは、VENUE | S6Lの出力がデジタルのまま配信機器に入っているというのも特徴です。VENUE | S6Lの出力段でDA、配信機器の入力段でADしてしまうと、音質が劣化するだけでなく、ラウドネスのマージンなども崩れてしまいますから。ですので配信機器は、VENUE | S6Lのクロックにぶら下がっている形になります」(遠藤氏)

“BOX STUDIO”のコントロール・ルーム

音関係の機材は前方のデスクに集約されている(左側は照明卓)

配信用コンソールとして導入されたVENUE | S6L。サーフェースは24フェーダーのS6L-24C

デスク下のラックに収納されたDSPエンジン、E6L-112

またコントロール・ルームには、Pro Tools | HDXシステムも常設されており、高品位なマルチトラック・レコーディングにも対応する構成になっています。Pro Tools | HDXシステムのオーディオ・インターフェースはPro Tools | MTRXで、配信用コンソールのVENUE | S6Lとはデジタルで接続。コントロール・ルームにはATCのモニター・スピーカーやGrace Designのモニター・コントローラーなども設置され、レコーディング・スタジオのようなセットアップになっているのも目を惹きます。

 

「こういったハコ常設のPro Toolsは、ネイティブのシステムが一般的ですから、Pro Tools | HDXとPro Tools | MTRXの組み合わせというのは超ハイ・スペックなのではないかと思います。VENUE | S6LとPro ToolsはAVBで接続するのが一番シンプルなのですが、それだと64chで頭打ちなので、拡張性を持たせるためにあえてMADIで接続しているのもポイントです。Pro Tools | MTRXは、16chのアナログ入出力カードも装着してあるので、レコーディング用の持ち込み機材にも対応できます」(遠藤氏)

レコーディング用システムとして、Pro Tools | HDXとPro Tools | MTRXも常設

ライブ・ハウスの演出の自由度と、レコーディング・スタジオの高音質を両立させた、これまでに無かった新しいタイプの施設、BLACKBOX³。平良氏は今後の運用について、「現時点では箱貸しをする予定はないが、我々にビジネス上のメリットがあれば柔軟に対応していきたい」と語ります。

 

「コロナの問題が終息すれば、お客さんは再びライブ会場に戻って、配信の役割は終わると言う人もいますが、ぼくはそれが凄く嫌だったんです。インターネットを利用した新しい音楽の楽しみ方が絶対にあると確信していて、それはまだ誰も見つけていないのではないかなと。ライブ会場に行けないから配信ではなく、積極的にライブ配信を選ぶようになってほしい。インターネットには、即時性や双方向性だったり様々な特徴があるので、新しい音楽の楽しみ方をアーティストの皆さんと一緒に見つけていけたらいいなと思っています。ですので、ビジネス上のメリットが無くても、何か新しい映像作品や音楽作品の企画があって、おもしろそうなものであればぜひ一緒にできれば。アンディ・ウォーホルのThe Factoryのように、新しいものを生み出したいクリエイターがここに集まってくれると嬉しいですね」(平良氏)

運営会社THECOOの代表取締役CEO、平良真人氏

VENUE | S6L

ライブサウンドの次なる進化 ― 賞に輝くVENUE | S6L なら、世界で最も要求の厳しいライブサウンド・プロダクションも簡単に扱うことができます。




Avid VENUE | S6L + Avid S4 導入事例 #06:身延町総合文化会館

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日蓮宗の総本山である身延山久遠寺が所在する町として知られ、観光スポットとしても人気の高い山梨県南巨摩郡身延町。その中心部にある身延町総合文化会館は、1996年に開館した町立の総合文化施設です。約400席の多目的ホールをはじめ、レッスン室、録音室、メディア・ルーム、会議室といった施設を擁し、敷地内には町立の図書館も併設。会館の運営管理を手がける身延町教育委員会の竹之内あけみ氏によれば、施設の中心となるホールの音響は、過去に出演した人たちから非常に高く評価されていると言います。

 

「ホールの設計には、Abbey Road Studiosなどを手がけられた有名な豊島政実さんが関わられていて、音響が凄くしっかりしているんです。このホールを造るときに、地元に非常に音にこだわりのある方がいらっしゃって、“この辺りで一番音の良いホールにするんだ”と言って、豊島さんにお願いしたようですね。約400席のホールですので、フル・オーケストラに出演いただくのは難しいのですが、コンパクトなので客席の後方からでも歌手や奏者の顔がよく見えるのはこのホールの特徴です」(竹之内氏)

身延町総合文化会館の中心となるホール

客席数は約400席。音響設計には、有名な豊島政実氏が関わった

この身延町総合文化会館は昨年、大規模な改修工事を実施。今回の改修工事では、各部屋の音響機器が最新のものに更新されるのと同時に、施設内にシングルモードの光ファイバー回線が設置されました。竹之内氏は、「もともと音の良いホールの音質をさらに向上させて、使い勝手をよくし、録音室との連携を図るというのが今回の改修のコンセプト」と語ります。

 

「このホールは音響が高く評価されているわけですから、大前提として、今回の改修でその部分を損いたくないというのはありました。その上で実現したかったのが、会館職員でも簡単に扱える操作体系と、ホールと録音室の連携です。他のホールにはあまりない録音室という素晴らしいスタジオがあるのにも関わらず、設備の老朽化の問題などもあり、これまでは充分に活用できていませんでした。せっかくスタジオがあるわけですから、ホールと上手く連携させて、スムースに録音できるシステムを構築したいと考えたんです」(竹之内氏)

ホールの調整室に設置された新しいメイン・コンソール、VENUE | S6L

これらのコンセプトを実現するため、ホール常設の新しいコンソールとして選定されたのが、Avid VENUE | S6Lです。音響システムのコンサルティング/オペレートを担当する株式会社サウンド・ビレッジの清水利浩氏によれば、96kHzに対応している点が選定の大きなポイントになったと語ります。

 

「私がメインで仕事をしているレコーディングの世界では、96kHzのハイ・サンプル・レートが当たり前になっています。やはり96kHzの音質は素晴らしいですし、これまで以上のサウンドを目指すのであれば、システム全体を96kHzで動かしたいと考えました。今48kHzでシステムを構築したら、すぐに陳腐化してしまうのではないかと。サンフォニックスさんにご紹介いただいたVENUE | S6Lは、96kHzに対応していて使い勝手も良く、ほとんど迷わずに決まった感じですね」(清水氏)

VENUE | S6Lは、サーフェスは24フェーダーのS6L-24D、DSPエンジンはE6L-112、ステージ・ボックスはStage 32が2台という構成

身延町総合文化会館のVENUE | S6Lは、サーフェスが24フェーダーのS6L-24Dで、DSPエンジンはE6L-112という構成。E6L-112にはMADIカードが装着してあり、ステージ・ボックスは舞台袖にアナログ32ch入力のStage 32、調整室にアナログ16ch入力のStage 32が設置してあります。

 

「このホールでは、学園祭などで学生と一緒にコンソールを操作するケースもあるんです。2人に同時にオペレートしても画面の奪い合いにならないというところも、VENUE | S6Lを選定した大きな理由の一つです」(竹之内氏)

施設の運営管理を手がける身延町教育委員会の竹之内あけみ氏(写真左)、音響システムのコンサルティング/オペレートを担当する株式会社サウンド・ビレッジの清水利浩氏(写真中央)、
音響システムのプランニングを手がけた株式会社サンフォニックスの黒岩広巳氏(写真右)

そして録音室には、新しいDAWとしてPro Tools | HDXシステムを導入し、コントロール・サーフェスには8フェーダーのAvid S4を設置。オーディオ・インターフェースはPro Tools | MTRXで、都心のプロダクション・スタジオと比較しても遜色のないシステム構成になっています。

 

「レコーディングの現場での普及率と、他のスタジオとの互換性、しっかりライブ・レコーディングができる機能性を踏まえ、Pro Toolsを選定しました。S4を導入したのは、以前もミキシング・コンソールを使用していたので、それの延長というのもありますが、やはりコントロール・サーフェスがあった方が操作性が良いからです。普段からPro Toolsを使っている人であれば、キーボードとマウスだけでもサクサク操作できるんでしょうけど、そうでない人にとってはやっぱりフェーダーがあった方がいい。でも、今の時代はマウスがあれば十分という人もいるでしょうし、8フェーダーのS4くらいがバランス的にちょうどいいのではないかと思いました」(清水氏)

ホールに隣接する録音室。新しいコンソールとしてS4が導入された

オーディオ・インターフェースはPro Tools | MTRX

Pro Tools | MTRXは、アナログ32ch入力/アナログ16ch出力/AES 8ch入出力/デュアルMADI入出力という余裕のある仕様で、システム・プランニングを担当した株式会社サンフォニックスの黒岩広巳によれば、隣接するリハーサル室を使用した本格的なレコーディングを見据え、アナログ入出力を充実させたとのことです。

 

「録音室とリハーサル室は、かなり設備がしっかりしているんです。マイク・ポケットが32ch分あり、キュー・システムの用意もある。そんなスタジオ機能を進化させるとなると、S4とPro Tools | MTRXの組み合わせがベストだと思い、ご提案させていただきました。一方、ホール側とはMADI回線で音声の送受信ができるようになっているのですが、同時に調整室のVENUE | S6LともAVBで接続してあります。これによってMADIとAVB、どちらでもやり取りすることができ、なおかつ冗長性のあるシステムにもなっているというのがポイントです。Pro Toolsスタジオにシングルモードの光ファイバー回線を引くのは、弊社的にはこれが初めてのケースでしたので、Avidのサポートとやり取りしながら慎重にプランニングを行いました」(黒岩氏)

 

コロナ禍により、改修後の本格運用はこれからという身延町総合文化会館ですが、清水氏はその仕上がりには大変満足していると語ります。

 

「皆さんのおかげで、想像以上のシステムを構築できたと思います。以前よりもさらに上の音質を実現することができましたし、舞台袖や事務室からも簡単に音響をコントロールできるようになりました。現状、非常に満足していますが、まだまだ伸びしろを感じますので、これからじっくりチューニングしていきたいですね」(清水氏)

 

「こういう中小規模のホールって、日本全国にたくさんあります。今回のシステムは、高品質で柔軟性や拡張性、将来性のある、ホールのモデルケースになるような内容だと思います。これからの時代、地方発信の配信ライブなども増えていくと思いますが、このホールだったら十分対応できるのではないのでしょうか」(黒岩氏)

最新鋭の機材が導入されたホール隣接の録音室

VENUE | S6L

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Avid VENUE | S6L 導入事例 #05:ノドゥルライブハウス

インタビュー

ノドゥルライブハウス | イムサンヒョン音響監督

こんにちは監督、ノドゥルライブハウスの紹介をお願いします。

ノドゥルライブハウスは、ソウル特別市龍山区二村洞に位置するライブハウスです。漢江大橋の中間に位置するノドゥルライブハウスは、日本のライブハウスに倣って、当日セッティング、当日の公演が可能な環境を構築することに焦点をあてて設計されました。世界標準の音響と照明システムと基本的な楽器(ドラムセット、ギターアンプなど)を標準装備しているので、演奏者が自分の楽器だけを持参してきても、システムを簡単に迅速に準備することができるのです。

また、長期的には国内や海外ツアー旅程を準備する際に、ノドゥルライブハウス内の 「リハーサルスタジオ」 でプリプロダクションを事前に行うことで、ソウルでの公演を皮切りに、ツアーを開始することができます。すべての過程を想定した上で、この空間からライブ活動が生まれていていくことを目標としています。

現在、ノドゥルライブハウスに設置されているメインシステムの説明をお願いします。

ノドゥルライブハウスのメインコンソールは、Avid VENUE | S6L-24Cで、AVB接続を介してPro Tools 64チャンネルレコーディングができるように設置されています。スピーカーシステムは、JBL Professionalスイートで構成しました。メインスピーカーは、14本のA12ライン、JBL Professionalラインアレイ・システム、6本のサブウーファーJBL G28で構成され、フロントフィルは4本のJBMF12で構成されていました。さらに、モニタースピーカーシステムは、8台のJBL M20を装備しました。すべてのスピーカーシステムは、合計15台のCROWN I-Tech4x3500HDアンプを搭載しています。

Avid VENUE | S6L システムを使用して感じたメリットは何ですか?

すでに、世界的に幅広いユーザーが保有していることと、柔軟な構成が可能であることが、Avid S6Lの大きなメリットだと思います。Avid製品ファミリーは、すでにライブ・サウンド会場、レコーディングスタジオ、多目的施設、教会など、幅広いユーザーに使用されていることを知っています。

D-SHOW製品を使ってきたライブ・サウンド・エンジニアだけでなく、Digidesign時代からPro Toolsを使い慣れてきたレコーディング・エンジニアまで、会場を訪問するエンジニアは、新しいサーフェスの操作が未熟であったとしても、D-SHOWの時代から伝統的に受け継がれてきたプリファレンスとワークフローにすでに慣れていて、システムコントロールに素早く適応できます。全スケジュールの約8割がホール公演で行われるコンサートホールの場合でも、当日セットアップや公演が可能な楽器機器と音響システムを構築しました。

コンサートホールに設置されているコンソールをエンジニアが使い慣れていない場合、別のコンソールをセットアップして使用することになりますが、当然セットアップや撤収に時間が掛かってしまいます。そのため、訪れたエンジニアがコンサートホールに設置されているコンソールをそのまま使用できることは、全体の制作日程にも大きく貢献することができます。設置されたシステムを使用してショーファイルを直接ロードすることができるのは、ユーザーと常駐エンジニアがコンソールのセットアップ時間を短縮でき、他の作業に時間を費やせるため、効率を向上することができます。

Pro Toolsと連動し、簡単なマルチトラック・レコーディングやMTCを使用した各デバイス間のタイム同期などの利点を備えたAvid S6Lは、「COVID-19」 により、今まで以上にビデオ制作やコンテンツ制作が活発に行われている制作現場で、最も強力で効率的なコンソールだと思います。

ライブミックスで最も重要なことは何ですか?

私は、長時間の鑑賞が可能な適切なレベルのメンテナンスとローエンドでオーバーフローしないように注意を払う方です。以前は、野外での大音圧とパンチの効いた感じに魅了されていたので、大音圧とローエンドを表現しようとしました。しかし、今では観客が自然に長時間、音楽を楽しめるような心地良い音のバランスを作りたいと思っています。

良いミックスは、美味しい料理に例えることができると思います。私の料理を10人に振る舞うとき、半数以上の方に美味しいという評価を受けるべきです。

これは、多種多様にすることではなく、多くの共感できるジャンルとその観客の性格や雰囲気にあった適切なレベルの適切な音のバランスを維持することが重要なのだと考えています。
また、壮大な話ではなく、本物の定量的に正しいプロセスで、十分に表現可能なことです。

各音源の特性に応じた適切なマイク収音による「本物(完全な品質)の維持」。次に、これを使用するのに適したエネルギーに増幅する「量の維持」。精度は、未然に防ぐ場合に可能であると考えています。

監督、最後に一言お願いします。

「漢江大橋の下にある小さな島ノドゥルライブハウスは、ポピュラー・ミュージック・ベースの複合文化空間として、常に皆さんとお会いできることを期待しています。一日も早くCOVID-19が収束することを願って、今後もさまざまな公演で訪れたいと思っています。」

VENUE | S6Lを発見

ライブサウンドの次なる進化 ― 賞に輝くVENUE | S6L なら、世界で最も要求の厳しいライブサウンド・プロダクションも簡単に扱うことができます。




Avid VENUE 7ソフトウェア登場!

Avidがポスト・フェーダー・インサートを搭載したソフトウェアをリリースしたとしたら?Avidが全ての入力チャンネルにHEATを搭載したソフトウェアをリリースしたとしたら?バス・ツー・バス・ルーティングを搭載した製品が発売されたら?これらすべての機能を備え、さらに多くの機能を有した製品がリリースされたら?それがVENUE 7です。400以上のバグ修正と、これまでにないほどの長い新機能のリストを含むアップデートが満載です。私たちは、S6Lユーザーからのほぼすべての要望を調査し、最も要望の多かったものを選定し、1年以内に実現可能なものを考え出し、それを実現しました。これまでで最大のライブ・サウンド・コンソールのアップデートをご体感ください。

 

VENUE 7.0.0 の特長:

 

ハードウェアとコンフィグレーションのアップデート:

  • 3式のシステムで間のI/Oシェアリングとゲイン・トラッキング
  • MLN-192 オプション・カード

ミックスの新機能:

  • 全ての入力チャンネルでHEATプラグインプロセッシングが可能
  • バス to バス・ルーティング
  • 全チャンネル・ダイナミクスのパラレル・プロセッシング・コントロール
  • 全チャンネルEQの相対値コントロール・アプローチ
  • 全ての出力にHPF、LPF、GEQを搭載
  • EQプリ・ダイナミクス機能
  • ポスト・フェーダー・インサート

拡張された機能性:

  • 400 プラグイン・スロット
  • 2トラックのUSB録音・再生

ユーティリティー機能:

  • マトリクス・ミキサーの極性スイッチ
  • 新開発の遅延補正機能
  • 選択したストリップのトータル・レイテンシー調整

覚的なアップデート:

  • ビッグ・メーター
  • メーター・ビューのミュートとソロ表示
  • ストリップ・エリアへの短縮されたチャンネル名の追加
  • グループ割り当てボタンとインジケータへの短縮されたチャンネル名の追加

使いやすさのアップデート:

  • MLMからのステレオ化及びステレオ解除ボタン
  • アクティブなイベントのためのダイアログ
  • リストアとアクティベーション手順の改善
  • ソフトウェアにシステムIDとシリアル番号を表示
  • ソフトウェア内で統合システム・ガイド、トラブル・シューティング・ガイド、ハンドブックの表示

VENUE 7のいくつかの主な機能を詳しく見てみましょう。

スター結線の3台のシステムのI/Oシェアリングとゲイン・トラッキング

以前のバージョンのVENUEでは、エンジニアは2台までのシステムを接続し、ステージ・ラックのインプットとアウトプットを両方のシステムで共有することができました。VENUE 7では、3台のシステムで共有することができるようになり、すべての入力が3台のシステムで共有できるため、FOH、モニター、収録のすべてを、音声分配器なしで回線共有できるようになりました。2台のシステムのI/O共有と同様に、3台のシステムにおいても、ヘッドアンプのゲインがAvidのTrue Gainテクノロジーによって自動的にシームレスに補正され、複雑なセットアップを行う必要はありません。

システムが冗長型スター結線で配線されると、システムはすぐにお互いを確認し、I/O共有状態にあることを認識し、適切なゲイン補正を有効にします。

I / O共有についてのビデオをご覧ください。

MLN-192 オプション・カード

ここ数年の間にネットワーク・オーディオについてお調べいただいた方なら、Milan™という言葉を聞いたことがあるかもしれません。これはAVBの新フォーマットで、他のMilan認定機器との相互運用性を保証するものです。Milanフォーマットは、Avid、d&b、L-Acoustics、Meyer Soundなどを含むプロオーディオ産業界の会社のグループによって、正確なクロックサンプルでのプラグ・アンド・プレイのネットワーク・オーディオ・フォーマットとして作成されました。MLN-192 オプション・カードをE6Lエンジンに接続すると、128×128チャンネルの96kHzのI/Oが1本のイーサネット・ケーブルを介してMilan認証を受けたデバイスとの間で送受信できるようになります。これにより、複数のS6Lシステム間でオーディオを往復させたり、オブジェクト・ベースのミキシングのためのイマーシブ・プロセッサにディスクリート・オーディオを送信したり、安全で信頼性の高い方法でネットワークを介して信号を分配することができます。

MLN-192オプション・カード

MLN-192についてのビデオをご覧ください。

すべての入力チャンネルでHEATをONに

ProToolsの世界に長けた方なら、HEATというものをご存知だと思います。Crane Songの伝説的なDave Hill氏によって設計されたHEATは、”Harmonically Enhanced Algorithm Technology “の略です。 HEATは、アナログ・カラーやサチュレーションをそれぞれ個別に、ゼロレイテンシーで追加することができるサチュレーション・アルゴリズムです。VENUE 7では、HEATを任意またはすべての入力チャンネルに適用し、テープまたはチューブタイプのサチュレーションを追加すると同時に、エンジニアはサチュレーションのトーンを調整することもできます。ドライブ・コントロールをマイナスの方向に押し込むと、テープのサチュレーションが強くなります。プラス方向に押し込むと、チューブのサチュレーションが強くなります。トーン・コントロールは、ダーク(低設定の 1)からブライト(高設定の 6)へと変化し、EQ ではなくサチュレーションでソースを明るくしたり暗くしたりすることができます。この設定をスナップショットに組み込むことも可能なので、曲によって異なるドライブ量を適用することができます。ぜひ過去のVirtual Soundcheck の録音を開いて、アナログモデルの温かみのあるサチュレーションでミックスを開放する HEAT の効果をお楽しみください。

HEATコントロール

HEAT、GEQ/HPF/LPFの出力、ビッグ・メーターなどについてのビデオをご覧ください。

バス to バス・ルーティング

他のプラットフォームをお使いの方にとっては、バス to バス・ルーティングのワークフローに慣れ親しんでいるかもしれませんが、VENUE 7の機能は基本的なものよりもかなり奥が深いものとなっています。VENUE 7では、任意のAuxやグループを他のAuxやグループにルーティングすることができます。つまり、Kickをひとつのグループに送り、そのKickグループをDrumグループに送り、両方で処理することができるということです。これは、モニター・エンジニアが任意のグループをそのままモニター・ミックスに送ることができることを意味します。Groupや Aux を他の Aux にルーティングする場合、センド・レベル・コントロールもインプットの場合と同様に使用でき、Sends on Fader も同様に機能します。Aux やグループを他のグループにルーティングする場合も、インプットと同様なルーティングが可能ですが、もう一つオマケがあります。フィードバック・ループを発生させるようなバス to バス・ルーティング・アサインは、ソフトウェアが自動的に検出して防止します。フィードバック・ループを作ろうとすると、システムはループをブロックし、どのルーティングがループを作っているかを正確に警告します。さらにそれだけではありません。バス to バス・ルーティングも新しい遅延補正でレイテンシーを揃えることができるのです。

バス to バス・ルーティング

VENUE 7の処理とシグナル・フローの強化についてのビデオをご覧ください。

全チャンネル・ダイナミクスのパラレル・ミックス・コントロール

従来バス to バス・ルーティングでよく使用される用途の1つに、パラレル・コンプレッションがあります。VENUE 7では、これをよりシンプルに行うことができます。コンソールのすべてのチャンネルにパラレル・ミックス・コントロールが搭載されており、1つのエンコーダーでパラレル・コンプレッションされたサウンドを実現することができます。つまり、出力バスをパラレル・コンプレッションするだけでなく、入力チャンネルをもパラレル・コンプレッションすることが可能です。イマーシブ・オーディオ・ワークフローに精通している人にとって、オブジェクト・ベースのミキシングでパラレル・バスを行うのは難しいことだと感じたことがあると思いますが、幸いなことに、この機能はそのような複雑さをすべて取り除きます。ワークフローが非常にシンプルなだけでなく、スナップショットへの割り付けも可能で、イベントからトリガーすることもできます。しかもコンプレッションだけではありません。エキスパンダー/ゲートにもパラレル・ミックス・コントロールがあり、ノブ1つで、他の定評のあるノイズ・リダクション・ツールと同様のサウンドを得ることができます。

チャンネル・ダイナミクスのパラレル・ミックス・コントロール

全チャンネルEQのミックス・コントロール

ダイナミクスとは異なり、このパラメーターはパラレル・コントロールではなく、EQ のゲインをスケーリングします。 つまり、100% に設定した場合、各バンドのゲイン値は 100% になります。各バンドに適用されるゲインは、設定したパーセンテージを反映したものとなります。例えば、Band 1 のゲインを +6dB に設定し、パーセンテージを 50% に下げた場合、Band 1 には +3dB のゲインが適用されます。忙しいミックスの中では、エンジニアはすべての要素をフィットさせるためにチャンネルを大きくEQしなければならないことがありますが、楽器がソロで演奏されているときには、音が薄くなったり、輪郭がはっきり出なかったりすることがあります。そのような時に、EQの量を一時的に変更してからまた100%に戻すことができるノブがあれば、非常に便利です。さらに、エンジニアはボタンを1つ押すだけでEQのゲインを変更することができます。

チャンネルEQのミックス・コントロール

すべての出力にHPF、LPF、GEQを搭載

ハイパスとローパス・フィルターはS6Lの初期から入力チャンネルに搭載されていましたが、VENUE 7ではすべての出力にも搭載されています。これらのフィルターは、外部ディスプレイやエンコーダー、盤面上のチャンネル・タッチ・ディスプレイにも表示されます。HPFとLPFだけではなく、すべての出力バスにグラフィックEQが追加されました。

すべての出力にHPF、LPF、GEQを搭載

EQ プリ・ダイナミクス

S6Lシステムのチャンネルの標準的な信号の流れは、入力段から始まり、ゲート、コンプレッサー、そしてチャンネルEQと続きます。システムの内部処理に柔軟性を持たせるため、各チャンネルに EQ Pre Dynamics ボタンが追加されました。チャンネルのダイナミクス処理の前に EQ を変更して信号に影響を与えたい場合、このボタンを押すと処理の順番が入れ替わることになります。このシグナル・フロー・コントロールは、外部ディスプレイやエンコーダーに表示されるほか、スナップショットやイベントに保存することも可能です。

 

ポスト・フェーダーのインサート・ポイント

システムのシグナル・フローのもう一つの変更点は、ポスト・フェーダー・インサートです。フェーダー後のオーディオを処理するための4つのプラグイン・スロットが各チャンネルに追加されました。それだけではありません。ポスト・フェーダーでも第2のハードウェア・インサート・スロットが追加されました。つまり、適切な場所にオート・ミキシング・ハードウェアを挿入したり、ポストフェーダー・リミッターを追加したりして、ライブストリーム放送やPAのオーバー・ロードを防ぐことができます。これらのインサート・ポイントは、既存の4つのプラグイン・インサートと1つのハードウェア・インサートに加えて、必要に応じて1つのチャンネルに8つのプラグインと2つのハードウェア・インサートを配置することができることを意味しています。 もちろん、これはすべてスナップショットで動作し、レガシー・ファイルも問題なくロードできます。

ポスト・フェーダーのインサート・ポイント

400 プラグイン・スロット

チャンネルで使用可能なプラグイン挿入数が2倍になったため、VENUE 7では、すべてのエンジンで2倍の400プラグイン・スロットがサポートされるようになりました。これにより、1つの演目に途方もない数のプラグインを挿入できるだけでなく、使用しているエンジンの種類(E6L-192、-144、-112)を確認する必要がなくなり、すべてのエンジンで400スロットを使用できるようになりました。プラグインはHDX-DSP処理を使用するので、システムにロードできるプラグインの数は、利用可能なHDX-DSPの数に関係しています。しかし、このスロット数の増加は、イマーシブ・オーディオ・プラグインを使用する場合に特に有効です。また、ちょっと便利な機能もこっそりと搭載。CONFIGモードで、ユーザーはチャンネルの挿入エリアにある “+”を押すだけで、そのチャンネルに新しいプラグインを素早くインスサートできます。また、正しいフォーマット(モノラル/ステレオ)が事前に選択された状態で自動的にルーティングが行われるので、ボタンをクリックする手間が省けます。

2トラックのUSB録音と再生

コントロール・タブに2つの新しいページが追加されました。Record(録音)とPlayback(再生)です。FATまたはNTFSフォーマットのUSBドライブをコンソールに接続し、96kHz、24ビットの.Wavファイルをステレオで録音することができます。また、逆に、コンソールに接続したUSBドライブからMP3や.Wavファイルを直接再生することもできます。USBレコーダーとプレイバックのルーティングはパッチベイに表示され、再生をチャンネルに直接ルーティングしたり、Mainsや他の出力から直接録音をパッチしたりすることができます。基本的な機能の他にも、スナップショットでレコーダーを自動的に有効にして、スナップショットの名前から直接ファイル名を引っ張ってきて、曲ごとに新しいレコーディングを自動的に作成することもできるのです。 それだけでなく、さらにイベントの客入れBGMを午後7時ちょうどにトリガーするように設定したり、ショーが終了して「バンド」フェーダーを下げたときに客だしBGMをトリガーするように設定したりすることもできます。

2トラックの録音

ステレオ再生

マトリクス・ミキサーの極性スイッチ

S6Lのマトリクス・ミキサーは、すでに多機能なコントロールを提供しており、各レベルの任意のピックオフから任意のチャンネル(またはバス)からのマトリクス入力とパン・コントロールを提供しています。VENUE 7では、マトリクス・ミキサーにさらにいくつかの新機能が追加されました。これにより、ユーザーは入力チャンネルを使用してこれらの入力をマトリクスにルーティングする必要がなくなりました。 次に極性について。マトリクスに入力されるソースを位相反転させるだけです。しかし、マイナスワンを作成する必要がある場合、これが非常に面白くなります。マイナスワンとは、効果的にミックス全体から 1 つ(またはそれ以上)の要素を差し引いたものです。例えば、メイン・ミックスをマトリクスに送り、さらに 1 つのダイアログ・マイクをマトリクスに送り、その極性を反転させることができます。このダイアログ・マイクがメイン・ミックスにも含まれている場合、極性を反転させてマトリクスに追加すると、そのマトリクス・ミックスから任意の音をキャンセルすることが可能です。 VENUE 7の新しい遅延補正により、相対的なタイミングの問題がすべて解決されるため、ユーザーはグループをキャンセルすることもできます。例えば、メイン・ミックスをソースとし、バックグランド・ボーカリスト・グループの極性を反転させた第2のソースとすることができます。そうすると、マトリクスには バックグランド・ボーカルのないミックスを効果的に使用できます。

 

マトリクス・ミキサーの極性スイッチ

新開発の遅延補正

VENUE 7で導入された多くの新しいルーティング機能に伴い、S6Lの遅延補正を更新する必要がありました。ユーザーはバスを他のバスにルーティングすることができることになるため、そこでのルーティングやプラグインだけでなく、メインへのパラレル・バス、マトリクスへの入力、マトリクスからの出力など、他の入力との相対的な遅延を管理するための補正も追加されました。

エンジニアがVENUE 6.3以前のバージョンからショー・ファイルをロードすると、システムはデフォルトで “Use Legacy Mode Delay Compensation “になります。これは、ショー・ファイルを変更しなくても、以前のVENUEバージョンと全く同じように設定されることを意味します。Options > Pickoffsのページでは、エンジニアは “Use Legacy Mode Delay Compensation “をオフにするオプションがあります。このオプションをオフにすると、いくつかの新しいオプションが表示されます。

“Align all Input Channels to Mains & Matrixes” は、入力チャンネルにインサートされたプラグインを自動的にリアルタイムで補正します。つまり、プラグインの数に関係なく、すべての入力をリアルタイムで補正することができます。

“Compensate for Bus-Fed Plug-Ins to Mains & Matrixes “は興味深い問題を解決します。バスを使用するプラグインの最も一般的な用途はリバーブやディレイでしょう。例を挙げて説明しましょう。ボーカルマイクのチャンネルから、Aux1センドがリバーブにルーティングされていて、そのリバーブが別なステレオ・チャンネルに戻ってくるとします。この例では、ボーカルはメインにルーティングされ、リバーブのリターンもメインにルーティングされていますが、実はリバーブのリターンには本来よりも遅れているのです。これがレイテンシーです。空間系の場合は意図的にディレイを追加しているため、エンジニアはリバーブやディレイのレイテンシーをあまり気にしません。しかし、ピッチ、コーラス、サチュレーション、オーバードライブなどの他のエフェクトでは、レイテンシー問題は本当に重要です。この補正オプションを使用すると、エフェクトのリターンとオリジナルのシグナルが互いに完璧なタイムアライメントになることが保証されます。

“Align all Matrixes” は、すべてのマトリックスの出力が互いに完全に揃うようにするオプションです。これは、マトリクスが異なるソースから供給される可能性があるが、それぞれの出力時間が位相を合わせて時間を合わせる必要があるような場合に特に適しています。例えばAUXサブです。PAをMainsから供給されるマトリクスから出力し、サブをAuxから供給されるマトリクスでドライブします。以前のバージョンのVENUEでは、メインPAに使用されているメインやマトリクスにプラグインを追加すると、メインに若干のレイテンシーが追加され、Auxサブのセンドはメインとのタイム・アラインメントがずれることが発生していました。Align all Matrixes “オプションはこの問題を解決し、すべてのマトリックスを最長パスにアラインメントします。

“Align Total Delay on Input Strips” は ADC の “Align All Inputs” 機能に似ていますが、一般的には同時に使用すべきではありません。この機能と “Align All Inputs “との最大の違いは、この機能はアテンションされたチャンネルにのみ影響を与え、全ての入力をアラインメントしないということです。モニター・エンジニアは、特にIEMへのアウトを中心に、常にトータル・レイテンシーを下げようとしています。モニター・エンジニアのワークフローにおいて、最も多くのプラグインを使用している入力に対して、他の全ての入力をディレイすることは必ずしも有益ではありませんが、ベースからの複数の入力やギターアンプに設置された複数のマイクなど、いくつかの入力を限定してアラインメントすることはとても有用です。このディレイのアラインメントでは、チャンネルの “User Delay “エンコーダーを使ってディレイ・タイムを入力しているので、適用されたディレイを目視で確認することができます。アライメントしたいいくつかのチャンネルをアテンションボタンで複数選択し、右クリック(またはロングタッチ)して “Align Total Delay on Input Strips “をクリックするだけです。システムは、プラグインのトータル・レイテンシーが最も長いアテンションされた入力を見つけ、アテンションされたチャンネルに適切なディレイ量を計算して適用し、各チャンネルをアラインメントします。これはワンショット・アクションで、ボタンを押した時点でディレイを計算します。

ビッグ・メーター表示

より大きなメーター・ブリッジを見たいと思っていた方々に朗報です! 任意のチャンネルのメーター・エリアを下にスワイプすると、フル・スクリーンのチャンネル・メーターが表示されるようになりました。これはチャンネルごとに機能し、ショー・ファイルにも保存されます。すべてのメーターを大きくしたい場合は、”Default”を押したまま任意のメーターをドラッグ・ダウンすると、すべてのメーターがビッグ・メーター化されます。各種のメーターの全体という場合、” Default”と”Fine”を押したままドラッグ・ダウンしてください。メーターを小さなビューに戻すには、大きなメーターを上にスワイプするだけです。イベント・メニューでビッグ・メーター化をトリガーすることも可能です。

メーター表示のミュートとソロ表示

どのチャンネルがミュートされているか、またはソロになっているかを見やすくするために、MTS と CTM のメーター・ビューに両方が表示されるようになりました。ミュートされているすべてのチャンネルには薄赤色のオーバーレイが表示され、ソロになっているチャンネルにはチャンネル名の黄色のアウトラインが表示されます。これは、ミュート・グループによるミュートのような明らかなミュートと、ミュートされた VCA マスターなどの間接的なミュートの両方で機能します。

 

ストリップ・エリアの短縮されたチャンネル名

外部ディスプレイのストリップ・エリアは、常に情報とコントロールが密集していましたが、何をしているのかわかりづらいことがありました。以前のリリースでは、チャンネルの色を入れ込む方法がありました、VENUE 7ではその限界に挑戦し、各ストリップのすぐ下にチャンネル名の短縮版を追加しました。これにより、ストリップをドラッグしたり、外部ディスプレイ(またはスタンドアロン・ソフトウェア)上でレイアウトを変更したりする際に、何を見ているのかをより明確に表示することができます。これは、名前の2文字と、短縮された名前を表示する必要がある場合があるソフトウェアの他のすべての場所で使用されているのと同じアルゴリズムに従う2文字です。システムは数字を最優先で表示し、次に大文字(母音が子音より優先)、次に小文字(母音が子音より優先)を表示します。

ストリップ・エリアの短縮されたチャンネル名

グループ・アサイン・ボタンとインジケータの短縮されたチャンネル名

VENUE 7のバスtoバス・ルーティングでは、どこに何をルーティングしているかを知ることがより重要になるため、当然ながらそれをより明確にする方法を見いださなければなりませんでした。Stripsエリアのネーミングと同様に、各入出力のバス・アサイン・エリアには2つの文字が表示され、各バスのユーザー割り当てカラーが表示されます。そこに表示されるだけでなく、これらの短縮された名前と色は、メーター・ビューとチャンネル・ビューのCTMとMTSにも表示されます。

グループ・アサイン・ボタンとインジケータの短縮されたチャンネル名

MLMのステレオ化/モノ化するボタン

システム上で新しいショーをセットアップする際に、コントロール・サーフェスと外部ディスプレイの間を行ったり来たりするのはいつも少し煩わしいものでした。CONFIGモードでは、2つのモノラル・チャンネルを同時選択すると、MLMに “Make Stereo “ボタンが表示されます。また、外部ディスプレイ上のマルチセレクト・ダイアログにも “Make Stereo “ボタンが表示されます。さらに、CONFIGモードでは、任意のステレオ・チャンネルを選択すると、MLMに “Make Mono “ボタンが表示され、もう右クリックして選択する必要はありません。

MLMのステレオ化/モノ化するボタン

アクティブ・イベントを示すダイアログ

この機能は、ショー・ファイルが保存された時のままであることを確認することを目的としています。VENUEソフトウェアの以前のバージョンでは、イベント・メニューは非常に複雑で驚くべきワークフローを可能にしていましたが、制限がありました。ショー・ファイルを保存したときに、実際にイベントがアクティブになっている場合があったとしても、システムはこれを記憶していませんでした。VENUE 7はこの問題を解決します。トリガー条件が満たされたことに基づいてアクティブにすべきイベントを持つレガシー・ショー・ファイルをロードすると、それらをアクティブにするかどうかを尋ね、自動的にアクティブにします。さらに、VENUE 7ファイルを再度ロードする際に、保存された時のイベント条件を記憶し、適切なイベントをアクティブにするように、アクティブなイベントの状態を保存します。

アクティブ・イベントを示すダイアログ

リストアとアクティベーション手順を改善

エンジンリストアの手順はいつも少し面倒だったので、少しでもシンプルにするために本格的に取り組みました。VENUE 7では、いつものようにEngine Restoreキーを作成し、エンジンに挿し、キーボードを接続し、F10を約30秒間押しながら電源を入れます。もうマウスやディスプレイ、あるいは手動での操作は必要なく、エンジンが残りの部分を整理して再起動します。完了すると、前面のLEDが点灯します。次にエンジンをVENUE 7にアップデート済みのコンソールに接続すると、コンソールからエンジンのアクティベーション手順が実行されます。コンソールは、エンジンのECxポートをインターネットに接続するように要求しますので、すべてのアクティベーションを自動的に行うか、またはエンジン上でWindowsとRTXをアクティベートするためのいくつかの簡単な手順を案内されます。アクティベーションが完了したら、すべての電源を入れて、VENUE 7をご使用ください。

 

ソフトウェア上でシステムIDとシリアル番号を確認が可能に

S6Lシステムの各コンポーネントにはシリアル・ナンバーとシステムIDがあり、Avidでは顧客のサポートを提供する際にもこの情報を使用しています。VENUE 7でシステムを初めて起動すると、シリアル番号が入力されていないコンポーネントがあることがシステムに通知され、各デバイスのシリアルとシステムIDフィールドがあるデバイス・ページに移動します。この情報をデバイスに入力すると、その情報はその後のすべてのアップデートやリストアの間、そのデバイスに紐づいて保存されます。このデバイス情報は、必要に応じてログにもエクスポートされます。また、サポートとの電話で情報が必要になった場合に、システム ID とシリアルを簡単に表示することができます。

ソフトウェア上でシステムIDとシリアル番号を確認が可能に

統合システム・ガイド、トラブル・シューティング・ガイド、ソフトウェア・ハンドブック

アップデートされたシステムを初めて起動すると、”What’s New “ガイドが右に開きますので、システムの他の部分がアップデートされている間に新機能について読むことができます。 ガイドはこれだけではありません。S6L システムのために存在するほとんどすべてのガイドがソフトウェアに含まれているので、システムについて調べたいことがある場合は、オンラインでそれらを検索する必要はありません。さらに、現場のエンジニアの問題解決を支援するために、新しいトラブル・シューティング・ガイドも追加されました。

 

今回のリリースには、バスtoバス・ルーティング、ポスト・フェーダー・インサート、包括的な遅延補正、全入力のHEAT、全チャンネルのパラレル・ダイナミクスとEQ、Milanの認定サポートなどの大規模な機能が搭載されています。VENUE 7は、これまでにリリースしたVENUEの中で最大のアップデートであり、可能な限り多くのユーザーの要望が詰め込まれています。VENUEリリースの中で最も低いシステム・レイテンシーを実現するための新機能、安定性の改善、大規模な最適化などが盛り込まれたVENUE 7は、安定性、機能性、技術的機能においてS6Lシステムを前進させるものとなっています。

VENUE 7は、S6Lシステムをお持ちで、有効なAvid Advantage Elite Liveサポート契約をお持ちの方は、無料でダウンロードできます。—インストラーは Avid Account よりご利用いただけます。

VENUE | S6L

ライブサウンドの次なる進化 ― 賞に輝くVENUE | S6L なら、世界で最も要求の厳しいライブサウンド・プロダクションも簡単に扱うことができます。




Avid VENUE 7 登場!

パワーとパフォーマンスを大きく飛躍!

 

Avid VENUE7は、 Avid VENUE | S6Lシステム 対応の、最新そして最大規模となったソフトウェア / ファームウェアです。

ライブサウンド製品国内ディストリビューター 株式会社オーディオブレインズと共催で開催したウェビナーにて、数多くのVENUE7新機能やそれによって実現可能となるワークフローについてご説明しています。

12月10日(木)に開催されたVENUE 7ウェビナーをぜひご覧ください!

 

【主な内容】

  • シグナル・フロー強化:ポスト・フェーダー・インサート、バス to バス・ルーティング、プラグイン・スロット増強、マイナス・ワン等、VENUE 7で実現した新しいシグナル・フローを解説
  • プロセッシング強化:全アウトプット・プロセッシング・チャンネルに加わった新しいGEQ/HPF/LPF、そして全インプット・プロセッシング・チャンネルで使用可能となったHEATを紹介
  • 3つのS6Lシステム間の I/Oシェアリング:リダンダント・スター・ネットワーク内でAvidトゥルー・ゲイン・テクノロジーを駆使したAVBネットワーク上で、3台のS6Lシステムを使用して I/Oシェアリングを行う設定を解説
  • インプット・ディレイ・アライメント: S6Lに包括的な遅延補正機能が搭載されました。FOH及びモニター・ワークフローの中での活用方法を説明
  • Milan AVB 対応と新しいMLN-192 オプション・カード:Milanは、多機器間のコミュニケーションをより安定的に行えるAVBをベースにしたプロフェッショナル・メディア用ネットワーク・プロトコルです。L-Acoustics, d&b, Meyer, Adamsonといったオーディオ業界のリーディング・カンパニーからのソリューションとダイレクトに接続することが可能となった新しいMLN-192オプション・カードを、数多くのAVB関連機器やオプションを含めて紹介

ウェビナーを見る

ライブサウンド経験豊富なRobb AllanとRobert Scovillが、3つのネットワークシステム間のI/O共有、Milan AVBサポート、広範囲の遅延補正入力、Bus間ルーティング、その他多数のミキシング、プロセッシング、およびシグナルフローの機能強化など、VENUE7の新機能とワークフローについてご説明しています。こちらも、併せてご覧ください。(英語)

VENUE7が、S6Lを世界で最も強力なライブサウンドプラットフォームにするかをご覧いただけます。

VENUE 7: Milan AVB サポート

S6L向けの新しい二方向性のMLN-192Milanオプションカードを使用して、L-Acoustics、d&b、Meyer、Adamsonなどの主要なオーディオメーカーのMilan AVBを介して、直接ソリューションに接続する方法をご説明します。

VENUE 7: 遅延補正入力

FOHおよびMONワークフローの両方を含む、S6Lシステムを最適化するために、VENUE 7で現在利用可能なすべての新しい補正方法をご覧ください。

VENUE 7:プロセッシングとシグナルフローの強化

ポストフェーダーインサート、Bus to Busルーティング、すべてのシステムでのプラグインスロットの増加、マトリックス経由のミックスマイナスなど、VENUE7の新しいシグナルフロー強化アップデートについてご説明します。

VENUE 7: プロセッシング強化

すべての入力プロセッシング・チャネルで利用できる新しいHEAT処理、すべての出力プロセッシング・チャネルへ追加された新しいGEQ / HPF / LPF、新しいBig Meters Viewなどをご覧ください。

VENUE 7: 3台のS6Lシステム間でのI/Oシェアリング

余剰のスターネットワークで、AvidのTrueGainテクノロジーを使用して、AVBネットワーク全体で3台のS6Lシステム間でのI/Oシェアリングを構成・使用する方法をご説明します。

Monitor Engineer Workflows—April 23, 2020

S6L Unified Platform—May 6, 2020

FOH Engineer Panel—May 13, 2020

What's New in S6L—May 20, 2020

Theatre Sound Design—May 27, 2020

S6L Custom Layouts—June 3, 2020

Demystifying Loudness—June 10, 2020

Groups, VCA’s, and Matrixes in S6L—June 17, 2020

Networking Demystified—June 24, 2020

Using S6L Snapshots—July 8, 2020

Mixing Orchestras & Broadcast—July 22, 2020

S6L Dual Operator Workflows—August 5, 2020

Exploring S6L Connection Schemes—September 16, 2020

Demystifying Immersive Audio—September 23, 2020

VENUE | S6Lを発見

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Avid VENUE | S6L 導入事例 #04:吹田市文化会館 メイシアター

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大阪・吹田市のメイシアター(正式名称:吹田市文化会館)は、1985年に開館した多目的ホールです。同じ建物内に大ホール(1,382席)、中ホール(492~622席)、小ホール(153席)という3つのホールを擁し、レセプション・ホールやリハーサル室、練習室、会議室なども併設。阪急吹田駅から徒歩1分という立地の良さもあり、その稼働率は実に8割以上を誇ります。同ホールの運営管理を行う吹田市文化振興事業団の前川幸豊氏によれば、稼働率が高い市民ホールとして、全国から視察に来ることもあるといいます。

 

「利用料金が比較的安く、大ホールと中ホールに関しては、音響スタッフ2名、照明スタッフ2名、舞台スタッフ2名が常駐していることも稼働率の高さに繋がっているのではないかと思います。講演会で急に生演奏が入るようなことになっても、常駐スタッフだけで対応できますからね。3つのホールは、すべて多目的ホールではあるのですが、大ホールは残響を生かしたコンサートやオペラ、中ホールは演劇やミュージカルのほか、能や狂言といった古典芸能で使われることもあります。少し特殊なのが小ホールで、舞台は開館当時ブームだった人形劇を想定した造りになっているのですが、最近はシャンソンのコンサートで使われることが多く、ちょっとしたシャンソンのメッカになっているんです」(前川氏)

大阪・吹田市の吹田市文化会館『メイシアター』

1,382席の大ホール

そんなメイシアターは昨年から今年にかけて、大規模なリニューアル工事を実施。2018年の大阪府北部地震で被害を受けた大ホールを復旧するとともに、すべての施設の改修工事が行われ、今後10年を見据えた新しい市民ホールへと生まれ変わりました。もちろん音響システムも更新され、大ホールと中ホールには新しいコンソールとしてAvid VENUE | S6Lを設置。また、スピーカーやパワー・アンプなども最新鋭の機材で固められました。前川氏によれば、“音響特性の均一化”が新システムの大きなコンセプトだったといいます。

 

「以前はカラム室の中にスピーカーがあり、プロセニアム・スピーカーはシーリング内に吊り下げていたので、どうしても音の明瞭度の高い場所と聴き取りづらい場所の格差があったんです。ですので今回のリニューアルでは、音響特性をできるだけ均一にしたいと考え、プロセニアム・スピーカーを露出型で設置することにしました。また、電源周りもCEE-Formとパワコンによって200Vにも対応するなど、音響面での“基礎体力”を全面的に向上させています」(前川氏)

 

大ホールの調整室に設置されたVENUE | S6L-24D

後方のラックにマウントされたStage 32とVENUE | E6L-144

大ホールと中ホールに導入されたVENUE | S6Lの仕様はほぼ同一で、サーフェースはVENUE | S6L-24D、ミックス・エンジンはVENUE | E6L-144、ステージ・ボックスはStage 64とStage 32という構成。今回のリニューアルでホール内のデジタル回線は完全にDante/AVB対応になり、VENUE | E6L-144とパワー・アンプ/プロセッサー類はすべてDanteで接続されています。

 

「VENUE | S6Lに関しては、大阪で行われている展示会『サウンドフェスタ』で実機を見て、すごく好印象だったんです。こういう市民ホールにVENUE | S6Lのような最新鋭のコンソールがあるというのはおもしろいんじゃないかなと思い、導入を決めました。お世話になっている滋賀県立芸術劇場 びわ湖ホールさんにVENUE | Profileが入っていて、国内ホールでの実績があったというのも大きかったですね」(前川氏)

 

吹田市文化振興事業団の谷尾敏氏は、これまでもAvidのライブ・コンソールの使用経験があり、マン・マシン・インターフェースとなるVENUE Softwareを高く評価していたと語ります。

492~622席の中ホール

中ホールの調整室に設置されたVENUE | S6L-24D

「私は大阪・梅田のサンケイホールブリーゼでVENUE | Profileを使っていたことがあるのですが、VENUE Softwareは使い勝手が良く、非常に完成度の高いソフトウェアなんです。ソフトウェアの柔軟性によって、いろいろな使い方に対応できるというのは素晴らしいですよね」(谷尾氏)

 

大阪・北摂エリアを代表する市民ホールに常設卓として導入されたVENUE | S6L。コロナの影響もあり、本格運用はこれからとのことですが、前川氏・谷尾氏ともにそのサウンドと機能には非常に満足していると語ります。

 

「VENUE | Profileは、良くも悪くも“Profileの音”になってしまう印象があったのですが、新しいVENUE | S6Lはクセがなくなったというか、良い意味で普通の音になった感じがします。サーフェースの操作感も、スイッチ類が増えて格段に良くなりました。導入工事が終わったばかりで、まだ使い方を模索している段階なのですが、これから使いこなしていきたいと思っています」(谷尾氏)

 

「今回のリニューアルの音響面での目標だった“音響特性の均一化”はしっかり実現できたのではないかと思います。当館のような市民ホールは、ライブ・ハウスなどと比べるとイベント内容が地味というイメージがあるのか、若いスタッフがなかなか入ってきてくれません。VENUE | S6Lのような夢のある機材があるということをアピールして、若いスタッフを増やしていきたいですね」(前川氏)

写真手前左から、メイシアターの運営管理を行う公益財団法人吹田市文化振興事業団 舞台管理課長代理の前川幸豊氏、同じく舞台管理課の谷尾敏氏、写真後方左から、音響機器の納入を担当したジャトー株式会社の松尾茂氏、システム・プランニングを担当したROCK ON PROの森本憲志氏

吹田市文化会館 メイシアター

http://www.maytheater.jp/

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VENUE 6.3ソフトウェアリリース!

2020年最初のソフトウェアリリースであるVENUE 6.3には、信じられないほど便利な新機能や200以上のバグフィックスを含むアップデートが満載です。このリリースでは、可能な限り安定した信頼性の高いプラットフォームを確保するために、システムの様々な側面を最適化しながら、多くのユーザーの問題に対処しています。大きな変更点の一つは、一般的なシステム構成です。イーサネットAVBネットワーク・スイッチがVENUE 6.3でサポートされるようになり、ユーザーはより柔軟な方法でシステムを構成できるようになりました。Avid VENUE | S6Lは、d&b audiotechnik、FLUX::、L-Acousticsのイマーシブ・オーディオ・プラグインを公式にサポートしています。

VENUE 6.3の新機能とワークフローは以下の通りです。

  • Luminexのネットワスイッチがスター型接の構成に対応:エンジンとStage Rackの接続に、認定ネットワーク・スイッチを使用できるようになり、様々な場所でのステージ機器との構成が容易になりました。
  • イマシブプラグインのサポト:d&b audiotechnik、FLUX:: 、L-Acousticsなどのイマーシブ・オーディオ・エンジンをコンソールから直接操作可能。
  • MLM上のスナップショット操作の改善:MLM自体にビューの親子スナップショットを表示し、さらに簡単にビューを展開、折りたたみが可能。
  • 選択肢のある外部ディスプレイの位置:マウスで操作する際に使いやすいように外部ディスプレイの位置を選択可能。
  • 外部GUIとスタンドアロンソフトェアで集可能なテキストフィルドEQとDynamicsへの数値入力が可能。
  • プリフェAUXセンドのゲインを推測し補フェーダーポジションによるゲインの変化を補正するだけでなく、プリフェードAUXセンドも補正するようになりました。
  • コンソール・ウィンドウ・アクティベーションの改善:ウィンドウのアクティベーション、日付と時刻の設定が、コンソールをインターネットに接続するだけで自動的に管理されるようになりました。
  • ログ機能の改善:エラー解析のためのより詳細なログ情報により、診断機能が向上しました。
  • 200以上のバグ修正

Luminex GigaCore 10

Luminex GigaCore 26i

Luminexのネットワーク・スイッチがスター型接続の構成に対応

以前のバージョンのVENUEでは複雑な設定が可能でしたが、複数の異なる部屋にStageRackがあったり、ステージが股がっていたりする場合、リング型構成の配線が複雑になることがありました。アクセスしやすい場所にネットワーク・スイッチを設置すれば、AポートはAスイッチに、BポートはBスイッチに接続するといった、各StageRackに一対のケーブルを送リ出すだけで、完全な冗長性を実現しました。Luminex GigaCoreスイッチはすべて動作しますが、Luminex GigaCore 10および26iスイッチは、S6Lシステムで使用するために、何千時間ものテストを行い、完全に認証されています。 これらのスイッチは、イーサネットと光ファイバーの両方の接続オプションを提供しており、S6L環境にシームレスかつ容易に統合することができます。ネットワーク・スイッチを使用してシステムを構成する際には、Avidアカウントで提供されているLuminexスイッチ・セットアップ・ガイドを必ずお読みください。

一般的な構成のいくつかの例:

Stage 64とStage 16を含むS6Lシステム1式で、スイッチを使用したスター型接続の構成

Stage 64とStage 16を含むS6Lシステム2式で、I/Oを共有する スイッチを使用したスター型接続の構成

イマーシブ・プラグインのサポート

ライブサウンドでイマーシブが一般的になるにつれ、コンソールでのコントロールが次なる段階となりました。d&b audiotechnikのSoundscape、FLUX::Spat Revolution、L-Aoustics L-ISAのプラグインを使用することで、S6Lコンソールから直接イマーシブ・オブジェクトをコントロールすることができます。エンジニアは空間フィールド内のオブジェクトをリアルタイムに動かすことができるだけでなく、スナップショットを使ってイマーシブ・オブジェクトの位置をコントロールすることもできます。S6LをECxポート経由でお好みのイマーシブ・オーディオ・エンジンに接続し、各プラグインにコントロールするオブジェクトを割り当てれば、サーフェスからのコントロールが可能になります。各プラグインはそれぞれのイマーシブ・エンジンに最適化されていますが、すべてのインストールと実行は、S6Lコンソールから同じ方法で行われます。

VENUEプラグイン・ラック上で動作しているd&b Soundscapeプラグイン

MLMのスナップショット・コントロールの改善

親/子スナップショットの導入により、エンジニアが使用するオートメーションはより複雑になっています。 MLMでは、これを視覚的に単純化するために、MLMのエンコーダの機能が少し変更され、スナップショット・リストをスクロールしてスナップショットを選択したり、ターゲットにしたりできるようになりました。エンコーダは、スナップショット・ページに表示されているのと同じようにリストをスクロールして、折りたたまれた親の子スナップショットを隠すようになりました。親スナップショットまたは子スナップショットが選択されている場合、エンコーダを押すとリスト・ビューが拡大または縮小されます。たとえば、折りたたまれた親が選択されている場合、MLM スナップショット・エンコーダを押すと、その親が展開されます。同様に、子(または拡張された親)スナップショットが選択されている場合、エンコーダを押すと、親が折りたたまれます。

MLMのスナップショット・エンコーダーで表示する親子スナップショット

選択肢のある外部ディスプレイ位置

システムをセットアップする際、外部ディスプレイの配置には多くの選択肢があります。一部のユーザーは外部ディスプレイを左側に、一部のユーザーは右側に配置し、S6L-16C および S6L-24C サーフェスの場合、多くのユーザーはディスプレイをコンソールの上に配置します。マスター・タッチ・スクリーンの設定で、ソフトウェア内で外部ディスプレイの位置を変更するオプションが提供されるようになりました。これにより、ユーザーはマスター・タッチ・スクリーンと外部ディスプレイの間を、画面位置通りの方向にマウスで移動することができます。このオプションはソフトウェアの再起動が必要で、ショー ファイルではなくコンソール自体に保存されます。これはおそらく、ユーザーからの新機能に対する要望のトップ 3 に入っていたのではないでしょうか。

マスター・タッチ・スクリーン中の外部ディスプレイ位置の設定

外部GUIとスタンドアロン・ソフトウェアで編集可能なテキスト・フィールド

この機能もユーザーから長らく要望のあった機能です。EQ とダイナミクスに値を入力したい場合、テキストエリアをクリックまたはタッチして簡単に数値を入力できるようになりました。さらに、6.3では、EQのタイプを上下のバンドのBellからShelfに変更するボタンが追加され、コンソールだけでなく外部ディスプレイでも編集できるようになりました。

外部ディスプレイ上でのPEQの編集可能なテキスト・フィールド

プリフェードAUXセンドのゲインを推測し補正

VENUEには10年以上前からゲイン補正の機能Gain Guessが搭載されていましたが、機能の改善に遅すぎるということはありません。Gain Guessは常に入力信号のゲインを最適化することができ、そのゲインを適用すると、チャンネルから出力される信号レベルが同じかそれ以下になるようにフェーダーの値が自動的に調整されていました。Gain Guess のアップデートにより、フェーダーは両方向に補正されるようになりました。つまり、Gain Guess によって信号のゲインが減少した場合、チャンネルのフェーダーは上昇し、出力信号のレベルを同一に保つようになります。この場合、ポストフェードのAUXセンドはフェーダーが動くため、適切に補正されます。しかし、Gain Guessはフェーダーの位置によるゲインの変化を補正するだけでなく、プリフェード Auxセンドも補正するようになったので、Gain Guessを適用しても送信されるレベルが変わらないように、ゲインの変化をプリフェードAuxセンドに適用します。

コンソール・ウィンドウ・アクティベーションの改善

新規ユーザーやシステムを更新するユーザーのリストアを簡素化するために、システムをアクティベートする手順の一部が自動化されました。Windowsのアクティベーションや、日付や時刻の設定も自動で管理されるようになりました。システムはECxポートをインターネットに接続するように要求しますが、インターネットが利用できない場合や、このステップをスキップしたい場合は、ユーザーはいつでも「あとで」を押すことでスキップすることができます。

ログ機能の改善

サポートチームも開発チームも、現場での問題の診断に役立つログをいつも必要としています。 ログを改善することで、サポートチームは問題をより深く分析し、問題をより早く解決することができます。また、ログを拡張することで、ソフトウェアチームは、現場からのより詳細な情報を使用して、リリースごとに信頼性を向上させることが容易になります。

FLUX::Immersive Spat Revolutionと統合されたS6L(都内Artware hub)

ネットワーク・スイッチを使ったスター型の構成がVENUE 6.3で最も大きな注目を集めているのは明らかですが、今回のリリースでは、お客様からの要望に加え、多くの最適化や修正が行われています。これらの要望をすべて満たすには時間がかかりますが、私たちはリリースごとにそれらを捉え、すべてのリリースは、安定性、機能性、技術的な機能においてS6Lシステムを前進させています。ぜひ、皆様からのご意見やご提案をお寄せください。

VENUE 6.3は、S6Lシステムと有効なAvid Advantage Elite Liveサポート契約をお持ちの方は Avid アカウントより無料でダウンロードできます。

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