あなたにとって、最適なDolby Atmos® ソフトウェアとは?

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Dolby社のDavid Gould氏が、Dolby Atmosでのミキシングを開始するために必要なレンダラー・アプリケーションの詳細を説明してくれました。

多くのプレゼンテーションで、Dolby Atmos Rendererについて、そしてDolby Atmosミキシング・セットアップで、それがどのようにブレインとなるかについて、私や他の人からの話を聞くことができます。 また、”レンダラー・アプリケーション”、”Dolby Atmos Production Suite”、”Dolby Atmos Mastering Suite”、”RMU” (Rendering and Mastering Unit)についても話しています。この記事では、これらは一体何なのか、Dolby Atmosで作業を始めるために何が必要なのかを明確にしていきたいと思います。

 

Dolby Atmos RendererアプリケーションなくしてDolby Atmosはあり得ません。

Renderer アプリケーションは、すべての Dolby Atmos マジックが起こる場です。ベッドまたはオブジェクトのいずれかに使用可能な128の入力があり(その違いについては後ほど説明します)、Dolby Atmosレンダリング技術を使用してDolby Atmosミックスをスピーカー、ヘッドフォン、マスター・ファイルに出力し、エンコーディングすることができます。Rendererアプリケーションを実行するハードウェアや、オーディオの入出力をどのように接続するかは、クリエイティブやワークフローのニーズに大きく左右されます。

小さく始めて大きく成長

Dolby Atmosミキシングの素晴らしいところは、非常に手頃な価格で始められることです。Dolby Atmos Rendererアプリケーションは、Dolby Atmos Production Suite (DAPS)と呼ばれる製品の一部として、Avid ストア から直接購入することができます。この” Suite”には、Dolby Audio Bridgeも含まれています。これは、Pro Toolsがレンダラーにオーディオを送信するための仮想コア・オーディオ・デバイスです。 これをPro Tools | Ultimateと組み合わせることで、Dolby Atmosの没入感あふれる世界に足を踏み入れるために必要なすべてのものが得られます。レンダラーをダウンロードしてインストールし、周辺機器を介してPro Toolsからの接続を有効にし、付属のDolby Audio Bridgeテンプレートとi/oファイルのいずれかをロードすれば準備完了です。テンプレートにオーディオをインポートし、レンダラーでヘッドフォン出力をバイノーラルに設定し、Pro Toolsサラウンド・パンナー(または自由に利用できるDolby Atmos Music Panner、詳細は後述)でDolby Audio Bridgeを介してレンダラーにオーディオを出力すると、最初のDolby Atmosミックスを聴くことができます!

ここで「ミックス」というのはちょっと大げさかもしれませんが、セッションにオーディオを追加して、数年前から完成させたいと思っていたあの曲のミックスをインポートして、パンニングを始めるだけというのがお分かりいただけたと思います。

 

ベッドとオブジェクト

先に述べたように、Renderer アプリケーションへの入力は、ベッドやオブジェクトとして割り当てることができます。5.1オーディオのコンセプトに精通している大きなサウンド・ステージの劇場映画のミキサー、あるいは自宅でNetflixを5.1サラウンドで視聴している方(あるいはその中間の方)であれば、ベッドのコンセプトはお馴染みでしょう。Dolby Atmosでは、最大7.1.2までのベッド幅をサポートしています(7つのサラウンド・チャンネル、1つのLFEチャンネル、2つのオーバーヘッド・チャンネル(頭上の左右のチャンネルは、オーバーヘッド・スピーカーの数に応じて広がります)。 しかし、オブジェクトとは、部屋のどこにでもピンポイントで配置できるオーディオ・ソースであり、メタ・データを使用して、そのオーディオを再生すべき場所に記録します。 オーディオ・オブジェクトの知覚サイズをコントロールする機能もあり、サウンドをさらにコントロールすることができます。レンダラーの入力のデフォルト設定は、7.1.2のベッド1つと118個のオーディオ・オブジェクトです。しかし、これはお好みの方法で設定することができ、何をベッドとするか、オブジェクトとするか、何個のベッドを使用するかは、あなた次第です。

サラウンドのための接続

視聴者がヘッドフォンをつけたまま音楽を聴いたり、映画を観たりすることはほとんどないので、Dolby Atmosミックスを行う部屋にはスピーカーを追加すると良いでしょう。部屋のサイズと予算に応じて5.1.4、7.1.4、または9.1.6を含む様々な構成で設定することができますが、傾向として7.1.4がDolby Atmosニア・フィールド・ミキシング・ルームのための最も一般的な構成です。Dolby Atmosオーディオ・オブジェクトの素晴らしさは、9.1.6の部屋に配置されたオブジェクトが、5.1.4の部屋で聴き返したとき、あるいはその中間の部屋で聴き返したときに、可能な限り正確に再現されるという確信を持てることです。もちろんスピーカーを追加するということは、接続を追加することであり、ハードウェアの追加が重要です。どんなマルチ・チャンネルの外部ハードウェアでも、スピーカーへ供給出来る10出力系統以上あれば何を使っても構いません。Dolby Atmos Production Suite を使用している場合、Avid Pro Tools | MTRX Studioが最適な選択肢となります。スピーカー・チューニングを内蔵しているため、優れたルーム・チューニングの恩恵を簡単に受けることができます。Rendererソフトウェアでルーム・セットアップを物理的な設定に合わせて調整するだけで、ミキシングを開始できます。

 

パワー・オン・デマンド

Netflixにミックスを出すために必要なのは、簡単なイン・ザ・ボックスのセットアップだけですか?そうです。しかしご存じのように、すべてのソースオーディオ、Dolby Atmosベッドとオブジェクト、128チャンネルのオーディオを出力(およびその後のレコーディング)するプラグインを使用した大規模なPro Toolsセッションでは、非常にパワーを要します。そして、この同じシステム上でレンダラーを実行していると、少し助けが必要になることがあります。そこでDolby Atmos Mastering Suiteの登場です。このソフトウェア・スイートには、レンダラー・アプリケーションを別のMacまたはWindowsマシン(業界ではレンダリングおよびマスタリング・ワークステーションまたはRMUとも呼ばれています)で実行する機能が含まれています。ソフトウェアは、付属のDolby Atmos Renderer Remoteアプリケーションでローカルに制御され、メイン・ワークステーションからフル・コントロールできますが、レンダリング処理はすべて別のマシンにオフロードされているため、メイン・ワークステーションはPro Toolsの実行に集中することができます。オーディオ接続はMADIまたはDante経由で行うことができるため、Mastering Suiteを使用している場合も、Avid Pro Tools | MTRX はPro Toolsからレンダリングおよびマスタリング・ワークステーションへの接続に最適な選択肢となります。フル128チャンネルのMADIまたはDanteシステムでは、Pro Toolsシステムへのライブ・リレンダー・レコーディングも可能で、リクエストされたすべてのステムやM&Eの成果物を1回のレコーディング・パスで配信することができます。このセットアップには、より複雑なミキシング・ワークフローのためのマルチシステム・ソース/レコーディング・ワークフローをサポートする機能も含まれており、より大きなミックス・ルームを構築する必要がある場合のスピーカー・アレイ処理もサポートしています。Dolby Atmos Mastering Suiteと最小スペックのハードウェアは、お近くのDolby Atmos販売店でご購入いただけます (販売店のリストはこちらから)

comDolby Atmos Production SuiteDolby Atmos Mastering Suiteの機能を比較したチャート をご覧ください。

 

その他のソフトウェア

他にも、ワークフローに応じて参考になりそうなソフトが2つ、フリーで公開されています。 まず、Dolby Atmos Conversion Toolは、様々なマスター・ファイル・フォーマット間のファイル変換、基本的な編集機能(トッピング/テーリングなど)、フレームレート変換を行うことができるフリーのユーティリティ・ソフトウェアです。こちらからダウンロードできます(変換ツールのエキサイティングなアップデートにご注目ください。) 2つ目はDolby Atmos Music Pannerプラグインで、こちらから無料でダウンロードできます。Music Pannerは、音楽制作ワークフローでオブジェクトをパンするために特別に設計されており、テンポに同期したダイナミックなパン・シーケンスやポジションを簡単に作成でき、究極の柔軟性を実現するためにPro Tools | Ultimateサラウンド・パンナーと併用することができます。

You’re ready to mix!

Dolby Atmosに関する多くの専門用語の説明によって、より身近なものになったと思います。あなたの想像力だけが頼りです – すぐに始めたい場合は、ここからDolby Atmos Production Suiteのフル機能のトライアル版をダウンロードすることができます。また、Dolby KnowledgeBaseフォーラムでは、より多くのサポートや情報を得ることができます。

音を動かす

Dolby Atmosは、音を体験する方法を変革しています。Pro Toolsは、クリエイティブの手法を変革しています。イマーシブ・ミキシング向けの最も強力なエンド・ツー・エンドのツールをご体感ください。

David Gould Director of Audio Content Solutions at Dolby