Facebook 360 Spatial WorkstationとPro Tools | HD 12.8.2

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360°の仮想現実(VR)、複合現実(MR)、拡張現実(AR)体験の高まりに伴い、最先端のコンテンツを提供し、それらにふさわしい臨場感を維持または増幅するためには、イマーシブかつダイナミックで反応性の高い空間音響が不可欠です。FacebookやYouTube等のストリーミング動画プラットフォームは、既に空間音響の再生に対応しています。また、過去数年間で、ツールやプラグインの開発者の数多くが、かようなミックスを簡単に制作するために必要なツールをサウンドデザイナーに供給しています。

空間音響は、VRまたは360°動画体験においてユーザーを完全没入させ、リアリズムを加えてユーザーを惹きつけるパワフルな手段です。オーディオ・キューは、ユーザーの注意を惹くことができますが、空間音響では、ユーザーが聴くものと、見て経験するものが一致します。現実的に、あらゆる方向からオーディオ・キューを発してユーザーを惹きこみ、驚異的なVR体験を提供します。

空間音響とは?

バーチャルリアリティでの空間音響は、音声信号を操作して、実世界の音響動作を模倣します。臨場感を完璧に再現するメカニズムとしてだけでなく、極めて効率的なインターフェイスとしても機能します。オーディオ・キューは、物語の様々な焦点に注意を集めたり、例えば、360度動画の特定部分にユーザーを誘導することができます。

ユーザーは、標準的なヘッドフォンを使って、空間音響を体験することができます。特別なスピーカーやハードウェア、マルチチャンネルのヘッドフォンなどへの投資は必要ありません。

Facebookでの空間音響例をお試しください。ヘッドフォンをお忘れなく!

Pro Tools | HD + Facebook 360 Spatial Workstation

Pro Tools | HD 12.8.2には、Facebook 360 Spatial Workstationプラグインが含まれているため、ダイナミックでイマーシブな空間音響ミックスをPro Tools | HD内で作成することができます。また、12.8.2は、イマーシブ・オーディオでの作業に柔軟性を加えるAmbisonics(4、9、16チャンネルのトラックおよびバス)にも対応します。Ambisonicsは、空間の特定地点周囲に球状の3D音場を作成、キャプチャ、レンダリングする技術です。球状の音場全体が可聴であり、聴取者の頭の回転の変化に応答することを除けば、概念的に360度動画と似ています。Ambisonic音場へレンダリングする方法は数多くありますが、いずれもバイノーラル・ステレオ出力へデコードして、ユーザーが標準的なヘッドフォンで空間音響エフェクトを知覚できるようにします。

Ambisonicオーディオは、チャンネル構成をN次に設定できます。高次の音質で知覚できる差異には限界がありますが、チャンネル数が多ければ多いほど、空間精度は上がります。オリジナル信号のエンコードに使用されたチャンネル数に関係なく、デコードされるバイノーラル音声出力は、常に2チャンネルです。デコードされた出力ストリームのコンテンツは、聴取者の頭の動きに従って移動し、変化して3D空間エフェクトを実現します。

今回のアップデート以前、サードパーティ製プラグインは、Pro Tools | HDで動作しましたが、8チャンネル制限を回避するには、様々な方法を実行しなければなりませんでした。Ambonicsオーディオ、トラックおよびバスをネイティブサポートする新たなアップデートにより、ワークフローはこれ以上なく容易になります。

 

Facebook 360 Spatial Workstation

Facebook 360 Spatial Workstation は、エンド・ツー・エンドのパイプラインです。音響デザイナーは、音源にドロップ、シーン要素にパンおよびシンク、単一のAmbisonicファイルにレンダリングしてFacebook、Oculus Videoやその他のプラットフォームで再生することができます。Two Big Earsが開発したFacebook 360 Spatial Workstationは、FacebookのAudio 360チームが提供するフリー・ツールです。

Facebook 360 Spatial Workstationは、Spatialiser、360 VR Video Player、Encoder、レンダリングSDKをはじめとする様々なプラグインを含む DAW用プラグイン集です。これらのプラグインにより、制作者は、空間音響コンテンツを作成、配置、プラットフォーム用メタデータ(Facebook用、YouTube用等)を付けてエンコードして、公開することができます。

コンテンツ作成

Facebook 360 Spatial Workstationは、360度動画のインタラクティブな空間ミックス作成用プラグイン集です。

Spatialiser pluプラグインにより、音響デザイナーは、空間に音源を配置することができます。音源は、モノラル、Ambisonic録音、サラウンド録音やリバーブ等のマルチチャンネルのいずれも可能です。モノラル以外の音源は、「ベッド」の役割を果たします。一方で、セリフやサウンド・エフェクト等のダイエジェティック・モノラル音源は、通常、シーンに配置されます。ナレーションやBGM等のノンダイエジェティック・オーディオは、ユーザーが見回しても回転しないヘッドロックされたステレオ・バスにルーティングされます。

Control プラグインは、全オーディオのルーティングを制御するコマンド・センターとして機能し、ヘッドフォンを通したリアルタイムのバイノーラル再生を実行します。このプラグインは、アーリーリフレクション・モデリングやミックス・フォーカス等の機能のグローバル設定も管理します。

DAWタイムラインのスレーブ化する360 Video Player により、音響デザイナーは、リアルタイムで360度動画とミックスを一緒に、VRまたはデスクトップでプレビューすることができます。デスクトップモードでは、キーボードやマウスを使って、動画を回転できます。すぐさま、音場も回転して、オーサリング段階で即時フィードバックを提供します。

Converter プラグインは、作成されたミックスを回転する、または4チャンネルambiX等の他のフォーマットに出力できるユーティリティです。

Loudness メーターは、空間ミックス全体のラウドネスの概要を提供します。空間ミックスのラウドネスは、従来のチャンネルベース・フォーマットとは大きく異なります。360度動画の空間音響は、遥かに複雑です。このメーターは、ターゲット機器での再生時に、最終的な公開コンテンツの歪みを回避する有益なデータを提供します。

再生に対応するプラットフォーム

  1. デスクトップ(Chromeブラウザ)およびモバイルアプリでのFacebook
  2. Gear VRおよびRiftでのOculus Video
  3. .tbeフォーマット:レンダリングSDK付きアプリ
  4. YouTube 360
  5. Ambisonicsまたはクワッドをサポートするその他プラットフォーム。これらのプラットフォームには、準備するアセットの具体的な指示があるのでご注意ください。

さらに詳しく

以下は、Facebook 360 Spatial Workstation入門用の主要リソースです。

Pro Toolsで成功を手に

映画・テレビ用の音楽やサウンドを作成し、世界中のアーティスト、プロデューサー、ミキサーのプレミア・ネットワークとつながりを持ちましょう。

シグナルプロセッシング、エレクトロニクス、音楽技術の領域の経験を持つAbesh Thakurは、VR Audioの企業Two Big Earsを共同設立し、Virtual realityのための臨場感あふれるオーディオ技術を作り出しました。 Two Big Earsの技術は、サウンドデザイナーがVRゲーム、映画VR、360ビデオのインタラクティブで没入感のあるオーディオを作成するのに驚異的成功を収めました。 2016年には、FacebookによってTwo Big Earsが買収されました。 Facebookの一部として、Audio 360チームは現在、360のビデオとCinematic VRコンテンツの3Dオーディオを作成するために最もよく使用されるツールチェーンの1つであるFacebook 360 Spatial Workstationの開発を担っています。