Pro Tools | S6導入事例 #2:カプコン bit MASTER studio(大阪・天満橋)

By in Pro Mixing, オーディオ

本投稿は旧Avid Blogにて、2016年3月29日に公開された記事の再投稿です。

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日本を代表するゲーム会社の一つ、株式会社カプコン。対戦型格闘ゲームの金字塔『ストリートファイター』シリーズや、世界中に熱狂的なファンを生み出したホラー・ゲーム『バイオハザード』シリーズなど、同社が世に送り出したヒット・ゲームは枚挙に暇がありません。そんなカプコン製ゲームの音響制作の重要工程を担っているのが、大阪の本社近くに設けられた自社スタジオ“bit MASTER studio”です。2007年に開設された“bit MASTER studio”はA/B 2つのコントロール・ルームを擁し、カット・シーンのファイナル・ダビングはもちろんのこと、サウンド全体の最終チェックやダイアログの収録、各種音素材の処理など、音響制作に関わる様々な作業に活用されています。

同社は2015年7月、さらなる作業効率の向上を求めて、“bit MASTER studio”のA Studioをリニューアル。開設以来使用されてきたICON D-ControlシステムをPro Tools | S6にリプレースしました。同社所属のサウンド・エンジニアである瀧本和也氏は、発表されたPro Tools|S6を見て、まずはその外観にピンときたと語ります。「System-5とルックスが似ている感じがしたので、Pro Tools | S6はあのコンソールの流れを汲むコントロール・サーフェースじゃないかと思ったんです。実はSystem-5に関しては、昔から凄く良いコンソールだなと感じていて、ここにも導入を検討したことがあったんですが、規模的に少しToo Muchかなと。そんなときに登場したのがPro Tools | S6で、ICONを置き換えるコンソールはこれしかないだろうと即決でした」(瀧本氏)

“bit MASTER studio”に導入されたPro Tools | S6はM40で、フェーダー数は24ですが、ノブ/プロセス/ディスプレイの各モジュールは2ベイずつ(16フェーダー分)の装備となっています。また、ノブ・モジュールは奥、プロセス・モジュールは手前というのが標準のレイアウトになりますが、“Bit Master Studio”のPro Tools | S6は逆の配置(ノブ・モジュールが手前、プロセス・モジュールが奥)になっているのも特徴です。「前のICON D-Controlシステムが16フェーダーだったので、それとほぼ同じ規模のモジュールを左側に配し、右側の8フェーダーはサブ・コントローラーという位置付けで導入しました。というのも、ゲームの世界ではここ数年でオーディオ・ミドルウェアと呼ばれるソフトウェアを使用するようになってきたんですが、それらが最近MIDIコントロールにも対応し始めたんです。そうなると将来的にはオーディオ・ミドルウェアがEuConに対応することも考えられるのではないかと思い、右側の8フェーダーはそのことを見据えて導入したんですよ。Pro Tools | S6は、モジュールごとにコントロールするソフトウェアを設定することができますからね。ノブ・モジュールを手前に配置したのは、プラグインの操作を頻繁に行うからで、こういった自由なレイアウトができるのもPro Tools | S6の利点だと思います」(瀧本氏)。

Pro Tools | S6のコアとなるPro Tools | HDXシステムは、HDXカード2枚という構成で、オーディオ・インターフェースはHD MADIが1台。AD/DAコンバーターはDirectOut Technologies ANDIAMO 2.XT/ANDIAMO.XTで、モニター・コントローラーとしてタックシステム VMC-102も導入されています。また、Video Satellite用にもう1台Macが用意され、Media Composerの映像はMojo DXを使って再生されます。

bit MASTER studio S6

ICONをリプレースしたPro Tools | S6について、瀧本氏は「あらゆる部分で良くなっている」と語ります。「ICONは非常に良く出来たコントロール・サーフェースだったんですが、発売から10年以上経っている製品ですから、Pro Toolsの新しい機能についていけてない部分があったんです。その点、Pro Tools | S6は新しい製品なので当然ですが、ICONで感じていた不満だった点がことごとく改善されていますね。Pro Tools | S6を使い始めて、特にすばらしいなと感じているのが、その情報量の多さ。中でもPro Toolsセッションのトラックに付けた色が有機ELディスプレイに表示されるのは本当に便利です。ここで作業するセッションはトラック数がとにかく膨大なんですが、あらかじめこのタイプのSEは何色、VCAフェーダーは何色と設定しておけば、Pro Toolsの画面を見ずに何のフェーダーなのか瞬時に分かる。また、ディスプレイ・モジュールに波形が表示されるので、Pro Toolsの画面を見なくてもダイアログやナレーションが入るタイミングが分かり、フェーダー操作に集中できるようになりました。Pro Tools | S6の圧倒的なビジュアル・フィードバックのおかげで、これまで以上に作業に集中できるようになりましたよ。ゆくゆくはB StudioのICONもPro Tools | S6に入れ替えたいですね」(瀧本氏)

カプコン 瀧本氏

Pro Tools | S6

Avid Pro Tools | S6は、モジュール式設計であり、構成されたシステムを選択するか、または独自のシステムを構築することが可能です。

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