Pro Tools | S6導入事例:GZ-TOKYO ROPPONGI

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名古屋に本社を置く株式会社Zaxxは、2011年に設立された総合ポストプロダクション・カンパニーです。

CMを中心に様々なコンテンツのポストプロダクション業務を手がける同社は、2013年に「GZ-TOKYO AOYAMA」を開設して東京に進出。そして先頃、六本木に東京2つ目となる拠点「GZ-TOKYO ROPPONGI」を開設しました。

六本木駅からほど近い絶好のロケーションにある「GZ-TOKYO ROPPONGI」は、MAルーム2部屋、編集室6部屋で構成され、MAルームのうち1部屋(AS207)はDolby Atmos Homeにも対応しています。

 

株式会社Zaxxの代表取締役である舘英広氏は、「このタイミングでスタジオを造るのに、Dolby Atmosに対応しない理由は無かった」と語ります。

 

「Dolby Atmosの作品を劇場で観ると、5.1chや7.1chとは全然違って本当に感動します。私は同じ映画をDolby Atmos版と5.1ch版、両方観ることもあるんですが、音の印象がまったく違う。あれを一度体験すると、オブジェクト・ベースのミックスというのは、とても理にかなっているんだなと思いますね。まだコンテンツが少ないとか言われますが、街の電器屋さんに行くとすごく盛り上がっているのを感じますし、これから徐々に増えていくのではないかと楽観しています」(舘氏)

東京・六本木にオープンした「GZ-TOKYO ROPPONGI」(AS207)

そして「GZ-TOKYO ROPPONGI」のMAルームでフル活用されているのが、Pro Toolsシステムです。Dolby Atmos Homeに対応したAS207にはPro Tools | S6、コンパクトなAS208にはPro Tools | S3Pro Tools | Dockの組み合わせが導入されており、ハンズオンでPro Toolsをオペレートすることが可能になっています。

 

「最近はマウスとキーボードですべての作業をしてしまうオペレーターも多いんですが、私はフェーダーでしかできない表現があると思っていますし、何より音屋としてコンソールの無いスタジオというのはあり得ない(笑)。ですので、どちらのスタジオにもAvid純正のコントロール・サーフェースを導入しました。Dolby Atmos Homeに対応したAS207の方はデジタル・コンソールを導入するという選択肢もあったのですが、最終的にPro Tools | S6システムを選定したのは機能やルックス、コストなどのトータル・バランスが優れていたからです。やはりコンソールは“スタジオの顔”になるわけですから、機能や使い勝手はもちろん、見た目もとても重要だと考えています。それと少し前に中京テレビ放送の新社屋を見学したんですが、あそこもPro Tools | S6システムとPro Tools | S3システムを導入していて、スタッフの評判が良かったというのも大きかったですね」(舘氏)

「GZ-TOKYO ROPPONGI」のMAルーム、AS208

AS207のPro Tools | S6システムは、5ノブ/24フェーダーのM10で、ディスプレイ・モジュールの代わりにADGEAR製VUメーターを設置。核となるPro Tools | HDXシステムはAS207/AS208とも完全に同じ構成で、HDXカードは1枚、オーディオ・インターフェースはDAD DX32とDirectOut Technologies ANDIAMOの組み合わせが採用されています。

また、モニター・コントローラーはタックシステム VMC-102で、ワーク用ビデオは同じMac内でPro ToolsとNON-LETHAL APPLICATION Video Slave 3 Proを同期し、Blackmagic DeckLink SDI 4Kを使って再生。「GZ-TOKYO ROPPONGI」で音響オペレーターを務める有限会社ビー・ブルーの中村和教氏は、「フェーダーの滑らかさが素晴らしい」とPro Tools | S6システムの操作性を高く評価しています。

 

「前にいたスタジオではアナログ・コンソールを使っていたんですが、フェーダーの滑らかさがアナログに引けを取っていない。凄く使いやすく、以前よりもフェーダーを触るようになったんじゃないかと思います。こういうコントロール・サーフェースがあるとPro Toolsを感覚的に操作することができるので、ミックスのおもしろさを再認識できた感じがしますね。いろいろな情報が視覚的に確認できるのもいいなと思っています」(中村氏)

AS207に導入されたPro Tools | S6システム

AS207のPro Tools | S6システムは特注のデスクに設置され、前後に移動できるようになっているのもポイントです。これによってDolby Atmosのミックスもスウィート・スポットで行うことが可能になっています。

 

「Dolby Atmosでのモニタリングを考えてPro Tools | S6システムを配置してしまうと、後方のスペースがかなり狭くなってしまうんです。CMの仕事ですと、クライアントが10人くらいやって来ることもありますから、それではまずいということでコンソールを前後に動かせるようにしました。普段のステレオの仕事ではコンソールを前に移動することで、後方のスペースを広くすることができる。そしてDolby Atmosのミックスを行うときはコンソールを後ろに移動するというわけです」(舘氏)

 

AS207のモニター・スピーカーは9.1.4chという構成で、Dolby Atmosのレンダリング・マシンであるRMUは導入されておらず、レンダリングはローカル・レンダラーで行われています。

 

「RMUは最終段のオーサリングで必要なだけで、9割方の作業はローカル・レンダラーでできてしまうので問題ありません。仕上げのときにRMUが入っているスタジオに行けばいいわけですからね。スピーカーは、7.1.4chがDolby Atmos Homeのマックスなんですが、Dolby Japanの中山氏と話して、ここは9.1.4chにしました」(舘氏)

 

6月から営業を開始している「GZ-TOKYO ROPPONGI」。大ヒットを記録した映画『銀魂』のポストプロダクション作業の多くが行われるなど、編集室/MAルームともに早くもフル稼働となっています。

 

「欲を言えばキリが無いんですが、満足度は非常に高いです。今後はDolby Atmosの仕事も増やしていけたらいいですね。現時点で具体的な話があるわけではないんですが、映画会社さんとはいろいろ話をしていて、Dolby Atmos対応の映画の仕込みをここでやれたらと思っています。すべてをダビングステージでやったら大変ですからね。あとはBlu-rayコンテンツの作り込みなどもここでできるんじゃないかと思っています」(舘氏)

写真手前右側が株式会社Zaxx代表取締役の舘英広氏、左側が同スタジオで音響のオペレーターを務める有限会社ビー・ブルーの中村和教氏、奥右側からROCK ON PROの前田洋介氏、株式会社アイコニックの河村聡氏、有限会社ビー・ブルーの川崎玲文氏

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