Pro Tools 2019、4Kビデオ及びハイ・フレーム・レイトに対応

By in Pro Mixing

Pro Tools は、バージョン2019.10以降で、4Kビデオ解像度並びにハイ・フレーム・レイトに対応し、映像編集サイドとも、より高精度でスムースなコラボレーションが可能になりました。

 

高解像度/フレーム・レイトへの対応

より高品位な4Kコンテンツ制作が一般化するのに伴い、ワークフロー改善の視点からも、Pro Toolsでより幅広いビデオ・フォーマット/フレーム・レイト/ラスター・サイズをサポートすることが重要になってきていました。

そういったご要望にお応えし、最新のPro Tools 2019では、高解像度/ハイ・フレーム・レイトのビデオ並びにタイムラインに対応しています。これにより4Kコンテンツ制作時に、時間を要していたコンバージョンやトランスコードといった作業が軽減され、映像編集とオーディオ・ポスト間のコラボレーションが、よりスムースに便利に行えるようになりました。さらに、再生するビデオのレイト選択や解像度を独立して設定することも可能ですので、非スタンダードのビデオ・サイズにも対応し、Webベース・ビデオやゲームといった、将来的に一般的になる可能性のあるプロジェクトでの作業も柔軟に行えます。

 

タイムライン上でのハイ・フレーム・レイト対応について

Pro Tools 2019.10以降のタイムラインは、より幅広いレンジのフレーム・レイトを管理することが可能となりました。これまでPro Toolsのメイン・タイムコード・カウンターで扱えた30fpsだけでなく、4K/8Kコンテンツ編集時に採用される60/120fpsのフレーム・レイトにも対応、それらのビデオ・データに対しても1フレーム精度で編集することが可能となったのです。Pro Toolsタイムラインは、ビデオの実際のフレーム・レイトと独立して設定することも可能ですが、「Follow Video Frame Rate」にチェックを入れることで、常にビデオのフレーム・レイトに追従する形に設定することもできます。

例えば、UHDで制作し、UHDでしかオンエアしない場合は、ビデオのフレーム・レイトに合わせて59.94fpsタイムラインで編集し、HDでの放送も考慮される場合は、インターレース時のフィールド上にクリップ開始点が来るのを避けるため、あえてタイムラインを29.97fpsにして編集するといった使い分けも可能です。

セッション・フレーム・レイトの選択

3桁表示可能となったメイン・タイムコード・カウンター

セッション・グリッド値を30fpsにした際の30/60/120fps時の1フレーム・クリップ

セッション・グリッド値を120fpsにした際の30/60/120fps時の1フレーム・クリップ

最新Pro Tools 2019タイムラインでのハイ・フレーム・レイト対応は、ビデオ・サテライト/サテライト環境時にも有効です。これにより、Pro Tools同士またはPro ToolsとMedia Composerを60fps(最大120fps)タイムライン上でサテライト・リンク接続可能となり、4K/8KのMA時も、それぞれのフレーム精度で同期/編集することが可能となります。

また、「SDデリバブル」機能によりPro Toolsタイムラインが60fpsになっていても、LTC/9pin入出力時は30fpsでの同期が可能ですので、そこまでしか対応していないマスター・シンクロナイザー等を接続し、他の機器をLTC/9pin同期させることもできるようになっています。

4K解像度への対応

ビデオ・ラスター(またはサイズ)として定義されるビデオ・ファイル解像度に関しても、Pro Tools 2019.10以降では、30fps 1080p(HD)以上のデータが扱えるようになりました。

 

Avid のビデオ編集ソフトウエアであるMedia Composerのエンジンを採用することで4K解像度にも対応、今後普及するであろう新しいスタンダード・フォーマット・ビデオを再生しながらオーディオ編集作業が行えます。また、一般的なフォーマットをプリセット化し、取り込むビデオのサイズに合わせて自動選択される他、Webベースや設備系で利用される非スタンダードなカスタム・ビデオ・サイズの表示/再生も可能となっています。

ビデオ・トラックは、フレーム・レイトとラスター・サイズが独立して表示、必要に応じて個別選択も可能になりました。特殊なラスター・サイズで、コンピューター上では問題なく表示されるが、そのラスター・サイズに、お使いのビデオ・ハードウエアが対応していない場合、それで再生可能なラスター・サイズを個別に選択しモニターに表示させることも可能です。

Pro Tools 2019 .10未満ラスター・サイズとフレーム・レイトが常時セット表示

Pro Tools 2019 .10以降スター・サイズとフレーム・レイトが独立表示/個別設定可能

H.264再生パフォーマンスの改善

Avidでは、将来に備えて32-bit QuickTime APIに依存せずにH.264ファイルをスムースに再生する為のデコーダーを開発しました。

H.264は、多くの再生ディバイスが対応しており、サイズ比に対する相対的な品質の高さも相まって非常にポピュラーなフォーマットですが、編集環境下でスムースに再生するには難しいコーデックで、そのエンコードの特性により、ナッジ、スクラビング及びシャトリング時の精度を保つのが難しくもありました。Pro Tools 2019.10で採用された新しいデコーダーにより、この重要なコーデックのパフォーマンスが大きく改善されています。

Pro Tools 2019.10以降で対応するHDサイズ以上の映像の再生可否は、使用するCPUパワーやディスク・スピード並びにビデオ・インターフェイスに依存します。

より安定したビデオ再生を行うためには、高性能なディスクを別途用意するのが一般的です。共有ストレージ環境の構築が可能な場合は、ビデオ再生時のパフォーマンス・ガイドラインが用意されているサーバーAvid Nexisシリーズの採用もご検討ください。

Kプロダクション時のスムースな「データ受け渡し」フロー

既に4Kプログラムを制作している方なら、その最大の課題の一つが、映像編集側とオーディオ・ポスト間の高解像度ビデオ・データの受け渡し方法にあることを認識なさていることでしょう。

Pro Tools 2019.10以降で新たに4K/60pビデオ・データ再生に対応したことで、Media ComposerとのAAFを使ったデータのやり取りが、よりスムースになります。

現在、Pro Tools 2019で同時に再生可能なビデオ・トラックは「1つ」ですが、その再生時の仕組みはMedia Composerと同じAvidビデオ・エンジンを採用している為、Media Composer からAAFエクスポートされたデータをインポートする場合、複数ビデオ・トラックをそのまま扱える「フォール・スルー」方式での再生表示となり、Media Composer側で映像データ全体を一本化していなくても、エクスポート時にシーケンス上のビデオ・エフェクトをレンダリング処理だけしていれば、映像編集時に確認している映像(Media Composerのレコード・モニターに表示される映像)を、カット点も生かしたまま、Pro Tools上でもそのまま再生可能となります。

実際の現場では、どのようなフォーマット/方法でデータ受け渡しするのかは、採用されるワークフローやMA室側の映像再生設備/環境によって異なると思います。もしCPUに十分なパワーがあり、4Kビデオ・ファイルをそのまま再生できるサーバー並びにモニター環境が備わっているなら、Pro Tools 2019の4K再生機能と、このAAFシーケンスでの相互運用方式を用いて、これまで膨大な時間を要していた、映像データのトランスコードや一本化処理の時間を最小化し、より効率の良い4Kプログラム制作ワークフローを構築することが可能となるでしょう。

Pro Tools 2019.10のその他の新機能については、Pro Tools 2019.10 新機能紹介をご参照ください。

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オーディオ・エンジニア、サウンド・デザイナー、ミキサー。アビッド・テクノロジー株式会社のオーディオ・アプリケーション・スペシャリストとしても活躍中。