アイルランド・レイキャヴィックの国立劇場におけるAvid VENUE | S6L

By in ライブサウンド

Kristinn Gauti Einarsson氏は、アイルランド・レイキャヴィックにある国立劇場の音響責任者です。2007年から同劇場で働き、2012年には現職に就きました。

同劇場の制作でのサウンド・デザイン、PAシステム・デザインから購買決定まで、音響関連を幅広く担当。さらに、劇場における全ての公演のミキシングを2人の同僚と共に担当しています。

近頃、国立劇場では、故障したYamaha DM2000の代わりにAvid VENUE | S6Lを購入しました。iLive T112も考えたものの、AvidパートナーであるNyja Umbodidの助力を得て、早々にS6Lを導入しました。

Kristinn Gautti Einarsson、アイルランド・レイキャヴィックの国立劇場の音響責任者

S6Lをしばらく使ってみた感想をお聞かせください

S6Lで行くという決断は正しい選択でした。S6Lは、この劇場で必要なことを全てこなします。何より、音が素晴らしい。ここはわずか500席の小さな劇場です。通常、1週間に3プログラムというペースで公演を行っています。つまり、木曜夜の公演、金曜夜には別の公演、そして、土曜夜にはさらに別の公演に向けて、一晩で全てを変更しなくてはなりません。小さな劇場ですが、アイスランド気質で野心的なのです(笑)。フルバンドを入れて、ワイヤレスマイクを最大30人の俳優に付けてミュージカルも行います。また、通常の舞台演劇や児童劇も行います。とにかく、コンサート、スペシャル・イベント、時には会議まで、何もかもひっくるめて全て行います。

S6Lのセットアップについて教えてください。

144エンジンを稼働、卓には32フェダーあります。64入力のステージラック×2台が卓に128チャンネルを供給します。これにより、様々な公演に対応できるので、大幅に変更する必要がありません。また、利用できる入力系統が数多く残ります。

さらに、出力も豊富で、様々なスピーカーへ出力しています。利用可能なI/Oチャンネルが多いのは本当に便利です。

もちろん、最も重要なのは音質ですが、それもS6Lは群を抜いています。

ミキシングについてですが、外部機器の追加や、特別なプラグインの使用はありますか?それとも、そのまま使用していますか?

何も追加せず、そのままです。通常は、内蔵のEQとダイナミクスを使ってミキシングしています。もちろん、S6L用のプラグインは全て活用しています。クリエイティブなサウンド・デザインや基本的なミキシングでできないことは何もありません。例えば、難しい信号も簡単に調整できるプラグインもあります。

難しい信号とは、例えばどんなものですか?

通常、「難しい」信号は、マイクの配置に妥協が必要な時に起こります。思ったようにことがいかない場合には、特殊なEQを追加することができます。処理能力を気にせず、好きなようにEQや他のプロセッサーを加えられるのは、とても便利です。グループバスでは、マルチバンドコンプレッションを使用しますが、これも大変役立ちます。以前は、こんな便利な方法はありませんでした。

多様な公演のショーファイルを多く扱いますか?再演も多い、様々な公演を扱っているとのことですが。

利用可能な大量のインプットと、それらを維持することで、様々な公演の制作が可能になります。また、本当に、仕事が楽になります。例えば、48チャンネルのコンサートから、ほんの数本のマイクとわずかな音響効果だけの演劇へ変更する場合も、ショーファイルを呼び出すだけで、準備完了です。

「マイク」の使い方についてお聞かせください。俳優や歌手に小型マイクを使いますか?それとも、ステージ用のショットガン・マイクを使いますか?

通常、舞台演劇では、俳優にマイクを使用しません。それ以外は、全て演者に小型マイクを使い、追加で幾つかのショットガン・マイクを使用します。

音響効果の再生には何を使いますか?

再生にはFigure 53のQLabを、バーチャル・サウンド・チェックにはPro Toolsを使っています。ちなみに、これも重要な要素の1つです。常に問題となる時間ですが、バーチャル・サウンドによって多くの時間を削減することができます。また、公演では実際に体力をセーブできるので、ミュージシャンにはとても喜ばれています。

スピーカー・システムについて伺います。異なるスピーカーに信号を送るということですが、どのようなセットアップを使用していますか?

「ハーフ」サラウンドのようなシステムを装備しています。メインPAを左、右、中央に、部屋の後部にもスピーカーを配置しています。完全なサラウンドではありませんが、しばしば、後部スピーカーを音響効果に使用します。さらに、ステージ裏の天吊りでスピーカーを配置しています。舞台で俳優が小型マイクを付けない場合、これらを使用すると、俳優の生の音声のように、同じ音源から音が聴こえます。スポット・キューを正確に配置したい場合には、ステージでワイヤレス・スピーカーを使用することもあります。

コンソールでは、左/中央/右のセットアップを使用します。以前はできなかったことです。とても気に入っています。

システムには何か足りない機能がありますか?それとも、満足されていますか?

足りないものですか?特にありません。VENUEソフトウェアのアップデートは、全て正しい方向に進んでいます。アップデート毎に良くなっています。これほど強力なソフトウェアは、他のどのメーカー製品にもありません。ましてこの価格で競合する製品は、思いつきません。 

公演の録音、放送を望む放送局やレコード会社についてですが、劇場で録音が可能ですか?それとも、音声収録車に録音トラックを送りますか?


最近、コンサートの収録を行いました。ここで利用できるようにMADIが簡単に使用できる環境ではなかったので、信号をスプリットして音声収録車に送りました。将来的には、これがサードパーティに信号を提供するフォーマットになるでしょう。この公演では、Pro Toolsを使って同時に独自で収録もしましたが、後で、エンジニアが時間通りに録音ボタンを押してなかったと分かり、役に立ちました(笑)。

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Thomas Wendt は、プロデューサー及びエンジニアの経験を持つジャーナリスト/マーケティングのエクスパートです。彼の会社であるIntegrative Conceptsは、1998年から音楽やプロオーディオの業界のA-リストのクライアントにコミュニケーションやマーケティング・サービスを提供しています。