S6L向けVENUE 5.3ソフトウェアの新機能

By in ライブサウンド

S6L用VENUE 5.3ソフトウェア・アップデートがリリースされました。最新のVENUE 5.3はAvidの主力システムに次のような新機能をもたらします:

  • Ethernet AVBを介した128トラックのPro Tools録音/再生
  • 複数のユーザー定義フェーダー・レイアウ
  • Select follows Solo(選択はソロに従う)オプション
  • マトリックス・スピル
  • 縦型チャンネル・ストリップ・モードでのEQゲインおよび周波数の切り替え

このアップデートは、S6Lシステムおよび有効なAvid Advantage ExpertPlusサポート契約にご加入の場合、無償でダウンロードできます(インストーラーはお客様のAvidアカウントから入手いただけます)。

Kraków Live FestivalでのVENUE | S6L

Pro Tools 128 トラック録音/再生

VENUE 5.3では、Ethernet AVBを介したS6LとPro Toolsインスタンス間のチャンネル数が(64チャンネルから)128チャンネルまで拡大しました―これは、1本のCAT5eケーブルを使用したEthernet AVB接続を介しての同時録音および再生が可能なチャンネル数です。Pro Tools(およびLive Sound Production Toolkit)がインストールされている対応のMac ProをS6Lコントロール・サーフェス背面のEthernet Pro Toolsポートに接続するだけで、チャンネルごとにバーチャル・サウンドチェックを含む、録音と再生を128チャンネルにわたってお楽しみいただけます。128チャンネル向けネットワークに必要な拡大帯域幅に対応するには、E6LエンジンにAVB-192 Ethernet AVBオプション・カード2基がインストールされている必要があります。全てはほぼプラグ・アンド・プレイで使用できます。全てのVENUEパッチベイ機能、グローバル・バーチャル・サウンドチェック機能、チャンネルごとのバーチャル・サウンドチェック、ゲイン伝達ワークフロー、S6Lからのトランスポート・コントロール―64チャンネルで可能だったこれら全てを、128チャンネルで使用できるようになります。もちろん、S6LのI/O数は大きな意味を持つため、これは非常に重要です。拡張された録音能力により、必要となるチャンネル数のほとんどをカバーします。S6LでPro Toolsの128チャンネルを使用するためのハードウェアおよびソフトウェア要件一覧については、このページをご覧ください

S6Lシステム単体、Stage 64 I/Oボックス3基、録音および再生に128チャンネルのPro Toolsを実行するMac Proによる構成図。I/O共有構成で128トラックを録音する場合、1台のMac Proのみ共有ネットワークに対応

MADI-192 MADIオプション・カード

VENUE 5.3は、新しいMADI-192オプション・カードにも対応しています。このカードは1基ごとに96 kHzの64入力および64出力を提供します。E6Lエンジンには同時に最大4基のMADI-192カードを取り付けることができ、MADIフォーマットによる最大256チャンネルを提供します。これはいくつかの理由で非常に良い機能向上といえます。まず、MADI対応デバイスとの連動機能だけでも大きなニュースです。Avidでは当初からStage 64 I/Oボックスを介したMADIスプリットを提供しており、他のコンソール、放送ロケーションなどにプリアンプから直接供給することが可能でした。しかし、今回のMADI-192オプション・カードで、その他のMADI対応デバイスを使用してより多くのチャンネル数を提供することができ、あらゆる信号をシステム間でルーティングすることができるようになりました。

また、MADIをバーチャル・サウンドチェック・ワークフローのフロントエンドとして使用して、MADIをインターフェースとして使用して、Ethernet AVBネットワーク経由の場合のように、他の録音デバイスと連動させることも可能です。上述のように、VENUE 5.3はEthernet AVB経由のPro Toolsの録音および再生を128チャンネルまで増加させます。バーチャル・サウンドチェックに対する非常にシンプルで面倒のないソリューションです。ただし、MADI-192カードにより可能となるのは、128を超えるチャンネル数だけです。4基のカードを取り付ける場合、最大256の録音/再生チャンネル構成になります。S6Lは最大192のステージ入力に対応しているため、MADIを使用することにより、これらの入力全てをキャプチャできるようになります。また、MADI経由のバーチャル・サウンドチェックは、Pro Toolsと使用する場合、チャンネルごとのバーチャル・サウンドチェック(チャンネル選択機能)、Pro Tools内でセッション・ファイルを自動設定するVENUELink(自動パッチング、名前設定、Pro ToolsとVENUEコンソール間の連結)を含むVENUE独自の利点全てを提供します。

MADI-192 MADI オプションカード

MADI-192によりもたらされるもうひとつの強力な機能は、Waves SoundGridプラットフォームとのダイレクトな連動です。Profile、D-Show、その他のレガシーVENUEシステムでミックスするお客様の多くは、広範にわたるWaves製ツールに大きく依存しており、MADI-192は、こういったお客様にWaves製ツールに接続する機能を提供します。MADIカードが取り付けられている状態であれば、信号をVENUEパッチベイ経由でWaves SoundGridサーバーに(DiGiGrid MGB I/Oデバイスを介して)ルーティングできます。VENUE 5.3はMIDIストリームをパッチ可能なハードウェア・インサートとして使用可能にします。これは、Avidのこれまでのシステムでは不可能だったことです。これにより、入力チャンネルまたは出力チャンネルのハードウェア・インサートをMADI入力ストリームと出力ストリームに結び付けることができます。これらは全てVENUEパッチベイからパッチできます。チャンネルからWaves SoundGrid、Waves SoundGridからチャンネルへのセンド/リターンが可能となり、Wavesプラグインを入力チャンネルおよび出力チャンネルのインサート・ポイントで実行させることができるようになります。これは素晴らしい機能です。もちろん、AUXバスの設定時にも同じことが行えます。複数のチャンネルをAUXバスにルーティングしてから、インサートを使用して信号をMIDI経由でWaves SoundGridにまたはWaves SoundGridからルーティングできます。これは、Waves MultiRack環境内でリバーブやその他のエフェクトを使用したい場合に非常に便利です。最大8つのWavesプラグインをMultiRack内で単一のチャンネル上に直列にインスタント化するこの機能により、サウンドの可能性は無限に拡がります。

 

複数のユーザー定義フェーダー・レイアウト

S6Lユーザーから最も要望の高かった機能のひとつが、複数のユーザー定義フェーダー・レイアウトへの対応でした。S6Lのデフォルトのフェーダー・バンキング構成は、いわゆる「プロファイル・モード」と呼ばれるもので、入力チャンネルが中央に配置された出力チャンネルのどちらかの側に配置されています。これに加えて、S6Lの中央マスター・ライブ・モジュール(MLM)に配置された専用スイッチを持つ4つのフェーダー・バンキング・モード([Inputs](入力)、[Outputs](出力)[VCAs]、[Layouts](レイアウト))を提供しています。スイッチのいずれかを押すと、コンソールが対応するバンキング・モードに切り替わり、フェーダー上で関連するタイプのチャンネルに対象が合わせられます(全ての入力、出力、VCA)。[Layouts]ボタンを押すと、カスタムのユーザー定義フェーダー・レイアウトが呼び出されます。これにはあらゆる種類のチャンネルを組み合わせることができ、必要なチャンネルがすぐに利用できます。VENUE 5.3では、この機能を拡張し、24のユーザー定義フェーダー・レイアウトを提供しています。[Layouts]ボタンを押すと、コントロール・サーフェスがレイアウト・モードになり、MLMの中央のソフトキー・セクションに12のレイアウトが並びます。これ以上のレイアウトが必要な場合、次ページにスクロールして、レイアウト13から24までを使用できます。

S6Lのコントロール・サーフェスのMLMセクションから最大24のカスタム・レイアウトにアクセス

レイアウトは[External GUI]または[Standalone]ソフトウェアの[INPUTS]と[OUTPUTS]ページおよびコントロール・サーフェスを使用して作成およびMLMスイッチに割り当てることができる

これにより、さまざまなフェーダー・レイアウトを作成し、ソフトキー・スイッチに保存し、臨機応変に呼び出し、操作時にカスタムのフェーダー・レイアウトを使用できます。これは、ユーザー独自のコンソールを可能にします。「プロファイル・モード」内でバンクのデフォルト構成が提供されてはいますが、ユーザー定義フェーダー・レイアウトでは、コンソールを好みどおりに構成し、これらのレイアウトをコントロール・サーフェスから直接呼び出すことができます。入力、出力、VCA、グループを任意に好みの順序で組み合わせ、ショー・ファイル内にカスタム・レイアウトとして保存することができます。ショー・ファイルの次回ロード時に、ユーザー定義によるカスタム構成のコントロール・サーフェスが立ち上がります。また、スナップショットによるカスタム・フェーダー・レイアウトの保存と呼び出しも可能で、スナップショットに保存されているものに加えて最大23の追加レイアウトにアクセスできるようになりました。フェーダー・レイアウトの整理し呼び出す方法としてスナップショットを専用に使用する必要はもうありません。

 

Select follows Solo(選択はソロに従う)オプション

「Select follows Solo(選択はソロに従う)」オプションは、VENUE 5.3ソフトウェアの[Options]>[Interactions]ページに加えられた新オプションです。[Select Follows Solo]がオンの場合、コントロール・サーフェスまたはGUIからチャンネルをソロにする際、チャンネルがコントロール・サーフェスにバンクされると、ローカルで選択もされます。つまり、[Solo]ボタンを使用して、ローカルでチャンネルを対象にして、CKMエンコーダー上にパラメーターを表示させることができます。これは、ライン・チェック時に非常に便利です。PFLチャンネル同様、コンソールはソロになったチャンネルを自動で選択し、そのチャンネルの全ての機能をエンコーダー上で直接提供します。

Profileシステムで選択するソロをリンクしたり、S6L内部でアテンションするソロをリンクしたりと、これまでのVENUEでも同じような機能はありましたが、この新しい機能拡張がすごいのは、S6Lではパラメーターをエンコーダーの対象にするのが[Select]キーである点です。つまり、[Solo]を押すたびに、目の前にあるCKMエンコーダー上で直接そのチャンネルに関連する全てのパラメーターにアクセスでき、コンソールが操作に追従します。

 

マトリックス・スピル

VENUE 5.1ソフトウェア・アップデートでは、S6Lのスピル・モード(AUXスピル、グループ・スピル、VCAスピル)が登場しました。マスター・タッチ・スクリーンのユニバーサル・ビュー内の[Attention](アテンション)ボタンを2回押すか[Spill](スピル)ボタンを押すと、その出力のチャンネル全てまたはその出力に関連するチャンネル全てがコントロール・サーフェス・フェーダー上にスピルされます。VENUE 5.3では、これをマトリックスでも使用できるようになりました。S6Lではこれまでも、マトリックス出力を選択してそのマトリックスに供給されるソース全てにエンコーダーからアクセスすることができましたが、新しいVENUE 5.3のマトリックス・スピル機能では、フェーダーを使用して、マトリックスに供給しているソースのレベルにアクセスして調整することも可能になりました。

縦型チャンネル・ストリップ・モードでのEQゲインおよび周波数間を切り替え

これは非常にシンプルなコントロール・サーフェス機能ですが、多数のS6Lユーザーからご要望をいただきました。チャンネルがCKMに対してローカルで選択されていない場合、CKMは、いわゆる「縦型チャンネル・ストリップ・モード」になっています。パラメーターは、アナログ・コンソールのようにエンコーダー上に縦に配置され、その下のフェーダー上の関連チャンネルに合致するようになっています。CKMの[<]および[>]スイッチでは、下のチャンネルのパラメーター(入力、EQ、ダイナミクス、ミックス)を順にバンクすることができます。EQを選択すると、4つのゲイン・パラメーターが提供され、それぞれパラメトリックEQの各バンドが対応します(7バンド出力チャンネルのEQでは2ページ)。VENUE 5.3では、それぞれのエンコーダー隣のSELスイッチを押して、ゲインと周波数を切り替えられるようになりました。このシンプルな機能により、アナログ・チャンネル・ストリップ構成でのパラメーター・コントロールのワークフローは大幅に強化されます。

このリリースは、このシステムの機能性と可能性をまたもや大きく前進させるものとなっており、非常にエキサイティングなアップデートとなっています。これらの機能やワークフローの多くが、アーティストに最高のミックスを提供するためにこの先何ヵ月にもわたって活用されていくことでしょう。VENUE | S6Lの全機能をご覧ください。また、ニーズと課題に応えるパーフェクトなシステムをお探しなら、どうぞお気軽にAvid販売代理店までお問い合わせください。

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As a Field Marketing Specialist for Japan, APAC, it is a great pleasure for me to share exciting stories about Avid in Japan.