S6L、Waves SoundGridシステムに完全統合 – 提供開始

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約2年に及ぶ緊密なコラボレーションの結果、あらゆるオーディオ・コンソールに搭載されるWaves SoundGridプラグインの最も包括的な統合を実現するVENUE 5.7ソフトウェア・アップデートと、Avid VENUE | S6L対応WSG-HDオプションカードが発表されました。開発チームは、他のコンソールと同等のものを提供するだけでは不十分であり、他のサードパーティ製のライブ・システムにはない重要な機能が必要であると認識していました。ショーファイルの互換性、マップされたエンコーダー、マルチタッチ・コントロール、自動遅延補正機能から、音声伝送不具合時の自動回線切り替え(冗長化)および安全性機能まで、AvidとWavesのチームは、全ての要件を達成するまで作業を続けました。VENUE | S6L向けVENUE 5.7ソフトウェアの一部としてリリースされるこれらの機能は、ライブ・サウンド・エンジニアの創作ツールセットを大幅に拡張します。

VENUE 5.7のダウンロードを開始いたしました。S6Lシステムと、Avid Advantage Eliteサポート契約をお持ちの全てのお客様は、Avidアカウントから無償でダウンロードしてご利用いただけます。WSG-HDオプションカードは、Avidライブ・サウンド販売店よりご購入いただけます。

 

以下は、S6LとWaves SoundGridの新たな統合により実現する概要です:

  • 比類ないWavesプラグインの統合とS6LのノブおよびVENUEソフトウェア内でのコントロール
  • 2台のSoundGridサーバー使用時、音声伝送不具合時の自動回線切り替えを含む、E6Lエンジン対応の新たなAvid Waves SoundGrid WSG-HDオプションカードにより、接続性と安定性を強化
  • より高い処理能力で、Waves SoundGrid Server OneまたはExtreme Serverへ接続して、最大1024個のWaves SoundGrid プラグインで、Wavesプラグインの最大128ボイスを使用可能
  • 設定とショーファイルのインポートを簡素化し、外部のノートパソコンを必要とせず、Wavesプラグインの設定およびルーティングを含む、全TDM版WavesプラグインをSoundGrid版へと自動的にShowファイルを変換、自動遅延補正と共に実行。

システム要件:

  • VENUE 5.7以上で動作するVENUE | S6L
  • VENUE WSG-HD Waves SoundGrid Option Card
  • Waves SoundGrid Server One または Extreme Server (Impact Server は現時点ではサポートされていません)
  • Waves Central for VENUE (Waves plug-insのインストールおよびアクティベート用)
  • Waves SoundGrid Rack for VENUE license(お問い合わせはリワイアー株式会社まで)

WSG-HD Waves SoundGridオプションカード

Wavesプラグインのインスタンス作成

S6LシステムのAAX DSPオンボード・プラグイン同様、VENUEプラグイン用Waves SoundGrid Rackは、他のプラグインと同じパッチおよびルーティング方法を用いて、VENUE Plug-In Rackでインスタンス化されます。CONFIGモードでフォーマット(モノラル、ステレオまたはその他)を選び、EffectsカテゴリからVENUE用SoundGrid Rackをインスタンス化します。SHOWモードでは、プラグインをインスタンス化または削除することができません。これは、追加または削除されたものに基づきDSPを再割り当てする結果生じるオーディオのドロップを防ぐためです。

VENUE用SoundGrid Rackが通常のVENUEプラグインと大きく異なるのは、それが“Chainer  (チェイナー) ”である点です。VENUE用SoundGrid Rackの1つのインスタンス内で、ユーザーは最大8つの個別のWavesプラグインをインスタンス化できます。チャンネルのVENUE挿入スロットと同様、これらのプラグインは、Chainer内で上から下の順番で処理されます。例えば、一番上のスロットにEQ、二番目のスロットにコンプレッサーがある場合、EQはコンプレッサーより先にオーディオに作用します。必要であれば、SoundGrid Rackプラグインをチャンネルのinsert 1に、もう1つをinsert 3に配置して、チャンネルに16のWavesプラグインを配し、2つのWaves Chainer間のinsert 2に他のAAX DSPプラグインを配置することも可能です。

 

SoundGrid Rackを統合

SoundGrid Rack Chainer内でプラグインを追加-Add Plug-Inをクリックして、プラグイン・リストから選択

ショーファイルの読み込み

新しいシステムは、しばしば、素晴らしい新機能を提供します。しかし、コンソール・プラットフォームの変更は、面倒でもあります。エンジニアは、新しいワークフローを学ぶ必要があるかもしれませんし、それ自体、時間を要します。しかし、それ以上に時間を要するのは、新しいショーファイルを1から作ることです。VENUE | S6Lは、旧バージョンのVENUEシステムのVENUEショーファイルを読み込んできましたが、AAX DSPプラットフォームには存在しなかったWavesのようなプラグインの代用品を探さなくてはなりませんでした。Waves SoundGrid のS6Lプラットフォームへの統合により、長年のミキシングを経たショーファイルのライブラリを所持するエンジニアは、全てのWavesプラグインが自動的にSoundGridフォーマットへ変換されるという確信を持って、VENUE 2.0以降(なんと2006年から!)のショーファイルを読み込めます。プラグインがSoungGridへ変換されると、VENUE用SoundGrid Rackがインスタンス化されて、TDMプラグインのSoundGridインスタンスが、Chainerの最初のスロットに配置されます。

VENUE 3.1ショーファイルからのプラグイン・ラック

VENUE 5.7に読み込まれた同じショーファイルからのプラグイン・ラック

スナップショット

古いVENUEショーファイルを読み込むと、TDMからのプラグインを全てのオリジナルのルーティングやプラグイン設定と一緒にSoundGridへ変換するだけでなく、プラグインのスナップショット・データも確実に全てインポートされます。VENUE用SoundGridは、それ自体がプラグインであり、スナップショットは、SGRの入出力レベル、Chainer内でインスタンス化されるプラグイン、SGI内の各プラグインの設定など、そのプラグインに含まれる全てのデータを格納します。

赤いSアイコンで示されるように、スナップショットにスコープされる全てのプラグインと、このプラグインが41のスナップショットにスコープされていることを示す上部バー

Waves SoundGridプラグインの制御

これまで、 マーケットでのサードパーティ製ライブ・コンソールによるWavesプラグインの最適な統合により、ユーザーはマウスまたは単一のエンコーダーを使用して、選択したプラグインで一回に1つのパラメータを変更することができました。VENUEでは、選択したWavesプラグインに24のエンコーダーを提供するだけでなく、CKMモジュールごとにプラグインを選択することもできます。複雑なオーディオの処理を単一のエンコーダーで処理することは忘れましょう。32フェーダーのS6L-32Dコントロール・サーフェスで、エンジニアは、コンソール全体を使用して一度に最大72のパラメータにアクセスできます。ノブが不慣れでも、タッチスクリーンがあります。VENUEは、全てのWavesプラグインのマルチタッチ・コントロールを含み、全てのプラグインのマルチタッチ・コントロールをフルに提供します。しかも、それだけではなく、タッチやドラッグによってパラメータを調整できる上に、VENUE用SoundGrid内でプラグインをタッチして選択し、エンコーダーに表示することができます。

自動遅延補正

VENUEプラットフォームの全てのプラグインと同様、遅延補正は自動的に機能し、最長パスに合わせて並列パスを遅らせます。つまり、VENUEが代わりに管理するので、ユーザーは外部サーバー処理のレイテンシーを気にする必要がありません。。加えて、全てのレイテンシー情報はVENUEに報告され、ラック内のプラグインを右クリックすると、VENUE用SoundGrid Rackプラグインのレイテンシー(サンプルで測定)が表示され、InputsまたはOutputsページのinsertを右クリックすると、プラグイン・レイテンシーとサンプルのルーティング・レイテンシー(サーバーへおよびサーバーからの時間)を表示できます。また、自動遅延補正機能を、VENUEソフトウェアのOptions > Pickoffsページで無効にすることもできます。

ラックのプラグインを右クリックして、プラグインのレイテンシーを表示

冗長性

ライブ・サウンドには、“障害が発生したらどうなる?”という質問が付いて回ります。S6Lシステム構成は、エンジンのメインのミックス処理からプラグインを隔離し、プラグインとシステムのコアのオーディオ機能との境界を作るように構成されています。プラグイン・ラック内で障害が発生した場合、プラグイン・ラックは自動的にバイパスし、再起動します。Wavesプラグインでは、同様のメカニズムが使用されています。Waves SoundGridサーバーに接続または安定性の問題がある場合、VENUEは自動的にこれらのプラグイン・インスタンスをバイパスし、Wavesシステムは再起動します。それ以上の保証が必要な場合、2台目のSoundGridサーバーをWSG-HDカードに繋ぐと、サーバーエラー、クラッシュ、プライマリ・サーバーの喪失時に、VENUEが冗長サーバーへ自動的に切り替えます。同じモデルのSoundGridサーバーのうちの2つを冗長性のために接続する必要があります。

2台目のSGサーバーを接続、選択して冗長性を実現

稼働可能なプラグイン数は?

Waves SoundGridでは、Wavesサーバーとの間で送受信されるオーディオの各パスに‘ボイス’が必要です。実際は、モノラル・プラグインに1、ステレオに2、1入力/2出力に2、サイドチェーン入力をもつプラグイン・パスで使用される追加の1ボイスになります。WSG-HDカードは、128ボイスに対応するので、VENUE用SoundGrid Rackの128モノラル・インスタンス、64ステレオ、または合計128ボイス以下のモノラルとステレオの組合せが可能です。加えて、各サーバーは、専用のプラグインDSPを提供し、各プラグインの上部およびInventoryアプリ内に、DSP全使用量が表示されます。

DSPメーターは、2つの別々の値を同時に表示します。1つはサーバーのプロセッサ全体のDSP平均負荷、もう1つはサーバーの任意のプロセッサのピーク負荷です。一般的に、ピーク値は、平均値よりもはるかに高くなる傾向にあるので、DSP平均使用量のメーターを緑色に保つことが賢明です。Wavesプラグインではセッション中にDSP使用状況が変化することがあるため、ピーク値が跳ね上がる可能性がある場合、DSPを再シャッフルして使用量を最適化できます。サーバーのDSPピーク使用量が限界に達し、サーバーが歪んだオーディオを出力する可能性があります。そのため、WavesサーバーのDSP使用状況に十分留意することが重要です。

SoundGrid Rackの全インスタンスおよびInventoryアプリで、DSPおよびボイスの使用状況を表示

AvidとWavesは業界をリードする2つのライブサウンド・ソリューションが協力し、かつてない体験を提供できることを大変嬉しく思います。多くのエンジニアは、Wavesプラグインで実現するサウンドに大きく依存しています。エンジニアは、システムへWSG-HDカードとSoundGridサーバーを接続して、VENUE 5.7ソフトウェアをインストールしたVENUE | S6Lを使用し、比類のない統合とコントロールで同様の制作環境を活用することができます。Avidは、使いやすさ、安定性、そしてもちろんサウンドに重点を置き、性能とコントロールに新たな基準を設定するAvidとWaves間の統合を提供できることを大変嬉しく思います。

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Avid Live Sound Principal Product Designer and Product Manager