Sibelius 2018.4新機能

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Sibelius 2018.4のリリースを発表、プログラムは多くの分野で大きなステップを踏み出しました。最近追加されたマルチエディット・ワークフローは拡張され、複数のテキストオブジェクトを入力 / 編集できるようになりました。また、音符間隔のルールは完全に見直されています。ユーザーからの声が多かったタイで結ばれた音符の扱いなど、70以上にわたる改良によって強化されています。

いますぐ最新のインストーラーをダウンロードしたい!という方は、My Avidアカウントに移動するか、アプリケーションマネージャから最新のアップデートをご確認いただけます。 古いバージョンのSibeliusをご利用でしたら、Webストアまたは販売店(販売代理店RygaSoundのサイトにジャンプします)からアップグレードしていただけます。

 

製品名について

Sibelius、Media Composer、Pro Toolsの製品ラインナップが統一され、無償のエントリーモデルである「First」製品、フルバージョン製品、さらに高度な「Ultimate」製品、と各製品ラインごとに同じ3つの選択肢が用意されました。 これについて、詳細はこちらの発表をご覧ください。楽譜作成ソフトウェアは3種類すべてを総称してこれまで通り「Sibelius」と呼んでいます。 以前の記事を読んでいただくとお分かりいただけると思いますが、Avidの楽譜作成ソフトウェアは、共通のコードベースで構築され、Sibelius | First、Sibelius、Sibelius | Ultimate、Sibelius Cloud Publishingレンダリング・エンジンとAvid Scorch iOSアプリケーションは、すべて同じコア記譜エンジンを使用しています。 これにより、(例えば、後述の音符間隔や低レベルの最適化などの)アップデートや改良がすべての楽譜作成ソフトウェアに反映されることになります。

それでは、今回の改良点に移りましょう・・・

マルチエディット・ワークフロー―テキストその他

今年music.incのエディターズチョイス・アワード(Audio & Recording)を受賞したSibeliusの2018.1リリースに続き、4月にリリースされたSibeliusではマルチエディット・ワークフローをさらに進歩させ、複数の音符やパッセージにテキストを一度に追加できるようになりました。 複数のテキストを編集することも簡単です。こちらのプレビューをご覧ください。

この新しい機能については別途説明しています。どんな風に機能し、どうやって使うのか、こちらのブログをご参照ください(この素晴らしい新機能についてぜひ詳細をご確認ください!)。

 

タイ

前回のリリースと同様、さまざまなパッセージにインテリジェントにタイを追加する機能が今回も追加され、注目されています。ソーシャルメディア・フォーラムのユーザーからのフィードバックで、タイの左側の音符を編集すると、それにつれて右の音符も一緒に移動します。

タイのかかった音符をそれぞれ選択するのは、複雑なパッセージの中ではなかなか手間がかかりますが、これにより、ちょっとした時間を節約することができます。複数の小節にまたがっている場合も同様に機能します。

音符間隔を大幅に改善

Sibeliusの音符間隔はなかなかに優れていますが、例えば、複数の声部を書き込んだり、オブジェクトの追加や削除したりする際、少し確実とは言えない場合がありました。 大抵の場合、音符の間隔をリセットするか、Shift + Alt +矢印キーでスペースを微調整するか、インスペクタのXプロパティを使用して手動で音符の位置を設定する必要があります。しかし、今となっては、そんなケースは本当に稀になるでしょう。

下の譜例のとおり、複数の声部で構成されている楽譜が大幅に見やすくなりました。 音符が点在したり、音符の長さ自体についても、不明確なところはありません。インスペクタの「X」プロパティを使用して音符を個別に手動で調整する必要はなくなりました。

 

譜例

これらアップデートの成果をいくつかご覧ください。 いずれの場合にも、明らかな改善が見られます。

まとめ

  • 異なる符頭を持つ2つの声部のユニゾンはぶつからない
  • 付点の間隔と配置が改良
  • 声部1の付点二分音符と全音符は、声部2で同時に鳴る音符とぶつからない
  • 加線の同じリズムの声部同士は触れない
  • 同じ音程で2つの声部にある全音符は、隣同士に並び、重ならない
  • 交差する声部は、以前のバージョンと同様に、ステムレットからステムレットではなく、符頭から符頭にレイアウト
  • 同じ音価の付点音符がユニゾンの場合は付点を共有

これから作成される新しいスコアは、この新しい音符の間隔が適用されますが、以前に作成されたスコアはこれまで通りに表示されます。 勝手に変更されることはありません。 新しいスペーシングを適用するには、「記譜ルール」>「音符とトレモロ」で「version 3(バージョン3)」の声部ポジションルールを選択します。

もしも古いファイルで、インスペクタのXプロパティを使用して音符の位置を手動で設定した場合、スペースをリセットして新しい声部ポジションルールを適用するのに必要な手順を次に示します。

 

  • 「記譜ルール」>「音符とトレモロ」の、「声部位置の規則」から「version 3(バージョン3)」を選択
  • 適用したいフレーズを選択
  • 外観」>「デザインと位置」で位置をリセットをクリック
  • 外観」>「音符をリセット」で「音符間隔をリセット」をクリック

さあ、これで音符と付点がきれいにレイアウトされました。

その他の音符間隔の改良

複数の声部に音符を入力するとき、入力または編集するに従い、Sibeliusが音符の周囲にスペースを追加または削除します。 こうして、常にスコアがうまくレイアウトされていることを確認しています。 新旧のスペーシング・アルゴリズムで書かれた同じパッセージを比較してみましょう。

Sibeliusのこの新しいノートスペーシング・インテリジェンスが機能し、期待通りのレイアウトになっているので、それと気づかなければ最高です。音符の入力および編集中のバックグラウンドで行われていることは、小節のスペースのリセットです。ただし、この機能を無効にしたいという場合のために、Sibeliusに新しく環境設定を追加しました。 「ファイル」>「環境設定」>「音符の入力」から、「Respace multi-voice passages during note input and editing(音符の入力/編集中に、複数声部のパッセージを再配置する)」のチェックを外すことができます。

【注意】このオン/オフを切り替えてもスコア内の既存の音符スペースに影響はありません。

これらの改良の多くは非常に繊細なものです。たとえば、休符の間隔を調整するのに付点も考慮されるようになりました。これはもちろん自動的に行われるため、手動でスコアを再配置する必要はありません。 新旧の比較をお見せしましょう―16分休符の付点に注目してみてください。

これに加えて、歌詞やギターのフレームを削除すると、影響を受ける楽譜のスペースが自動的に更新されるため、これらのオブジェクトがあった余分なスペースが残らなくなります。 新旧を比較して、歌詞を削除した場合の例をご確認ください。

 

旧:

 

新:

リピート記号の前のスペースも改良されています。現在は修正されていますが、以前は、終了のリピート記号が先行する場合にのみ的確でした。 これは、開始のリピート記号と並ぶステムレットでより顕著になります。

音符を配置する際に、Sibeliusはアーティキュレーションも考慮するようになっています。 特にスペースが非常に狭い場合、Sibeliusの浄書のクオリティを高めるための小さくても重要な点です。

例えば「16分音符、8分休符、16分音符」の連桁では、休符の前の音符と、次にくる8部休符とステムレットがぶつかりそうになっていました。同様に、スペーシングはステムレットの向きによっても異なっていました。これらがうまく調整され統一されているのがご覧いただけるでしょう。

その他のアップデート

その他のアップデートは? このリリースには更なる多くの改良が含まれており、結果としてSibeliusの使用に大きな差を生み出します。 それは・・・(ドラムロール!ドロドロドロドロ・・)

スコアの最初の小節を削除することができます。スコアと結び付けられているタイトル、作曲家、コピーライト、テンポなどの大譜表テキストを失うことはありません。これらオブジェクトを削除する必要がある場合は、それぞれ選択して削除することもできます。スコアの最初に小節を追加したり、また削除したりしても、大譜表テキストは1小節目にセットされたままになります。

2018.1リリースでは、リボンにアクセスする方法を変更しました。 2018.4では、「リボン内で探す」ボックスに移動するショートカット「、」(カンマ)を追加。 これで、1つのキーを押すだけで、プログラムのどんな機能にもアクセスできます。 便利!

1月のリリースに寄せられたお客様の声にも対応しています。スコアの小節線の種類を変更することも簡単になりました。 単にパッセージや大譜表を選択して、小節線の種類を変更すると、選択した部分すべてに反映されます。 複数の小節を選択し、「リピート開始」を選択するだけで、選択された最初と最後の小節それぞれに、リピート小節線が適切に追加されます。

これらの改良の他に、修正点もあります。

  • まれにMacで「リボン内で探す」に入力するとクラッシュする問題を修正
  • 転調時の調号の後ろにできていた余分なスペースを修正。もしもこういったケースを見つけた場合は、そこに「大譜表の改行」を追加し音符間隔をリセット。これで再び調整される
  • ハイライトは、複数のシステムやページにまたがっていても表示され、正しく印刷されるようになる
  • 同じ場所にある複縦線とリハーサルマークを選択し、スコアの別の場所でaltをクリックすると、間違った場所に新しいリハーサルマークと複縦線ができてしまう問題を修正
  • スラーのかかったフレーズをコピーして別の場所に貼り付けるとき、スラーは重複しない
  • Windowsでは、印刷中に表示されるウィンドウの[ヘルプ]ボタン(右上隅のクエスチョンマーク)は不要なので削除
  • ごく稀に、クイックスタートとは異なる再生設定のスコアを開いたときにSibeliusがクラッシュする問題を改善
  • 「プラグイン」>「記譜の簡略化」>「重なっている音符を削除」で「元に戻すことはできません」というメッセージがでなくなった
  • emダッシュ( – )を含むコメントが正しく表示されるように
  • 休符のみの小節のパッセージにラインを追加することが可能に
  • 「元に戻す」の操作で、Sibeliusが予期せず終了することがあった問題を解決

 

刑事コロンボのセリフを借りるなら、「あ、あと一つだけ…

 

 

  • Sibeliusの特定のデータ構造の処理方法には、改良が行われ、これは、低速コンピュータで大規模なスコアを扱う際も処理能力がアップされるようになりました。

 

今回のリリースの、SibeliusとSibelius Ultimateの両方をカバーする多くの改良にご満足いただけるよう祈っています。 現在有効なアップデートおよびサポートプラン、またはサブスクリプション・ライセンスをお持ちの場合は、コンピュータ上のAvidアプリケーションマネージャ、またはMy Avidアカウントから新しいバージョンをダウンロードできます。

これからSibeliusを使ってみようという方は、30日間の無償トライアルをお試しいただくか、販売店(販売代理店 RygaSoundページへジャンプ)からお買い求めいただけます。

Sibeliusで自分を表現する

世界ベストセラーの記譜ソフトウェアを用いて、短時間で美しく、魅力的な楽譜を作成

Avidのシニア・プロダクト・マネージャとして、設計、開発、営業、マーケティング、法務、グローバル・サービスチームと協力しあって、未来に向けてSibelius製品およびソリューションを作っています。