Sibelius 2019.4 新機能

By in 記譜

コンスタントに強化、改善、開発を進めている Sibelius 製品の、2019年 2回目となる機能リリースをお届けします。

1月のリリースを出したばかりですが、それら最近の改善点をさらに向上させる機能強化版となり、また、多くの修正も含みます。

このアップグレードは、有効なサブスクリプション・ライセンスおよびアップデートプランをお持ちのお客様に有効で、Avid Linkからダウンロード およびインストールをしていただくことができます。インストーラーをダウンロードなさりたい場合は、 My Avid アカウントをご覧ください。

 

レビュー・モードでスコアをマークアップ

Sibelius 2019.1では、スコアをロックする機能が導入されました。これにより、意図せずスコアが変更されてしまうことを防げますので、安心してスコア内を移動することができます。Sibelius 2019.4では、さらに注釈、コメント、ハイライト機能が追加され、スコアのマークアップがこれまでになく簡単かつスピーディになりました。

レビュー・モードに入ると、[レビュー] タブの [注釈]、[新規コメント]、[ハイライト]ボタンがアクティブのままになります。

スコアをマークアップするには、通常通りこれらをクリックしてください。スコアに入力されたものは、通常どおりに移動または削除できます。

スコア内の音楽オブジェクトが変更されないようにするために、これまでのすべてのスコア編集に対する通常の[元に戻す]キューはロックされています。これにより、レビュー・モードでは、レビュー・モードで行った変更だけを元に戻すことができます。レビュー・モードを終了すると、[元に戻す] キュー全体がまた利用可能になります。

この機能は、3種類すべてのSibeliusでご利用いただけます。

機能 Sibelius | First Sibelius  Sibelius | Ultimate
レビュー・モード

レビュー・モードはすべてのSibeliusでご利用いただけます。誰かがSibelius | FirstやSibeliusの任意のサイズで開いたスコアを確認し、コメント、注釈、ハイライトなどでマークアップすることができます。実際のところ、Sibeliusユーザーでなくても、Sibelius | First をダウンロードすれば、どなたでもスコアを確認し、コメントを追加するなどして送り返すことができます。この機能では、Microsoft Surfaceなどのデバイスでペンを使うとても効果的です。スコアを意図しない変更から保護しながら、ペンで注釈を付けたり、指でスコアをナビゲートしたりすることができます。

教育現場では、教師が課題をレビューするのにも、スコアプロジェクトで共同作業する作曲家や編曲者にも役に立つでしょう。

 

ループ

リボンとトランスポートウィンドウの新しいアイコン。新しいボタンに合わせて幅が広がりました

ループモードを有効にするには、再生したい楽譜のパッセージを選択し、[再生] > [トランスポート] > [再生] > [ループ] の順に選択します。再生中は、スコア内に再生ラインが表示され、音楽と同様にタイムラインもループします。ご想像のとおり、停止を押すまで無限にループし続けます。

これはとてもシンプルで、Sibeliusのこれまでの再生ワークフローにぴったり合っています。

  • パッセージを選択し、Pを押して再生します – Sibeliusは選択範囲の最初から再生を始め、選択範囲の最後までくるとループします。
  • スペースキーを押すと、Sibeliusはスコア内の再生ラインの位置から再生を開始します。選択箇所より前だった場合は、再生が開始され、途中でループを拾います。選択箇所より後ろであれば、通常通り再生を開始し、ループはしません(ループ箇所にたどり着かないため)。
  •  選択している譜表が考慮され、選択した楽器だけが聞こえます。

ループは、選択箇所の途中にあるアーティキュレーションの変化も読み取ります。例えば、トランペットがミュートをつけて、数小節後に(ミュートを)取ったとしましょう。 Sibeliusでループされた時には、ミュートの状態に戻ります。

リピートを含むループには、特別なロジックを追加しました。

  • 選択範囲にリピートが含まれていない場合:シンプルに最初から最後までをループ
  • 選択範囲にリピートが完全に含まれている場合(複数のリピート終了を含む): リピート構造を通りに、リピートを反映し選択箇所全体をループ
  • 選択範囲にリピートの始めは含まれないが、1番カッコの終わりの小節が含まれており、そのままリピート終了を超えてさらに2番カッコまで選択されている場合、選択された1番カッコから演奏を始め、リピートして所定の位置まで戻り、次に2番カッコに入り選択された場所で終了
  • 選択範囲にはリピートの終了箇所が含まれるが、開始位置は含まれず、選択範囲は リピート終了記号を超えない場合、リピートの最初の繰り返しを再生します(これは選択の見た目と一番近い)

他にもいくつかの特殊なケースがあります。たとえば、1回目のリピート構造の一部で2回目の小節が選択されている場合、Sibeliusは選択されている2回目の小節内の音符のみを再生します。

この機能は、SibeliusおよびSibelius | Ultimateでのみ利用可能です。

機能 Sibelius | First Sibelius Sibelius | Ultimate
ループ再生 ×

スクラブ再生

スクラブ再生は、スコア上の音符やコードを試聴する新しい方法です。この機能は角括弧 [および](Macでは@および])のキーボードショートカットで利用でき、Sibeliusは再生ライン上の音符を一時的に再生できます。

(これまで通り)Yを使用すると、再生ラインをスコア内の任意の場所に移動できます。または、[小節へ移動] および [ページへ移動] も(2019.1以降では再生ラインも移動)使用できます。その後、[および] を使用すると、再生ラインが音符を通過し、音符を聞くことができます。

スクラブ再生すると、Sibeliusは、音符が書かれている通りの長さで音符を再生します。角括弧を押すと次の音符に移動していき、休符と休みの部分はスキップされます。ループと同様に、スクラブ再生でもパッセージの選択が考慮されるため、必要に応じて一部の楽器だけをスクラブできます。作業中の楽器だけを試聴する場合に便利です。

新しいアーティキュレーションも確実に拾えるようにしました。以前のバージョンのSibeliusでは、再生が選ばれたときのみサウンドを再割り当てしていました。これは、ミキサー上の各楽器フェーダーに (未)と表示されていることから明らかです。今では、音符をスクラブ再生して、パッチの変更を引き起こす可能性のある演奏中のアーティキュレーション(ミュート、スタッカートなど)が追加されると、スクラブ再生したときに反映されます。

再生のテンポは無視され、演奏されている音を明確に確認することができます。もちろん、アーティキュレーションとテクニックも考慮されます。

ある音符やコードから次の音に移動する際、次の音符または前の音符をスクラブすると、鳴らしている音符をキャンセルします。こうすることで、混ざった音に悩まされずに済みますが、Sibeliusではタイも考慮に入れられるため、実際にスコアに書かれたインプレッションを確かめることができます。

早送りと巻き戻しのショートカットを再利用しているため、カスタムのキーボードショートカットを使用する場合は、手動で再割り当てする必要があります。新しい スクラブ再生の「早送り」コマンドと 「巻き戻し」コマンドは、キーボードショートカット設定の[再生]タブセクションにあります。以前のように早送り巻き戻しをするには、ショートカットはAlt +]Alt + [になります。

この機能はSibelius | Ultimateでのみご利用いただけます。

機能 Sibelius | First Sibelius Sibelius | Ultimate
スクラブ再生 × ×

大譜表の最後で小節線を結合する

Sibelius 2019.4では、大譜表の最後で小節線を結合する、記譜ルールの新しいオプションが追加されました。これは、1ページに複数の段組がある込み入ったオーケストラ音楽には特に便利です。新機能は [記譜ルール]> [小節線]にあり、[ 大譜表の最後で小節線を結合する]をクリックします。

この機能は記譜ルールなので、Sibelius | Ultimateでのみご利用いただけます。

Sibelius その他の改良点

下記の機能は、すでに搭載されており、3種類すべてのSibeliusでご利用いただけます。

スラッシュ符頭

スラッシュの音符を含むパッセージをコピーするのは、特に音部記号の変更を伴う場合、注意が必要でした。このリリースから、異なる音部記号を使用する譜表間でこれらをコピーし、マウスで上下に移動できるようになりました(必要な譜表の上に配置できることが重要だからです)。スコアを入れ替えたり調号を変更しても、これらの符頭は移動しません。

さらに、すべての再生されない符頭(スラッシュ、「無音」など)は、楽器の音域の範囲外になっても、暗赤色や赤色の表示になりません。

 

NotePerformerによるフレキシタイム

NotePerformerでフレキシタイム(MIDIキーボードによるリアルタイム録音)の使用が可能になりました。以前は、フレキシタイムには「1秒の遅延」があったため、まったく使用できませんでした。今では、遅延がなくなり、Sibeliusに直接録音して入力したものを、高音質なNotePerformerのサウンドで聞くことができます。

バックグラウンドでは、フレキシタイム入力中にkVstMidiEventIsRealTimeフラグを設定しました。 これで、NotePerformerは1秒の遅延のスイッチが入らないので、音符はすぐに再生されます。 これは、実際には再生デバイスに関係なく設定されますが、他のバーチャルインストゥルメントに大きな影響を与えることはほぼありません。

NotePerformerについての詳細は、www.avid.com/plugins/noteperformer-for-sibeliusでご確認ください。

 

再生時、a2、a4、a nn 人のプレイヤーに 変換をサポート

これまで、Sibeliusはこういった数字をプレーヤーの数に変換する方法を持っていなかったので、パッセージに必要なプレーヤーの数をスコアに「a」で書き加えても、サウンドライブラリ上では何も起こりませんでした 。NotePerformerには、ご存知のとおり、これらの指示をその場で解釈するためのプラグインが付属していますが、その数の指示を変更したい場合にはプラグインを再実行する必要があります。Sibelius 7 Soundsサウンドセットには、4人のバイオリン、3人のビオラ、チェロ、コントラバスといったセットが含まれています。

Sibelius 2019.4では、「a2」「a4」「a8」などを「+ n player」のsoundIDの変更に読み替えることで 必要なプレーヤーの数を解釈できるようになりました。 。たとえば、スコアに「a1」、「a 1」(スペースあり)、「à 1」と入力すると、再生音がソロ楽器に変わります。同様に、 「a 8」と書くと音が変わり8人のプレイヤーで聞こえます。もちろん、制限はサウンドライブラリにあるので、これがすべてでうまくいくわけではありません。また、執筆の時点では、Arne WallanderはNotePerformerにこれを実装していませんが、そのうちアップデートされる予定です。

興味のある方は、再生辞書でこれがどのように機能するのかを確認できます。一番下までスクロールしてみてください。

^[aAàÀ][ ]?([0-9]+)

正規表現に精通している方はこれが何を意味するのか正確にお分かりでしょうが、そうでない方には―これは基本的に、Sibeliusに a / A / à / À から始まり(その後にスペースがあっても)その後に続く数字までの譜表テキストを解釈させるものです。そして + 1 プレイヤーの サウンドIDを変更するのですが 、そこでは、譜表テキストに入力された数を読み取り、正しいプレイヤー数として解釈するために、サウンドIDを変更しています。もう1つの変更点があって、サウンドIDを並べ替えることで、プレーヤー数が 「.ensemble」 と同じ優先順位になるようにしています 。

結果的に、以下をサポートすることが可能になりました。このサンプルを再生する再に、SibeliusでサウンドIDが変更されているのをご覧いただけると思います。 例によって、これらサウンドの変化は、お使いのサウンドライブラリがそれらをサポートしている場合にのみご確認いただけます。そうでなければ、別の音源に割り当てられます。

Sibelius Playerでサウンドを読み込む

Sibelius Playerのパフォーマンス向上のために、使用するサウンドを読み込むプロセスを合理化しました。ソフトウェア内部では、Sibeliusが使用するファイルハンドルをはるかに少なくすることで、より多くのサウンドを読み込むことができるようになっています。過去に大規模なスコアを書かれた時、アーティキュレーションが聞こえない、あるいは場合によっては楽器自体が聞こえないといったことに気付かれたことがあるかもしれません。

この改善の利点は、サウンドの読み込みがはるかに速くなることです。場合によっては最大で50%も速くなります!

 

Macのオーディオデバイスのホットスワップ

Sibeliusは、Macの [オーディオエンジンのオプション] に移動したときに、新しいオーディオデバイスを選択できるようになりました。これにより、Sibeliusを起動している時に、USBオーディオインターフェイスを接続したり、Bluetoothヘッドフォンをペアリングしたり、[オーディオエンジンのオプション] で選択することができます。もうこれで、新しいデバイスを使用する際にSibeliusを再起動する必要がなくなります。

これは、ヘッドフォンと内蔵スピーカー出力を 別々のデバイス として扱う、新しいMacを持っている方には特に便利 です 。ヘッドフォンを接続した後は、[再生] >[再生デバイス] > [オーディオエンジンオプション] からヘッドフォン出力に手動で切り替える必要がありますが、これらのマシンでヘッドフォンを使用するためにSibeliusを再起動する必要はありません。

 

ドキュメント

Sibeliusインストーラーのダウンロードサイズを減らすために、3種類のSibeliusのすべてで英語以外のすべてのドキュメントのPDFは Avid.com のナレッジベース にオンラインで保存されています 。Sibeliusを英語以外の言語で起動すると、ナレッジベースにリダイレクトするオプションが表示されます。オフラインの場合、英語版が引き続きローカルでご利用いただけます。

ダウンロードサイズは約300MB 削減され、Sibeliusの通常のリリース以外でのドキュメント更新や、ドキュメントへのアクセシビリティの向上のための取り組みです。詳細は追ってご報告します。

 

ライセンスとコピー防止

ライセンスエクスペリエンスを向上させるために、さらに変更が加えられました。Sibeliusのアクティベーションを改善することで、有効化や無効化を即座に検出するようになりました。たとえば、Sibeliusを起動中にに手動でライセンスを無効にすると、Sibeliusはレビューモードとなり、コメントの追加やスコアの保存は可能な状態になります。ライセンスを再度有効にすると、逆のことが起こります。これにより、Sibeliusを起動している際に、もしもサブスクリプションが失効した場合にも、Sibeliusを再起動しなくても作業を失うことなく、再開して実行できます。

 

バグの修正

例によって、多くのバグが修正されています。概要をご覧ください。

  • パーカッションのトリルが正しく再生されるようになりました。もう違うピッチの間を行ったり来たりすることはありません。
  •  Macでテキスト編集中に終了した場合にSibeliusがクラッシュするという長年の問題を解決しました。
  • スコアタブを閉じるためのXアイコンがMacに戻ってきました!隠されたボタンがどこにあるのかもう推測する必要はありません。
  •   Windowsでは、再生前にスレッドの優先順位を最低に設定されていたものを修正しました。
  • Sibeliusは、Mac上で(以前のQt4ビルドのように)高性能GPUを必要としなくなりました。これは電池の消耗を抑えることができるはずです。
  • 右クリックの [作成] メニューは、再生後およびレビューモードの切り替え後に正しく再度有効になります。
  • Avid Link内からMP3の再生を開始してからウィンドウを閉じると、MP3の再生が正しく停止されます。
  •  テキストオブジェクトをスコアに追加してエスケープを押すと、そのテキストは選択されなくなります。これで、インスペクタまたはリボンの [テキスト] タブからテキストのプロパティを編集できるようになりました。
  •  MacではF19までのすべてのファンクションキーがもう一度機能するようになりました。
  • ドロップダウンリストのあるリボンボタンは、Macで選択解除した後にハイライトされたままになる問題が解決されました。
  •  Macでフルスクリーンモードで2つのスコアを開いていた場合、終了時にSibeliusがクラッシュしなくなりました。
  • Windowsの用語メニューで、キーボードショートカットの正しいフォントが表示されるようになりました。

Sibeliusでのビデオの処理に関する以下のような多くの従来の問題を整理しました。

  • 場合によって、フルスクリーンでビデオを終了するのが困難でしたが、信頼性が向上しました。
  • ビデオが全画面表示のとき、スペースバーで再生を開始および停止できるようになりました。
  • QuickTimeビデオが、フルスクリーンモードで2台目のモニターで再生できるようになりました(コーデックに依存)。
  • フルスクリーンから出た後にビデオウィンドウが消えなくなりました。

…そしてあともう1つ。

 

楽器やプラグインを探す

チェロをスコアに追加したかったのに、すぐに見つけることができませんでした、Violoncelloで検索しなくてはいけなかったのを忘れてた、とか、新しいプラグインを見つけたくても、何百もの利用可能なプラグインをいちいち調べてみる時間なんてない、なんて思ったことはありませんでしたか?

お待たせしました!楽器の追加と削除、および楽器の変更ダイアログで楽器を簡単に検索できるようになりました。楽器の名前の一部を入力するだけで、一致したものがすべてその下に表示されます。試してみるのに良い例は、ギター、チューバ、トロンボーンなどです。

[プラグインのインストール] ウィンドウにも独自の検索バーがあります。それは完全に一致するものだけを検索するので、「Copy notes」は検索できて「Notes copy」だと検索されませんが、単に「notes」と検索すると名称に「notes」という単語が含まれるプラグインを全て探し出します。

これらの追加をお楽しみいただけるように願っています!

今回は以上です ーこれらの新機能と改善をお楽しみください。そして感想をお聞かせください。 @avidsibelius または @avid_samでツイートしてください。いつも、あなたがどのようにSibeliusをお使いになられているか知りたいと思っています。

Sibeliusで自身を表現

ベストセラーの楽譜作成ソフトで、より美しく魅力的なスコアを素早く簡単に作成

Avidのシニア・プロダクト・マネージャとして、設計、開発、営業、マーケティング、法務、グローバル・サービスチームと協力しあって、未来に向けてSibelius製品およびソリューションを作っています。