Avidは、最新のEUCON 20.5ソフトウェアでは、全てのEUCONコントロールサーフェスに対応されたことをお知らせいたします。このリリースでは、新しい Pro Toolsのフォルダートラック のサポートに加え、Avid Controlアプリから直接レイアウト作成ができるようになりました。さらに、多くのバグ・フィックスとパフォーマンス強化を行っています。
フォルダートラック
Pro Tools 2020では、ソフトウェアおよびコントロールサーフェスにおける、新しい作業方法であるフォルダートラックが搭載されました。フォルダートラックは、シンプルなトラック管理用として使用することや、セッション・ルーティングも含めたトラック構築を行う事ができる為、コントロールサーフェス使用時も、その操作性を大幅に簡素化および高速化することが可能です。
Avid S4/S6とEuControlコントロールサーフェスの両方で、非表示トラックだけでなく、閉じたフォルダートラックメンバーも表示できるオプションが搭載されました。これらは、バンキング、レイアウト、スピルモードの際に、個別に選択することができ、異なったワークフローに柔軟に対応可能です。

9つの新しいソフトキーは、アテンション・トラックに対する親、子、兄弟フォルダーの開閉を完全にコントロールすることができます。また、「全てを行う」および「全てを選択する」コマンド経由で、複数のフォルダートラックをコントロールすることも可能です。さらに、トラック画面には、タッチパネルでフォルダートラックの開閉可能なボタンとアイコンが搭載されました。

S4とS6では、サーフェスから直接フォルダーを開閉できるCSM/フェーダーモジュール上の新しいStripコマンドが搭載されています。また、フォルダートラックを確認するために、マスターモジュールの[Type]ボタンを使用して、ビューをフィルターすることも可能です。追加されたEUCONフォルダートラック・ワークフローにぜひご期待ください。
Avid Controlからレイアウトの割り当て

EuControlを使用したサーフェスのレイアウト作成は、20.5で非常に簡単かつ柔軟になり、S6同様に機能するようになりました。Avid Controlアプリでは、Tracks画面から直接、迅速にレイアウトを構築することができます。Assign(割り当て)ボタンを押すと、接続している物理的なサーフェス(S1、S3、ミックス、コントロール)に一致するボタンとトラックブロックの設定が表示されます。こちらから、トラック、ブランクストリップ、アテンション(注目)、または自動割り当てのアサインができます。EuControlでレイアウトの作成方法が改善され、トラックの挿入や削除ができるようになり、他の人がスペースを作ったり、ギャップを埋められるようになりました。また、Blank All(全てをブランク)、Clear All(全てをクリア)ボタンは、新たにレイアウトを一から組みなおす際にとても便利でしょう。

Pro Tools 2020.5概要は、以下の通りです。
- Avid Video Engine (AVE) 改善
- クラウド・ストレージ・ワークフロー初期設定追加
- バグ修正による堅牢性の向上
有効なサポートプランをお持ちの全Pro Toolsユーザーが入手可能なPro Tools 2020.5は、基本的にはPro Tools 2020.3の課題修正バージョンとなっています。
その一つが、ファイル同期システムを伴ったクラウド・ストレージ・ワークフローの改善です。今回、初期設定の「コラボレーション」タブ内にある「クラウドストレージサービス」欄には、以下のように、Dropbox, Google Drive,Microsoft OneDriveといったクラウド・ストレージでセッションを共有する際の利便性を向上させる為の2つの項目が追加されています。
開いているセッションの他ユーザーによる上書きを防止
この機能により、共有ロケーション上にある1つのセッションを複数のユーザーで利用する際、複数人が同時にそのセッションを開いて作業した際に生じる、他者による「上書き」を防止することができます。ここをオンにすると、先行するユーザーが、そのセッションを開いている間、作成されたテンポラリー・ファイルが有効となり、別のユーザーが、そのセッションで作業し、保存しようとすると「警告」が発せられ「上書き」ができないようになります(「警告」されたユーザーがその作業を保存したい場合は、「Save As(別名で保存)」を用いて、元のセッションとは別のファイルとして保存することで可能となります。)セッションが開かれているテンポラリー・ファイルは、該当者がセッションを閉じると削除されますので、その後、他のユーザーは、そのセッションを開き作業を開始することが可能となります。
テンポラリー・ファイルのエクステンションには、.tmp と.ptmpの2種類があります。

通常はどちらのエクステンションでも機能は有効になると考えられますが、以下のケースにご注意ください。
- Microsoft OneDriveを用いる場合は、.tmpを認識しない為、.ptmpを使用する必要があります。
- 専用NAS (Network Attached Storage)サーバーで、従来までのPro Toolsシステム(Pro Tools 10から3まで)も共存しながら共有を行う場合は、.tmpをお使いください。
- 専用NAS (Network Attached Storage)サーバーに全てのユーザーが共有状態である場合を除き、Pro Tools 2020.5未満のユーザーが、この機能を生かしてセッションを共有することはできません。クラウド共有サービスを用いて、「上書き防止処置」を取りながらセッション共有を行う場合は、全てのユーザーがPro Tools 2020.5以上をご利用いただく必要があります。
- .tmpまたは.ptmpファイルが一時的に作成されるのは、「開いているセッションの他ユーザーによる上書きを防止」を有効にしている方のみですが、万一、ここを有効にしていない他の方が、有効にしている方のSessionファイルを上書きしようとしても、それはできないようになっています。
- お使いのクラウド共有サービスがAvidで確認したDropbox, Google DriveまたはMicrosoft OneDrive(.ptmpのみ対応)以外のものである場合は、本格運用の前に両方の設定をお試しいただき、正しく機能する方をご選択ください。
セッションを閉じる際に未使用フォルダーを保持
Pro Toolsは初期状態では、セッション・フォルダー内で使用していないフォルダーを削除します(例えば、Clip GropsやVideo)。この項目を有効にすることで、セッションを閉じる際も、これらの未使用フォルダーを維持することが可能となり、ファイル同期サービスを提供するクラウド・ストレージを使用した際の不要なファイル同期オペレーションを軽減することができます。
ローカル波形のキャッシュ・バージョン
初期設定ウインドウの操作タブ内「その他」の項目にある「ローカル波形のキャッシュ・バージョン」ですが、「開いているセッションの他ユーザーによる上書きを防止」を有効にしておくと、共有ドライブ上のセッションに対しても機能するようになりました。
これにより波形情報再計算で生じる同期オペレーションを軽減化可能です。この値を「0」以上にすると、波形キャッシュが作成され、作業終了時、セッション・フォルダー内にその波形キャッシュがコピーされます。
Avidリモートワークフロー参考情報:
その他の課題修正等については以下のリリースノートをご参照ください。