ポストプロダクションでハイブリッド・クラウドストレージを使用する4つの方法

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業界では「クラウド」というトピックスは、何年もの間、好奇心と懐疑的な態度の両方で語られてきました。 ポストプロダクションのネイティブ・クラウドアプローチに完全に移行する準備ができているポストプロダクションはほとんどありませんし、多くの場合、それは現実的ではないでしょう。 しかしながら、ポストチームでは、従来のメディアストレージとクラウドを融合できることに気付きはじめ、セキュリティ、パフォーマンス、コストに関する質問は減ってきています。

規模、リモートコラボレーション、冗長性、セキュリティのなどの課題に容易に対応できるハイブリッド・クラウドストレージモデルが、今日のポスト環境にもたらす利点は重要な意味を持っています。しかし、ハイブリッドストレージとはどのようなもので、ポストプロダクション・ワークフローにはどのように適合するのでしょう?

ハイブリッド・クラウドストレージモデルとは?

このモデルはその名の通りです。特定のメディアアセットはオンプレミスに保存され、特定のアセットはクラウドに保存されます。たとえば、オンラインストレージと、最近完了したプロジェクトを仮置きするための小規模なニアラインストレージをオンプレミスに配置し、アーカイブアセット(たとえば90日以上経ったら)をクラウドに移動していく、というように。ハイブリッドモデルでは、レンダリングなどのポストの一部要素がクラウド上で実行され、編集やレビュープロセスなどは、実際のポスト施設で実行されるといった、ハイブリッド・ワークフローを実現することもできます。

ハイブリッドモデルでは、管理する独自のサーバーと端末がありますが、特定のワークフローをクラウドに割り当てます。 施設内とリモートで行われることの範囲はポストプロダクションとプロジェクトによって変わる可能性がありますが、ハイブリッド・ストレージはポストプロダクションに、より柔軟な作業環境を提供します。

ハイブリッド・クラウドストレージモデルには、オンプレミス・ストレージモデルには実現できない、4つの長所があります。

 

1.  クラウドバーストの容量の規模

十分に多様化されたプロダクションでは、それぞれのプロジェクトですべての人員や機材を配置につける必要はありません。 ただし、オンプレミスの機能だけでは不十分な場合があり、新しいプロジェクトでは、必要に応じた増減に対応できる素早いストレージソリューションが必要になります。 ここでSaaSベースのクラウドサービスが役立ちます。PCoIPを介して、追加したコンピュータのパワーへのリモートアクセスを提供し、エディターがオンプレミスの機材から利用するのと同じ編集ワークフローに安全で信頼性の高いアクセスができるようにします。 オンプレミスストレージとクラウドストレージがファイルを同じシステムに保持し、両方のストレージインスタンスが適切に同期されていれば、シームレスな環境が実現できます。

この場合の利点は、 数日または数週間のために機材を購入してインストールする必要はなく、数時間以内にクラウドで稼働させることができ、 コストはクラウドで使用した分だけになるというところです。

最近、バースト容量が特に大きくなってきています。 パンデミックにより制作が中断されたりもしましたが、完成したコンテンツへの需要は依然として増加しています。 業界で制作への回帰が進むと、ポスト処理を待っていた膨大な量の未処理コンテンツと戦わなければなりません。 このバックログを処理するためにオペレーションを迅速に拡張できるポストプロダクションは、競争に対して大きな優位性を持っています。  

 

2.  リモート・コラボレーションを有効にする

リモート編集は、おそらくクラウドの最も価値のある機能です。 適切なテクノロジーがあれば、ポスト作業ほぼどこからでも行うことができます。

ポストプロダクション・ワークフローでは、部分的には孤独な作業もありますが、映画やテレビは本質的に共同作業です。 クラウドアプローチを採用することで、距離によるギャップを埋めることができます。 フィードバックは即時で、メモはすぐに反映できます。 さまざまな部門は、何が行われているのかを常に正確に把握できるため、プロセスがより効率的になるだけでなく、全体としてよりまとまりのあるクリエイティブなアプローチを生み出すことが可能になります。

ハイブリッド・クラウドストレージモデルを使用すると、数千キロ離れた場所にいても、最高のポストプロダクション・スタッフを参加させることができます。 ポストチームは、同じプロジェクトに取り組んでいるリモートチームメンバーと協力しながら、オンプレミスにはファイルで作業するスタッフが確保できます。これこそ、ハイブリッドアプローチの強みです。現場から離れた場所で作業したい(または現場から離れざるを得ない)人は、コラボレーションに必要な接続性を保ったまま協業できるのです。  

 

3.  リビューと承認の合理化

レビューと承認なしに編集を完了することはできません。特に編集作業の真っ最中であれば、オンプレミスでのレビューと承認は重要になります。 とはいえ、ポストプロダクションワークフローはますます分散化され、ポストに関わる人たちはリモートコラボレーションに適応するようになっており、ここにはレビューと承認も含まれます。

別途、セキュリティを確保しながらエクスポートし試写を実施したり、エグゼクティブやプロデューサーを物理的に試写に参加させたりする代わりに、クラウドソリューションを使用すると迅速な承認が必要なメディアへのリモートアクセスが可能になります。 多くのプロダクションでは、現場から離れた場所にいるプロデューサーのための次善策を考え出す必要がありました。 これらの素材をクラウド上に置くことで、プロセスは合理化されます。 これにより、物理メディアの到着を待たなければいけなかったり、そのドライブが開けなかったり、現場にいないの幹部の物理的なレビューと承認プロセスでの遅延などを避けることができます。その場その場の承認メールは必要ありません。  

 

4.  よりよいコスト管理 

クラウドストレージへの投資はオンプレミスと同様ですが、そのコストは、多額の先行投資ではなく、月次、四半期、または年次で分割されます。これが名ばかりの区別のように聞こえるのであれば、先入観を持たずに聞いてください。迅速に拡張する必要がある場合は、この項目を、CAPEX(設備投資)から運用コストにシフトすることでメリットが得られます。 このモデルはまた、ポストプロダクションが、常に活用されるわけでもないオンプレミスのハードウェアを過剰供給することを防ぎます。 ハイブリッドモデルを使用すると、ピーク時の容量に備えるのではなく、その時に必要な分にだけを支払うことができます(使用されていないハードウェアの保管場所や電力、サービスのコストをカバーすることは言うまでもありません)。

業界が、柔軟でハイブリッドな作業環境に移行するにつれて、クラウドはますますなくてはならないものとなります。 ポストチームが必要とする新しいストレージをテクノロジーが可能にします。唯一の問題は、クラウドを真正面から採用するか、ワークフローの一部に組み込むことを選択するかです。

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Oriana Schwindt is a freelance writer based in New York. She primarily covers the TV industry, dabbling also in travel and culture.