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Pro Tools 2021.6において増加したボイス、トラック、I/Oについて

Pro Tools 2021.6 では、Pro Tools と Pro Tools | Ultimateの両方のボイス数、トラック数、I/O数が増加しました。ボイス数とトラック数が増えたことで、より大規模なセッションを作成できるようになりました。I/Oが増えると、より多くのソースを録音でき、コアオーディオやASIOインターフェースを使用しているときの外部機器をさらに多く接続できるようになります。しかし、ボイスとは何を指すのでしょうか。なぜ重要なのでしょうか?そして、なぜ制限があるのでしょうか?

これらの疑問を解き明かすため、まずは基本に戻りましょう。

ボイスとストリーミング

Pro Toolsがオーディオを再生する時、ハードディスクからPro Toolsオーディオエンジンへオーディオをストリームするのにボイスを使用します。1つのオーディオストリームは1ボイスを使用するので、つまりモノ・ストリームは1ボイス、ステレオ・ストリームは2ボイス、5.1ストリームは6ボイス使用することになります。Pro Toolsでは、ディスクからの(そしてディスクへの)オーディオは、オーディオトラックによって処理されます。よって、オーディオトラックはボイスを使用します。この場合も、モノ・オーディオは1ボイス、ステレオ・オーディオは2ボイス、と言うふうに使用されることになります。

通常は、オーディオトラックのみがボイスを使います。Pro Toolsは、Aux入力、インストゥルメント・トラック、VCAマスター、ビデオトラックなどの、多くの異なったタイプのトラックがありますが、それらはボイスを使用しません。つまり、この記事でトラックの制限について取り上げる場合は、オーディオトラックのことのみを指します。Pro Toolsセッションでは、複数種類のトラックを組み合わせて、合計で幾千ものトラックを作成することができます。詳細については、こちらをご覧ください。

セッションの規模に関係なく、Pro Toolsのトラック制限に達することは、実際には、難しいことでしょう。

Pro Tools | Ultimateにおけるビデオとトラック

ボイスとオーディオトラックの関係性について理解を深めたところで、Pro ToolsとPro Tools | Ultimateにおいてどのようにカウントするのか見ていきましょう。

Pro Tools | Ultimateにおいての制限とは、ボイスの制限を指します。Pro Tools 2021.6 より前のバージョンでの制限は、HDXシステムのカード1枚につき256ボイス(カード3枚で最大768ボイス)、もしくはネイティブ・オーディオエンジン(HD Native、コアオーディオ、またはASIO)を使用する場合の384ボイスでした。
それらのボイスがどのように使用されるかは、セッションによります。256モノトラックを作成して256ボイスを使用したり、32個の7.1トラックを作成して同じボイス数を使用することもできます。覚えておくべきもう一つのポイントは、サンプルレートを倍にすると、これらのボイス数は半分になることです。

Pro Tools | Ultimate 2021.6では何が違うのでしょうか。HDXクラシックを使用している場合、つまり、ハイブリッドエンジンが無効になっている場合、ボイスはハードウェアによって処理されるため、カード1枚につき256ボイスが制限です。ですが、新しいHDXハイブリッドエンジン、もしくはその他のネイティブ・プレイバックエンジン(HD Native、コアオーディオ、またはASIO)を使用する場合、ボイス数は、なんと2,048ボイスまで使用可能となります。つまり、HDXシステムでカードを3枚使用する場合の2倍以上の数です!それだけでなく、どのサンプルレートでも2,048ボイスを使用できます。これにより、より大規模なPro Toolsセッションを作成できることになります。

Pro Tools | Ultimateのオーディオトラックの制限も同じく2,048に増加しました。Pro Tools | Ultimateでは、ボイスよりも多くのトラックを作成できます。例えば、256個の7.1オーディオトラックを作成した場合、ボイスは2,048使用されますが、オーディオトラック数自体は、さらに増やすことが可能です。ただし、ボイス数に関しても、任意のトラックのボイシングをDynからオフに切り替えて、そこで使用していたボイスを解放するといった柔軟性は備えています。

Pro Toolsにおけるボイスとトラック

では、Pro Toolsにおいては、どうでしょう。Pro Toolsで制限についてふれる場合は、ボイス数ではなく、オーディオトラックの最大数を指します。Pro Tools 2021.6より前のバージョンでは、Pro Toolsで作成できるオーディオトラックの最大数は128でした。Pro Tools | Ultimateのように、サンプルレートが倍になると、オーディオトラック数は半分になります。

注意深く見ると、Pro Toolsで128モノ・オーディオトラックを作成すると128ボイスが使用され、128ステレオ・オーディオトラックを作成すると256ボイスが使用されていることに気づくでしょう。これは、Pro ToolsがPro Tools | Ultimateと異なり、ボイス数がトラック数と相関して管理しているためで、ユーザーの方々の実際の作業時は、ボイス数ではなくトラック数だけを気にしながら作業すれば良いのです。

Pro Tools 2021.6のリリースではどのように変わったでしょうか。ボイス数とトラック数との相関性は変わっていません。良い知らせとしては、オーディオトラック数が128から256オーディオトラックに倍増したことでしょう。さらに嬉しいことに、サンプルレートを倍にしても、使用可能なオーディオトラック数は半分になりません。もし96kHzで作業することが多い場合、以前の4倍のモノオーディオトラックを好きなように使用できることになります!

要約すると、Pro Tools 2021.6はより大規模な、より複雑なセッションを使用することを可能にさせてくれる、と言うことです。

 

インプットとアウトプット

オーディオトラックとボイス数の増加に加え、Pro Tools 2021.6では、長年の要望であったI/Oについても対応しました。これまでは、Pro ToolsをコアオーディオやASIOインターフェースを使用する場合、最大32インプットと32アウトプットまで対応可能でした。より多くのI/Oを求めるユーザーは、通常、多数の楽器を録音する目的で、HDXシステムを使用する必要がありました。これは、HDXが持つ可能性を考えると意味のあることであり、TV/フィルム・スコアリング・セッションなどで、同時に多数のパフォーマーをレコーディングするといった作業に適していました。

Pro Tools 2021.6では、Avid以外のハードウェアを使用している場合の最大I/O数が64インプットとアウトプットに増加しました。これは多様化するレコーディング・スタイルの幾つかにとって利点となります。例えば、ライブサウンド・ミキシング・コンソールからフィードを録音するといったことが可能となるのです。こういった32チャンネル以上を録音するライブ収録では、全ての機会にHDXシステムを持ち運ぶのが適さない場合もあります。今回のインプット数増加により、64インプットまでのライブサウンド・ワークフローがより手軽に実現可能となったのです。

I/Oの増加が有益な他のケースは、多数の外部ハードウェアを、ハードウェア・インサートを使用してPro Toolsセッションに組み込む必要がある場合です。I/O数が64に増えたことで、ハードウェアを複雑にコアオーディオまたはASIOインターフェースにパッチし続ける必要がなくなります。

 

なぜ制限があるのか

最後に1つ述べたいポイントは、なぜ全てにおいてこれらの制限があるのか、と言うことです。

なぜ全ての制限を取り除かないのでしょう。Pro Toolsは常に安定したオーディオ・プロダクション・プラットフォームであり続けています。業界でその長きにおける卓越性を持つ理由の一つは、それが信頼できると言う事実です。この安定性を提供するために、あらゆる観点からPro Toolsは徹底的に試験されています。したがって、ソフトウェアに制限を設けるのは、その制限までテストして、ユーザーの皆様にPro Toolsシステムに対する信頼を得ていただくためです。

 

結論

この記事がお役に立てれば幸いです。次のプロジェクトでより多くのオーディオトラックをどのように使うか、計画を立ててください。Pro Toolsの他の新機能の詳細についてはPro Tools 2021.6 新機能についてをご参照ください。

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Pro Tools | CarbonとPro Tools|MTRX Studioの比較

2020年、Avidは2つの新しいオーディオ・インターフェースを発表しました。「Pro Tools | MTRX Studio」と「Pro Tools | Carbon」です。どちらも1Uユニットで、フロントパネルのデザインは共通していますが、2つの製品は大きく異なります。この記事では、これらの違いを明らかにして行きます。

MTRX StudioはHDXまたはHD Nativeを必要とするDigiLinkインターフェースで、音楽制作を含む様々な用途に適していますが、サラウンドやAtmosワークフローを必要とするオーディオ・ポスト環境でより真価を発揮します。Carbonは音楽制作やレコーディングのために作られており、インターフェースに組み込まれたHDX DSPを利用し、Pro Toolsソフトウェアとシームレスに統合することで、ネイティブ環境でのシンプルな低レイテンシーのトラッキングの問題を解決します。

概要

MTRX Studioは、非常に有能で柔軟性の高いオーディオ・インターフェースです。アナログ、デジタルを問わず、様々なフォーマットでスタジオ内の他のオーディオ機器とのインターフェース機能を必要とするオーディオ・プロフェッショナルのために設計されています。完全に設定可能なソフトウェア制御のモニタリング・セクションを備えており、Dolby Atmosまでのあらゆるモニタリング環境に対応できます。

Carbonは特に音楽制作、とりわけミュージシャンやバンドのレコーディングのために設計されています。この目的を満たすI/Oにより、追加のハードウェアを必要とせずにレコーディング・セッションを実行するために必要なすべてを提供します。

価格のポイント

この2つの製品は価格帯が大きく異なり、異なるプロオーディオ市場に対応するように設計されています。Pro Tools | HDX Thunderbolt 3 MTRX Studioバンドルは9999ドルです。Carbonは3999ドルです。MTRX Studioの価格には、ホスト・コンピュータに接続するために必要なHDXカードが含まれていますが、代わりにHD Native Thunderboltカードを使用することもできます。

価格にはPro Toolsのライセンスが含まれています。Pro Tools|CarbonにはPro Toolsソフトウェアが付属し、Pro Tools|MTRXにはPro Tools|Ultimateと、モニタリングのリモートコントロールを可能にするDADmanソフトウェアも付属しています。

コンピュータへの接続

MTRX Studioは、HDXおよびHD Nativeシステム用のDigiLinkインターフェースです。ホスト・コンピュータに直接接続するのではなく、DigiLinkプロトコルを使用してHDXカードまたはHD Native Thunderboltカードに接続します。DigiLinkはAvid独自のオーディオ・コネクターで、プロセッシング・カードとインターフェース間のオーディオを完全にコントロールすることができます。
MTRX Studioは、macOSとWindowsの両方のオペレーティング・システムと互換性があります。

Thunderbolt Ethernetアダプターを使用しているかどうかに関わらず、認定されたAVBポートを使用してMacに直接差し込むことができます。AVBはCarbonにとって重要なテクノロジーです。AVBは、専用の帯域幅、正確なタイミングでの低レイテンシー・ストリーミング、インターフェース全体とPro Toolsへの32ビット・フローティング・パスを提供するイーサネット規格です。そして、将来に向けての柔軟性を提供してくれます。

入出力

2 つのインターフェースの I/O コンプリメンツは、用途の違いを示しています。

MTRX Studioには2つのマイク・プリアンプが搭載されており、VO、ADR、フォーリーのレコーディングに最適です。また、16系統のアナログラインの入出力を備え、ADAT対応のコンバーターやマイクプリを追加するためのADAT接続端子を備えています。重要なポイントとして、MTRX Studioには64チャンネルのDante I/O用のDanteポートが搭載されています。Danteは、ここ数年の間にライブ・サウンドとスタジオ制作の両方において、標準的なデジタル・オーディオ相互接続プロトコルとなっています。様々なワークフローを可能にする多数のDante周辺機器が市場に出回っており、MTRX Studioにこのコネクタを搭載することは、現代の制作環境に統合する上で特に重要となります。

大規模なスタジオ環境で必要とされる接続性とは対照的に、Carbonは小規模なスタジオやホームプロダクション環境のニーズを満たすように設計されています。8つのマイク・プリを搭載しているので、例えば複数のパフォーマーを録音したり、ドラム・キットを収録したりすることができます。8系統のライン入出力を備えており、コンプレッサーやEQなどのスタジオ用アウトボード機器のハードウェア・インサートとしても使用することができます。また、サードパーティー製のコンバーターやマイクプリアンプとの接続を容易にするために、ADATコネクターを使用して16系統の追加入力(48kHz時)も備えており、同時入力数は最大24系統(トークバック・マイクを内蔵している場合は25系統)に増加します。Carbonには4つのヘッドフォン出力があり、追加のハードウェアを導入することなく、スタジオのミュージシャンのために4つの別々のヘッドフォン・ミックスを作成することができます。

モニタリング

MTRX Studio には、驚くほど包括的なルーティングとモニタリング・セクションがあります。DADman と呼ばれるアプリケーションを使用してソフトウェア制御されており、完全にコンフィギュレーションが可能です。512 x 512 のクロスポイント・デジタル・マトリックスにより、任意のソースを任意のデスティネーションにパッチすることができます。モニタリング・セクションでは、Dolby Atmosをはじめとするあらゆるフォーマットのスピーカー・セットを必要なだけセットアップすることができます。キュー・ミックスも完全に設定可能です。任意のソースから必要なだけのヘッドフォン・フィードを設定し、どのヘッドフォンにトークバックをアサインするかなどを決めることができます。すべてのモニター機能は、S6、S4、S1、DockからEUCON経由でコントロールできるので、ユニット自体を別のマシンルームに設置することも可能です。最後に、スピーカーEQとディレイ処理を内蔵しているので、ルーム・コレクションEQやディレイをモニタリング・パスに適用することができます。

Carbonは、レコーディング・セッションを実行するために必要なすべてを提供します。モニタリングはインターフェースに組み込まれており、フロントパネルからコントロール可能です。3セットのステレオ・スピーカー、DimとCutコントロール、4つの独立したヘッドフォン出力に対応しています。トークバック・マイクはフロントパネルに内蔵されています。 Carbonはデスクトップ・インターフェースとして設計されており、コントロールにアクセスしやすいように配置されています。

Carbonとポスト・プロダクション

ポスト・プロダクションのワークフローで Pro Tools | Carbon を使用することを妨げるものは何もありませんが、ポスト・プロダクション環境には最適ではない理由がいくつかあります。Carbonは音楽制作用に設計されているため、ステレオ・モニタリング機能を備えており、サラウンド・モニタリング機能はありません。もしCarbonのライン出力を5.1や7.1オーディオに使用する場合、モニターレベルを設定できるようにハードウェア・モニタリング・デバイスにルーティングする必要があります。また、MTRX Studio が DADman を使用して提供する柔軟なサラウンド・ルーティングやダウン・ミックスも利用できません。もう 1 つの重要な要素は、映像に対して作業する場合、映像がオーディオに正確にロックされていることを確認する必要があるということです。これを保証する唯一の方法は、フレーム・エッジ・シンクを使用することです。フレーム・エッジ・シンクは、ビデオ・リファレンス・シンク・ソースから派生したもので、フレーム・エッジ・シンクをPro Toolsに取り込むには、Avid SYNC HDが必要です。SYNC HDはHDXカードまたはHD Native Thunderboltインターフェースに直接接続するため、オーディオ・インターフェースとしてCarbonを使用している場合、フレーム・エッジにロックする方法はありません。

MTRX Studioと音楽制作

MTRX Studioは音楽制作に最適ですが、複数のミュージシャンをレコーディングする場合は、ライン・インプットに外部マイク・プリアンプを接続し、ラインアウトまたはDanteを使用してキュー・ミックス用の追加ヘッドフォン・プリアンプを接続する必要があります。さらに、Carbonで開拓したハイブリッド・エンジンのワークフローは、バーチャル・インストゥルメントのようなネイティブ処理を含む音楽プロジェクトにおいて、HDXシステムの柔軟性を高めます。

おわりに

詳細については、比較シートをご覧いただき、Avid.comのMTRX StudioCarbonをご覧ください。

Pro Tools | Carbon

アーティスト、バンド、プロデューサーに最適な高品位オーディオ・インターフェースです。

Pro Tools | MTRX Studio

I/O、モニタリング、ルーティング機能が1Uラックマウントの筐体にまとめられることで、クリエイティブな効率をスタジオにもたらします。Pro Tools MTRX Studioを使用すると、接続フローを簡素化、入出力にルーティング、Pro Tools | HDXとの組み合わせで超低レーテンシー、そしてDolby Atmosミキシングのための環境を整えます。




フォルダートラック概要

Pro Tools 2020で、フォルダートラックが導入されました。フォルダーは、Pro Toolsでの作業方法を一変させます。 このブログでは、フォルダートラックの基本を中心に説明します。きっとすぐ使いこなせるようになれますよ。

フォルダートラックは、単純な整理機能を実行することもできますし、セッションルーティングのインフラストラクチャの一部にすることもできます。つまり、フォルダートラックには2つのタイプがあるのです。ベーシックフォルダートラックとルーティングフォルダートラックです。ベーシックフォルダートラックは、単純に整理するためのもので、トラックを素早く折りたたんだり、邪魔にならないように整理したりすることができます。ルーティングフォルダーは、ベーシックフォルダーの整理機能と、Aux インプットのようにフォルダー内のオーディオをルーティングする機能を兼ね備えています。ルーティングフォルダーにはインサートやセンドなどのオーディオ機能がありますが、ベーシックフォルダーにはないため、ミックスウィンドウやエディットウィンドウですぐにその違いがわかります。

フォルダー作成

フォルダーを作成する方法はいくつかあります。最初にフォルダートラックを作成してそこにトラックを追加するか、トラック選択に基づいてフォルダーを作成するかを選択することができます。

空のフォルダートラックを作成するには、[新規トラック]ダイアログを使用します。ここで基本フォルダーまたはルーティングフォルダーを作成するオプションが表示されます。

フォルダーが作成されたら、その中にトラックを移動させるいくつかの方法があります。トラックをフォルダーにドラッグすると、UI の黄色いボックスがどのフォルダーにドラッグしているかを確認するのに役立ちます。これは編集ウィンドウ、ミックスウィンドウ、トラックリストでも行えます。あるいは、トラックやトラックのグループを右クリックして、”移動… “オプションで選択することもできます。これによりトラックを既存のフォルダに移動することができます。”最上階層 “オプションを使用して、トラックをフォルダーの外に戻すこともできます。

セッションでいくつかのトラックを選択し、その上で右クリックすると、「移動先」を選択でき、その他にもトラックの選択に基づいて新しいフォルダーを作成するオプションが表示され、ベーシックフォルダーかルーティングフォルダーかを選択することができます。ルーティングフォルダーを選択した場合、新しいフォルダーにトラックを自動的にルーティングするオプションがあります。これにより、フォルダーと同じ名前の新しいバスが作成され、新しいフォルダー内のすべてのトラックをバスにルーティングします。トラック選択からフォルダーを作成するさらに簡単な方法は、Command + Shift + N のショートカットです。もしPro Tools の以前のバージョンのセッションで作業をしている場合、Aux 入力 を通してルーティングを設定しているかもしれません。この場合、Aux トラックを右クリックして”Auxをルーティングフォルダーに変換”を選択します。そして、そのAux インプットにルーティングされているトラックを新しいルーティングフォルダーに入れれば完了です。Pro Tools のBus Interrogation Optionsを使用すると、この作業がさらに簡単になります。トラックの出力セレクターを右クリックして「トラック」オプションから直接選択することもできます。

フォルダーが開いていて、そのフォルダーの直下に新しいトラックを作成した場合、新しいトラックはそのフォルダーに追加されます。そうしたくない場合は、新しいトラックを作成する前にフォルダーを閉じてください。

もちろん、フォルダー内にフォルダーを作成し、複雑な階層構造のフォルダーを作成することもできます。トラックリストは、何が起こっているのかとても簡単に確認できます。その点にも注目してみてください。

フォルダートラックの開閉

トラック名の横にある三角形のアイコンをクリックすることで、トラックを開いたり閉じたり開閉できます。また、キーボードショートカットを使用することも出来ます。Shift + f キーを押すと、選択したフォルダーのトラックを開閉できます。

 

Metering

これはフォルダー内のトラックが、どのようなアクティビティを行っているかを示すものです。もちろん、ルーティングフォルダーには通常のトラックメーターがあり、フォルダー内を通過するオーディオを計測するために使用されますが、これらのメーターはフォルダー内を特別にルーティングされたオーディオのみを反映するのに対し、シグナルインジケーターはフォルダー内のトラックにオーディオがあるかどうかを表示します。

ソロとミュート

ベーシックフォルダーとルーティングフォルダーでは、ソロとミュートのロジックが異なります。

ベーシックフォルダーとルーティングフォルダー上でソロにした場合でも、メンバートラックはミュートされません。ベーシックフォルダーのメンバーをソロにしても、フォルダーに入っていない場合と同じように振る舞います。トラックを通過するオーディオがある場合、ルーティングフォルダーの動作が異なります。ルーティングフォルダーのメンバーをソロにした場合、そのフォルダーはミュートされません。 これにより、ソロセーフを気にすることなくメンバーのトラックをソロにすることができます。

ベーシックフォルダーをミュートすると、そのフォルダーのすべてのメンバーがミュートされます。ただし重要な違いとして、ルーティングフォルダーをミュートすると、そのフォルダーのオーディオ出力だけがミュートされます。つまり、ルーティングフォルダー内のトラックが他の場所にルーティングされている場合、ルーティングフォルダーがミュートされていても、それらのトラックからのオーディオは持続されているということです。

 

編集

フォルダートラックの非常にクールな機能は、閉じたフォルダー内のトラックに編集コマンドを実行できることです。例えば、閉じたフォルダートラックのタイムライン上で範囲選択し、それをコピーして別のタイムライン上に貼り付けることができます。これについては、音楽ポストのワークフローについての他の記事で説明します。

結論

この記事が、Pro Toolsにどのようにフォルダートラックが実装されているかについての有益な紹介となったことを願っています。実際に使ってみて、あなたのセッションがどれだけきれいに見えるか確認してみてください。

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Pro Tools:オーディオ・ポスト向けトラックコンピング

複数のテイクからマスター・バージョンを素早く効率的に編集する能力は、ADR(アフレコ)やナレーション録音を行う者にとって極めて重要です。Pro Toolsは、これに対応する様々な方法を提供します。また、Avidは、常にワークフローの改善を目指しています。 トラック編集ワークフローについて深く掘り下げる前に、セッションの整理に役立つヒントを紹介します。録音前に新たなプレイリストを作成します。Pro Toolsは、新しいプレイリストに自動的にテイク番号を付けます(例:01)。新しいプレイリストから始めることで、元のプレイリストを本テイクの編集用として残すことができます。
キーボード・ショートカットを使って新しいプレイリストを作成し、新しいプレイリストに自動的に名前を付けるオプションを使用すれば、テイクの録音工程がシンプルになります。また、ループ録音を使って、パス毎に新しいプレイリストの自動作成を設定することも可能です。録音時にテイクを5段階評価して、記録することもできます。 次に、編集工程を見てみましょう。
アフレコが録音されると、全てのテイクがプレイリストに含まれます。それぞれのテイクから一番良い部分を取り、単一のトラックにまとめてコンプが作成されます。 この作業はプレイリストのトラックビューで行うことができます。このビューでは、全てのテイクを一覧で表示できます。プレイリストの横にあるソロボタンを使ってそのプレイリストを視聴し、プレイリストの隣のプロモート・ボタン(上向き矢印)またはキーボード・ショートカットを使って、選択したオーディオをメインのプレイリストへ送り、コンプを作成します。 また、波形ビューのままでもコンピング作業ができます。まず、ターゲット・プレイリストを割り当てて、マスター・テイクを編集するプレイリストを指定します。次に、キーボード・ショートカットを使ってプレイリストを順送りして異なるテイクを聴き、それぞれのプレイリストを評価します。テイクのどの部分でも好きなように選択して、キーボード・ショートカットを使いターゲット・プレイリストへ送ることができます。
どの段階でも、キーボード・ショートカットでターゲット・プレイリストに切替えて、コンプイングの進行状況を確認したら、作業中のプレイリストへ切り替えて戻ることができます。 テイクを組み立てたら、ターゲット・プレイリストへ切り替えてコンピング結果を微調整します。新搭載の試聴機能を使うと、作業は実に楽になります。例えば、アフレコのほんの一言のために他のテイクを聴きたい場合。単語を選択して、キーボード・ショートカットを使い、他のプレイリストから単語の異なるテイクを順送りします。これを行う場合、コンプ全体と照らし合わせて単語を聴くには、プリロールおよびポストロールを使います。

ビデオで使用されるキーボード・ショートカット

Ctrl + (Mac) Start +   (Win)

プレイリストを新規作成

Shift + Opt + 上矢印 (Mac) Shift + Alt + 上矢印 (Win)

選択範囲をターゲット・プレイリストへコピー

Shift + Opt + T (Mac) Shift + Alt + T (Win)

選択範囲をターゲット・プレイリストへ移動

Shift + Command + 上下矢印 (Mac) Shift + Control + 上下矢印 (Win)

クリップ選択範囲内でオーディオを順送り

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Pro Tools 2018でコラボレーションのハードルを下げる

Avid は、Pro Tools 12.5で、Pro Toolsのセッションを共有し、離れた場所であっても共同作業が可能となるAvidクラウド・コラボレーションを発表しました。そして常にワークフローを改善し、可能な限りスムーズで簡単にコラボレーションを実現する方法を探求し続けていますPro Tools 2018は、Pro Toolsのパワフルなクラウド・コラボレーション機能、リビジョン可能なプロジェクト・ファイルの活用を容易にし、他の人をクラウドでのコラボレーションに誘いやすくする機能を新たに追加しました。 

Pro Toolsを長く使用しているユーザーは、セッション・フォルダやファイルに慣れ親しんでいるでしょう。セッション・フォルダはローカル共有ストレージを問わず、どこにでも保存可能です。フォルダ内には、セッションファイル、オーディオ・ファイル、ビデオ・ファイル等が含まれます。

Avidは、Pro Tools 12で新しい作業方法である“プロジェクト”を導入しました。プロジェクトは、セッションと似ていますが、クラウドおよびコラボレーションに対応ているのが特徴です。プロジェクトはクラウドと同期し、合わせてローカル・キャッシュに同期します。プロジェクトをメディア・ドライブに保存する場合、ローカル・キャッシュの場所は、初期設定>操作を開き、プロジェクト・メディア・キャッシュのパスを設定して変更することができます。

クラウド・コラボレーションを使用するには、プロジェクトで作業しなければなりません。しかし、通常のセッションを使って、既に作業を始めている場合もあるでしょうPro Tools 2018では、セッションからプロジェクトへの変更をできる限りスムーズにするために、ファイル・メニューに“Start Collaboration”というオプション追加されています

このオプションを選択すると、Pro Toolsは現在のセッションを保存し、プロジェクトとして複製、アーティスト・チャット・ウィンドウを開いて新しいプロジェクトを開き、コラボレーション・パートナーを加える準備をします。

プロジェクトでの作業には、コラボレーションを簡単に始められるということ以外のメリットもあります。プロジェクトはクラウドに保存されるため、他の場所の他のコンピュータでPro Toolsを開いてログインし、プロジェクトをダウンロードし作業することができます。また、Avidでは昨年、プロジェクトにリビジョン履歴を実装しました。リビジョン履歴は、進行中の作品の異なるバージョンを管理するパワフルな方法です。各リビジョンに独自の名前を付けて、コメントを加え、変更箇所を分かりやすくすることができます。

セッションで作業する時に使用する “名前を付けて保存”という手作業での方法と比べて、特に、バージョン間で素早く切り替えたい時などには、はるかにスマートなやり方です。最後に、Avidでは昨年、プロジェクトをローカル(プロジェクト・キャッシュ)に保存し、クラウドにバックアップしないオプションを加えました

プロジェクトがクラウドにバックアップされないと、Avid Cloudのストレージ容量に影響しないので便利です

プロジェクトは、いつでもクラウドにバックアップすることができます。これには、プロジェクト関連のあらゆるものと同じく、ダッシュボードを使用します。ダッシュボードでは、クラウドへのバックアップ、リビジョン履歴、ダウンロードに加えて、プロジェクトの名前付けや削除も行うことができます。

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