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ユーザーレポート:仙台放送 – Avid | Edit On Demandは ゲームチェンジャーとなるか?

翌日には使用開始

 

毎年沖縄県久米島で行われてきた東北楽天ゴールデンイーグルスの春季キャンプは、新型コロナウイルス感染拡大 の影響により、2021年より沖縄県の金武町に場所を移しています。宮城県仙台市の株式会社仙台放送にとって、この春季キャンプの取材は毎年の重要な仕事の一つです。

 

「これまでは、キャンプ取材用に機材一式をレンタルしていました。外付けHDDに保存した撮影素材をPCにインストールされたMedia Composerで編集した後、伝送システムを使って本社に伝送していました。しかし、今回希望していたマシンが借りられず、また物理的な輸送にはコストもかかります」(株式会社仙台放送 技術局 映像制作部 西崎 光一 氏・以下同)

 

そこで西崎氏はEdit On Demandのことを思い出しました。Avid | Edit On Demandはクラウド向けに最適化されたMedia ComposerソフトウェアとAvid NEXISストレージを備えたSaaSパッケージであり、希望するMedia Composerの台数とAvid NEXISの容量を決めるだけで、月額のサブスクリプションでクラウド環境を使うことができます。Avidでは、2021年5月から2週間の無償トライアルの受け付けを開始していました。

 

「Edit On Demandは以前から知っていて、一度使ってみたかったのです。例えば番組で編集システムを一時的に増やしたいということはよくあり、そのような状況ではEdit On Demandはとてもいいシステムだと思っていました。そこに今回のキャンプ取材とEdit On Demandのトライアルがあり、いい機会なので試してみたいと思いました」

 

販売代理店である伊藤忠ケーブルシステム株式会社に相談し、トライアル使用の申し込みをしたのは2022年1月31日。翌2月1日にはEdit On DemandのアクセスURLが届き、すぐに使用を開始することができました。

 

PCとU2さえあれば何も要らない

沖縄・キャンプ地の共同の仮設編集室

沖縄で取材をした映像素材は、Edit On Demandに含まれるアップロードツール・FileCatalystを使ってクラウド上に転送します。

 

「いわゆるFTPツールのような簡単さで、Webブラウザーに表示されるローカルの素材を選んで『Upload』ボタンを押すだけです。『こんなに簡単でいいのか』と思いました」

 

その転送速度も目をみはるものでした。

 

「これまでは他社製の転送ツールを使っていたのですが、それと比べても非常に高速です。さらに、ファイルを大量に転送する場合でも、1つのファイルが転送されたらすぐにMedia Composerで取り込みを開始でき、その間も別のファイルを転送し続けられるので、アップロード時間はまったく気になりませんでした」

 

アップロードされた素材をもとに、 そのままクラウド上のMedia Composerで編集を開始します。

 

「そのために持っていったのは、5-6万円の小さなノートPCだけです。最初は編集担当スタッフにも『これで編集できるの?』と不安がられましたし、私も経験がなかったので、パフォーマンスが足りなかったときのことも考えてレンタルした機材も一緒に持っていきました」

実際の編集に使用した機材

しかし、その心配は必要ありませんでした。

 

「現場で編集した担当スタッフは『いつもの編集機と変わらず、編集中の違和感はまったくない』と言っていました。結局、『明日もあさってもこれを使いたい』とのリクエストで、2月7日から11日までのメインのOA素材はすべてこれで編集しました。PCと(XDCAMドライブの)U2さえあれば、他には何も要らないのです」

(入り口を挟んで右)他局の持ち込み機材(左)仙台放送の機材

編集が完了したら、クラウド上のAvid NEXISストレージに完パケをエクスポートし、仙台側でそれをダウンロードします。

 

「本来ならここで伝送なのですが、ファイルはすでにクラウド上にあるのでその必要はありません。今回のトライアルではクラウド上にMedia Composerを2台置いたのですが、そのもう一台の方を仙台で開いて『あぁ、ここまで出来たんだな』と確かめたりもしていました」

 

 

本当にとてもいいシステムでした

 

このトライアルの経験は、さまざま な人にインパクトを残したようです。

 

「興味深かったようで、社内でもいろいろな人が来て見ていきました。若手のスタッフたちは完パケのダウンロードを積極的にやっていました。面白かったんだと思います」

 

もちろんそれは、西崎氏にとっても同じです

 

「仕事のやり方を変えられる、素晴らしいシステムだと思いました。例えば特番や単発について、オペレーションをお願いする人が社内にいないことがあります。ロケが東京と仙台で、編集が仙台、などという場合、これはとても有効だと思います。物理的な設置が必要ないので工事コストも工事期間も必要なく、必要なときだけ使って、終わったら契約を止めればいい。固定資産にならず運用費でカバーできるので、費用管理的にも楽です。個人的には、固定で必要な数台だけを会社に残して、あとはすべてこれにしたいくらいです」

 

より大きなビジョンとしてのDX化への取り掛かりとしても、積極的に活用できそうです。

 

「例えば系列がこのようなシステムを持っていてくれたら、素材をクラウドに送り込み、あとは自由に編集してもらえばいい。今回のように実際に使うのがキャンプ期間だけなら、その期間だけクライアントやストレージのサイズを増減すればいいのです」

 

トライアルを終了したあとの感想として、西崎氏はこのように付け加えました 。

 

「本当にとてもいいシステムでした。未来を体感できたような気がします」

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仙台放送 – 人もモノも動かさない JNEWSでワークフローを効率化

株式会社仙台放送(宮城県仙台市)

株式会社仙台放送 技術局 映像制作部 西崎 光一氏

途中にメディアを挟まないフロー

「もはやJNEWSなしでの番組制作は考えられません」

株式会社仙台放送 技術局 映像制作部の西崎光一氏は、そう言って笑顔を見せました。

 

宮城県仙台市に本社を置く株式会社仙台放送の報道部が最初に使い始めたAvid製品は、2004年のAvid NewsCutter(当時)でした。その後、2013年には株式会社ニシコン製報道支援システム「JAPRS」との連携を開始すべく、Avid Interplay(当時)と初期バージョンのAvid JNEWSを導入、同時に共有サーバーをAvid Unity(当時)からAvid ISIS(当時)へ更新しました。

 

「この当時は、取材予定との連携というよりは、送出サーバーとの連携が主眼でした。実際に稼働してみると、送出サーバーへの転送時に編集機が使えなくなるのが多少ストレスだったようですが、それよりもテープに書き出さなくていいというメリットのほうが大きかった。エディターたちは、それまでは素材を『持っていった』と言っていたのですが、このシステムを導入して以降、素材を『投げた』と言い出した。相当にインパクトがあったのだと思います」(西崎氏)

 

さらにその後、2020年にはシステムを更新。Avid NEXISやAvid MediaCentral | Production Managementへの更新と同時に、JNEWSも更新しました。この2020年のシステムには明確な目標がありました。すなわち「人もモノも動かさない」ということです。

 

「例えばテロップ作業や完パケ納品のような工程のために、『一旦素材をメディアに書き出す』という作業をできるだけなくしたかった。一度ファイルが取り込まれたら、最後までファイル転送だけで済むようにしたいと思ったのです」(西崎氏)

 

この新システムでは、JAPRSの取材項目との連携もできるようになりました。

 

「JNEWSのインジェスターで取り込むと、取り込んだ素材は自動的にMediaCentral | Production Managementに振り分けられ、Avid Media Composerのプロジェクトが作成されます。今までマニュアルでやっていたこれらの作業が自動化できたのは、似たような取材があったときの素材の判別のしやすさの向上につながっています」(西崎氏)

 

このインジェスターは、仙台放送のワークフローに大きな役割を果たしています。

 

「仙台放送では素材はカメラマンが取り込むことが多いのですが、単発のカメラマンさんでさえすぐに使い方を覚えてくれました。とにかくとても使いやすいのです」(西崎氏)

 

 

素材の入り口を徹底的に効率化

回線収録にはAvid FastServe | Ingestを導入。CAPIで収録をコントロールし、収録されたものはJNEWSの取材予定と自動的にリンクされます。

 

また、JAPRSはリモートで局外からアクセスできるようになっており、取材時に入手した映像ファイルはJAPRSの取材予定に添付できるようになっています。ファイルが添付されるとJNEWSがそれを感知し、Telestream Vantageにファイルを転送。Vantageは指定されたフォーマットに変換しMediaCentral | Production Managementにチェックインします。ENG素材はVantageがプロキシーを作り、局外からJAPRS端末でプレビューできます。

 

支局からXDCAMで転送されるファイルや視聴者から提供される映像もJNEWSが感知し、自動的にMediaCentral | Production Managementのフォルダーに振り分けます。

 

「これらの機能は、株式会社ニシコンとAvidの両方に機能をリクエストして実現できました。とにかく中間でメディアを使いたくなかったので。結果的に大きなメリットを感じています」(西崎氏)

収録用端末とCAPI画面

制作部へ拡張

さらに同じ年、それまで他社製編集システムを使用していた制作部の編集機材もMedia Composerへ更新されました。

 

「制作スタッフは、それ以前にもMedia Composerをベースにした報道の編集システムを時々使っていたので、Media Composerについてはある程度わかっていました。ディレクターも編集機を使うことがあるのですが、それもシステムインテグレーターである伊藤忠ケーブルシステム株式会社の手厚いサポートのおかげで混乱なく移行できました」(西崎氏)

 

ここでも大きな役割を果たしたのはインジェスターでした。

 

「制作の場合JAPRSとの連携はしませんが、取り込んだ素材がフォルダー分けされるのはやはり効果が大きい。Avid Pro Toolsで使用するMA用の音素材も含め、あらゆる素材はすべてここから取り込んでいます。報道も制作も使うので、インジェスター端末は両部署の真ん中に置きました。ここに人が溜まるのがイヤなので、あえて椅子のない机に設置しました」(西崎氏)

インジェスター端末

この方法に変わった直後、エディターたちには若干の戸惑いもあったようです。

 

「それまでは編集機で取り込んでいたので、取り込む場所が別にあることに戸惑いはあったようです。しかし、使い始めていくうちに、取り込みを仕掛けたらすぐどこかに行ける、編集機を塞ぐことがないなどの多くの利点がわかってもらえた。管理する側としても管理しやすいし、毎日、フル稼働です。このフローはもう止まらないですね。」(西崎氏)

概念図

編集ブース

現在仙台放送では、このシステムで社内制作の番組の85-90%を制作しています。システム全体を見たとき、このシステムは「オペレーターの自立につながるシステムだった」と西崎氏は語ります。

 

「自分で考えて自分で準備できるようになったようです。要するにわかりやすいということでしょう。管理する側としても、私が呼ばれる回数が1/10くらいになりました。以前は24時間365日、常に緊張していましたが、今はほとんどありません」(西崎氏)

 

「次は出口」

今年からは、MediaCentral | Cloud UXの使用を開始しました。

 

「まだ使い始めたばかりで社内からのアクセスだけなのですが、たとえば回線収録中素材のチェックなどは、これまではプレビューモニターの前に張り付いて見ていなければならず、プレビュー場所は狭いので少々オペレーションしにくかったのですが、今は記者が自分の場所でゆったりとプレビューできています」(西崎氏)

 

今後は、このMediaCentral | Cloud UXの活用がテーマです。

 

「これまではメディアの入り口を中心に効率化してきましたが、今度はMediaCentral | Cloud UXを活用した『メディアの出口の効率化』を考えようと思っています。外からアクセスできるようにして、完パケの確認ができるようになったら便利ですね。また、SNS配信の機能にもとても興味があります。

今回のJNEWSの導入は、感覚としては機械の中に人が2-3人入っているイメージで、人件費の意味では大きなコストダウンになりました。もはや、なくなることは考えられません」(西崎氏)

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北日本放送 – 報道から制作まで 理想通りの制作環境を提供するAvid JNEWS

北日本放送株式会社 (富山県富山市)

左:北日本放送株式会社 技術局 技術部 山谷 富明氏、右:同 技術部 坂又 晶氏

最先端技術への取り組み

最先端技術とそのワークフローに対する取り組みの速さという点において、富山県富山市の北日本放送株式会社はトップクラスであると言えるでしょう。地上波デジタル放送を開始したのは2004年10月で、民放ローカル局としては全国初。2006年1月にはすべてのデジタル放送機器の整備が完了し、これはキー局も含めて民間放送として全国初でした。

そんな北日本放送がAvid製品を使い始めたのは2002年。リニアからノンリニアへ移行するタイミングで、Avid DS (当時)1式とAvid Media Composer Adrenaline (当時)2式を導入したことがきっかけでした。

「地上波デジタルにあわせて、リニアからノンリニアへの移行を行いました。Avid DSとMedia Composerを選んだのは、その時点でHD編集が間違いなく動いていたのがこれらのシステムだったからです」(北日本放送株式会社 技術局 技術部 山谷 富明氏)

 

つながるべきものをつなげる

2005年には、ニュースのノンリニア化をAvid NewsCutterで実施しました。

「この段階で、『この先はすべてノンリニアで行く』と決めていて、ノンリニアである以上、『全員で素材を共有しながら完パケを作る』という形を目指すべきだと考えていました。そして当時、共有サーバー Avid Unity(当時)を使った素材共有や素材管理ができ、さらに送出サーバーまでを含めたトータルソリューションを提案頂けたのはAvidだけでした」(山谷氏)

 

株式会社ニシコン製報道支援システム「JAPRS」とNewsCutterとの連携を取る、JNEWSの前身となるシステムを導入 、2012年度末に報道制作を統合するファイルベースワークフローを実現しました。

 

「なにか問題があったわけではなく、ファイルベースワークフローである以上、当然連携すべきだと考えたからです。素材の管理がテープの時代はアーカイブされないままディレクターが手元に溜め込んだりしていて、他の人にはわからない状態になっていたのも、ファイルでやりとりするにあたって改善すべきだと思いました」(山谷氏)

 

映像フォーマットはXDCAM 50、メディアはSxSカードを採用しました。

 

「SxSならディレクターが手元に溜め込んでおくことができないからです。ライブラリーまで保存しないと不安になるので、強制的に流すような仕掛けを作りました。最初は細かいトラブルはありましたが、『やっていることは間違っていない』と納得してもらいました。新しいワークフローに対する戸惑いや不満は、現場ではあったとは思いますが…(笑)」(山谷氏)

 

「この方法はとにかく速かった。編集に関しては速さを重視していたので、新しいフローに対する戸惑いより、速さに対する満足感のほうが勝りました」(技術部 坂又 晶氏)

 

2012年の更新においては 報道だけに留まらず、制作でも同じシステムを使用するようになります。

 

「ソリューションは統一すべきだと思ったからです。なので、この時点で制作もJAPRSの取材IDを使っています。報道と制作の違いは、ベースになるものがニュース原稿か台本かの違いだけです。結果として制作も送出サーバーへ 送信ができるようになり、取り込みもスムースになりました」(山谷氏)

編集ブース

アイデアを形に

2019年には、代理店である伊藤忠ケーブルシステム株式会社により、JNEWSも含めて機材を更新。この新しいバージョンには、これまでJNEWSを使ってきて山谷氏が気づいたアイデアが形になった新機能が含まれていました。

 

「当初のシステムでは、素材取り込みは編集機で行っていました。後にJAPRSで取り込む形になりましたが、これだと編集機で改めてコピーしなければならなくなる。これを改善するために、JNEWSで取り込んでJAPRSと編集機の両方に素材を送る形を提案しました」(山谷氏)

 

取り込み方法が変わることについても、もはや混乱はありませんでした。

 

「現場のエディターたちはもう、この仕組みや考え方に慣れています。取り込み場所が変わることによる多少の戸惑いはあったようですが、違和感なく移行できましたし、大きな不満はないようです」(山谷氏)

 

さらに、収録サーバーとして更新したFastServe | Ingestの素材を自動的にアーカイブする機能も追加されました。

 

「個人的に、これはお気に入りの機能です。前のバージョンではJAPRSがインジェストを握っていたので、手動でアーカイブしなければなりませんでした。新バージョンではインジェストが自動的に入っていくので、助かっています」(坂又氏)

 

現在、北日本放送では報道用に6式 、制作用に4式のMedia Composer(うち2式は4K制作用)と、報道制作共用のMedia Composerが7式、VideoSatelliteとして稼働しているMedia Composer + Pro Toolsが1式ずつの合計19式のクライアントが、240TBのAvid NEXIS | E4に接続され、MediaCentral | Production ManagementとJNEWSによってJAPRSと連携管理されています。

 

「今、北日本放送制作の番組は、ほぼすべての番組をこれで制作しています。報道も制作もです」(山谷氏)

 

アーカイブ素材はLTOに保管され、JNEWSでリトリーブすると、対応するLTOの番号が表示されるようになっています。

 

「2012年以前まではすべてテープで保存していて、そこには多少の素材とOAが含まれていました。2012年以降は、保存すると決めたものについてはすべての素材を保存しています」(山谷氏)

 

現在、北日本放送のシステムは下図のようになっています。FastServe | Ingestによって収録された映像とJNEWSのインジェスト機能によって収録されたファイルは、Vantageによってプロキシーが作成され、JAPRS端末からプレビューできるようになっています。項目表から自動作成されたMedia Composerのシーケンスをベースに編集されたシーケンスはHarmonicのOA送出サーバーに転送され、PanasonicのOTCからの指示で順次送出されていきます。このときJNEWSはこの素材を他の送出サーバーにも自動転送、さらにアーカイブ用のサムネイル、プロキシーを生成した上で、ハイレゾと一緒にNASに転送し、アーカイブシステムに送ります。

概念図

MediaCentral | Production Management、JNEWS、Avid NEXIS | E4等が収められたシステムラック

「その違いがとても大事なのです」

20年近くにもわたってAvidのソリューションを使い続けた山谷氏は、機材更新の時期には必ず他社システムと比較検討し、その時点で最も信頼に足るシステムを探し続けています。それでもなお、今日まで山谷氏がAvid以外のソリューションを採用することはありませんでした。

 

「Avidのソリューションは信頼できるからです。少なくとも2012年の時点において、他社システムでAvidと同等のものはありませんでした。2019年には他社システムでも同等の機能を持つものが現れていましたが、細かい部分で足りていませんでした。それは、現場のエディターは気づかないかもしれないような部分です。でも、その違いがとても大事なのです」(山谷氏)

 

将来的な展望についても意欲的です。

 

「富山県内はそれほど大きなエリアでもないので、そのことだけを考えれば、リモート編集がどこまで有効かはわかりません。しかし、昨年からの新型コロナウイルスの蔓延によって、リモート編集のニーズが上がっていることは確かです。できるようにしておけば、他にも有効な使い方ができるかもしれない。リモート編集については真剣に考えてみたいと思っています」(山谷氏)

 

Avid NEXISストレージを瞬時にクラウドに拡張

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Avid NEXIS SSDとリモート制作で 8K制作を高速化

右:キヤノン株式会社 IR/MICE事業推進プロジェクト 担当主幹 八代達郎氏

左:株式会社TBSアクト システム本部 総合開発センター
未来技術推進部 兼 マネジメント本部 プロジェクトマネジメント部 礒辺宏章氏

新しい映像体験

視聴者に全く新しい映像体験を提供するために、映像機器メーカーは日々、革新的な技術を生み出しています。大田区下丸子に本社を置くキヤノン株式会社も、そうした日々の研究開発の中から、世界中の映像制作に関わる人々に愛される製品を送り続けるメーカーの一つであり、本社『キヤノンギャラリー』内に、それら最先端の映像技術を体験するためのシアターを有しています。

 

「150°シリンドリカルスクリーンで上映するための作品は8K映像から制作します。今までの8K機材を使用した作品はカメラFix、パンフォーカスのものが多い中で、今回はカメラワークを多用して撮影しようと考えました」(キヤノン株式会社 IR/MICE事業推進プロジェクト 担当主幹 八代達郎氏)

 

しかし、そのためには多くの撮影スタッフが必要になります。

 

「通常であれば、撮影スタッフだけでも10-15人程度は必要になります。しかし今回、2020年7月に発売を開始した『Canon EOS R5』を使用することで、機材をコンパクトにすることができ、スタッフも5人で撮影することができました」(八代氏)

 

撮影された映像素材を作品として編集するにあたり、その作業は株式会社TBSアクトに依頼されました。

 

「『ついに来たか!』という感じでした(笑)。それまで4Kの編集経験はありましたが、8Kの編集作業は経験がなかったので、大変そうだなというのが第一印象でした」(株式会社TBSアクト システム本部 総合開発センター 未来技術推進部  兼 マネジメント本部  プロジェクトマネジメント部  礒辺宏章氏)

 

実際の作業にあたっては、素材の取り回しを綿密に計画しました。

 

「まずは撮影時にSHOGUN7を同時に回してHDプロキシーを作成し、それを使ってオフラインを組み立てることにしました」(礒辺氏)

 

 

進行を止めないリモート制作

しかし、折しも新型コロナウイルスの蔓延により緊急事態宣言が出されていた時期。編集のためにスタジオに通うのも危険が伴いました。そこで、株式会社フォトロンの協力を得て、必要な機材とデータをフォトロン内に設置、礒辺氏は自宅からこのマシンにリモートアクセスすることで、オフライン作業を進めました。

 

「リモート制作には興味があったので、一度試してみたいと思っていました。所有していたMicrosoft Surfaceをインターネット経由でフォトロンのシステムにつないで接続、モニターアウトを自宅のSharp AQUOSにつないで作業しただけなので、費用も一切かかっていませんが、本当にまったく問題なく、普通に作業できました」(礒辺氏)

 

ここで完成したオフラインシーケンスを、キヤノンに準備されたオンライン用のAvid Media Composerにコピーし、 Canon EOS R5で撮影したオリジナルの8K 30p素材(.crm)と再リンクします。リンクがとれたら、これをそのままBlackmagic Design DaVinci Resolveに送り、カラーグレーディングを施したものをDNxHR HQXの形でエクスポートしました。

これをキヤノンの臨場感変換PCを使って、魚眼レンズで撮影した素材の歪みを150°シリンドリカルスクリーンに投影するための処理を行います。

 

「これが大変だったんです…素材をTiffの連番としてエクスポートして変換機にコピーするんですが、なにしろ8K素材なのでサイズが大きくて…」(八代氏)

膨大な量の映像データをAvid NEXISを使って高速処理

その頃、Avid NEXIS SSDが到着しました。早速すべての素材をAvid NEXIS SSDにコピーし、Media Composerを40Gb Fiberで、臨場感変換PCを10Gb Fiberで、それぞれAvid NEXISに接続しました。

 

「これまでは、5分半尺のコピーに1回3-4時間、エンコードを含めると、上映までに24時間程度かかっていたので、帰れないのが普通だったのですが、これが劇的に改善しました。Avid NEXIS SSDがあることで、おそらく20時間は短縮できたと思います」(八代氏)

構成要素を1つにまとめる

ワークスペースを作成する上で最も重要なことは、チームがどのようにメディアを使用するかを分析することです。あるメディアは、1人の編集者または1つのチーム専用、あるメディアは特定のプロジェクトまたはエピソード固有、そしてあるメディアはタイプ別にアクセスする必要があります。人々がメディアを検索、使用している方法にワークスペースが近ければ近いほど、ワークフローおよびセキュリティ・プロセスの効率化によるメリットが顕著になります。

多くのプロジェクトでは、ユーザー毎のワークスペース、音楽や音響効果などの共有アセットやライブラリ用のワークスペース、完成してアーカイブしたメディアで将来的に参照の可能性があるメディア用のワークスペースを作成することから始めるとよいでしょう。プロジェクトのニーズ拡大に従い、ニーズに応じてワークスペースとユーザー権限を更新することができます。

もちろん、編集作業自体にも大きな改善を実現しました。

 

「パフォーマンスもそうですが、ローカルストレージを使っていたときと比べても、8Kの安定性も段違いになりました。再生したときの感覚もHDと変わらず、2レイヤーでスーパーを入れたりすると多少重く感じますが、OLくらいなら問題ない。ひょっとしたら直編集でいけたんじゃないかと思ったくらいです」(礒辺氏)

 

「社内の同僚たちに話したところ、毎日のように見学に来ました(笑)」(八代氏)

 

 

8K制作を定常化

※150°シリンドリカルスクリーンに投写されている映像は変換前のものです

この経験を元に、八代氏は新たな8K映像の制作に入りました。

 

「このフローなら制作を軌道に乗せることができるという実感がありました。このときの経験は今に生きています」(八代氏)

 

さらに最近、オリハルコンテクノロジー社のアマテラスサーバーを使って、システムからスクリーンに映像を直接投影することができるようになったため、制作効率はさらに上がっています。

 

「微細な映像の揺れや色の調整は、やはりスクリーンに投影してみないとわかりません。これが直接調整できるのは大きいです」(礒辺氏)

 

 

キヤノンではこうして制作された作品の他にも、様々な作品を公開しています。下記のリンクからお確かめください。

●Canon Imaging Plaza (YouTube)https://www.youtube.com/user/canonimagingplaza/search?query=8K

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Avid JNEWS – 報道制作効率化のための架け橋

報道支援システムとの連携

Avid JNEWS

日本ではMedia Composerは「制作用のNLE」として広く認知されています。もしかしたら、「Media Composerは番組や映画制作用のツールであり、報道制作には向いていない」とお考えの方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、どうやらその認識は日本特有のようです。アメリカではMedia Composerは「優秀なNLE」であり、その分野が制作か報道かは関係ありません。事実、アメリカではMedia Composerはスタンダードな報道用の編集システムとしても認識され、日々の業務に使われています。
実際、「早く確実に」編集できるMedia Composerの編集機能は、報道の現場にも最適と言えるかもしれません。

しかし、報道の現場では編集機自体の機能だけがすべてではありません。取材内容やその映像素材、放送内容までを適切に計画・管理し、さらに保管された貴重な映像ライブラリも管理する役割を持つ報道支援システムは、状況によって様々に変化する複雑なフローの中、視聴者にできる限りリアルタイムな情報を届けるために、必要不可欠な存在になっています。そして、報道制作に関わる以上、編集システムもそのフローと連携を取らなければなりません。

 

「Avid JNEWS」は、メディア共有サーバー「Avid NEXIS」とアセットマネージメントシステム「MediaCentral | Production Management」、そしてクライアントとしての編集システム「Media Composer」といった通常の制作システムの上位系として株式会社ニシコンの報道支援システム「Japrs」が存在するとき、JaprsとMediaCentralとの橋渡しを行います。具体的にはJaprs―MediaCentral間でメタデータを連携し、双方向でリアルタイムにデータの同期を行います。

JNEWS概念図

2015年、最初のバージョンのリリース当初から、そのデータ互換性の高さは注目を集めていましたが、最新バージョンではさらに多くの機能が追加されています。

 

「取材予定」から始まるフロー

Japrsで取材予定が作成されると、Japrsはその項目に対して自動的にIDを割り当てます。取材班が撮影してきた映像素材は、このIDと紐付いた形で取り込まれ、管理される必要があります。JNEWSはJaprsで作成された取材予定とIDを自動的に認識し、JNEWSの基本機能であるインジェスターで映像素材を取り込むときに、IDと紐付けた形で取り込むことができます。このとき、Japrsであらかじめ作成されているメタデータ(記者名、取材場所等の情報)は、取り込まれる素材のメタデータとして自動的に付加されます。また、この時点でJNEWSから新しくデータ(特記事項、コメント等)を追記することも可能です。JNEWSで新しくデータが追加された場合、それは自動的にJaprsに送られ、同期します。映像素材として使用する素材は、ProDiskやSxS等のカメラメディアからだけで はなく、回線から収録されたものや、支局/系列局からのファイル、スマートフォン素材等でも構いません。

インジェスト画面

メタデータ確認・追記用ウインドウ

OA項目からプロジェクトを自動生成

JaprsでOA(オンエア)項目が決まったら、インジェスターで取り込んだ素材を元にMedia Composerで編集を開始することになりますが、このとき、JNEWSはJaprsで設定されたOA項目のIDを元にMedia Composer用のプロジェクトを自動的に作成します。さらに、エディターはJNEWSに表示されたOA項目をクリックすることでMedia Composerを起動できるので、プロジェクト選択画面を開き直すことなく、JNEWSで指定したOA項目のプロジェクトを直接開くことができます。

 

Media Composer起動画面

プロジェクトを開いたら、自動作成されたプロジェクトのビンに対して取り込んだ素材をドラッグ&ドロップしますが、このときJNEWSは、メタデータとしてOA項目のIDがつけられた空のシーケンスと冒頭のクレジットも自動作成します。

 

JNEWSで用意された素材とシークエンスを読み込んだMedia Composer

「かんたんビン」で手早く効果的なエフェクト

JNEWSから一連の素材をプロジェクトに持ち込んだ後は、用意されたシークエンスに通常通りの編集を行います。このとき、よく使う効果やエフェクトはMedia Composerのビンにプリセットとして集めておき、「お気に入り」として登録しておくと便利でしょう。こうすることで、必要な効果をドラッグ&ドロップするだけで適用することができますし、新しいプロジェクトが作成されたときも自動的にそのプロジェクト内に追加されるので、ビンを開き直す必要がありません。

 

エフェクトプリセットを集めたビン

出来上がった作品はそのまま送出サーバーに転送することができます。コマンドメニューから転送を実行することで、レンダリングの必要があるエフェクトはレンダリング、設定されたコーデックに一本化、サーバーに転送という一連の作業をMedia Composerが自動的に行います。

 

 

より安全に、より確実に

報道制作の現場において最も大切なのは、ともすれば被写体の権利を侵害しかねないデリケートな素材の取り扱いです。MediaCentral | Cloud UXには「Restriction(制限)」という機能があります。著作権や肖像権、使用権などの権利関係に関わるような重要なシーンにCloud UXからRestrictionを付けることによって、Media Composerでこの素材を使用するとき、画面にメッセージをポップアップさせてエディターに注意を促す機能です。JNEWSでは、この機能もJaprsと同期できます。

 

この情報は、たとえ送出サーバーに転送するために一本化された後でも維持されます。一本化されたには、編集点が存在した場所に素材名がコメントとしてつけられたマーカーが自動的に付加されます。Restrictionの情報も映像範囲とともに維持されるので、将来的にこの一本化された映像をリトリーブして再利用するときにも大切な情報を失わず、安全かつ確実に再利用することができます。

 

リトリーブ画面

リトリーブされた素材とマーカーコメント

1分1秒を争う報道制作の現場では、速さと確実さを兼ね備えた効率性の高いワークフローが大切です。MediaCentralとJaprsとの高レベルの連携を可能にするJNEWSで、効率的かつ確実な報道制作環境をご体感ください。

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株式会社テレビ朝日 – テレビ局の朝の顔を支えるMediaCentral

機能性と安定性の両立

右:株式会社テレビ朝日 技術局 設備センター・松本 英之氏
左:同・磯田 裕康氏

テレビ局にとって、朝の情報番組は花形であり、局の顔とも言えるとても重要な存在です。1分1秒を争う報道の要素と、それをいかにわかりやすく伝えるかという制作の要素が共存する情報番組制作は、それを支えるシステムにも高度な機能性と確実な安定性の両方が求められます。

 

株式会社テレビ朝日では、情報・スポーツ番組で使用される映像コンテンツに対し、リニアシステムでの制作を行ってきました。

しかし、機材のメーカーサポートが終了するにあたり、技術局 設備センター・松本英之氏は 、新しくすべてをノンリニアにした、ファイルベースシステムを構築したいと考えました。

 

「テレビ朝日では、情報番組の制作にMAが重要な役割を果たしています。それまでは他社製のシステムを使っていましたが、機材の更新にあたり、これをAvidのPro Toolsに替えたいと考えました」(松本氏)

 

Pro Toolsに変えたいと考えたのには、理由がありました。

「1分1秒を争う現場の作業効率を上げていくためには、編集とMA作業のコラボレーションが重要であり、これを実現できるシステムはAvid Pro Toolsしかありませんでした。また、編集、MA、音効のスタッフは、人材不足な状況にあります。優秀なスタッフを確保するためには、まず広く使われていてユーザーが多いシステムであるべきだと思いました。その意味において、Pro Toolsはまさに最適でした。そして、Pro Toolsと最も相性がいいのが、同じAvidのAvid Media Composerでした」(松本氏)

MAルーム機材:Avid Pro Tools

すべてをノンリニアに変えることについても、もはやそれほどの抵抗はありませんでした。

「これらのリニア機材はなくなることがわかっていたし、スタッフもすでにノンリニアシステムには慣れている。すべてを入れ替えるときにも、ノンリニアでできるならそれでいい、という感じでした」(磯田氏)

 

しかし、情報番組の制作システムは、アプリケーションとストレージだけでは完結しません。

「NEC製の報道素材サーバーシステムが すでに稼働しており、情報・スポーツニュース編集システムは、これと連携している素材管理システムとつながります。したがって、新しく導入するシステムは、この素材管理システムと連携が取れることが絶対条件でした」(松本氏)

 

そこで松本氏はAvid MediaCentralに注目しました。

「不安がなかったわけではないですが、MediaCentralは個人的に経験があって、その重要性は認識していました」(松本氏)

 

2021年5月21日・リモートでのインタビューの様子

NEC素材管理システムとの連携

システムインテグレーターである、株式会社メディアソリューションズ 代表取締役・島津昭彦氏を中心とし、NECはAvid MediaCentral | Production Managementとの連携のためのシステム開発に入りました。

 

「正直なところ、それまで他社製のアセット管理システムとの連携はあまり経験がありませんでしたが、Avid Interplay Web Servicesを使用することで、MediaCentralと連携が取れることがわかりました。問題はメタデータの同期なのですが、実際に始めてみると、MediaCentral | Production Managementではカスタムメタデータが自由に作成できるので、それを活用することで問題は解消されていきました。作業をしていくうちに、『初めから外部システムと連携することを想定して作られているんだな』と感じることができました」(日本電気株式会社 放送・メディア事業部・松熊亮文氏 )

 

システムは2017年に仕様を決定。2018年末にシステム導入が決定され、2019年初からシステム設計・開発を開始、2020年3月から第1期システムが稼働を開始しました。Media Composerが25台、Pro Toolsが2 x 8ブースの計16台で構成されるスタジオは、すべてのクライアントがAvid NEXIS共有ストレージに接続され、MediaCentral | Production ManagementによってNEC素材管理システムと連携、管理されます。

これまで使用してきた素材にはタイムコードが連続していないものもありましたが、MediaCentral側に機能を追加することで、これもそのまま使用できるようにしました。

「ギリギリまで粘れます」

編集ブース

テレビ朝日では現在、このシステムで『羽鳥慎一モーニングショー』、『大下容子ワイド!スクランブル』をはじめ、『スーパーJチャンネル』、『報道ステーション』、『週刊ニュースリーダー』、『サンデーLIVE!!』等の番組の他、BS、CSチャンネルの番組で使用される映像コンテンツも制作しています。

「毎日ほぼフル稼働です」(磯田氏)

実際にこのシステムを使用しているエディターは、その効果を日々体感しています。

 

「MAとのやり取りはこれまでテープを使っていましたが、それがデータになるので、目に見えない分、最初は少し不安がありました。しかし、フローが確立してくるとデータでのやり取りは効率がいい。MAと同時進行で進められるので時間にも余裕ができるし、その分、映像をブラッシュアップする時間に使える。本当にギリギリまで粘れます」(株式会社東京サウンド・プロダクション 放送技術センター ビデオソリューショングループ テクニカルマネージャー・加藤良祐氏)

 

「スポーツについては時間が読みきれないこともあり、リニアのほうが向いていると感じられる部分もまだあります。しかし全体としてみた場合にはメリットのほうが多い。例えば本当に時間ギリギリになったとき、Media Composerなら同じシーケンスの前半と後半を2人のエディターがそれぞれの部屋で同時に作って、最後につなげることもできる。マルチカメラの動作が軽いのも、野球のような長時間のクリップを扱うときにはとても助かります」(株式会社文化工房 スポーツニュース制作局 ニュース制作部 スポーツ編集担当 部長・横山浩史氏)

 

「正しい選択でした」

システム管理の立場からも、この制作システムの効果は高かったようです。

 

「当初の想定通りに動いています。システムも安定しているし、使い方がわかっているので、今は混乱もありません」(磯田氏)

 

「導入から稼働まで、もっと大変なことになるかと思っていましたが、そうでもなかったですね(笑)」(松本氏)

 

この経験から、将来への展望も開けています。

「ディレクターが自身でオフライン編集をおこなうとき、MediaCentral | Cloud UXがあれば3rdパーティー製のアプリケーションを使わなくてもWeb上で粗編集ができる。これは効率の面でも可用性の面でもとても効果的だと思います」(加藤氏)

 

「原稿の読み合わせも、Cloud UXを使えばもっとスムースにできるようになると思います」(横山氏)

 

「例えばAIを使った画像解析や処理の自動化ができたら、とても効果的に使えそうだなと考えています。また、例えば東京オリンピックのような大きなイベントがあるときは、クラウドを上手に使うことで、一時的にクライアントの数を増やすこともできる。クラウドには大いに興味があります」(松本氏)

 

「最初は人材の面からPro Toolsを選び、その後Media Composer、NEXIS、MediaCentralと決まって行きました。結果的に、これは正しい選択だったと思っています」(磯田氏)

株式会社テレビ朝日
(TV Asahi Corporation)

MediaCentralについて

数人のチーム、数百人の組織、その中間の規模であっても、MediaCentral はワークフローを加速し、ポストプロダクション、ニュース、スポーツ、アセットマネージメントのために、シンプルなソリューションから洗練されたソリューションまでスケーリングを可能にします。




IMAGICAエンタテインメントメディアサービス – Avid | Edit On Demandクラウドソリューションが『マチトム』の冒険をサポート

『都会のトム&ソーヤ』
2021年夏・公開予定
https://machitom.jp/

左:株式会社ロボット プロデューサー 八木 佑介 氏
右:株式会社IMAGICAエンタテインメントメディアサービス 編集技師 西尾 光男 氏

映画制作の現場は、最先端の技術と100年の伝統とが融合された、ある種特異な空間です。撮影に最新鋭の機材を使用していても、その用語や技法はフィルム時代のものが今でもそのまま使われます。編集作業においても、システムメーカー各社の最先端技術は映画を最高目標として開発されますが、その根底にあるのはスプライサーで切りテープで貼る、脈々と受け継がれたフィルムの編集技術であり、手法です。

 

日本のポストプロダクションの中核的存在である株式会社IMAGICAエンタテインメントメディアサービスは、そんな映画制作のポストプロダクションワークフローに変革を起こし続けてきたパイオニアでもあります。編集を担当した西尾 光男氏も、日々の制作業務の中で、そうした新しい変革を常に追い求めていました。

クラウドソリューションも西尾氏が興味を持っていた分野の一つです。したがって、Microsoft Azureのクラウドインフラ上に構築したMCとNEXISのSaaSクラウド編集パッケージ『Avid | Edit On Demand』に西尾氏が興味を持つのは、ある意味自然な流れでした。

 

「Avid | Edit On Demandのことは、セミナーやイベントなどで以前から知っており、興味を持っていました」(西尾氏)

2021年2月4日リモートインタビューの様子

複数コンテンツの同時制作

映画『都会のトム&ソーヤ』は、小中学生に絶大な人気を誇る同名小説をベースにした作品で、当初2020年7月末の公開を目指して、同年3月には撮影が開始されていました。しかし、新型ウイルス感染症COVID-19(以下「新型コロナウイルス」)の影響により、撮影は一旦中止。再開されたのは同年10月に入ってからでした。

 

「変な言い方ですが、これはAvid | Edit On Demandを試してみるチャンスだと思いました。以前から、Avid | Edit On Demandを使用することで、作業場所をシームレスにし、非立ち会い時の編集室のコストが減らせる、また、物理的な距離も関係なく複数人が同時作業できることで、労務管理の面でもメリットがあると考えていました。」(西尾氏)

「この作品について言えば、映画本編と並行して複数コンテンツを同時に制作する可能性があったので、編集システムは2ライン、作業担当は編集メイン2名、編集アシスタント1名と決めていました。しかし、3名が同じスタジオに入って長時間作業するのは、この状況下では良いことではありません。3名が距離を保ち、かつ効率よくデータを扱うにはどうすればいいか。これらの課題を考えたとき、Avid | Edit On Demandを試したいと考えました」(西尾氏)

 

西尾氏は、このアイデアを作品の制作プロデューサーである株式会社ロボット 八木佑介氏に提案しました。

 

「新型コロナウイルスの感染が広がる中、編集チェックで人が集まるので、どうしようかと思っていたところでこの話がありました。初めてのことなので不安はありましたが、複数コンテンツを同時進行で制作しなければならないので、効率も上がるかと考え、試してみることにしました」(八木氏)

 

西尾氏はすぐに株式会社フォトロンに導入の相談をし、Avid | Edit On Demandの仕様が決定したのは2020年10月。その後すぐにAvid Master Accountにライセンスが追加され、翌11月にはそのまま実運用に入りました。

[編集室にて] 左:フリーランス 編集助手 泉 さゆり 氏   /  右:西尾 氏

Zoomで共有&コミュニケーション

撮影はAVC-I Vlogの4Kで行われました。撮影されたすべての素材は、IMAGICAエンタテインメントメディアサービス インジェストチームでAvid DNxHD 36のオフライン解像度に変換、自社運用するメディア共有サービス『CONEPIA』を使って編集チームに受け渡し、編集助手がデータ整理をした後、クラウド上に存在するAvid | Edit On DemandのAvid NEXISへ転送します。

 

「オンプレミスとクラウドは、どちらがメインでどちらが補助というわけではなく、完全な2ラインとして作業できるようにしたかった。今回使用したAvid | Edit On Demandシステムは、Media Composerが1台、Avid NEXISが1TBのものですが、今作は基本1カメだったこともあり、使用する全てのオフラインメディアを合計しても、DNxHD 36なら900 GBで間に合いました」(西尾氏)

 

オンプレミスのシステムとクラウドのシステムは、その制作内容や要求されるフローによって振り分けました。

 

「制作するコンテンツよって監督が変わり、編集室で確認したい監督と、リモートで確認したい監督とに分かれたので、編集室に来られないプロデューサーへのプレビューや、監督がリモートを希望された場合はZoomを使用しました」(西尾氏)

 

Avid | Edit On Demandを使用してプレビューを行う場合、クライアントにインストールされたZoomを使ってMedia Composerのフルスクリーン再生のモニターを共有し、コミュニケートします。

「Avid | Edit On Demandが手元のマシンのマイク入力を拾ってくれたので、コミュニケーションにも同じZoomを使用しました。監督からは『これで全然いいね』と言ってもらえました」(西尾氏)

 

八木氏もリモートでのプレビューを体験した一人です。

「ある程度の映像のコマ飛びやカクつきは覚悟していたのですが、画質的にも映像的にもまったく問題なく、自宅のWi-Fiでも何も問題ありませんでした」(八木氏)

 

[リモート先にて] フリーランス 編集技師 菊地 史子 氏

「新しい可能性が広がる気がしています」

Avid | Edit On Demandを使ったのは初めてでしたが、西尾氏には作業自体のストレスはなかったと言います。また、リモートならではの即応性の結果、全体の作業時間や拘束時間も短くなったと感じています。

 

「それまでも他社のクラウド編集のシステムを試したことはあったのですが、レスポンスや画音のズレの問題などがあり、なかなか実用には至りませんでした。でも、Avid | Edit On Demandは違いました。自宅からアクセスしても画音のズレもなく、コマ送りや編集時のレスポンスもとても良い。実はリモートでのプレビュー時に、監督には内緒でオンプレミスからAvid | Edit On Demandのシステムに切り替えたりしたのですが、気づかれなかったくらいです(笑)」(西尾氏)

 

「これまで、プレビューに立ち会えない方は、QuickTimeを送って確認して頂き、後日打ち合わせという流れでしたが、Avid | Edit On Demandなら編集室にいなくても同時に見ることができて、率直な感想が聞けるという点でとてもよかったと思います。今後、新型コロナウイルスの問題が落ち着いて実際に集まれるようになっても、忙しくて現場に行けないような時には、このやり方はとても効率がいいと思います。何しろストレスがないので、問題ないと感じています」(八木氏)

 

「オフラインは編集に大きな容量が必要になっても、そのためにAvid NEXISの実機を追加することは難しい。しかし、クラウドであれば一時的にAvid NEXISの容量を増やせるので、これはとてもありがたい。スケジュールも予算も削減できて、かつクオリティを上げるアプローチになると思います。リモートなので、朝自宅で思いつたことをその場で実践できるのもとても効率がよかった。今後、地方や海外の案件でもアプローチできる、新しい可能性が広がる気がしています」(西尾氏)

MITSUO NISHIO
編集|西尾光男

京都府出身。

2021年3月5日公開の映画 『太陽は動かない』(監督:羽住英一郎)をはじめ手掛けた主な作品には、

『セイジ -陸の魚-』(12/監督:伊勢谷友介)、『シャニダールの花』(13/監督:石井岳龍)、『おしん』(13/監督:冨樫森)、『劇場版 MOZU』(15/監督:羽住英一郎)、『ルームロンダリング』(18/監督:片桐健滋)、『小さな恋のうた』(19/監督:橋本光二郎)、『東京アディオス』(19/監督:大塚恭司)、『架空OL日記』(20/監督:住田崇)、ドラマ作品では、『高嶺の花』(18/日本テレビ)、『電影少女』(18/テレビ東京)、『トップナイフ』(20/日本テレビ)などがある。

株式会社IMAGICAエンタテインメントメディアサービス
(Imagica Entertainment Media Services, Inc.)

Media Composerについて

一流の映画、テレビ、放送局のエディターが使用するツールでストーリー制作を加速します。HDやハイレゾの編集もこれまでになくスピーディかつ簡単に行えます。




朝日放送テレビ – Avidリモートソリューションを活用して報道フロアの3密回避を実現!

朝日放送テレビ株式会社 社屋

報道フロアの過密を避けながらの報道番組制作を継続

2020年春、世界は未曾有の混乱の中にありました。「新型ウイルス感染症 COVID-19」(以下 新型コロナウイルス)の感染拡大によりあらゆるイベントが中止され、人々は半ば強制的にリモートワークへ移行することになりました。しかし放送業界にとって、これはより一層ハードルの高い作業でした。番組制作に関わる人数が多く、生放送番組のために締め切りを遅らせることができない中で、平時よりもさらに迅速に最新の情報を送ることが要求され、リアルタイムでのコラボレーションが不可欠だからです。

 

朝日放送テレビ株式会社(以下 ABCテレビ)では、新型コロナウイルスへの感染防止へ細心の注意を払いながら、距離を取っての取材やリモートワークなどを続けてきましたが、番組OAを行う報道フロアの3密(密閉・密集・密接)を避けるために課題となっていたのが、VTR制作を行うための編集設備でした。
取材記者とカメラマンは可能な限り2班体制をとるなど、感染防止への取り込みを行ってきましたが、不特定多数の編集マンが操作する編集ブースは、担当者 の固定が 出来ません。そのため編集ブースは、作業が終了するたびにすべてを消毒することが義務になりました。編集ブースの周辺に人が集まる密の状態を避けながら、放送を継続させることが大きな命題となっていました。

 左:株式会社アイネックス ポストプロダクション部 報道編集課 大川 悠哉 氏
右:朝日放送テレビ株式会社 制作技術部  渡辺 雄介氏

操作感を変えず、可能な限り早く

ABCテレビ 制作技術部 渡辺 雄介氏はAvidのリモート編集機能を使ってこの問題を解決出来ないかと考え、Avidとともに検討を進めました。

「報道フロアへの3密を避けるために編集ブースを別の場所へ移動できないか?という問い合わせが来たのが始まりでした。ABCテレビの編集ブースはPCモニター3台、SDIモニター1台、VUメータ等、周辺機器を含めるとかなり大がかりな設備となるため、簡単に設備を動かせません。新型コロナウイルスの影響が収まった際には元の環境に戻すことも念頭におくと、簡単に環境を構築できること、なにより編集の操作性に問題がないこと、この2点が必須要件でした」(渡辺氏)

 

2019年のInterBeeでAvidブースの展示内容を見ていた渡辺氏は、この事態にクラウド編集の仕組みを応用できないかを考えていました。

「クラウド編集は、まさにリモート編集を実現するソリューションになります。ただ実際にはクラウド環境の構築、素材のアップロードなど準備期間、検証作業が必要でした。新型コロナウイルス対応はスピードが求められていましたのでクラウド編集に使われているリモート編集の仕組みだけを適応できないかと思ったのです」(渡辺氏)

 

このとき、Avidでは、新型コロナウイルス対応への社会貢献として、Media Composerへのリモート接続を可能とするCloud VMオプションを期間限定で無償提供していました(※)。そこで、この無償ライセンスを活用し、短時間でリモート環境を構築できないか、検討が開始されました。

「他のやり方を使ってMedia Composerにリモートアクセスすることも試してみたのですが、うまく起動できなかったり、起動できても反応が悪すぎたりして、実用的ではありませんでした。Teradiciを使ったMedia Composerへのアクセスは、デモ機での操作は見ていて、問題ないことはわかっていましたが、実際にABCテレビの環境で使用したらどうなのか、編集マンに触ってもらったときに満足してもらえるものなのかどうか、それだけが心配でした」(渡辺氏)

社内会議室を報道編集ルームに

実際の運用に先立って、リモート接続を行うMedia Composer端末へ無償のVMオプションライセンスを追加、リモート接続用ソフトウェアであるTeradici Cloud Access Software をセットアップしました。これらの設定は、実際にはAvidテクノロジーのパートナーである株式会社レスターコミュニケーションズによって実行されました。

「ライセンスの追加はとても簡単で、Teradiciをセットアップしたら、他にやることは何もありませんでした」(株式会社レスターコミュニケーションズ 技術部門 技術推進部 保守一課 松井 康貴氏)

今回採用したシステム構成図

実際の運用前には、想定よりも厳しい環境でのテストも行われました。

「実際のOA業務を行う前に、ネットワーク環境的には社内リモート環境より厳しい、社外からのVPN接続で編集作業が可能かどうかをテストしたのですが、想像以上にサクサクと編集操作が可能だったので驚きました。これなら社内リモートは間違いなく使えると確信しました」(渡辺氏)

 

会議室を使用したリモート編集

リモート接続の操作性に問題がないことが確認できたら、会議室を編集ブースへ変更します。この作業もとてもシンプルでした。

「社内に確保してもらった会議室を編集ブースに作りかえるべく、用意したのはネットワークと簡易デスクトップPC、PCモニターです。用意したデスクトップPCから社内のMedia Composer端末へリモート接続を行い、実際に編集作業を行う編集マンに試してもらうことになりました」(渡辺氏)

 

実際の編集を担当した、株式会社アイネックス ポストプロダクション部 報道編集課 大川 悠哉氏も、その反応性を体験した一人でした。

「レスポンスの良さに驚きました。いつものMedia Composerと何も変わりません。また、朝から夕方までリモート接続を行っても全く接続が切れたりしません。使っているうちに、リモートであることを忘れてしまうほどでした」(大川氏)

リモート編集中の大川氏

制作量を減らすことなく、より安全な環境に

会議室を使用してのリモート編集は、2020年4月末から運用が始まりました。編集マンとディレクターは出社から報道フロアへ立ち入りをすることなく、会議室へ直行して業務を行い、会議室から直帰します。最大3ブース、日常的に2ブースの編集作業を会議室で行います。

「いつもの編集室へアクセスしているだけなので、編集はもちろん、テロップ入れや送出サーバーへの転送等、これまでやってきたことはすべてそのままできます」(大川氏)

 

「社内インフラにはまったく手を加えていません。アクセスするための手元のマシンにスペックが必要ないのも大きなメリットです」(渡辺氏)

これにより、制作量も維持することができました。

 

「番組中にランキングコーナーがあって、多数のディレクターが担当しています。この担当者が、報道フロアへ出入りすることなく会議室へ出社し、これまでと同じ制作量をカバーできる。3密を避けつつ放送を継続するためにとても理想的でした」(渡辺氏)

リモート編集用に締め切られる編集ブース

未来への現実味

今回、リモート編集での制作が成功裏に実施できたことで、将来への可能性も見えてきました。

 

「今回は、社内環境におけるリモート編集の実施、報道フロアの密を緩和するための緊急対応としてリモート編集を導入しましたが、想像以上に簡単に、追加作業なく環境構築を出来ることが分かりました。もっと早くから取り組んでおけばよかったくらいです」(渡辺氏)

「今回のような事態だけではなく、地震やその他の災害でオフィスに来られなくなることも考えられる。そんなときのために、このようなシステムを準備しておくのは、とても大切なことだと思います」(大川氏)

 

完全な在宅勤務やリモートコラボレーション等への拡張にも意欲的です。

「セキュリティや勤務体系の管理、コミュニケーション等、課題はありますが、これらが整備できれば、完全な在宅編集も現実味を帯びてきました」(渡辺氏)

 

実際、ABCテレビの環境においては、VPNサービスを利用した社外からのアクセス環境化においても十分な編集作業が出来ることが確認できています。

「報道番組は常に追い込み編集作業が発生するので、記者・ディレクターといかにコミュニケーションを取るか、使用注意情報を共有できるかが在宅勤務のカギとなると思いますが、編集環境としては実用可能なことが分かりました。働き方改革への取り組み、新型コロナウイルスの影響による急激なリモートワークの増加など、柔軟な対応が求められる中でAvid社のソリューションをうまく活用しながら、技術としてよい提案が出来ればと思っています」(渡辺氏)

 

 

※現在、提供は終了しています。また、v2020.4以降では、リモートアクセスするためにCloud VMオプションライセンスは必要ありません。

朝日放送テレビ株式会社
(Asahi Television Broadcasting Corporation)
https://www.asahi.co.jp/

Media Composerについて

一流の映画、テレビ、放送局のエディターが使用するツールでストーリー制作を加速します。HDやハイレゾの編集もこれまでになくスピーディかつ簡単に行えます。




札幌テレビ放送 – Avidクラウドソリューションで日本初の「クラウド編集から当日オンエア」を実現

北海道日本ハムファイターズ・沖縄キャンプ・オープン戦クラウド編集

未来のワークフローを現実に

毎年、各地で行われるプロ野球の春季キャンプは、チームの地元放送局にとって絶好の取材対象となりますが、頭を悩ませる問題でもあります。キャンプ地までの距離的な制約により、通常の編集ワークフローでは対応しにくいばかりか、スタッフの移動に伴う経済的な問題もあるからです。

札幌テレビ放送株式会社にとっても、それは大きな問題でした。地元チームである日本ハムファイターズは、毎年沖縄県名護市でキャンプを行います。北海道―沖縄の距離的なハンデを克服し、最新の情報を視聴者に届けなければなりません。

札幌テレビ放送 制作技術部の山内 健太氏は、クラウド編集がこれらの課題を解決する可能性を秘めていると考えていました。そこで、名護キャンプ取材での運用を想定した、検証プロジェクトを発案しました。

札幌テレビ放送 制作技術部:山内 健太氏

「クラウドストレージとクラウドアプリケーションを利用して、名護キャンプの映像素材を札幌本社にて共有・編集し、オンエアすることができたら、エディターが現地・名護入りする必要がなくなり、移動・宿泊・人件費の削減に寄与し、現地システムも簡略化できる可能性があると考えました」(山内氏)

 

編集環境をクラウドに移行する。2019年のNAB ShowでAvidの展示内容を見て、山内氏はクラウドソリューションの可能性を考えていました。

「NAB Showを視察して、Avidのクラウドソリューションに将来性を感じました。オンプレでは他メーカーのアプリケーションを使用しており、エディターにとっては不慣れな環境となりますが、システムとしてそれ以上の優位性があると判断し、まずは本社にてデモを依頼させていただきました」(山内氏)

 

このデモによりクラウド環境においてMedia Composerの優位性を確認し、実運用に耐えうると想定できたのです。

「即座に名護キャンプでの検証をAvidに依頼しました。漠然としたイメージであったものがハッキリと実用可能なフェーズに入っていると確信し、明確な運用イメージを持つことができました。」(山内氏)

 

そこからは未来の編集ワークフローをイメージから現実のものにするだけでした。

札幌~名護 2,184 kmをクラウド編集でつなぐ

「従来はデスクトップとノートの編集機をそれぞれ一台ずつと、モニターやストレージ等の機材をすべて名護に持ち込み、セットアップしていました。もちろんエディター自身もです」(波多野氏)

 

「一度エディターがキャンプに入ると、二週間は不在になります。もし事情が変わってエディターを交代しなければならなくなると、札幌から名護まで行くだけで丸一日かかってしまい、その間のエディターのシフトも考えなければならない。これが解消できるなら、試す価値があると思いました」(波多野氏)

札幌本社側担当 報道局報道部 編集デスク:波多野 正尚 氏 (右)・同 編集:有元 謙一朗 氏(左)

「沖縄がここにあるかのように編集できたのは印象的でした」

実際の運用に先立ち、Microsoft Azure上に仮想マシンとしてのAvid Media Composer | Cloud Remoteと、同じく仮想的なNEXISであるAvid Cloud Storageを設定しました。

名護の球場にアップロード用のPC、札幌の編集室に編集用のPCを起き、それぞれを通常のインターネット公衆回線に接続、Microsoft Azure上に設定したMedia ComposerとNEXISにアクセスできるようにします。

「この環境なら、アップされた素材に順次アクセスすればいい。編集のためにダウンロードを待つ必要はありません」(波多野氏)

ディレクターは名護の球場にいます。このため、札幌の編集画面を名護に画面共有し、さらに音声も同時に送ることで、画面を見ながらリアルタイムに指示を送ることができます。

札幌の編集室

「沖縄がここにあるかのように編集できたのは印象的でした」(有元氏)

「札幌にいながらにして現地のディレクターとコミュニケーションしながらできる。未来を感じました」(波多野氏)

 

名護の球場で撮影されたAVCHD素材は、ある程度素材が集まった時点で、ブラウザベースのFileCatalystを使って、記録用メディアからクラウド上のAvid Cloud Storageにアップロードされます。素材がアップロードされたら、Teradici PCoIP Software Clientを使って、札幌の編集室からクラウド上のAvid Media Composer | Cloud Remoteにアクセスし、アップロードされた素材を編集します。必要なテロップ素材や音楽素材等は札幌で準備し、これもFileCatalystで、同じAvid Cloud Storageへアップロードします。

 

「転送の速さには驚きました。これまで使っていたシステムの10倍近い速さを記録することもありました」(山内氏)

編集が完成したら、クラウド上にエクスポートし、FileCatalystでダウンロードします。これがXDCAM納品用の完パケファイルとなります。

 

「スポーツの編集では力を発揮できるでしょうね。ナレーション、スーパーに関してはオンプレのほうが時間的には早いかもしれませんが、少なくとも白完までなら、差を感じません」(波多野氏)

名護のプレスセンター

「期待以上でした」

エディターの有元氏にとっても、これは新たなチャレンジでした。普段は違う編集システムを使用している有元氏にとって、Media Composerを使うのはこれが初めてでした。準備を始めたのは、本番の4日前でした。

 

「以前の癖があったので、最初は多少とまどいがありましたが、覚えやすいし、編集機の基本としては違いを感じませんでした。これまでと同じことはすべてできるとわかったので、問題はありませんでした」(有元氏)

 

当初の予定では、完パケ作成のためのテロップ入れとナレーションのパンチインは別のシステムを使うことにしていましたが、作業が順調だったため、テロップ入れまでMedia Composerで行うことになりました。こうして、日本初のクラウド編集による完パケ作品は、その数時間後の夜、無事にオンエアされました。

 

「ナレーションはどうしてもリアルタイムで録音したかったので、オンプレで行いました。でも、テロップ入れはクラウドで行えた。ディレクターに完成形に近い状態でリアルタイムで確認してもらえたのは大きかったです」(波多野氏)

「ナレーション以外はすべてできた。期待以上でした」(有元氏)

 

「日本初のクラウド編集による地上波オンエアを実現することができました。機材のスペックや場所の制約を受けない編集システムとして、今後徐々に普及していくものと考えます。ディレクターからもブラッシュアップは必要だがストレスなく番組制作できたと感想をもらえました」(山内氏)

 

今回のAvidクラウドソリューションの使用により、札幌テレビ放送の今後のワークフローにも変化が起きそうです。

 

「最も理想的なワークフローは、やはりディレクターとエディターが肩を並べて編集する環境になります。ただ今回の検証により、名護のディレクターと札幌のエディターがあたかも同一空間にいるようなワークフローをAvidのクラウドソリューションによって実現することができました」(山内氏)

 

「課題もありますが、今後のさらなる発展によりテレビの制作が変わるかもしれない。みんなが一ヶ所に集まって編集する時代は終わるかもしれないですね。」(波多野氏)

 

STV 札幌テレビ放送株式会社
(STV The Sapporo Television Broadcasting Co.,Ltd.)
https://www.stv.jp/

Avid NEXIS

今必要な信頼性、将来を見据えた拡張性、未来へ導くテクノロジーに投資しましょう。Avid NEXISでストレージをレベルアップします。




Media Composer 2018.5 リリース ― 新機能& ReadMe

Media Composer 2018.5がリリースされました。今回のアップデートで追加された新機能についてご紹介します。新機能の詳細はPDFでもご覧いただけます。ここでは、その一部をご紹介します。

Get Info ウインドウのアップデート

シークエンスとクリップに対するGet Info ウインドウがアップデートされました。以前のバージョンでは、Info ウインドウ内の情報をカット、コピー、ペーストすることはできましたが、内容を変更することはできませんでした。このリリースでは、可能なものについては変更することができます。詳細はHelp メニューの”Using the Info Window”をご参照く ださい。 ヘッダーをAlt+クリックすることで、表示をまとめたり広げたりすることができます。

Hybrid Log Gamma Color Transformation アップデート

カラーマネージメントで自動変換を行うとき、メディアの黒色点(Black Point)と白色点(White Point)は内部的に0 と1.0 にマッピングされ、その他のすべての色はこの範囲内にマッピングされます。これは、カラースペースとガンマの伝達特性(Transfer Characteristics)の変換を容易にするためです。 以前のバージョンでは、Hybrid Log Gamma(HLG)への変換時には、ソースメディアの白色点はHLG スケールの50%にマッピングされていました。これはARIB-B67 規格によるものです。BT.2100 規格の開発に伴い、白色点はHLG スケールの75%にマッピングされることが推奨されました。これは非HDR 放送(Rec.709)と互換性があります。 このリリースでは、メディアをHLG に変換するときには、デフォルトではBT.2100 規格に準拠します。以下のColor Transformation において、Hybrid Log Gamma は50%マッピングを、Hybrid Log Gamma BT.2100 は75%マッピングを使用します。

マーカーダイアログでのトラックの変更

マーカーダイアログウインドウにトラックプルダウンメニューが追加されました。マーカーのトラックを変更することができます。

v2018.5の修正項目(一部掲載)

Bug Number: MCCET-2364. アプリケーションを再起動すると、Media Creationの設定に関わらず、Audio Suiteのレンダー先ドライブがCにリセットされてしまう。

Bug Number: MCCET-2200. XDCAMメディアをコンソリデートしたにも関わらず、再び同じリムーバブルドライブがブラウズされると、そちらのドライブにリンクが戻ってしまう。

Bug Number: MCCET-2366. リンクされたAVCHDクリップをトランスコードすると、”Standard Exception”エラーが出ることがある。

Bug Number: MCCET-2376. (Mac)変更を保存すると、フルスクリーン再生が解除されてしまう。

Bug Number: MCCET-2252. Mac OS v10.13x(High Sierra)で、Media Composerがキャプチャーやインポート、レンダリングしたファイル等をシステムドライブに保存できない。

 

 

Media Composer v2018.5の新機能、ReadMeのダウンロード

以下リンクより日本語版のドキュメントをダウンロードいただけます。

Media Composerについて

一流の映画、テレビ、放送局のエディターが使用するツールでストーリー制作を加速します。HDやハイレゾの編集もこれまでになくスピーディかつ簡単に行えます。