Pro Tools | UltimateとMTRXでDolby Atmos Homeファイナル・ミックス・ステージを構築提案!

By in オーディオ
image_pdfimage_print

Pro Tools | UltimateはDolby Atmos™プロダクション環境を包括的にサポートしています。この統合機能は、AvidとDolbyの二社のコラボレーションによって誕生し、Atmosミックス環境の可能性が大きく広がりました。

近年、Dolby Atmosは次世代のイマーシブ・サウンドの事実上の標準として確実にその地位を築いています。フィルム市場に於いては、Atmos対応シアターが世界中に広がり、Netflixなどの大きな影響力を持つストリーミング・サービスが、3D/オブジェクト・ベースのサラウンド・サウンドでの制作を推奨することで、多くの人気ムービー・コンテンツがイマーシブ・オーディオ環境でミックスされるようになり、Dolby Atmosは今、ホーム市場でも大きく浸透してきています。

イマーシブ・オーディオ・ニーズの拡大に伴い、ポスト・プロダクションや、それに携わるプロフェッショナル達も、市場ニーズに対応する為の様々な新しい試みが必要になっています。

Pro Tools |Ultimate 2019.10のDolby Audio Bridge対応により、Dolby Atmosプリミックスに対するハードルが下がる一方で、Dolby Atmosファイナル・ミックス・ステージでの設備規模は、市場の拡張とともに、より拡大・複雑化してきており、そういった設備に必要な高いメンテナンス性も踏まえたシステム・インテグレーションを、効率的に行なう事が重要になっています。

イマーシブ・オーディオ・フォーマットの要件に基づき、より多くのトラックを用いる事になる為、セッション・サイズは大規模化し、Dolbyレンダラーに128チャンネルを送り込み、最大64チャンネルのスピーカーにサウンドをフィードする為、より多くのI/Oが必要になっているのです。

また、Atmosだけではなく、複数のイマーシブ・オーディオ・フォーマットにも対応するスタジオでは、ルーム・アコースティックや空間スペースの設計などにも、より気を配る必要が出てきました。つまり、将来イマーシブ・オーディオ化がより進んでいくフィルムやOTT/TVサウンドに対応していくには、より正確で透明性の高いサウンドを持つ、柔軟かつ多くのI/O環境が必要になるのです。

よりエレガントなソリューションを求めて

AvidはPro Tools | Ultimate、Avid | S4またはS6、 HDX、そしてMTRXといったDolby Atmosファイナル・ミックスの為の完全統合されたオーディオ・ポスト・ソリューションを提案しています。これらを組み合わせる事で、イマーシブ・オーディオ・ミックスを行なう為の、より一体感の高いスムースなエンド・トゥ・エンド・ソリューションを実現可能となるのです。

 

1台のMTRXが持つパワー

Pro Tools | MTRXは、要件に応じて任意のオプションを追加できる8つの拡張カード・スロットを搭載したパワフルで柔軟性の高いI/Oシステムで、Avidのイマーシブ・オーディオ・ソリューションの中心となる製品です。最大化されたMTRXでは、2Uラック・サイズの筐体上で膨大な数のI/Oをハンドリングし、アナログ及びMADI, DanteそしてDigiLinkといった多くのI/Oフォーマットに対応することが可能です。

この広大なI/Oキャパシティーとカスタマイズ性により、より多くの入出力を使うモニター/レンダー環境が必要なオーディオ・ポスト・ワークフローを完璧にサポートすることが可能となります。このMTRXを中心にシステムを構築することで、デジタル領域内で、複数フォーマットを持つ複数のディバイスを柔軟にルーティングし、EUCON対応のコントローラーを、統合コンソールとして機能させる事ができるようになります。

 

オプション・カードによるMTRXの拡張 

今、ポスト・プロダクション・スタジオには、イマーシブ・ミキシングに適した正確にチューニングされたサラウンド・ルームが必要となってきています。SPQ スピーカー・プロセッシング・オプションでは、1枚のカードでAtmosがサポートする最大スピーカー数である64チャンネルの倍に当たる128チャンネル分の1,024ディスクリート・フィルターが搭載され、正確なルーム・チューニングが可能となります。このスピーカー・キャリブレーション・オプションは、MTRXに完全統合されていますので、シグナル・チェーン内に追加のI/Oを加える必要もありません。

 

128-チャンネル対応IP オーディオDante カードは、単体または複数のHDシステムを、Danteネットワークに接続することを可能にします。カードを拡張することで、1台のMTRXで最大1,088チャンネルのDante I/Oを接続でき、複数の部屋をコスト・エフェクティブなIPオーディオ・ソリューションであるDante対応機器で統合していくといったことも可能となります。

 

DigiLinkオプション・カードとは?

MTRXベース・ユニットには、64チャンネルに対応したデュアルDigiLinkポートが標準搭載されています。これは1枚のカードを持つHDXシステムには非常に有意義ですが、イマーシブ・オーディオ・ミックス時に必要となる複数のHDXシステムを統合する場合は、MADI等の他の複数のI/O機器を各HDXシステムに接続し、MTRXとインテグレートする必要がありました。

MTRX用の64チャンネルDigiLinkオプション・カードの登場により、複数のHDXシステムがMTRXの強大なルーティング・キャパシティーに直接アクセスすることが可能となります。1台のMTRXに最大6枚まで搭載可能となる、このDigiLinkオプション・カードにより、複数のHDXカードをMTRXに直接接続可能となり、1台のHDXシステム用のI/Oキャパシティー(カード3枚時最大192チャンネル)が増えるだけではなく、それぞれのDigiLinkオプション・カードに別々のHDXシステムを接続することもできるようになるのです(最大6 x HDXシステム)。これにより、追加のハードウエアの必要性が減り、より低コストでシステム構築を行なうことが可能となります。

 

Dolby Atmosファイナル・ミックス・ステージでは、複数HDXシステムのサウンドを128チャンネルにまとめ、それをDolby RMUに送る必要がありますが、これまでは複数のMADI及び/またはDanteインターフェースを使いMTRXに統合したサウンドをRMUに送受信を行い、そしてそれをモニター・スピーカーにフィードしていました。

DigiLinkオプション・カードを使い、複数のHDXシステムを1台のMTRXに直接接続可能となることで、必要なインターフェース数が減り、よりシンプルにAtmosインテグレーションが可能となります。

Dolby Atmosホームの制作環境に於いては、Dolby Atmos Mastering Suiteに含まれるHT-RMUが、Macに対応しDanteでの接続が可能となり、コスト・ダウンがはかられたとともにシステム構築時の柔軟性が構築しました。

Dolby Atmos Mastering SuiteとDigiLink Optionを搭載したMTRXを組み合わせると、必要な規模に応じて、以下のようなDolby Atmosホームのファイナル・ミックス環境を構築することが可能です。

いずれのシステムも、128chチャンネルのディスクリート出力を必要とするDolby Atmosミックス時ではHDXを使い、Dante経由でHT-RMUへオーディオ信号を送信しています。また、ダバー的な役割のHD Nativeは、最大64chまでのサポートですが、128ch分の各個別のトラックの記録というよりは、ステム・ミックス・レコーダー用として想定しています。

Pro Tools|HDシステム二台による構築例

小規模ミックスである場合、1台のHDXでDolby Atmosミックスを完結させ、その結果をRMUに送信します。HD Nativeは、ステム・ミックス・レコーダーとして使用します。この図では、設置が想定されている9.1.6chモニター・スピーカーに対して、MTRX本体装備のAESデジタル出力(合計16ch)を使う形になっていますが、必要に応じてDAカード(1枚で8ch)を必要数増設し、そちらからモニター・スピーカーへとアナログ出力することも可能です。

Pro Tools|HDシステム三台による構築例

ダイアログ/ミュージックとサウンド・エフェクトを分けてダブ・ミックスを行う中規模クラスのDolby Atmosホーム作品のミックスの場合、2台のHDXでDolby Atmosミックスを行う、MTRX内のルーティング機能を用いて、その結果を1台のRMUに送信します。フィルム・クラスの作品で、さらに大規模なミックスとなる場合は、DigiLink Optionカードを増設しHDXシステムを増やすことも可能です。この場合でも、HD Nativeは、ステム・ミックス・レコーダーとしての使用が想定されています。

上記システム・ダイアグラムは、あくまでも一例です。
実際のシステム構築は、スタジオ用途に応じても異なることが予想されますが、MTRXを使ったシステムなら、多様なニーズにも柔軟にお応えできるはずです。

さらに詳しくは、Pro Tools HDシステム・インテグレーターまでご相談ください。

Pro Tools | MTRX

Pro Tools | MTRXは、DAD社の伝説的なAD / DAコンバーターの優れた音質に加え、スタンドアローンまたはAvid Pro Mixing サーフェスを使用して、広範で柔軟なルーティングおよびモニターコントロールを提供します。

 

アビッドテクノロジー株式会社プロオーディオ・ディビジョン・マネージャー。Pro Toolsユーザー事例やミュージック/ポストプロダクション・オーディオ・ソリューション/ワークフロー情報を紹介していきます。