株式会社テレビ朝日 – テレビ局の朝の顔を支えるMediaCentral

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機能性と安定性の両立

右:株式会社テレビ朝日 技術局 設備センター・松本 英之氏
左:同・磯田 裕康氏

テレビ局にとって、朝の情報番組は花形であり、局の顔とも言えるとても重要な存在です。1分1秒を争う報道の要素と、それをいかにわかりやすく伝えるかという制作の要素が共存する情報番組制作は、それを支えるシステムにも高度な機能性と確実な安定性の両方が求められます。

 

株式会社テレビ朝日では、情報・スポーツ番組で使用される映像コンテンツに対し、リニアシステムでの制作を行ってきました。

しかし、機材のメーカーサポートが終了するにあたり、技術局 設備センター・松本英之氏は 、新しくすべてをノンリニアにした、ファイルベースシステムを構築したいと考えました。

 

「テレビ朝日では、情報番組の制作にMAが重要な役割を果たしています。それまでは他社製のシステムを使っていましたが、機材の更新にあたり、これをAvidのPro Toolsに替えたいと考えました」(松本氏)

 

Pro Toolsに変えたいと考えたのには、理由がありました。

「1分1秒を争う現場の作業効率を上げていくためには、編集とMA作業のコラボレーションが重要であり、これを実現できるシステムはAvid Pro Toolsしかありませんでした。また、編集、MA、音効のスタッフは、人材不足な状況にあります。優秀なスタッフを確保するためには、まず広く使われていてユーザーが多いシステムであるべきだと思いました。その意味において、Pro Toolsはまさに最適でした。そして、Pro Toolsと最も相性がいいのが、同じAvidのAvid Media Composerでした」(松本氏)

MAルーム機材:Avid Pro Tools

すべてをノンリニアに変えることについても、もはやそれほどの抵抗はありませんでした。

「これらのリニア機材はなくなることがわかっていたし、スタッフもすでにノンリニアシステムには慣れている。すべてを入れ替えるときにも、ノンリニアでできるならそれでいい、という感じでした」(磯田氏)

 

しかし、情報番組の制作システムは、アプリケーションとストレージだけでは完結しません。

「NEC製の報道素材サーバーシステムが すでに稼働しており、情報・スポーツニュース編集システムは、これと連携している素材管理システムとつながります。したがって、新しく導入するシステムは、この素材管理システムと連携が取れることが絶対条件でした」(松本氏)

 

そこで松本氏はAvid MediaCentralに注目しました。

「不安がなかったわけではないですが、MediaCentralは個人的に経験があって、その重要性は認識していました」(松本氏)

 

2021年5月21日・リモートでのインタビューの様子

NEC素材管理システムとの連携

システムインテグレーターである、株式会社メディアソリューションズ 代表取締役・島津昭彦氏を中心とし、NECはAvid MediaCentral | Production Managementとの連携のためのシステム開発に入りました。

 

「正直なところ、それまで他社製のアセット管理システムとの連携はあまり経験がありませんでしたが、Avid Interplay Web Servicesを使用することで、MediaCentralと連携が取れることがわかりました。問題はメタデータの同期なのですが、実際に始めてみると、MediaCentral | Production Managementではカスタムメタデータが自由に作成できるので、それを活用することで問題は解消されていきました。作業をしていくうちに、『初めから外部システムと連携することを想定して作られているんだな』と感じることができました」(日本電気株式会社 放送・メディア事業部・松熊亮文氏 )

 

システムは2017年に仕様を決定。2018年末にシステム導入が決定され、2019年初からシステム設計・開発を開始、2020年3月から第1期システムが稼働を開始しました。Media Composerが25台、Pro Toolsが2 x 8ブースの計16台で構成されるスタジオは、すべてのクライアントがAvid NEXIS共有ストレージに接続され、MediaCentral | Production ManagementによってNEC素材管理システムと連携、管理されます。

これまで使用してきた素材にはタイムコードが連続していないものもありましたが、MediaCentral側に機能を追加することで、これもそのまま使用できるようにしました。

「ギリギリまで粘れます」

編集ブース

テレビ朝日では現在、このシステムで『羽鳥慎一モーニングショー』、『大下容子ワイド!スクランブル』をはじめ、『スーパーJチャンネル』、『報道ステーション』、『週刊ニュースリーダー』、『サンデーLIVE!!』等の番組の他、BS、CSチャンネルの番組で使用される映像コンテンツも制作しています。

「毎日ほぼフル稼働です」(磯田氏)

実際にこのシステムを使用しているエディターは、その効果を日々体感しています。

 

「MAとのやり取りはこれまでテープを使っていましたが、それがデータになるので、目に見えない分、最初は少し不安がありました。しかし、フローが確立してくるとデータでのやり取りは効率がいい。MAと同時進行で進められるので時間にも余裕ができるし、その分、映像をブラッシュアップする時間に使える。本当にギリギリまで粘れます」(株式会社東京サウンド・プロダクション 放送技術センター ビデオソリューショングループ テクニカルマネージャー・加藤良祐氏)

 

「スポーツについては時間が読みきれないこともあり、リニアのほうが向いていると感じられる部分もまだあります。しかし全体としてみた場合にはメリットのほうが多い。例えば本当に時間ギリギリになったとき、Media Composerなら同じシーケンスの前半と後半を2人のエディターがそれぞれの部屋で同時に作って、最後につなげることもできる。マルチカメラの動作が軽いのも、野球のような長時間のクリップを扱うときにはとても助かります」(株式会社文化工房 スポーツニュース制作局 ニュース制作部 スポーツ編集担当 部長・横山浩史氏)

 

「正しい選択でした」

システム管理の立場からも、この制作システムの効果は高かったようです。

 

「当初の想定通りに動いています。システムも安定しているし、使い方がわかっているので、今は混乱もありません」(磯田氏)

 

「導入から稼働まで、もっと大変なことになるかと思っていましたが、そうでもなかったですね(笑)」(松本氏)

 

この経験から、将来への展望も開けています。

「ディレクターが自身でオフライン編集をおこなうとき、MediaCentral | Cloud UXがあれば3rdパーティー製のアプリケーションを使わなくてもWeb上で粗編集ができる。これは効率の面でも可用性の面でもとても効果的だと思います」(加藤氏)

 

「原稿の読み合わせも、Cloud UXを使えばもっとスムースにできるようになると思います」(横山氏)

 

「例えばAIを使った画像解析や処理の自動化ができたら、とても効果的に使えそうだなと考えています。また、例えば東京オリンピックのような大きなイベントがあるときは、クラウドを上手に使うことで、一時的にクライアントの数を増やすこともできる。クラウドには大いに興味があります」(松本氏)

 

「最初は人材の面からPro Toolsを選び、その後Media Composer、NEXIS、MediaCentralと決まって行きました。結果的に、これは正しい選択だったと思っています」(磯田氏)

株式会社テレビ朝日
(TV Asahi Corporation)

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