Avid S6導入事例 #38:パインウッド・スタジオがAvid S6で究極の柔軟性を実現

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Avid S6                    Pro Tools

Pro Tools | HDX                Pro Tools | MTRX

85年以上にわたり、パインウッド・スタジオは、世界中の大小さまざまなスクリーンでストーリーテラーのイメージを実現させています。英国を代表する映画/テレビ・スタジオは、ロンドン郊外に擁する24のステージ、水中撮影ステージ、7つのシアター、3つのテレビ・スタジオで、007、スター・ウォーズ、マーベル・シネマティック・ユニバースなど、数々の名作を生み出してきました。車で数分のところには、14のステージと11のシアターを擁する姉妹スタジオのシェパートン・スタジオがあります。

 

パインウッドの歴史と世界最高水準のオーディオ・ポスプロおよびローカライズ・サービスは、大小の制作会社を魅了しています。そして数十年にわたり、オーディオ全般の基礎にPro Toolsを置き、Pro Toolsのハードウェア・システム、ソフトウェア、コントロール・サーフェスを中心にした、ミキシング用シアターやサウンド編集室で、レコーディング、編集、ミキシングを実行しています。

 

「大手スタジオの予算規模が大きい長編映画から、小規模な独立系映画やイギリス国内のテレビ番組まで、顧客層は多岐にわたります。そのため、あらゆるタイプのポストプロダクション・サウンドを扱います。ここの大きな特徴は、シアターの数、そして誰もが情熱を持って仕事に取り組んでいることだと思います」とパインウッドのポストプロダクション・ディレクター、イェンス・クリスティンセン(Jens Christensen)氏は話します。

 

ここ数年、ポストプロダクション・チームは、古いEuphonix System 5とICONコントロール・サーフェスを完全モジュラー化したAvid S6に置き換えて、ミキシング用シアターをアップグレードしてきました。最近では、両サイドに32のフェーダーを備えるデュアル・オペレーターのAvid S6コントロール・サーフェスを導入して、英国最大のミキシング用シアターであるパウウェル・シアターをアップグレードしました。

(左)イェンス・クリスティンセン氏:ポストプロダクション・ディレクター
(右)ポール・ガーヴェイ(Paul Govey)氏:ポストプロダクション・オペレーション・マネージャー

パインウッド・スタジオのパウウェル・シアターにある、デュアル・オペレーター、2×32フェーダーのAvid S6コントロール・サーフェスの前にて [撮影者:ケビン・ベーカー(Kevin Baker)氏]

最新技術で伝統を継承

S6の選択により、パインウッドのクライアントと社内チームは、全シアターでコンソールに慣れるだけでなく、Pro ToolsとS6の単一プラットフォームで全作業を行うことで、柔軟性と効率性が向上し、忙しいスケジュールや避けられない直前の変更に対応することができます。

 

「最初はProControlサーフェスを使用していました。それが寿命を迎えた時、ICONコントロール・サーフェスに置き換えるのが自然な流れでした。今では、ほとんどがS6に替わっています」とクリスティンセン氏は話します。

現在、同スタジオでは14台のS6コントロール・サーフェスを使用しています。

 

Avidコントロール・サーフェスがPro Toolsや他のオーディオ/ビデオ・アプリケーションとの通信に使用するイーサーネット・プロトコルのEUCONが、S6選択の大きな要因でした。S6に組み込まれたEUCONにより、ミキサーは、Pro Toolsとプラグインに深く統合された直感的なタッチ操作と触覚的なコントロールに加えて、すべてのソースおよびスピーカーセットをモニタリングするリモート・コントロールを手に入れます。

 

パインウッドのジュニア・リレコーディング・ミキサー、アレックス・シミオマイズ(Alex Symeomides)氏は、今回の導入の背景を次のように話します。

 

DSPプラグインの後に、ネイティブ・プラグインをインサートすると、HDXとホスト・コンピューターの間でラウンド・トリップが生じ、利用可能なボイス数が減るという技術的な課題に直面していたのです。

 

「伝統的な映画のミキシング・ワークフローを残したかったのです。シアターには今でも再生機材が複数あります。S6に不可欠なPEC/DIRECTメーターと合わせてPro Toolsとの素晴らしい統合性が、私たちには魅力となっています。本当に素晴らしいツールです」

 

ローカライズとDolby Atmosの需要で優位に立つ

S6選択のもう1つの要素は、クライアントのさまざまなニーズに柔軟に対応し、ローカライズ・ミキシング・チームが “おそらく世界最大のスタジオ” のために行っているワークフローを最適化するソリューションを見つけることだったとクリスティンセン氏は話します。

 

「ロスには知り合いのミキサーがたくさんいたので、“今、何を使ってミキシングをしてるの?” と聞いてみました。すると、あらゆる場所から、どんなコンソールよりも、S6コンソールの写真が次々と送られてきました。メインルームにデュアルS6を導入する英国初の大規模ミキシング・スタジオだったので、ちょっとした賭けだったのですが、それがオーディオ・ポストの進む方向であり、また、99%のポストプロジェクトに対応する柔軟性が得られると思います」

 

スタジオでは、Pro Tools | MTRXオーディオ・インターフェース1台により、シアターのルーティングとモニタリング機能もアップグレードしました。ミキサーは、ルーム内のモニタリング設定を素早く簡単に切り替えることができるようになりました。Pro Tools、S6、MTRXがすべてEUCONを介して通信することで、チームとクライアントは、要求が厳しいミックスと作業量に対処するために必要なスピードと柔軟性を手に入れています。

 

「制作サイドでは、扱うコンテンツのタイプから、ほぼすべてのコンテンツでAtmosを使用しています。ローカライズでは、大規模なアニメーション作品のミックスは、45バージョンとかにもなり、そのうち30バージョン程度がAtmosで、需要は大きいです」とクリスティンセン氏は話します。

 

シェパートン・スタジオのエイドリアン・ビドル・シアターでは、
24フェーダーのS6でミキシング、マスタリング、ADRレコーディング

クライアントのエンパワーメント

ところで、パインウッドのクライアントは、アップグレードをどのように思っているでしょう?シミオマイズ氏によれば、

「これまでのところ、クライアントはとても満足しています。S6をSystem 5のように使えるため、親しみやすく、喜んで使ってくれています」

 

「中には、ミックスのやり方に強いこだわりがあるクライアントもいます。最近、コンソールマンの見本のような人がミキシングに来たのですが、S6の導入は、とくにフェーダーごとに2つのノブパネルが素晴らしく、まるでS5でミックスしているようだと言っていました」 とガーヴェイ氏は続けます。

 

そのクライアントとは、『ハリー・ポッターと死の秘宝』(Part1およびPart2)、『The Gentlemen』、『ヒットマンズ・ワイフズ・ボディガード』、『ROMA/ローマ』、『Vフォー・ヴェンデッタ』 などを手掛けた英国アカデミー賞ノミネートのリレコーディング・ミキサー アダム・スクリヴィナー(Adam Scrivener)氏でした。

 

彼は、その経験を次のように話しています。

 

「パウウェル・シアターでパインウッドの新しいS6を使ってみて、ミックスでは、適切に設定されたコンソールがどれだけ自由度を与えてくれるか、思い知らされました。充実したノブ・モジュールでEQにインラインでアクセスできるだけでなく、PEC/DIRECTパネルやパン・モジュールは、これぞコンソールだと感じます。セットアップ全体が盤石です」

 

クライアントが満足し、やろうとしていることを効率良く、最高の品質で実現できると知ることが、パインウッドにとってすべてです。

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Avid S6

S6は、モジュール式設計であり、構成されたシステムを選択するか、または独自のシステムを構築することが可能です。