放送局ニュースルームをデジタル専用エコシステムに統合

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テレビ革命はデジタル化されます。しかし、ローカルニュースは、新しいデジタル現実を十分に活用していません。代わりに、ニュースルームの多くは、放送用に制作された既存のセグメントを編集して、SNS(ソーシャルメディア)のプラットフォームや自社のウェブサイトに掲載しています。

 

しかし、SNSでの簡易利用に放送クリップをリパッケージすることは、放送局ニュースルームの長期にわたるデジタル進化の第一歩にすぎません。ここ数年で、デジタル専用ニュースは、一般ニュース配信にも進出してきました。BazzfeedのAM2DMモーニングショーからCNNのGreat Big Storyプラットフォーム、NBC Universalの新しいLXデジタルニュースなどさまざまな番組で、デジタル専用配信は、放送局のニュースルームに大きなメリットをもたらしています。放送局は、視聴者層を拡大し、視聴者について非常に詳細な数値指標を取得したら、コンテンツを収益化する新たな方法を探し、全く異なる方法でストーリーを伝えることができます。

 

これらのメリットは、新しいテクノロジーやニュースルームの全面改修を必要としません。テレビ番組もデジタル専門番組も、視聴者に情報を提供し、視聴者を惹きつけるという基本原則は同じです。

 

番組制作に使用される技術もほとんど同じです。ビデオ編集ソフトウェアは、Snapchat等のモバイルファースト・アプリには縦型、Instagramには正方形など、さまざまなフォーマットに合わせて動画を最適化する機能を備えています。従来の放送局ニュースルームは、デジタル専用番組のワークフローと酷似しています。実際のところ、インジェスト、制作、アーカイブは、技術的に全く同じです。違うのは、配信だけです。

 

ストーリー制作をデジタル世界へ適応できる人材、技術はすでにあります。放送局のニュースルームで機会拡大を図れる最大の要素は、放送局幹部の考え方のちょっとした変化によるものです。

視聴者が求めるものを理解する

LX社コンテンツ戦略担当バイスプレジデントのマット・ゴールドバーグ(Matt Goldberg)氏は、まさにこの考え方の変化を見守ってきました。LXは、NBCが所有・運営する42放送局の団体から生まれました。ソーシャル・プラットフォーム、ケーブル認証を必要としない独自のアプリおよびサイト、NBCUのPeacock OTTサービスで視聴可能です。

Avidの『Making the Media』ポッドキャストで、「LXの開発では、特に若い視聴者が見たいものは何かを探ることに多くの時間を費やした」とゴールドバーグ氏は語りました。単にこれまでのやり方ではなく、視聴者が求めるものにフォーカスすることは、最初の大きな意識変化です。

「若者にニュースを見てもらいたければ、“気軽に楽しめる”ものにしろ、というのが一般的な考え方ですが、その表現は嫌いです。正反対でしょう。要は、深さと文脈です。彼らは、物事がなぜそうなっているのか、自分には何ができるのかを本当に知りたがっています」とゴールドバーグ氏は言います。そこでLXでは、短時間のニュース枠ではなく、ドキュメント映画のような、もっと深く掘り下げたスタイルの報道を心がけています。

 

視聴者のいるところに

今日、ローカルニュース放送が直面する最大の課題は、新たな視聴者、特に5時のニュースにチャンネルを合わせる習慣がない若い視聴者の獲得です。様々な場所にいる彼らは、ニュースも様々な場所でアクセスしたいと考えます。

これは、単にあらゆるストーリーを切り取って、あらゆるプラットフォームへ掲載することではありません。すべてのストーリーがすべてのプラットフォームに適合するわけではないのです。デジタル・プラットフォームが提供する非常に詳細なデータは、視聴者が何に反応しているのかを教えてくれます。

「ストーリーを取り上げる場合、Instagramに掲載する別の要素を作り、視聴者を自社サイトやYouTubeへ誘導して、より深い、映画風のバージョンの視聴を呼びかけます」とゴールドバーグ氏は話します。

 

新しいことへの挑戦を恐れない

デジタルの視聴者は、従来のニュースのようなものを嫌う傾向があります。そのため、思いつくありとあらゆるアプローチでストーリーテリングを試すことができます。キャスターが座るデスクの無いよりカジュアルなセットは、視聴者にアピールできるでしょう。または、ゴールドバーグ氏がスタッフに指示したように、ロボティックカメラからステディカムに戻して、よりリアルな息遣いを伝えます。従来のニュース番組では、セグメントの一部として決まったグラフィックスが使用されていますが、LXではグラフィックスを一切使用しない映像や、アニメーション主体の映像を使用します。

ゴールドバーグ氏が特に驚いたのは、若い視聴者は従来のニュース番組のような堅苦しいフォーマットを好まないという市場調査の結果でした。若者は、情報取得の方法に多様性を求めています。そして、デジタル番組は、彼らの要望に応えるまたとない機会になります。

 

データに従う

これらのプラットフォームから取得されるデータは、新しいフォーマットや特定のトピックが視聴者の共感を呼んだかどうかをすぐに教えてくれます。従来のニュース番組にはない大きなメリットです。夕方の放送で、視聴率が急上昇しても、理由が分からない場合があります。しかし、YouTube用に作成したあるセグメントが突然何百万回も再生された場合、どれだけの人がいつ再生をクリックしたかだけでなく、再生完了率や平均視聴時間、ターゲット層の関心を掴んだ理由を示す詳細な視聴者層情報も確認することができます。どれだけの人がコメントしているか、どこからそのビデオにたどり着いたか、そして共有しているかどうかも分かります。

ニュースは、常にストーリーから始まります。放送局のニュースルームがストーリーを伝える方法は、時とともに変化します。ニュースルームが次に向かう方向を誘いましょう。

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