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モバイル・ジャーナリスト

“電話で済ます”とは、おざなりにするという意味で使われてきましたが、今日、電話取材する記者は、手抜きをしているわけではありません。むしろ、モバイル・ジャーナリストの役割を受け入れているだけです。

従来の現場取材では、記者とカメラマンがチームを組み、重くて扱いにくい機材を使って、インタビュー、Bロール、記者の現場レポートを撮影します。それから、ニュースルームに戻って、放送用の原稿を書き、編集します。モバイル・ジャーナリストまたは “モジョ(Mojo)” は、現場でスマホやタブレットを使ってストーリーを伝える術を学び、装備をしています。その結果、プロセスを加速、機材コストを削減、少ない人数で多くのことをこなします。

この新しい取材形態を採用している放送局もありますが、他の放送局は、モバイル・ジャーナリズムは従来の取材の質に及ばず、既存のワークフローに取り入れるには複雑という根強く残る認識によって踏み出せずにいたようです。コロナ禍と在宅勤務が必須になったことで、できることにやっと目が向けられました。

ドバイの放送局アルアラビーヤの例を見てみましょう。コロナ禍で孤立を余儀なくされた時、クルーは現場から映像を撮影するためにスマホを利用しました。アルアラビーヤのオペレーション・ディレクターであるルーバ・イブラヒム(Ruba Ibrahim)氏は、スマートフォンの画質の高さと使いやすさを称賛します。

「今では、記者がライブ中継のソリューションを求めた時に、これを採用することが多くなっています」 とMaking the Mediaポッドキャストで話しました。

スマートフォンのパワー

最新のスマートフォンは、ジャーナリズムにおけるスイス・アーミー・ナイフです。スマホを携えた記者は、写真や動画を撮影し、適切に編集して、現場から速報をライブ中継することさえできます。それもわずか数タップで。

スマホは小さく、軽くて邪魔にならず、現場の記者はこれまで以上に機動的かつ自由に動き回ることができます。デジタル技術の急速な進化により、最新モデルのスマホで撮影した動画は、プロ用のテレビカメラやDSLR(デジタル一眼レフカメラ)と比べても遜色ないばかりか、勝ることもあります。さらに、充実したモバイル・ジャーナリズム向けのツールが、放送品質のオーディオや照明を提供します。

モバイル・ジャーナリストの取材に個人のスマホを使用させるのは魅力的かもしれません。しかし、放送局が同じメーカー、同じモデルのスマホに同じアクセサリを装備したキットを用意するほうが良いでしょう。共通したツールセットは、トレーニングやトラブルシューティングが容易になります。とは言え、モバイル・ジャーナリストは大概、通信用と技術的な問題が起こった場合のバックアップとして、いつも自分のスマホを所持しています。

 

モバイル・ジャーナリズムのワークフロー

モバイル・ジャーナリズムは、多くの報道媒体や放送局がすでに採用しているデジタル主体のワークフローに無理なくフィットします。競争の激しい報道環境において、現場からスマホより速く速報を伝えられる方法はありません。記者は、ネットワークにアクセスできさえすれば、数分で “生” 配信できます。今日の視聴者が最初にニュースに触れる傾向にあるソーシャル・メディア・プラットフォームにコンテンツを直接公開することができます。

Avidのグローバル・マーケティング担当バイス・プレジデントのコリーン・スミス(Colleen Smith)は、TVTech電子書籍 『The Newsroom of the Future(英語)』 において、「モバイル・ジャーナリズムが話題に上がりだした当初、人々はニュースルームで行ったことのすべてを、現場の記者にも提供しようと試みました。しかし、本当に必要なのは、ツールを変えて、必要なツールを与えることです。」 と話します。

MediaCentralなどの堅牢なメディア・ワークフロー・プラットフォームは、ニュースルームのワークフローにモバイル・ジャーナリズムを統合するための鍵となります。シンプルで使いやすいグラフィカルなウェブ・インターフェースを使って、記者はどこからでもタスク、プロジェクト、アセットにアクセスできるだけでなく、トランスコードや編集用に生動画をアップロードすることも可能です。

 

モバイル・ジャーナリズムの考え方

モバイル・ジャーナリズムでは、必要となるツールが異なると同時に考え方も異なります。小型で安価な機材を記者が使っているからと言って、完成品の品質が低下するわけではありません。モバイル・ジャーナリストは、技術的にも編集的にも、従来の取材チームと同等の高い水準を満たすことが期待できますし、またそうでなければなりません。

アイルランドRTÉのデジタルネイティブ・コンテンツ編集者フィリップ・ブロムウェル(Philip Bromwell)氏は、モバイル・ジャーナリストのチームと一緒にやろうとしているのは、「これらの日常的なモバイル機器を使って、放送品質のコンテンツを作ることが完全に可能であるという考えを売り込むこと」 だとMaking the Mediaポッドキャストで語っています。彼は “モバイルの考え方”、つまり新しいことや違うことに挑戦する熱意で人を採用し、スキルは二の次です。

ブロムウェル氏は、モバイル機器は大型カメラほど習得が容易ではないものの、適切なトレーニングをうけることができると言います。新しいツールやワークフローと同様に、トレーニングと情報文書、実践のためのリソースと時間の組み合わせによって、記者はモバイル・ジャーナリズムのスキルに自信を持つことができます。

コロナウィルスの世界的な大流行により、特にリモート・コラボレーションに関しては、新しいワークフローや新しい技術の受け入れが加速しました。予算は縮小し、複数プラットフォームでのコンテンツに対する需要は拡大、モバイル技術は継続的に進化する時代において、モバイル・ジャーナリストの居場所が存続するのは間違いないでしょう。

メディア・エンタープライズのクラウド導入

どのようなワークフローがクラウドに移行できますか?また、その方法は?早速見てみましょう。




Making the Media S2E03:Safe and Sound(クラウドでメディアの安全性を確保)

メディアの世界でクラウドはリモート・ワークをサポートして、分散するチームを繋ぎ、新たな可能性を生み出します。しかし、セキュリティが制作の主要な検討事項となった今、コンテンツの安全性を確保するためには、どのような戦略がベストなのでしょうか?

クラウドの安全性に関する神話に偽りがあることを証明しつつ、オンプレミスの安全性が常に最善の選択肢であるという前提にも疑問を投げかけます。

今回の概要:

  • クラウドでメディア・ワークフローを展開する際の検討課題
  • 安全性に関して、クラウド事業者とお客さまの間で責任を共有することの重要性
  • セキュリティ侵害を受けた時に考えるべき方策

 

ゲスト

ジョエル・スロッス(Joel Sloss)氏 – クラウド・プラットフォーム Microsoft Azure シニアプログラムマネージャー

過去25年にわたり、ジョエル(Joel)は企業のITおよびセキュリティの最前線にいます。Windows NT Magazineでテクニカル・エディターを務めた後、1997年Microsoftに入社しました。Windows NT Magazineでは、100以上の記事や製品レビューを執筆、数冊の書籍に寄稿して、多くのハードウェアやソフトウェア・ベンダーを悩ませました。Microsoftでは、事務職からISA Server、モバイル・サービスの製品ラインの管理を経て、最近ではAzureエンジニアリング・チームのセキュリティおよびコンプライアンス戦略を統括しています。また、この間、データ保護、ネットワーク・セキュリティ、安全な管理、アーキテクチャの基礎、ポリシーおよびプロセスなどに関する数多くのホワイトペーパーを執筆しています。現在は、デジタル・メディア&エンターテインメント業界、同業界のコンプライアンス目標(セキュリティ認証など)、パブリック・クラウドにおけるプライバシーのニーズ等に重点的に取り組んでいます。2016年からCDSAの理事を務め、『Bobbleheads: The Movie』(2020年、ユニバーサル・ピクチャーズ)の [クラウド] テクニカル・アドバイザーを務めました。また、業界カンファレンスの人気登壇者です。

想定される侵害、侵入テスト、定期的なログ作成、脅威の検知などの戦略は、継続的なセキュリティ戦略において、最良の味方になります。 – ジョエル・スロッス(Joel Sloss)、Microsoft Azure

エピソードの記録

(ポッドキャストの文字起こし)

 

クレイグ・ウィルソン(以下「CW」という):こんにちは。「Making the Media podcast」へようこそ。クレイグ・ウィルソン(Craig Wilson)です。お聴きいただきありがとうございます。

メディア関係者であれば、外界をシャッタアウトしていない限り、クラウド利用への関心が驚くほど高まっていることに気付かれているでしょう。ネット配信、アーカイブ、Avid | Edit On Demandなどの編集およびストレージの本格ソリューション、リモート・ワーク、災害復旧や事業継続など、オンプレミスからクラウドへのワークフローの移行は、業界で常に話題となっています。1つはっきりしていることは、ワークフローを実現するものとして、クラウドは変革をもたらす可能性がある一方で、セキュリティが変わらず最優先事項であるということです。自社施設内のワークフローでもそうですが、クラウドを検討する場合、論争はさらに大きくなります。

これらの問題に取り組むにあたり、世界最大のクラウド・プラットフォームMicrosoft Azureのシニア・プログラム・マネージャを務めるジョエル・スロッス氏に話を聞きました。スロッス氏は、25年以上にわたり、企業のITおよびセキュリティ分野で活躍してきました。今は、デジタル・メディア&エンターテインメント業界、同業界のコンプライアンス目標、パブリック・クラウドにおけるプライバシーのニーズに重点的に取り組んでいます。クラウドの導入に興味を持つお客さまが、セキュリティに関して最も懸念することは何ですか?という質問から始めました。

ジョエル・スロッス氏(以下「JS氏」という):人々の懸念には、幾つかのベクトルがあると言えるでしょう。1つは、コンテンツがクラウドにある時、およびクラウドにあるコンテンツで作業している時の保護についてです。もう1つは、コンテンツの入手方法という少しメカニカルな問題です。単なるデイリーなのか、制作スタッフへのライブ・ストリーミングなのか。または、クラウドへ保存したコンテンツの扱い方などです。それは、大きな悩みの種になりがちです。

ここではセキュリティの話をしているので、当然ながら、編集されるデータはどうなるのか?制作前の漏洩は、最もダメージが大きなものの1つなので、環境のロックダウン、アクセス制御、暗号化など力を入れる必要があるのです。

 

クレイグ・ウィルソン:明らかに、人々には、数々の懸念があります。では、そのような不安を払しょくするために、どのように協業に取り組んでいますか?Microsoftがお客様に「確かに課題はあります。しかし、やりたいことはすべて実現可能です」と言えるまでに、どのような段階を踏むのでしょうか。

 

JS氏:おそらく、最初に言われるのは、「信頼できるか?」です。人々は、信頼を一番に考える傾向があります。コンテンツがAvid NEXISのようなローカル・ストレージアレイに保存されているか否かにかかわらず、四方の壁に囲まれていれば、不正アクセスや盗難、破損を防ぐことができると感じて、安心します。

しかし、クラウドへ移行すると、突然、スタジオや制作会社が制御できない環境に置かれることになります。そこで、Azureでは、プラットフォームで信頼を構築するところから始めます。クラウド展開について人々がどのように感じるかだけでなく、セキュリティ要件が満たされていることを示すために目に見えるもの、具体的なものを示すことで、信頼が生まれます。そして、その上にAzure Defenderや暗号化などのセキュリティ・サービスを重ねるというAzure自体の基本的な構築方法で実行します。Azure上のAvid NEXISのようなソフトウェア・ストレージ・ソリューションでも、その管理方法、アクセス方法、保護レベル、Appleかどうか、ID管理、基本的な暗号化などを可視化します。

次に、ガイダンスを提示します。エンド・ツー・エンドでコンテンツを保護するために使用できる自動化とツールを紹介します。VPNやExpress Route Linkを利用して、設定してツールを展開できる隔離されたサブスクリプション環境へコンテンツを転送する時に、コンテンツを保護する方法を説明することができます。それによって、スタジオ環境やプロダクション、または個人のアーティストでも、ユーザーは、データの使用や隔離、保護の状況について、常にエンド・ツー・エンドで可視化することができます。

 

CW:いくつか興味深い点をあげていただきましたので、少し掘り下げてみたいと思います。1つ目は、仰るように、これが共有責任であることは明らかです。これは、顧客が責任を持つべきことであり、当然ながら、クラウド事業者にも責任があります。

では、境界線はどこにあるのでしょう?実際、境界線がどこにあるのかを明確にする必要があると思うのです。

 

JS氏:責任の共有は、顧客にとって理解しがたいことの1つでしょう。まず、映画制作の原点に立ち返ってみましょう。オフィスには、カメラ、メモリーカード、ストレージ・アレイがあります。自分の腕で抱えることができれば、責任と説明責任を容易に実感でき、コンテンツを渡す相手もわかります。

他所の施設にデータを送る場合、「Azureですか。すべての認証を取得した?素晴らしい。何もする必要ないね」といった混乱が生じます。しかし、実際にはそうではありません。

責任分担とは、ローカルのデータや環境を保護するのと同様のことを、クラウドでも行う必要があるということです。サブスクリプションやテナント契約には、データセンターの物理的なセキュリティから、個々のサーバーやストレージ・アレイのデータ処理メカニズムに至るまで、間違いなく様々なものが組み込まれています。つまり、その部分の責任は私たちの側にあるので、お客様は心配する必要はありません。しかし、お客様のプライベートなストレージに関しては、自社のITと同等の保護が必要です。コントロールを設定する必要があります。暗号化に対応する必要があります。誰が、いつ、どのように、どこで何をしているか分かるようモニタリングやログ作成、アラートに取り組まなければなりません。それは、複雑ゆえに忘れられがちです。

小規模な制作会社では多くの場合、そのような専門知識を持つ人がいません。なので、この分岐点を理解することが、本当に本当に重要です。これは、設定するだけで、あとの操作は一切不要という種類のものではないのです。

 

CW:そうですね。もう1つ気になるのは、今おっしゃっていたことですが、私も多くのお客さまと話をしてきました。彼らも、お話しにあったようなことを懸念しています。オンプレミスであれば、おっしゃるとおり、自分の腕の中である程度コントロールできると感じられるものがあります。しかし現実では、誰かがUSBメモリを持ってサーバールームに入り、マシンに差し込んでメディアを書き出し、出ていくということが可能です。また、コロナ禍では、スニーカーネットを使って、ドライブやものを移動するということも行われています。

同意されるかどうかわかりませんが、オンプレミス環境での安全性については、ある程度、誤った認識が持たれているように思います。また、クラウドで起こりうることを過剰に心配しているようです。クラウド事業者が基本中の基本であるセキュリティを確保できなければ、ビジネスとして成り立たないでしょう。そのあたりについては、どうお考えですか?

 

JS氏:確かに、対立する視点や考え方がたくさんあります。WindowとLinuxの間のどちらがより安全か、どのくらいコードをコントロールできるかという昔あった争いに若干似ています。Linuxはオープンソースで好きなようにできるから、より多くの人がセキュリティに取り組むと考える人もいました。確かに、当時は、まったくの見当違いでした。つまり、物理的資産であろうとデータであろうと、その資産を物理的に所有する場合には、保護することが前提となるのです。今回のコロナ禍では、マシンやカメラ、カード、ドライブを物理的制御したことで、どちらかというと、人々を数年後退させたようです。業界は、ドライブの暗号化と同じくらいシンプルに、セキュリティのメカニズムを強化することを受け入れつつあったと思います。

しかし、おっしゃるように、今は誰もが自宅で仕事をしていて、スタジオの安全なストレージに格納せずに、同僚宅まで車を走らせ、OneDriveから出したものを渡すというスタイルに戻ろうとしています。今私たちは、そのアーキテクチャを念頭に置いて、セキュリティがどのような役割を果たすかを理解し、配慮を高めたやり方でこれを推進しなくてはなりません。

物理的デバイスに物を置くという考え方は、クラウドには当てはまりません。物理的デバイスは安全であるという前提が、そもそも正しくないのです。おっしゃるように、誰かがドライブを持ち出すことができます。LaCieのスタックを丸ごと手に入れたり、空港でノートパソコンを掴んで、プロジェクトを丸々手に入れたりできるのです。しかし、セキュア・エンタープライズの考え方で安全なストレージを使うことで、コントロールを取り戻すことができます。

 

CW:それは、脅威の軽減や排除に関する話ですか?それは、常に進化する分野のように思います。

 

JS氏:誰かがドライブをもって立ち去る脅威があることは理解されているので、間違いなく防御と軽減から始めます。しかし、防御できることは限られています。ドアには鍵があります。しかし、ドアを開けた瞬間、誰かが入ってきたとしたら。物理的にドアには鍵がかかっておらず、誰かが入ってきて持ち去ることができます。

同様のものがクラウドにも存在します。「クラウドは信頼できるもの?誰かのストレージ環境にいれても安全?」という先ほどの質問に戻ると、防御は、軽減策を含む戦略の一部になります。おそらく、見過ごされて、却下されるものですが、それが、想定する侵害です。なぜなら、自分のIT環境であっても、誰も聞いていないという保障はないからです。ランサムウェアの攻撃や侵入、そして、意図的か偶発的かに関わらず、企業内の信頼できる個人からのコンテンツの流出などをみれば良く分かります。

これらのコンセプトの1つを単独で取り上げて、それが本当に必要なものを与えてくれると考えることはできません。多層防御は、防御の削減であり、脅威の特定です。そして、侵害を理解することから防御、軽減、対処、回復へと導くライフ・サイクル全体を規定します。そして、後半の段階で事業を守ります。

近頃は、大規模なランサムウェア攻撃が発生しています。攻撃を受けたら、それでゲームオーバーだと思うでしょう。しかし、事前に適切な戦略を立て、検知した場合、何かが発生した時に作動するポリシーやシステムがあれば、システムや仕組みが、侵害発生の前に実行されます。バックアップはありますか?銀行や電気会社と同じことが、メディア環境にも当てはまります。毎日バックアップを取り、バックアップをテストして、クラウドであれ物理的な施設であれ、社外のストレージに送られるデータが適正であることを認識していれば、たとえ被害を受けたとしても、失うのはせいぜい一日分の作業です。日中に複数回、増分バックアップを実行していれば、12時間前、24時間前に記録されたイメージやデータに戻るだけです。つまり、軽減戦略から次の復旧戦略へ移るのです。

ご存じのように、「被害範囲を最小限に抑える」とは、すぐに復旧できるようにすることです。仕事の多くを失ってはいません。ランサムウェアのようなものには、確実に有効です。しかし、データ盗難への対応は、明らかにもう少し困難です。持続的な脅威があり、誰かがゆっくり全てのコンテンツを漏洩していて、それに気付かないような場合には、想定侵害、侵入テスト、定期的なログ作成、脅威検出などの戦略が、継続的なセキュリティ戦略における最善の武器になります。

 

CW:信頼は非常に重要な要素です。それについては、実際、ポッドキャストでもさまざま」な方々と話してきました。1つお聞きしたいのは、メディア向けのクラウド・セキュリティは、他の業界向けのクラウド・セキュリティと何か違いがあるのか、それとも本質的に同じなのかということです。

 

JS氏:誰もが自分は特別な存在で、「自分のコンテンツは他の誰のものより重要だ。もっとお金がかかってる」と思っています。確かにM&E業界では、何十億というお金がかかっています。数年前に、大ヒット映画の公開では、制作前のリーク、特に内容全体のリークは、600~700億円の興行収入につながる可能性があるという研究論文があったのを覚えています。ストリーミングが存在する今、それがどこまで正しいかわかりませんが。劇場公開について、私は市場分析の専門家ではありませんが、ある業界は他の業界よりも貴重なデータを持っている、あるいは保護が行き届いているという前提があると思います。

M&E業界が抱える課題は、成熟度であると考えます。政府や金融、医療といった分野では、人命にかかわるため、最先端のセキュリティ、戦略、イノベーションが不可欠です。M&Eでは、もう少し長期的に考えます。特に企業レベルでは、技術の導入に時間がかかります。それから急ピッチで制作を進めて、半年後に戻すというようなことも。さらに、環境が安定しないため、安全性の維持はより複雑になります。

つまり、答えは「はい」。M&Eには他の業界にはない課題があると言えるでしょう。しかし、自身を守る方法は同じです。どんなデータを扱っているかは関係ありません。メディアは、他の業界のやり方から多くを学ぶことができ、自動化を使用して、編集や視覚効果、またはもっと一般的なポストプロダクションのプロセスなど、使用するワークフローの種類に合わせて調整することができます。セキュリティは、「自分は他の誰よりも特別だ」という全体的な見方ではなく、データとその重要性をどのように理解し、保護するために何をするかによって決まります。

 

CW:例えば、多国籍企業と連携する場合、グローバルに展開し、クラウドがそのような組織にもたらすメリットを活用したいと考える大規模な組織では、さまざまなデータセンターのどこにマテリアルがあり、どのように共有されているのか、懸念されることが多くないですか?そういう時は、どのように対処しますか?

 

JS氏:今は、10年前にはもちろん、5年前にもなかったような興味深い方法でデータを扱っています。制作会社はカメラデータだけを扱うわけではないため、国際的な個人情報保護基準が何らかの障壁をもたらします。中小企業でも大企業でも、人事関連資料や請求書、日々の業務データなど、あらゆるものを所持しています。スタッフや人材の個人を特定できる情報(PII)を扱う場合、そして国外にいる場合、そのデータには居住要件が発生します。個人情報保護の要件が発生します。もし個人を特定できるようなものがあれば、それは国内にとどめなくてはなりません。そこに、使用できるデータセンターがありますか?多くの場合、特にAzureでは、適切な場所すべてにデータセンターを配置しています。しかし、コンテンツを世界のどこかに転送すると、そこではネットワークに上げることすら許されず、また常駐場所からコードが盗まれるかもしれません。

 

CW:ここ数年、Avidの中で、クラウドの利用を検討する人が爆発的に増えていると感じています。在宅勤務や分散するチームなど、理由はさまざまです。Microsoftの側からみて、この一年半くらいに、このようなクラウド環境に参入しようとする人々について、個人的にどのように思われますか。クラウドへの関心は爆発的に高まっていますか?

 

JS氏:追いつけないくらいの勢いがあります。Teamsを例にとると、皆が自宅にこもり始めると、すぐに必要な要件や容量が爆発的に増えて、少し時間がかかってしまいました。M&Eでは、企業環境としてすでにインフラと機能を備えていることが多いため、他の業界よりも対処に少し長くかかるかもしれません。単に規模が不足していただけです。出先から仕事する、病気なら自宅からアクセスするなどしていましたが、みんなが同時にアクセスして、実行しようとしていたわけではないからです。

メディアには、そのためのインフラがありませんでした。そこで、物理的な施設にアクセスする方法をあれこれ考えました。編集設備・インフラがスタジオにある場合、現在、そこに行って使うことはできません。では、データを取得するために、自宅から会社やスタジオ環境にVPNを設定するにはどうすればよいでしょう?自宅のローカル・ワークステーションにMedia Composerをインストールしたけれども、すべてのものが制作オフィスのAvid NEXISにある場合、どうやったら転送を始められるのでしょう?

当初、人々はあまりクラウドについて考えず、「大変だ、どうやって仕事を続けよう?」という感じでした。その後、事態が落ち着いてくると、「使えそうなツールが他にもある」と人々は学び始めました。すると、面白いようにクラウドは、「そこに自分のものを置いておけるのか?信頼できるのか?仕事をするにはそれしか方法がないのだから、信頼するしかない」から、「どうすれば、効率的かつ生産的に行えるのか?誰でもアクセスできる?」に変わりました。そして、「クラウドで実際に制作が行えるのか?色深度やデータの整合性、忠実性など維持できる?自分のワークステーションの経験は、十分なのだろうか?」と言う話にシフトしていきました。ビデオ通話と同様、スタジオの物理的なワークステーションだけでなく、クラウドでホストされている仮想ワークステーションへのリモート・デスクトップも可能にする必要性から、この機能の使用はほぼ一夜にして爆発的に増加しました。そして、人々がそんなことを考えもしなかったところから、今では、世界中に人々が分散するため、共有できるコンピューターのパワーとストレージへアクセスすることが生命線になるところまできました。

ここ2年ほど、Threshold Entertainmentというスタジオと『Bobbleheads: The Movie』という映画プロジェクトに取り組みました。プロジェクトは、本当にグローバルな協業でした。アーティストはネパールにいて、スタジオはLAにあります。Azureデータセンターを介してデータを共有しました。Azureでレンダリングしたら、メールや民生の共有を使ってドライブなどを送ろうとせずに、Azureストレージ内で編集ファイルを共有してやりとりしました。既にある技術を使い、以前は存在しなかった、あるいは人々が考えもしなかったようなリモート・アーティストに機能を提供するよう応用するだけでした。そこで、興味と理解が突然変化したのかという質問ですが、答えは「もちろん」です。以前からあった動きが、超高速回転し始めました。

 

CW:考えるべきこと、検討すべきことは間違いなくたくさんあります。では、ポッドキャストで皆さんに聞いている質問をお聞きします。状況を見た時に、夜も眠れなくなるようなことがあるとしたら、どんなことですか?

人々を説得することでしょうか。水場に馬を連れていくことはできても、水を飲ませることはできない。ツールやガイダンス、プラットフォームを提供し、やり方を丁寧に教えることはできます。しかしそれを維持すること。それが一番難しい部分です。

アドバイザーである私たちにとっても難しいので、ベンダーやパートナー、あるいはアーティストである皆さんにとっては間違いなく大変なことだと思います。繰り返し耳にするのは、「制作予算が厳しい?最初に削られるものは?セキュリティ」です。複雑であるがゆえに、セキュリティは理解してもらえません。皆がセキュリティを考えず、真剣に取り組まなければ、どんなにパワフルなパスワードを設定しようとも、脆弱な部分から全てが崩壊してしまいます。ユーザーに任せられない場合(ユーザーが信頼できないというつもりはありませんが)には、それを代行してくれるツールを活用する必要があります。パスワードを覚えられず、付箋に書いている人がいたら、そのパスワードは削除します。多要素認証を導入して、iPhoneの指紋認証で、ログインできるようにします。そのような、テクノロジーが可能にしてくれることが、新しいリモート制作の世界では、心強い味方になります。

 

CW:参加してくれたジョエルに感謝します。いかがだったでしょうか?感想をお聞かせください。私のTwitterとInstagramアカウントは、ユーザー名@CraigAW196です。または、メールでMakingthemedia@avid.comへまで、お寄せください。

フランス・テレヴィジオン(France TV)がAvid | Edit On Demandを使ってワークフローの一部をクラウドに移行した方法、オンプレミスとクラウドの導入バランスを検討する際に考慮すべき点についての詳細は、ショーノートをご覧ください。

今回のポッドキャストはこれで終わりです。プロデューサーのマット・ディッグス(Matt Diggs)、ソーシャル・プロデューサのウィム・ヴァン デン ブロイーク(Wim Van den Broeck)、そして何より時間を割いてお聴きいただいた皆さまに感謝します。今回の内容が気に入ったら、感想を投稿したり、ポッドキャストをネットワークで共有したりしてください。クレイグ・ウィルソンでした。次回のMaking the Mediaをお楽しみに!

メディア・エンタープライズのクラウド導入

どのようなワークフローがクラウドに移行できますか?また、その方法は?




クラウドでメディアの安全性を確保する方法

メディアおよび放送業界は、クラウドに移行しているものの、セキュリティについては疑問が残っています。

 

次のMaking the Media Podcastでは、ホストのクレイグ・ウィルソン(Craig Wilson)が、Microsoft Azureシニアプログラム・マネージャーのジョエル・スロッス(Joel Sloss)氏と、クラウドでのメディア制作に展開すべき適切な戦略について話します。

 

ポッドキャストではスロッス氏が、プロデューサーや放送局が自社のビジネスを守るために、どのようにすれば適切なセキュリティ戦略にできるかについて概説します。それは、多面的なアプローチであり、「だから、これらのコンセプトからひとつだけ取り上げて、それが本当に必要なものを与えてくれるものと考えることはできないのです。多層防御は、防御を減らします。脅威を特定します。。。つまり、多層防御には、侵害の理解から防御、緩和、対処、回復までのライフサイクル全体が含まれます。そして、ビジネスを守るのは、後半の段階です。」

 

スロッス氏は、クラウドのセキュリティは、クラウド提供者と顧客の間で共有される責任であると、詳しく説明します。事業継続計画は不可欠であり、「緩和戦略は、次の回復戦略へと繋がります。ご存じのように、『Blast Radius(障害による被害)を最小限に抑える』ことによって、素早く復旧して稼働できるようになります。多くの作業を失うことはなく、ランサムウェアなどには、確かに有効です。しかし、データの盗難については、明らかに対処がやや困難です。というのも、脅威が続き、誰かがすべてのコンテンツを徐々に外部に漏らしても、それが起こっていることに気付かないからです。そこでは、想定できる侵害、侵入テスト、通常のログ作成、脅威検出などの戦略が、継続的なセキュリティ戦略において最高の味方となります。」

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Avid | Edit On Demand

Avid | Edit On Demandは、クラウド向けに最適化されたMedia ComposerソフトウェアとAvid NEXISストレージを備えた、フル機能のクラウド内仮想ポストプロダクション環境です。




編集の可能性を拡張し、共同作業ワークフローをクラウド化する

エディターの生活は、編集室で発揮する創造性がすべてではありません。仕事を離れた時間や家族と過ごす時間、そしてオンとオフのバランスも重要です。従来は、エディターがマシンやメディアに簡単にアクセスできるオフィスで仕事をするのが当たり前でした。しかし今は、必要不可欠なツールへのアクセスを失うことなく、オフィス以外の場所で仕事をする方法があります。それが、業界最先端のワークフローと制作コントロールを提供するAvid | Edit On Demandです。

コロナ禍でのソーシャルディスタンスという取り組みにより、同じ編集室で一緒に仕事をするという従来の共同作業環は破壊され、ほぼ不可能になりました。制作チームの分散化が進み、エディターが編集場所と同じ都市や同じ国内にいない場合もあります。結果として、この問題に対処するリモートワーク・ソリューションの必要性と需要が高まっています。

 

仕事との関わり方にも変化がありました。週に何時間もかけて通勤する必要はないでしょう。自宅から楽々と編集作業ができるのに、わざわざ時間とお金をかけて毎日通勤する必要はありますか?

しかし、リモートワークでは、仕事のペースが落ちませんか?共同作業が制限された状況で、関係者全員が仕事の進捗状況を確認できなければならないという課題を、常に抱えながら作業するということになりませんか?また、自分が行った作業をメンバーと簡単に共有することができなくなるのではないですか?

 

いいえ、Avid | Edit On Demandでは、そのようなことにはなりません。

 

プロジェクトの共有やビンのロックなど、Avidの見慣れたコラボレーション・ワークフローが、クラウド上にあるだけです。受賞歴を誇るMedia Composerと業界トップの高性能ストレージAvid NEXISが、デスクの下にあるマシンと隣のサーバールームにあるストレージを使って編集する時と同様のレスポンスを実現します。

複数のエディターが、離れた場所からでも同じ建物にいるかのように共同で作業することができます。オーバー・ザ・ショルダー・ワークフロー(プレビュー画面共有)により、プロジェクトが進行する中で、作業内容の共有や、メンバーからの重要なフィードバックの取得も簡単に行えます。

 

Avid | Edit On Demandで可能性を広げ、コラボレーション・ワークフローをクラウド化し、仕事ではなく生活を重視したワークライフ・バランスを実現しましょう。

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Avid | Edit On Demand

Avid | Edit On Demandは、クラウド向けに最適化されたMedia ComposerソフトウェアとAvid NEXISストレージを備えた、フル機能のクラウド内仮想ポストプロダクション環境です。




柔軟で安全、そして経済的に有利なクラウドへ編集作業を移行する

Avid | Edit On Demandが、エディターやアシスタントにもたらすメリットは明白です。自宅で作業。メディアへリモートアクセス。日常的な通勤がない。使い慣れたワーフクロ―。それでは、ビジネスの観点からはどうでしょう。編集やストレージ・ソリューションのクラウド化を進める理由はなんでしょう?

第1の理由は、単純にコストです。まとまった投資は常に難しい決断です。投資分は、コミッションや仕事の受注という形で回収されなければなりません。しかし、それは不規則かつ予測不可能であり、拡張が必要な場合には、新しい編集室の増築や、建物の移動などの必要からコストがかさみます。また、サーバールームや電力、冷却などのコストも考慮する必要があります。Avid | Edit On Demandでは、必要な時にだけ使用し、週単位、月単位で使用した分だけ支払います。

 

単純な経済的コストに加えて、Avid | Edit On Demandの支払い方法は、ビジネス上のメリットももたらします。サブスクリプション・サービスでは、一度に多額の設備投資をするのではなく、月々の支払いとなるため、プロジェクトの初期投資を抑えることができます。また、MyAvidアカウントのダッシュボードから、1日単位でコストを把握することも可能です。

もう1つの理由は、柔軟性です。プロジェクトが進捗し、納期が近づくにつれて、エディターの増員やストレージの増設が必要になる場合があります。オンプレミス型では、追加の機材を調達またはレンタルして、さらに、その配置場所を確保しなければなりません。Avid | Edit On Demandは、そのような必要性をすべて排除します。サブスクリプションを変更するだけで、数時間以内に新しい編集機や追加ストレージが用意されて、使用できるようになります。

何千ドルあるいは何百万ドルもの資金を投じる制作では、セキュリティが最重要課題になります。また、コロナ禍で多くの人が自宅で仕事をするようになり、世界中で素材を保存したドライブが移動するようになったことで、マテリアルの漏洩や紛失のリスクが高まりました。Avid | Edit On Demandは、ユーザー管理プロトコルに加えて、緻密なセキュリティ対策が組み込まれたMicrosoft Azureをホストとしているため、制作(およびクライアントの投資)の安全性を確信することができます。

 

経済的なメリット、柔軟性、安全性などを備えた、Avid | Edit On Demandには、ビジネス上において明確な価値があります。

© 2021 AVID TECHNOLOGY, INC. ALL RIGHTS RESERVED. AVID、AVIDのロゴ、AVID EVERYWHERE、INEWS、INTERPLAY、ISIS、AIRSPEED、MEDIACENTRAL、MEDIA COMPOSER、AVID NEXIS、PRO TOOLS、SIBELIUSは、米国とその他の国またはそのいずれかにおけるAVID TECHNOLOGY, INC.またはその子会社の商標または登録商標です。「INTERPLAY」の名称は、INTERPLAY ENTERTAINMENT CORP.の許可に基づいて使用しています。INTERPLAY ENTERTAINMENT CORP.は、AVID製品に関していかなる責務も負いません。Adobe、Adobe Premiere Pro、Adobe Photoshop、およびAfter Effectsは、米国およびその他の国におけるAdobeの登録商標または商標です。その他の商標はすべて、各社が所有権を有します。製品の機能、仕様、システム要件および販売形態は予告なく変更されることがあります。

Avid | Edit On Demand

Avid | Edit On Demandは、クラウド向けに最適化されたMedia ComposerソフトウェアとAvid NEXISストレージを備えた、フル機能のクラウド内仮想ポストプロダクション環境です。




MediaCentral 2021.11の新機能紹介

~Adobe PhotoshopとAdobe After Effectsに対応!~

 

MediaCentralを使って、業務を加速しましょう!
Avidは、ニュースや制作チームが、これまで以上に緊密かつ効率的に仕事できるよう、新しいワークフローを提供します。MediaCentralの最新バージョンは、世界中の大手放送局で最も使用され、信頼を得ているワークフロー・ソリューションを、さらに強化する革新的な機能を多数搭載しています。

 

インジェストから配信まで、ニュースルーム、グラフィックス、編集、ストレージ、送出を含み、シームレスでオープンかつセキュアなワークフローを提供するMediaCentralは、現在そして将来の働き方を変えるパワーを備えています。

What's New in MediaCentral 2021.11 (英語)

ストーリー重視

ストーリー重視のワークフロー向け共有ハブであるMediaCentral | Collaborateにより、チームの誰もが、作業中や企画段階のものすべてを見ることができます。

 

私たちは、Google DocsやOffice 365などのオンライン・ライティング・ツールを介したドキュメント共有に慣れています。MediaCentral | Collaborateでは、同じように作業ができるようになりました。新しいノート・エディターでは、複数の人が同じドキュメントに同時に書き込むことができます。また、そのドキュメントを開いている人を確認できるので、行われた変更をリアルタイムで見ることができます。これは、原稿を一緒に書くという新しいやり方です。

 

企画はニュースに限られたものではありません。MediaCentral | Collaborateでは、あらゆる種類のプロジェクトを開始から完了まで追跡することができます。また、実行中のジョブに関する通知を受け取ることができるようになりました。

Adobeワークフロー

以前から、Adobe Premiere ProはMediaCentralに統合されています。そして今回、Adobe PhotoshopとAdobe After Effectsユーザーもメリットを享受できるようになりました。MediaCentralパネルでは、イメージやビデオをシステムにダウンロードしたり、完成した作品をアップロードして誰でも使えるようにしたりできます。MediaCentral | Collaborateのタスク管理とプロジェクト追跡と組み合せることで、あらゆる段階ですべての工程を追跡することができます。

ローカライズ

ウェブベース・アプリケーションMediaCentral | Cloud UXでは、ドイツ語、スペイン語、アラビア語、日本語など、サポート言語が増えています。

ビジネス・プロセス・モデラ―

時間のかかる作業を自動化する効率的なワークフローの構築は、MediaCentarlが提供する柔軟性の重要な要素です。ワークフローの可視化または修正が必要ですか?完全統合したHTML5版ビジネスプロセスモデラ―を使えば、それが可能です。

ストラタ編集

1レイヤーのメタデータに制限されることがなくなりました。MediaCentral | Cloud UXで、ストラタを使ってアセットの情報レイヤーを必要に応じて定義し、編集します。

まとめ

MediaCentralの新機能を幾つかご紹介しました。世界中の最も要求の厳しいニュースおよび制作ワークフローで使用されているソリューションの詳細は、下記リンクをご参照ください。

MediaCentral 詳細はこちら

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MediaCentral

MediaCentralは、数名から数百名でもあらゆる規模のワークフローに適用可能です。ポスプロ、ニュース、スポーツ、アセット管理のための最も簡単かつ洗練されたソリューションです。




ブロードキャスト制作のオンプレミス・ワークフローとクラウド・ワークフローをつなぐ

クラウドベース放送への道のりがマラソンだとしたら、コロナ禍は、ランナーがまだウォーミングアップ中に鳴らされたスタート合図のピストル音でした。在宅勤務を強いられた放送局は、リモート・ワークフローを一晩で立ち上げなくてはなりませんでした。いち早くクラウド技術を導入していた放送局が先んじる一方で、多くの報道制作室は、スタートラインに無理やり立たされました。

 

多くの放送局では、オンプレミス、リモート・アクセス、およびクラウド・ワークフローを組み合わせてきました。最も多く行われているのは、オンプレミスのインフラストラクチャへのリモート・アクセスの強化です。クラウドベースの制作へ完全移行する準備ができていなかった組織でも、コロナ禍が、場所を問わないコンテンツへのアクセスやコラボレーション・ワークフロー、変化するニーズに応じて迅速に対応する能力、事業継続性を確保する強固なデータの障害復旧機能など、クラウドによる数々のメリットに業界の目を向けさせました。しかし現状では、放送制作の多くがスタジオ・インフラストラクチャを引き続き必要としており、ほとんどの組織は、オンプレミスへの既存投資を手放すことに消極的です。

 

当座の技術的ハードルと分散したチームのリモート・アクセスを可能にするビジョンにより、放送局は、クラウドという技術的構造をより深く理解した上で、より慎重にクラウドへの移行を計画できるようになりました。

 

単なるリフト&シフトではない

デジタル・プロダクション・パートナーシップ(DPP)の最近のレポートにあるように、クラウドは、場所というよりも哲学のようなものです。クラウドへの移行、あるいはハイブリッドモデルへの移行は、オンプレミスのシステム全体をオンラインに複製するものではありません。これには、既存ワークフローの再考と再設計が必要です。

 

「今のオンプレミス・インフラストラクチャをリフト&シフトすれば、クラウドでも使えるようになります」とAvidのストラテジック・ソリューション部門ディレクターのポール・トンプソン(Paul Thompson)は話します。「それは、最大限に機能するでしょうか?恐らく無理でしょう。オンプレミスで運用するより安上がりでしょうか?間違いなく否です。」

 

クラウドへの移行は、放送制作のやり方を大きく変えます。クラウド・ワークフローの構築と運用はもちろんですが、異なる財務モデルを統合することや、継続的な変化に対応できる機敏な人材の育成することも重要です。クラウドへの道のりには、全社的戦略の策定、テストと試行、最初の本格的ワークフローへの移行、反復および改善によるさらなる構築など、幾つかの重要なステップがあります。

 

クラウド導入戦略を策定する

成功するクラウド戦略の策定には、放送エンジニアやITだけでなく、組織全体からのインプットが欠かせません。

 

例えば、組織がクラウドベースの環境とオンプレミスのインフラストラクチャを使用して、映像の取得、ストレージ、処理や送出を行う場合、使用するクラウド・サービスやストレージの予算を確保しなければなりません。これは、時間が経つにつれ、需要に応じて変化する可能性があります。継続的な運用費が機器への先行資本投資に取って代わり、財務部門には大きな変化となります。財務部門は運営部門と密接に連携してそのような支出を把握し、サードパーティのソフトウェア・ベンダーと協力して、使用状況データやコストを管理・追跡するデジタル・ダッシュボードを開発する必要があります。

 

ワークフローの再設計には、オペレーション・チームや編集スタッフの意見も欠かせません。まず、何を改善する必要があるかを判断し、クラウドが有効な場所を特定します。例えば、コロナ禍では多くのチームが、できたばかりのコンテンツを格納して素早くアクセスしたり、分散したチーム間でコラボレーションしたりするには、クラウドがファイルベースのワークフローにとって理想的な場所であると気付きました。

 

クラウド戦略は、事業の各部門のニーズや目標に応じたものでなくてはなりません。完全クラウド・アプローチは、正しい方向を示すものになりえますが、段階的アプローチを信頼してください。

 

クラウドへの移行は、1つのワークフローから

クラウドを使い始める最善の方法は、試行することです。1回の大規模な移行を計画するのではなく、小さく始めて一歩一歩進めていきましょう。

 

トンプソンは、クラウドへの移行方法に、コスト効率と柔軟性を最大化する“ビルディング・ブロック”方式を推奨しています。クライアントと協力して、現状ではオンプレミスに残したほうが良いもの、最初にクラウドへ移行すべきもの、ハイブリッド方式に最適なワークフローを見極めます。

 

ローカルの取得や送出ニーズに合ったワークフロー、クラウドに障害が発生した場合のローカルでの編集は、当面はオンプレミスに残すのがベストです。クラウド導入の初期段階では、ディザスタ・リカバリ(災害復旧)やデジタル・アーカイブなどの自己完結型の使用例が、クラウドの機能チェックに適した選択肢として考えられます。

 

一方で、ニュース速報のライブ映像は、非常に複雑です。例えば、あるフィードはIPTVストリームを介してクラウドから発信され、別のフィードは衛星のような従来のインフラストラクチャから発信されます。それぞれ、エンコードや配信に必要な技術が異なります。ストリーミングはクラウドに直接取込まれて、衛星はオンプレミスで取込まれ、システム間で何らかの同期を行うこのワークフローは、短期的にハイブリッドなアプローチに適しているかもしれません。

 

クラウド移行には、可能な限りエンド・ツー・エンドのワークフローを採用してください。コンテンツをクラウドに出し入れするには、時間とコストがかかります。機能ブロックの面から考えると、例えば、放送局では、ビデオの取込み、編集、処理にクラウドを使用し、送出用ファイルをオンプレミスのリニア・インフラストラクチャへ配信することができます。

 

最も重要なことは、クラウドへの移行は継続的かつ進化を続ける道のりであり、本当の意味での“完了”はないと認識することです。小さく始めることで、組織は素早く方向を転換し、繰り返しの中で学ぶ教訓を実践して、コストのかかる失敗を避けることができます。

 

現在の状況にかかわらず、クラウド・ワークフローへの移行マラソンは進行中です。視聴者や広告主を維持するためのレースの中では、スマートなクラウド技術の計画的な導入が、ワークフローの効率性、拡張性、回復力を生み出し、放送局が取り残されてしまうことを防ぎます。

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メディア・エンタープライズのクラウド導入

どのようなワークフローがクラウドに移行できますか?また、その方法は?早速見てみましょう。




ビデオ編集アシスタントが、編集用メディアをより良く準備する方法

現場で映像が撮影されて、劇場のプロジェクターから映し出されるまでの間に、デジタル・データと重要なメタデータはすべて、多種多様なツール、プロセス、ユーザーの手を経由します。

 

制作からポスト・プロダクションまで、多くの場合、データ保全はプロジェクトの映像編集アシスタントの責務です。ストレージの最適な運用と組織的慣習の実践によって、メディアを保護し、最終作品を守ることができます。

 

ここでは、現場で活躍する編集アシスタントからの助言やコツを紹介します。

 

「なぜ多くの時間をかけるのか?とにかく編集にとりかかろう!」

時間も根気も無い時、メディアを整理する作業は、クリエイティブなプロセスを妨げているように思われるかもしれません。しかし、メディアの管理や整理に費やす時間は、後々、時間や頭痛の種を大幅に減らすことができます。『エージェント・オブ・シールド』 および 『クルーエル・サマー』 の編集アシスタントのアナ・ティレベロ(Anna Terebelo)氏は、次のように話します。

 

「撮影現場では、多大な時間とお金をかけてイメージを作り上げます。しかし、そのメディアが見過ごされて、コンピューターやエディターの前に届けられなければ、プロジェクトは文字通り、完成しません」 とティレベロ氏は話します。時間をかけることは、重要なだけではなく、不可欠なのです。

 

ティレベロ氏とアイリーン・チャン(Irene Chun)氏(『ミナリ』、『殺人を無罪にする方法』 で編集アシスタントを担当)は、時間をかけるべきところについて同じ意見です。「管理システムを設定や調整する際は、エディターやチームに話して、納得いくかどうかを確認します。番組はすべて異なるため、整理する方法も微妙に違うのですが、誰にとっても明確になるよう常にこころがけています」と、チャン氏は話します。

 

管理システムは、既存のチームに加わったばかりですぐにコツを学ばなくてはならない人も含め、誰もが簡単に操作できるものでなくてはなりません。新しいチームは、最初から管理的な決定を一緒に行うことで、全員が認識を同じくすることができます。

 

編集以外の整理

多くの作品において、制作とポスト・プロダクション間のメディアの受け渡しは、撮影現場のDITとポスト・プロダクションのビデオ編集アシスタントの間で行われます。制作にDITがいる場合、整理の第一段階は、メディアを受け取る前に完了しているかもしれません。しかし、撮影現場でメディアがどのように扱われるかを理解することは、メディアがポスト・プロダクションに送られた後の次のステップを決めるために役立ちます。制作およびポストチームがプリプロ段階で相談して、誰にも最善のストレージを見つけることが理想的です。

 

通常、入ってくるメディアにはさまざまなタイプの資料が付属しています。

「エディターのためにメディアを素早く準備することも重要ですが、ミスがないように時間をかけてしっかりと行うことが大切です。

これは、撮影現場から受け取るスクリプターの記録、カメラレポート、音響レポートなどの資料とメディアを比べるということです。見落としがないかどうかの確認は非常に重要です。もし見落としがあれば、チームやプロダクションに早急に報告しなければなりません。」 と、ティレベロ氏は言います。

 

先に進む前に、必ず制作資料やメディアに矛盾がないことを確認してください。制作の記憶が新しいうちが、欠けている部分を探し出す最大のチャンスです。

 

次に、カメラから編集システムやハードドライブへメディアを直接整理することを担当する場合、確実な方法が幾つかあります。

 

  • ファイル構成を維持
    カメラカードの構成全体をハードドライブにコピーし、カードごとにカメラレポートと一致するラベルを付けたフォルダーを作成します。これは、メディアを照合して、現場で撮影されたものがすべて編集に含まれていることを確認する最善の方法の1つです。ファイル構成全体を維持することで、一部の編集システムが特定の種類のメディアを取り込む場合に使用するメタデータを保護することができます。
  • 撮影データでグループ分け
    メディアを、撮影の日付や撮影場所が一致するフォルダーに整理することも可能です。コマーシャル、ドキュメンタリー、その他のノンフィクションの作品でよく使われる方法です。
  • シーン別に整理
    物語作品では、シーンごとに整理することで、スクリプターの記録と照合することができます。また、次の段階の編集管理もスムーズに行えます。

 

分かりやすいファイル名に変更するなら、今がその時です。編集ツールにメディアを取り込む際に、編集ビン内のクリップとドライブ上の物理的なファイルとの間に明確な関連性を保つことで、問題を未然に防ぎ、後のトラブルシューティングに役立てることができます。最低限の情報しか含まないファイル名が作られたり、撮影中に複製されたりすることが多いプロ用でないカメラを使用する場合、この方法を取ることが多いでしょう。

 

編集内の整理

メディアがハードディスクに整理されたら、次のステップは、編集ツールの中での整理です。このステップでは、ビンやフォルダーを作成して、編集中にいつでも必要なクリップをエディターが簡単に見つけられるようにします。この作業に時間を割くことで、後々の手間を大幅に省くことができます。

 

「また、誰が持ち込んだメディアでも、誰がエクスポートしたメディアでも、チームの誰もが割り込んで、何でも簡単に探せるような方法で [メディア] を整理したいと考えています」 とチェン氏は続けます。

 

この部分は、主にエディターのための準備です。エディターと協力しながら、個々のプロジェクトに適したビン構成を考えます。ノンフィクションとストーリー性のあるフィクション作品のニュアンスなど、類似の要素があるかもしれません。また、エディターは、Bロール、カットアウェイ、NGなどの要素を整理したいと思っているかもしれません。音楽、音響効果、ライブラリ、グラフィックスなどの要素についても準備する必要があるでしょう。

 

この段階で、ファイル名よりも記述的な名前を使用する必要がある場合、メタデータの扱いには注意が必要です。物理的なファイルへリンクするには、オリジナルのファイル名がそのまま残っていれば、検索の手間が省けます。例えば、“名前”列を変更する前に、“テープ名”または“ソース名”など、別々の列にオリジナルのファイル名をコピーするという方法があります。

 

編集の成功に向けて強固な基盤を構築

編集アシスタントが編集前に時間をかけて整理することは、効率的な編集を成功させるための基礎作りです。ドライブに物理的ファイルを整理したり、編集ビンにクリップを整理したりするなど、この段階での選択が、後々の緊急事態や制作時間のロスを防ぐことになります。

 

『転ばぬ先の杖』 という聞き慣れた諺にまとめられるでしょう。また、ティレベロ氏の言葉を借りれば、「ゆっくり、焦らず。チェックを怠らずに。ミスを未然に防ぐことが一番です」

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仙台放送 – 人もモノも動かさない JNEWSでワークフローを効率化

株式会社仙台放送(宮城県仙台市)

株式会社仙台放送 技術局 映像制作部 西崎 光一氏

途中にメディアを挟まないフロー

「もはやJNEWSなしでの番組制作は考えられません」

株式会社仙台放送 技術局 映像制作部の西崎光一氏は、そう言って笑顔を見せました。

 

宮城県仙台市に本社を置く株式会社仙台放送の報道部が最初に使い始めたAvid製品は、2004年のAvid NewsCutter(当時)でした。その後、2013年には株式会社ニシコン製報道支援システム「JAPRS」との連携を開始すべく、Avid Interplay(当時)と初期バージョンのAvid JNEWSを導入、同時に共有サーバーをAvid Unity(当時)からAvid ISIS(当時)へ更新しました。

 

「この当時は、取材予定との連携というよりは、送出サーバーとの連携が主眼でした。実際に稼働してみると、送出サーバーへの転送時に編集機が使えなくなるのが多少ストレスだったようですが、それよりもテープに書き出さなくていいというメリットのほうが大きかった。エディターたちは、それまでは素材を『持っていった』と言っていたのですが、このシステムを導入して以降、素材を『投げた』と言い出した。相当にインパクトがあったのだと思います」(西崎氏)

 

さらにその後、2020年にはシステムを更新。Avid NEXISやAvid MediaCentral | Production Managementへの更新と同時に、JNEWSも更新しました。この2020年のシステムには明確な目標がありました。すなわち「人もモノも動かさない」ということです。

 

「例えばテロップ作業や完パケ納品のような工程のために、『一旦素材をメディアに書き出す』という作業をできるだけなくしたかった。一度ファイルが取り込まれたら、最後までファイル転送だけで済むようにしたいと思ったのです」(西崎氏)

 

この新システムでは、JAPRSの取材項目との連携もできるようになりました。

 

「JNEWSのインジェスターで取り込むと、取り込んだ素材は自動的にMediaCentral | Production Managementに振り分けられ、Avid Media Composerのプロジェクトが作成されます。今までマニュアルでやっていたこれらの作業が自動化できたのは、似たような取材があったときの素材の判別のしやすさの向上につながっています」(西崎氏)

 

このインジェスターは、仙台放送のワークフローに大きな役割を果たしています。

 

「仙台放送では素材はカメラマンが取り込むことが多いのですが、単発のカメラマンさんでさえすぐに使い方を覚えてくれました。とにかくとても使いやすいのです」(西崎氏)

 

 

素材の入り口を徹底的に効率化

回線収録にはAvid FastServe | Ingestを導入。CAPIで収録をコントロールし、収録されたものはJNEWSの取材予定と自動的にリンクされます。

 

また、JAPRSはリモートで局外からアクセスできるようになっており、取材時に入手した映像ファイルはJAPRSの取材予定に添付できるようになっています。ファイルが添付されるとJNEWSがそれを感知し、Telestream Vantageにファイルを転送。Vantageは指定されたフォーマットに変換しMediaCentral | Production Managementにチェックインします。ENG素材はVantageがプロキシーを作り、局外からJAPRS端末でプレビューできます。

 

支局からXDCAMで転送されるファイルや視聴者から提供される映像もJNEWSが感知し、自動的にMediaCentral | Production Managementのフォルダーに振り分けます。

 

「これらの機能は、株式会社ニシコンとAvidの両方に機能をリクエストして実現できました。とにかく中間でメディアを使いたくなかったので。結果的に大きなメリットを感じています」(西崎氏)

収録用端末とCAPI画面

制作部へ拡張

さらに同じ年、それまで他社製編集システムを使用していた制作部の編集機材もMedia Composerへ更新されました。

 

「制作スタッフは、それ以前にもMedia Composerをベースにした報道の編集システムを時々使っていたので、Media Composerについてはある程度わかっていました。ディレクターも編集機を使うことがあるのですが、それもシステムインテグレーターである伊藤忠ケーブルシステム株式会社の手厚いサポートのおかげで混乱なく移行できました」(西崎氏)

 

ここでも大きな役割を果たしたのはインジェスターでした。

 

「制作の場合JAPRSとの連携はしませんが、取り込んだ素材がフォルダー分けされるのはやはり効果が大きい。Avid Pro Toolsで使用するMA用の音素材も含め、あらゆる素材はすべてここから取り込んでいます。報道も制作も使うので、インジェスター端末は両部署の真ん中に置きました。ここに人が溜まるのがイヤなので、あえて椅子のない机に設置しました」(西崎氏)

インジェスター端末

この方法に変わった直後、エディターたちには若干の戸惑いもあったようです。

 

「それまでは編集機で取り込んでいたので、取り込む場所が別にあることに戸惑いはあったようです。しかし、使い始めていくうちに、取り込みを仕掛けたらすぐどこかに行ける、編集機を塞ぐことがないなどの多くの利点がわかってもらえた。管理する側としても管理しやすいし、毎日、フル稼働です。このフローはもう止まらないですね。」(西崎氏)

概念図

編集ブース

現在仙台放送では、このシステムで社内制作の番組の85-90%を制作しています。システム全体を見たとき、このシステムは「オペレーターの自立につながるシステムだった」と西崎氏は語ります。

 

「自分で考えて自分で準備できるようになったようです。要するにわかりやすいということでしょう。管理する側としても、私が呼ばれる回数が1/10くらいになりました。以前は24時間365日、常に緊張していましたが、今はほとんどありません」(西崎氏)

 

「次は出口」

今年からは、MediaCentral | Cloud UXの使用を開始しました。

 

「まだ使い始めたばかりで社内からのアクセスだけなのですが、たとえば回線収録中素材のチェックなどは、これまではプレビューモニターの前に張り付いて見ていなければならず、プレビュー場所は狭いので少々オペレーションしにくかったのですが、今は記者が自分の場所でゆったりとプレビューできています」(西崎氏)

 

今後は、このMediaCentral | Cloud UXの活用がテーマです。

 

「これまではメディアの入り口を中心に効率化してきましたが、今度はMediaCentral | Cloud UXを活用した『メディアの出口の効率化』を考えようと思っています。外からアクセスできるようにして、完パケの確認ができるようになったら便利ですね。また、SNS配信の機能にもとても興味があります。

今回のJNEWSの導入は、感覚としては機械の中に人が2-3人入っているイメージで、人件費の意味では大きなコストダウンになりました。もはや、なくなることは考えられません」(西崎氏)

Avid NEXISストレージを瞬時にクラウドに拡張

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北日本放送 – 報道から制作まで 理想通りの制作環境を提供するAvid JNEWS

北日本放送株式会社 (富山県富山市)

左:北日本放送株式会社 技術局 技術部 山谷 富明氏、右:同 技術部 坂又 晶氏

最先端技術への取り組み

最先端技術とそのワークフローに対する取り組みの速さという点において、富山県富山市の北日本放送株式会社はトップクラスであると言えるでしょう。地上波デジタル放送を開始したのは2004年10月で、民放ローカル局としては全国初。2006年1月にはすべてのデジタル放送機器の整備が完了し、これはキー局も含めて民間放送として全国初でした。

そんな北日本放送がAvid製品を使い始めたのは2002年。リニアからノンリニアへ移行するタイミングで、Avid DS (当時)1式とAvid Media Composer Adrenaline (当時)2式を導入したことがきっかけでした。

「地上波デジタルにあわせて、リニアからノンリニアへの移行を行いました。Avid DSとMedia Composerを選んだのは、その時点でHD編集が間違いなく動いていたのがこれらのシステムだったからです」(北日本放送株式会社 技術局 技術部 山谷 富明氏)

 

つながるべきものをつなげる

2005年には、ニュースのノンリニア化をAvid NewsCutterで実施しました。

「この段階で、『この先はすべてノンリニアで行く』と決めていて、ノンリニアである以上、『全員で素材を共有しながら完パケを作る』という形を目指すべきだと考えていました。そして当時、共有サーバー Avid Unity(当時)を使った素材共有や素材管理ができ、さらに送出サーバーまでを含めたトータルソリューションを提案頂けたのはAvidだけでした」(山谷氏)

 

株式会社ニシコン製報道支援システム「JAPRS」とNewsCutterとの連携を取る、JNEWSの前身となるシステムを導入 、2012年度末に報道制作を統合するファイルベースワークフローを実現しました。

 

「なにか問題があったわけではなく、ファイルベースワークフローである以上、当然連携すべきだと考えたからです。素材の管理がテープの時代はアーカイブされないままディレクターが手元に溜め込んだりしていて、他の人にはわからない状態になっていたのも、ファイルでやりとりするにあたって改善すべきだと思いました」(山谷氏)

 

映像フォーマットはXDCAM 50、メディアはSxSカードを採用しました。

 

「SxSならディレクターが手元に溜め込んでおくことができないからです。ライブラリーまで保存しないと不安になるので、強制的に流すような仕掛けを作りました。最初は細かいトラブルはありましたが、『やっていることは間違っていない』と納得してもらいました。新しいワークフローに対する戸惑いや不満は、現場ではあったとは思いますが…(笑)」(山谷氏)

 

「この方法はとにかく速かった。編集に関しては速さを重視していたので、新しいフローに対する戸惑いより、速さに対する満足感のほうが勝りました」(技術部 坂又 晶氏)

 

2012年の更新においては 報道だけに留まらず、制作でも同じシステムを使用するようになります。

 

「ソリューションは統一すべきだと思ったからです。なので、この時点で制作もJAPRSの取材IDを使っています。報道と制作の違いは、ベースになるものがニュース原稿か台本かの違いだけです。結果として制作も送出サーバーへ 送信ができるようになり、取り込みもスムースになりました」(山谷氏)

編集ブース

アイデアを形に

2019年には、代理店である伊藤忠ケーブルシステム株式会社により、JNEWSも含めて機材を更新。この新しいバージョンには、これまでJNEWSを使ってきて山谷氏が気づいたアイデアが形になった新機能が含まれていました。

 

「当初のシステムでは、素材取り込みは編集機で行っていました。後にJAPRSで取り込む形になりましたが、これだと編集機で改めてコピーしなければならなくなる。これを改善するために、JNEWSで取り込んでJAPRSと編集機の両方に素材を送る形を提案しました」(山谷氏)

 

取り込み方法が変わることについても、もはや混乱はありませんでした。

 

「現場のエディターたちはもう、この仕組みや考え方に慣れています。取り込み場所が変わることによる多少の戸惑いはあったようですが、違和感なく移行できましたし、大きな不満はないようです」(山谷氏)

 

さらに、収録サーバーとして更新したFastServe | Ingestの素材を自動的にアーカイブする機能も追加されました。

 

「個人的に、これはお気に入りの機能です。前のバージョンではJAPRSがインジェストを握っていたので、手動でアーカイブしなければなりませんでした。新バージョンではインジェストが自動的に入っていくので、助かっています」(坂又氏)

 

現在、北日本放送では報道用に6式 、制作用に4式のMedia Composer(うち2式は4K制作用)と、報道制作共用のMedia Composerが7式、VideoSatelliteとして稼働しているMedia Composer + Pro Toolsが1式ずつの合計19式のクライアントが、240TBのAvid NEXIS | E4に接続され、MediaCentral | Production ManagementとJNEWSによってJAPRSと連携管理されています。

 

「今、北日本放送制作の番組は、ほぼすべての番組をこれで制作しています。報道も制作もです」(山谷氏)

 

アーカイブ素材はLTOに保管され、JNEWSでリトリーブすると、対応するLTOの番号が表示されるようになっています。

 

「2012年以前まではすべてテープで保存していて、そこには多少の素材とOAが含まれていました。2012年以降は、保存すると決めたものについてはすべての素材を保存しています」(山谷氏)

 

現在、北日本放送のシステムは下図のようになっています。FastServe | Ingestによって収録された映像とJNEWSのインジェスト機能によって収録されたファイルは、Vantageによってプロキシーが作成され、JAPRS端末からプレビューできるようになっています。項目表から自動作成されたMedia Composerのシーケンスをベースに編集されたシーケンスはHarmonicのOA送出サーバーに転送され、PanasonicのOTCからの指示で順次送出されていきます。このときJNEWSはこの素材を他の送出サーバーにも自動転送、さらにアーカイブ用のサムネイル、プロキシーを生成した上で、ハイレゾと一緒にNASに転送し、アーカイブシステムに送ります。

概念図

MediaCentral | Production Management、JNEWS、Avid NEXIS | E4等が収められたシステムラック

「その違いがとても大事なのです」

20年近くにもわたってAvidのソリューションを使い続けた山谷氏は、機材更新の時期には必ず他社システムと比較検討し、その時点で最も信頼に足るシステムを探し続けています。それでもなお、今日まで山谷氏がAvid以外のソリューションを採用することはありませんでした。

 

「Avidのソリューションは信頼できるからです。少なくとも2012年の時点において、他社システムでAvidと同等のものはありませんでした。2019年には他社システムでも同等の機能を持つものが現れていましたが、細かい部分で足りていませんでした。それは、現場のエディターは気づかないかもしれないような部分です。でも、その違いがとても大事なのです」(山谷氏)

 

将来的な展望についても意欲的です。

 

「富山県内はそれほど大きなエリアでもないので、そのことだけを考えれば、リモート編集がどこまで有効かはわかりません。しかし、昨年からの新型コロナウイルスの蔓延によって、リモート編集のニーズが上がっていることは確かです。できるようにしておけば、他にも有効な使い方ができるかもしれない。リモート編集については真剣に考えてみたいと思っています」(山谷氏)

 

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中小規模のニュース、スポーツ、およびポストプロダクション向けのAvid NEXIS | Cloudspaces なら、クラウド上にプロジェクトを保管したり、オフサイト・バックアップのためにオンサイトのAvid NEXISワークスペースとの同期が簡単にできます。