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Pro Tools 2021.6において増加したボイス、トラック、I/Oについて

Pro Tools 2021.6 では、Pro Tools と Pro Tools | Ultimateの両方のボイス数、トラック数、I/O数が増加しました。ボイス数とトラック数が増えたことで、より大規模なセッションを作成できるようになりました。I/Oが増えると、より多くのソースを録音でき、コアオーディオやASIOインターフェースを使用しているときの外部機器をさらに多く接続できるようになります。しかし、ボイスとは何を指すのでしょうか。なぜ重要なのでしょうか?そして、なぜ制限があるのでしょうか?

これらの疑問を解き明かすため、まずは基本に戻りましょう。

ボイスとストリーミング

Pro Toolsがオーディオを再生する時、ハードディスクからPro Toolsオーディオエンジンへオーディオをストリームするのにボイスを使用します。1つのオーディオストリームは1ボイスを使用するので、つまりモノ・ストリームは1ボイス、ステレオ・ストリームは2ボイス、5.1ストリームは6ボイス使用することになります。Pro Toolsでは、ディスクからの(そしてディスクへの)オーディオは、オーディオトラックによって処理されます。よって、オーディオトラックはボイスを使用します。この場合も、モノ・オーディオは1ボイス、ステレオ・オーディオは2ボイス、と言うふうに使用されることになります。

通常は、オーディオトラックのみがボイスを使います。Pro Toolsは、Aux入力、インストゥルメント・トラック、VCAマスター、ビデオトラックなどの、多くの異なったタイプのトラックがありますが、それらはボイスを使用しません。つまり、この記事でトラックの制限について取り上げる場合は、オーディオトラックのことのみを指します。Pro Toolsセッションでは、複数種類のトラックを組み合わせて、合計で幾千ものトラックを作成することができます。詳細については、こちらをご覧ください。

セッションの規模に関係なく、Pro Toolsのトラック制限に達することは、実際には、難しいことでしょう。

Pro Tools | Ultimateにおけるビデオとトラック

ボイスとオーディオトラックの関係性について理解を深めたところで、Pro ToolsとPro Tools | Ultimateにおいてどのようにカウントするのか見ていきましょう。

Pro Tools | Ultimateにおいての制限とは、ボイスの制限を指します。Pro Tools 2021.6 より前のバージョンでの制限は、HDXシステムのカード1枚につき256ボイス(カード3枚で最大768ボイス)、もしくはネイティブ・オーディオエンジン(HD Native、コアオーディオ、またはASIO)を使用する場合の384ボイスでした。
それらのボイスがどのように使用されるかは、セッションによります。256モノトラックを作成して256ボイスを使用したり、32個の7.1トラックを作成して同じボイス数を使用することもできます。覚えておくべきもう一つのポイントは、サンプルレートを倍にすると、これらのボイス数は半分になることです。

Pro Tools | Ultimate 2021.6では何が違うのでしょうか。HDXクラシックを使用している場合、つまり、ハイブリッドエンジンが無効になっている場合、ボイスはハードウェアによって処理されるため、カード1枚につき256ボイスが制限です。ですが、新しいHDXハイブリッドエンジン、もしくはその他のネイティブ・プレイバックエンジン(HD Native、コアオーディオ、またはASIO)を使用する場合、ボイス数は、なんと2,048ボイスまで使用可能となります。つまり、HDXシステムでカードを3枚使用する場合の2倍以上の数です!それだけでなく、どのサンプルレートでも2,048ボイスを使用できます。これにより、より大規模なPro Toolsセッションを作成できることになります。

Pro Tools | Ultimateのオーディオトラックの制限も同じく2,048に増加しました。Pro Tools | Ultimateでは、ボイスよりも多くのトラックを作成できます。例えば、256個の7.1オーディオトラックを作成した場合、ボイスは2,048使用されますが、オーディオトラック数自体は、さらに増やすことが可能です。ただし、ボイス数に関しても、任意のトラックのボイシングをDynからオフに切り替えて、そこで使用していたボイスを解放するといった柔軟性は備えています。

Pro Toolsにおけるボイスとトラック

では、Pro Toolsにおいては、どうでしょう。Pro Toolsで制限についてふれる場合は、ボイス数ではなく、オーディオトラックの最大数を指します。Pro Tools 2021.6より前のバージョンでは、Pro Toolsで作成できるオーディオトラックの最大数は128でした。Pro Tools | Ultimateのように、サンプルレートが倍になると、オーディオトラック数は半分になります。

注意深く見ると、Pro Toolsで128モノ・オーディオトラックを作成すると128ボイスが使用され、128ステレオ・オーディオトラックを作成すると256ボイスが使用されていることに気づくでしょう。これは、Pro ToolsがPro Tools | Ultimateと異なり、ボイス数がトラック数と相関して管理しているためで、ユーザーの方々の実際の作業時は、ボイス数ではなくトラック数だけを気にしながら作業すれば良いのです。

Pro Tools 2021.6のリリースではどのように変わったでしょうか。ボイス数とトラック数との相関性は変わっていません。良い知らせとしては、オーディオトラック数が128から256オーディオトラックに倍増したことでしょう。さらに嬉しいことに、サンプルレートを倍にしても、使用可能なオーディオトラック数は半分になりません。もし96kHzで作業することが多い場合、以前の4倍のモノオーディオトラックを好きなように使用できることになります!

要約すると、Pro Tools 2021.6はより大規模な、より複雑なセッションを使用することを可能にさせてくれる、と言うことです。

 

インプットとアウトプット

オーディオトラックとボイス数の増加に加え、Pro Tools 2021.6では、長年の要望であったI/Oについても対応しました。これまでは、Pro ToolsをコアオーディオやASIOインターフェースを使用する場合、最大32インプットと32アウトプットまで対応可能でした。より多くのI/Oを求めるユーザーは、通常、多数の楽器を録音する目的で、HDXシステムを使用する必要がありました。これは、HDXが持つ可能性を考えると意味のあることであり、TV/フィルム・スコアリング・セッションなどで、同時に多数のパフォーマーをレコーディングするといった作業に適していました。

Pro Tools 2021.6では、Avid以外のハードウェアを使用している場合の最大I/O数が64インプットとアウトプットに増加しました。これは多様化するレコーディング・スタイルの幾つかにとって利点となります。例えば、ライブサウンド・ミキシング・コンソールからフィードを録音するといったことが可能となるのです。こういった32チャンネル以上を録音するライブ収録では、全ての機会にHDXシステムを持ち運ぶのが適さない場合もあります。今回のインプット数増加により、64インプットまでのライブサウンド・ワークフローがより手軽に実現可能となったのです。

I/Oの増加が有益な他のケースは、多数の外部ハードウェアを、ハードウェア・インサートを使用してPro Toolsセッションに組み込む必要がある場合です。I/O数が64に増えたことで、ハードウェアを複雑にコアオーディオまたはASIOインターフェースにパッチし続ける必要がなくなります。

 

なぜ制限があるのか

最後に1つ述べたいポイントは、なぜ全てにおいてこれらの制限があるのか、と言うことです。

なぜ全ての制限を取り除かないのでしょう。Pro Toolsは常に安定したオーディオ・プロダクション・プラットフォームであり続けています。業界でその長きにおける卓越性を持つ理由の一つは、それが信頼できると言う事実です。この安定性を提供するために、あらゆる観点からPro Toolsは徹底的に試験されています。したがって、ソフトウェアに制限を設けるのは、その制限までテストして、ユーザーの皆様にPro Toolsシステムに対する信頼を得ていただくためです。

 

結論

この記事がお役に立てれば幸いです。次のプロジェクトでより多くのオーディオトラックをどのように使うか、計画を立ててください。Pro Toolsの他の新機能の詳細についてはPro Tools 2021.6 新機能についてをご参照ください。

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Pro Tools 2021.6におけるQuickTimeとファイルサポートの改善点

Avidでは、32ビットQuickTimeコンポーネントに対応しなくなったmacOS Catalina以降、新たなビデオ・コンポーネントの元でのインポートおよびエクスポート機能の向上に努めており、Pro Tools 2021.6にもその幾つかの成果が表れています。また、その進化の過程にあたり、改善点とその操作方法を説明した、詳細なドキュメントとデモンストレーション ビデオを作成しました。また、以前までのファイル機能以上のものを、将来的にPro ToolsとMedia Composerの両方にインプリメントできるよう、継続的に改良に取り組んでもいます。

Pro Tools 2021.6では、バウンス ミックス ウィンドウに、次の重要な機能が追加されました。Pro Toolsファイルメニューから、もしくはショートカットCommand – Option – B(macOS)またはControl – Alt – B(Windows)から利用できます。

ソース・ビデオと同じコーデックでのエクスポート機能

バウンス ミックス ウィンドウでは、ソース・ビデオをDNxHD/HRやApple ProRes MOVファイルにエクスポートするのと同様に、これらのコーデックがMXFラッピングされたバージョンを、そのソースを維持したまま、より素早くMOVファイルにエクスポートできるようになりました。将来的には、他のコーデックに関しても、同じソースを保ったままの エクスポートが可能となる事を目標としています

簡単に言うと、「ソースと同じ」バウンス(エクスポート)と言うのは、ビデオ・コーデックのトランスコードを行わず、使用しているビデオのフレームが、Pro Tools上で映像のカット編が行われていても、同じコーデックを維持したまま直接新しいファイルにコピーされ、バウンスされたオーディオ・ステムと再結合されることを意味します。これにはいくつかの利点があります。1つはビデオ・コーデック変換が行われないため、処理に必要な時間が断然短いことです。もう1つは、オーディオ部門がビデオコンテンツに変更を加えないため、処理する前と全く同じクオリティおよびフォーマットであることです。この機能を用いると、オーディオのみに処理が加えられ、映像は元の品質のものに、そのまま戻すことができるのです。

H.265 (HEVC)

Pro Tools | Ultimateでは、H.265ビデオをインポート、再生、エクスポートできるようになりました。H.265はコーデック全体の効率に利点があり、iPhoneなど、多くのデバイス間で採用され、高い互換性を実現しています。それらのH.265ファイルをPro Toolsに直接インポートできるようになったのです。エクスポートは、H.264のように、可変もしくは固定ビットレート設定で実行できます。エンコードスピードに対するクオリティとビットレートの精度のバランスをとる、追加のエンコード・クオリティ・コントロールも用意されています。

 

AACエクスポート

以前までの、PCMオーディオのMOVエクスポート対応に加え、AACオーディオもMOVファイルにエクスポート可能となりました。これにより、MOVエクスポート時に、オーディオを、モノ、ステレオ、5.1、7.1フォーマットで、CBR(固定ビットレート)もしくはVBR(可変ビットレート)で圧縮できます。

AACエクスポートは、44.1kHz、48kHz、88.2kHz、96kHzサンプルレートとオーディオのシングル・ステムに対応し、Pro Tools | UltimateおよびPro Tools ソフトウェア(モノおよびステレオのみ)で利用できます。

このAACエクスポート機能拡張により、ビデオファイルで採用されている、より新しい圧縮されたオーディオ・フォーマットに対応となり、最も一般的なビデオ・ストリーミング・プラットフォームと直接互換性がある圧縮オーディオおよびビデオのエクスポートが可能となりました。

 

QuickTimeチャンネル・フォーマットの拡張

MOVファイルタイプで対応する全てのチャンネル幅に対応し、バウンスミックスすることが可能となりました。MOVファイルへのエクスポート時に、もうチャンネル幅の制限はありません。

 

最後に

これまでのQuickTime 32ビット・コンポーネントからの移行の過程の中で、利用できなくなっていた幾つかの機能に対応でき、さらに新しい機能も追加されたことは、注目すべきことでしょう。放送業界での一般的なファイル・コンテナであるMXF OP1aからのオーディオインポート、Apple Losslessからセッション・フォーマットへのインポートと変換、最新のリリースでH.265がMOVに対応等がそれにあたります。

「同じソース」でのエクスポートで対応するコーデックをさらに広げる必要があるということを除いては、確実に進歩を遂げており、それまでの「バウンスQuickTime機能」時の性能と利用可能なインポート形式は既に超えていると言っても良いでしょう。

 

関連情報リンク:
https://www.avidblogs.com/ja/pro-tools-2021-6/

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Pro Tools 2021.6 新機能について

日本時間2021/6/25未明、Pro Toolsの新しいバージョンPro Tools 2021.6がリリースされました。

Pro Tools 2021.6の主な新機能ならびに改善点は以下となります。

 

HDX上でハイブリッド・エンジン機能を実現(Pro Tools | Ultimateのみ)

DSPとCPUネイティブの両方の特徴を生かし、レコーディングや空間オーディオ・ミックス時により多くのパワーと効率性をもたらすハイブリッド・エンジン機能がHDXに対応となりました。この特許取得テクノロジーの搭載によりHDXシステムは、史上最もパワフルなPro Toolsシステムへと生まれ変わり、HDXカード一枚であっても、これまでより遥かに大規模なセッションをスムースに扱うことが可能となることで、空間オーディオ作品のミックスも自由に行えるようになります。また、ハイブリッド・エンジン下では、トラック毎にネイティブ・モードとDSPモードを切り替えることができるので、レコーディング時に不快なモニター・レイテンシー(遅延)をボタン一つで取り除くことが可能です。

HDX対応ハイブリッド・エンジンに関する詳細は、以下の2つのブログをご参照ください。

より多くのI/O、トラックおよびボイスを確保 (Pro Tools およびPro Tools | Ultimate)

Pro Tools およびPro Tools | Ultimateは、最大64チャンネル入出力対応となりました(これまでは最大32ch)。Pro Toolsは、全サンプルレイトで最大256モノ/ステレオ・オーディオ・トラックに対応(これまでは48kHz時128トラック)となり、Pro Tools | Ultimateは、最大2,048ボイス/トラックを全サンプルレイトでカバー可能となります(これまでの5倍以上)。これにより、任意のCore Audioオーディオ・インターフェースを使用し、より多くの外部機器を接続しながら、より大規模なセッションで作業することも可能となります。

Pro Tools | Ultimate 2021.6上のボイス数(HDX Hybrid Engine使用時)

M1ベースMac での動作が可能に!(全てのPro Tools)

Pro Tools 2021.6では、Pro Tools | First、Pro Tools およびPro Tools | Ultimateの各ソフトウエアが、AppleのM1プロセッサー搭載Macで動作することが可能となりました。

全Pro Tools、Pro Tools 2021.6ソフトウエアおよびそこに含まれるAvidプラグイン、さらには、その上で動作するAvid コントロール・サーフェスは、Rosetta を介してM1ベースMacコンピュータ上のmacOS Big Surに対応しています。

 

ご注意:

  • Avid ビデオ・エンジンは、現時点ではApple silicon (M1)に正式対応していません。
  • Pro Tools | HDX、HD NativeおよびDADMan software (MTRX & MTRX Studio)は、Apple silicon (M1)に正式対応していません。
  • ソフトウエアをアップデートする前に、お使いのサードパーティー製プラグイン、その他のプログラムが正式にApple silicon (M1)に対応していることを確認してください。

macOS Big Sur対応状況並びにその他のPro Tools動作要件に関しては、以下のリンク先よりご確認ください。

macOS 11 (Big Sur) と Avid 製品の対応状況

Pro Tools システム要件

 

ダークおよびクラシックUIテーマのカスタマイズ(Pro Tools およびPro Tools | Ultimate)

Pro Tools 2021.6では、ユーザー・インターフェースの色や明度を自由に変更可能となり、お好みの設定をプリセットとして保存し、いつでも呼び出すことができるようになりました。さらに、Pro Toolsの再起動無しで、ダーク・テーマとクラシック・テーマの切り替えも可能となりました。

UIカスタマイズ

H.265/HEVC ビデオ (Pro Tools | Ultimate のみ)

低ビットレートでより高品位な映像を実現できるため、映像クリエイター間で人気の高いH.265/HEVC (High Efficiency Video Coding)に対応しました。Pro Tools | Ultimateを使い、このH.265ビデオ・コーデックでのサウンド・プロジェクト作業が可能となり、インポート/エクスポートにも対応しています。

 

その他のビデオ機能強化:

  • DNxHD, DNxHRおよびApple ProRes 時のMOVファイルへの「ソースと同じバウンス」
  • MOVファイル内AACエクスポート
  • バウンス時のQuick Timeチャンネル・フォーマット拡張

H.265ビデオ再生

サイド・チェーン時の自動遅延補正対応 (Pro Tools およびPro Tools | Ultimate)

これまでPro Tools | HDX上でのみ可能だった、サイド・チェーン時の自動遅延補正がPro ToolsおよびPro Tools | Ultimateソフトウエアでも可能となりました。これにより、サイド・チェーンされたトラック同士を完璧にシンクさせることが、両ソフトウエア上で実行できるようになります。

サイド・チェーン遅延補正

Pro Tools 2021.6その他の追加機能/改良点:

  • クリップ無しトラックのチャンネル幅の変更
  • 異なったチャンネル幅を持つトラックへのプラグインのドラッグ・アサイン
  • チャンネル幅別トラック表示フィルター(Pro Tools | Ultimateのみ)
  • Intel Turbo Boost 有効/無効 [ファン・ノイズ管理](Intel Turbo Boost 使用可能なIntel Mac上のPro Toolsのみ)
  • SyncX/Sync HD使用時改善点….他

 

Pro Tools 2021.6は、有効なサブスクリプション・ライセンスおよび年間プラン付永続ライセンス・ユーザーが、追加費用無しで入手可能です。AvidLinkまたはMyAvid上のアカウント情報をご確認ください。

現在、有効なサブスクリプション・ライセンスまたは永続ライセンス向け年間プランをお持ちでない場合は、下記リンク先に表示されるAvidチャンネル・パートナーまでお問い合わせください。

Pro Toolsディーラーリスト

Pro Tools | Ultimateディーラーリスト

 

関連情報リンク:

Pro Tools 2020.3-2021.3追加機能情報

 

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グラミー賞受賞者 ダレル・ソープのイマーシブミュージック・ミキシングに関する3つのポイント

9回のグラミー賞受賞®︎経歴を持つレコーディングエンジニア、ミキサー兼プロデューサーが、イマーシブ(没入型)ミュージックが可能な全ての音響空間にアクセスできるようになりました。

 

ダレル・ソープはポール・マッカートニー、レディオヘッド、ベックなどの有名なミュージシャンとコラボレーションしてきました。2017年、彼はフー・ファイターズのアルバム『コンクリート・アンド・ゴールド』のエンジニアとミックスを行いました。彼のキャリアにおいて、この受賞歴までは、ステレオでのエンジニアをメインとしていましたが、このプロジェクトでは、イマーシブフォーマットであるDolby Atmos® でトラックをリミックスする機会を得ました。フー・ファイターズのバンドリーダー、デイブ・グロールは、Dolby Vision™で制作された2枚目のシングル『ザ・スカイ・イズ・ア・ネイバーフッド』のビデオを作りたいと思っており、Dolbyからその曲の音源のリミックスをAtomos でしてみないかとの提案がDolbyからありました。

Dolby Atmosは、最大128チャンネルを使用して、オーディオフィールドを3D空間に変えます。まるでリアルな日常生活の中にいるような、イマーシブサウンド体験が得られます。2つのステレオチャンネルに全てを振り分けて、コンプレッションやE Qで仮想音響空間を作り上げる必要はありません。イマーシブミュージック・ミックスでは、どこにでも、いつでも、音源を配置させてパンができ、どの方向にも動かすことができるので、さらにダイナミックな体験と無制限のクリエイティブなオプションが選べます。

 

ソープは、ステレオバージョンの『ザ・スカイ・イズ・ア・ネイバーフッド』をイマーシブでリミックスするチャンスに飛び付きました。オーシャン・ウェイ・レコーディングでサラウンド・ミックスをしたので、イマーシブミュージックは興味をそそる次のステップのようでした。

 

「そのプロジェクトを引き受けたのは、とても面白そうだったからです。オーシャン・ウェイで最後にスタッフとして働いた時、かなりの経験ができました。」とソープは言います。「ソニー・オックスフォード・コンソールで9.1にもなる専用の5.1セットアップを使いました。ジャズのレコーディングでは、ハイファイ(hi-fi)を使用する人が多く、サラウンド・サウンドでミックスをしています。インディーズのフィルムでも同様です。バーバンクのDolby オフィスに行く機会があった時、ステージ上でミックスをして、『すごい!!』と感動しました。Atmosについてもっと知りたいと思いました。」

サラウンド・サウンド以上のもの

ソープは、部屋に入るやいなや、イマーシブオーディオに対するイメージをリセットしなければなりませんでした。

 

「Dolby Atmosは、サラウンド・サウンドがただ進化したものだと思っていました。でもそれは浅はかな考えでした。」とソープは言います。『ザ・スカイ・イズ・ア・ネイバーフッド』をイマーシブでリミックスし始めたとき、可能性がもっとあることは明瞭でした。

イマーシブミキシングすると、サウンドスケープにサウンドを配置する際に、よりフレキシブルに、正確に行うことができます。128チャンネルが使えるため、フロント左、フロント右、センター、左、右、リア左、リア右のチャンネル(7)と、ローフリーケンシー・エフェクトのチャンネル(.1、LFE)と、ゲームチェンジャーとなるハイチャンネル(.2)からなる7.1.2ベッドと、その他最大118オブジェクトを配置できます。これは、ステレオでもサラウンド・サウンドでもできない、3Dオーディオ・イメージを作り出すことができます。特定のスピーカーに結び付けられていない個々のチャンネルとオブジェクトに秘密があります。モノでもステレオでも、真のイマーシブ体験を得るために、3D空間のどんな場所にでも配置し、動かすことができます。

 

「Dolbyのエンジニア責任者であるセリ・トマスが来て、『やぁ、君がやってることもなかなかいいけど、こんなこともできるの、知ってるかい?』と、彼はAtmosがどんな個性を持っているか、どこをさらに明確にできるかを、もっと試してみるように促しました。」とソープは言います。「例えば、『この音をあのスピーカーから出したい』と思えば、それを簡単に実行できるのは素晴らしいです。そこからさらにのめり込み始めました。」

 

フー・ファイターズのシングルで、ソープは初めてイマーシブオーディオを体験しました。でもこれが最後ではありません。「もっとたくさんやってみたい。」と彼は言います。「イマーシブオーディオのプロジェクトを予定しています。一年前に録音したもので、大きなプロジェクトです。私が録音したものを、他のエンジニアが再録音するくらいなら、なぜ自分でやらない?ステレオで試してみます。」

スタジオにて(ダレル・ソープ)

ステレオバスを捨ててみる

イマーシブへのソープの関心の一つとして、お気に入りのおもちゃをいくつか手放さなければなりませんでした。「フー・ファイターズのミキシングをし始めた時、まず、セリに『ステレオ・バス・コンプレッションに何が使えますか』とたずねました。」

 

「私のミキシングスタイルの大きな部分を占めるもので、正直なところ、多くのエンジニアのミキシングスタイルでも同様です。」と彼は言います。「ミックスの形がある程度見え始めたポイントやプロセスに達すると、ミックス・バス・チェーンを追加し始めます。コンプレッションや、EQを少し、場合によってはある種のテープエミュレーションです。」

 

ソープが説明するように、Atmosのチャンネルとオブジェクトは、通常のステレオミキシングの過程とは異なったアプローチを可能にします。「ステレオバスを捨てて、いつもの作業過程を忘れることを、恐れないでください。イマーシブオーディオで作業しているときは、もうそのように考える必要はありません。」と彼は言います。「ミキシングを始めたら、まず音量バランスとパンを調整します。曲をよく知っていたので、初めからトラックとミックスをしました。いくつかのオートメーション・ライドがあちらこちらにありましたが、コンプレッションやテープ・エミュレーションをする必要がないとすぐにわかりました。ステレオで作業している時の速さとは同じではありません。パラレル・コンプレッションのコア・ミックスや、ボーカルやバッキングボーカル上のコンプレッションとEQに、十分に注意を払いました。ストリングスなどは、ほとんど同じようにしました。イマーシブ体験でのパンについてだけは、いつもと違うやり方でした。」

 

ステレオバスでの処理はオリジナルミックス上での大部分のサウンドを占めていましたが、イマーシブミックスの新しい拡張機能が登場したため、変えることは問題に思いませんでした。「デイブが本当に気づいたかどうかはわかりません。」とソープは言います。「一つだけ彼が言ったのは、『なんてことだ、信じられないくらいいい音だ!』ということでした。それから、彼のギターソロをとても大きくしたことに感謝されました。正面に持ってきて、ただ音量を上げるだけでなく、このギターアンプがあなたの頭に落ちてくるような音の配置にしたので、さらに非日常的な感覚に陥ります。」

 

没入型マインドセットに移行する

イマーシブでミキシングをするのはテクノロジーとワークフローの移行も必要ですが、考え方も変えなければなりません。

 

「私にとってステレオは、使用できる音響空間が非常に小さいです。」とソープは説明します。「この狭い帯域幅(バンド幅)に大量の情報を無理やりつめているので、とてもアグレッシブに感じるように曲を作るのはわりと簡単です。しかし、イマーシブオーディオでは、全く異なります。そこのギターの一部を削って、ここにあるキーボードと被らないようにする、といったことは、Dolby Atmosのようなイマーシブでミキシングするときにはする必要がありません。どのように広げて、どれだけ大きくできるか、ということが全てです。本当に素晴らしいです。」

 

全く新しい方法で音をどこに配置するか再構成する必要がありました。「Atmosでは、中心からだけではなく、高低、範囲全体にわたってパンすることができます。」とソープは言います。ストリングスを上部にパンし、バックボーカルを下部にパンし、リードボーカルをフー・ファイターズのミックスの垂直軸の中央に配置させ、前後の動きをつけるため、プリディレイ・タイムを増やして、複数のリバーブを使いました。

イマーシブミュージックはTIDAL HiFiやAmazon Music Unlimitedのようなストリーミングサービスですでに聴くことができます。独立したレーベルやアーティスト、エンジニアも、Dolby Atmos ミュージックを自分で配信できるようになりました。イマーシブミックスを作成するソフトウェアが手頃な値段で手に入るおかげで、多くの曲が最先端のフォーマットでミックスされており、オーディオ・プロフェッショナルの人達に素晴らしい機会を提供しています。

 

ソープが言うように、「イマーシブミュージックはとても楽しいものです。習得する価値がありますし、正直なところ、それほど難しいものではありません。」

 

Dolby Atmosでミックスする

Pro Tools | Ultimateは、業界で最も効率的なDolby Atmos® ミキシング・ワークフローを提供しています。 Atmos 7.1.2 オーディオシステム、ネイティブ・オブジェクト・パンニング、最新のオートメーション、ADM BWAV サポート、そして Avid サーフェイス・コントロール統合をサポートします。

MUSIC THAT MOVES

Dolby Atmosが伝える変革するサウンド・クリエイションの世界。Pro Toolsが伝える変革するサウンドプロダクションとミキシング方法。イマーシブ・ミキシングのための最も強力で拡張可能なエンド・ツー・エンドのツールセットを、ぜひ体験してみてください。




レコーディングエンジニアがホーム・ミュージック・プロダクション・システムへ移行する方法

昨今の人々を取り巻く状況の変化により「ベッドからホームオフィスへ流れるように移動する」という在宅ワークをライフスタイルにするというニーズが増えています。レコーディングエンジニアという仕事は、比較的それを実現しやすい職業であるといえるでしょう。レコーディング・テクノロジーが、リモート需要に適合し始めたことにより、より多くの人が外での作業を諦め、自宅で行えるホームレコーディング設備を作ることの必要性を感じ始めています。

 

リモートも可能なレコーディングエンジニアとして仕事をする場合、ホーム・スタジオ・システムでクライアントと作業をしたり、アーティストのいる場所へ出向いたり、リモートでコラボレーションを行ったり、もしくはその3つ全てをこなすという必要があるかもしれません。アーティスト、プロデューサー、ミキシング・マスタリングエンジニアとのコラボレーションを可能にするために、フレキシブルなスタジオ設備が必要になるでしょう。

 

理想的なのは、所属している会社が、長期的に見てクライアント獲得の為の有効な手段だと理解し、リモート設備の補助をしてくれることです。しかし実際には、あなた自身もある程度の出費が必要になるかもしれないので、その計算はしておく必要があります。業界では、モジュール式で規模の拡大に対応できるシステムがトレンドですので、そういったシステムを採用する場合は、予算とスペースが許す範囲で少しずつスタジオに追加していくことができます。もしかしたらすでに、良いギアが家にあるかもしれませんが、今こそ、将来のために、今後何年にも渡って使用できることが保証されるセットアップを検討する時です。

DAW

スムースなコラボレーションを検討する際、リモート作業によって生じる可能性がある問題は、DAWによって解決されるべきです。リモートでプロジェクトのコラボレーションをする可能性が高いため、トラック、プロジェクト、ファイルの交換に関して簡単な構成や管理ができるD A Wが良いでしょう。オンライン・コラボレーションを使うと、リモートでアーティストや他のエンジニアと作業をすることが楽になります。クラウド上でプロジェクトを共有したり、他の人を招待して、どこからでも自分のトラックを追加したり、単にフィードバックを取り入れたりして参加することができます。

もし使用しているDAWにこのような機能がない場合は、リモート作業が簡単になるオプションについて、スタジオオーナーもしくはプロダクションマネジャーに相談する必要があります。もしかしたらリモート機能に焦点を当てた2つ目のレコーディングプログラムに投資する予算があるかもしれません。多くのエンジニアは、所有する複数のDAWから顧客との互換性を考えて使用しています。さらに、一部のDAWはサブスクリプション・ベースでの動作が可能ですので、本格購入する前に試すことができます。

 

オーディオ・インターフェース

ホーム・スタジオ・システムを作る際、オーディオ・インターフェースは重要となってきます。さまざまなモニタールーティンを設定し、アウトボードギアに接続でき、複数のソースをレコーディングできる多くの入力と出力を備えた、高品質で超低レイテンシー・インターフェースが必要になります。最高品質のAD/DAコンバーターを持つインターフェースがあれば、サンプルレートの値に関係なく、最高品質のオーディオを録音することができます。これにより、レコーディングスタジオで使用していたのと同様の適応性と録音の忠実度を維持できます。

一部のインターフェースでは、作業工程に合わせてI/Oオプションをカスタマイズできます。ラックマウントはモバイルレコーディングの場合、簡単に移動できるため、リモート設備には最適です。コンピューターもですが、インターフェースも最も重要なレコーディング設備の一つです。将来のニーズを念頭において賢明に投資しましょう。I/Oオプションは、多すぎる方が少なすぎるよりも良いでしょう。

 

セッション・コントロール

フェーダー、ポット、トランスポート・コントロールを備えたコントロール・サーフェスは、ミックスとレコーディング作業のスピードを早め、スタジオコンソールの触覚的なアプローチをホームスタジオにもたらすことができるうえに、かなり手頃な予算です。一部のハードウェア・コントロール・ユニットはタブレットを組み込み、複数のユニットを一緒にリンクし、ニーズ(および予算)に合わせて選択でき、小規模もしくは大規模の機器構成で実践的にコントロールができます。一部のDAWはタブレットやスマートフォン向けのワイヤレス・ミキシング・コントロールができるアプリをリリースしており、外出先でのレコーディングもしくはホーム・スタジオ・システムに最適です。

 

レコーディング設備とワークフロー

ギターやドラム、ボーカルのトラッキングを専門としますか。それともご自分の思い通りにレコーディングをしますか?

例えば、ドラムをレコーディングするとき、部屋はサウンドにとって重要な意味を持つので、優れた音響効果を備えたスペースが必要となります。そのためには家を改造する必要があるかもしれません。それが不可能な場合は、音を形作るために少なくとも仕切りやバッフルを用意してください。もし広いレコーディングルームがある場合は、バッフルとマイクの配置を色々試して、どのように部屋がさまざまな音と互いに影響し合うのかわかれば、レコーディングの音色を操ることができます。

 

ギターやベースのレコーディングでは、アンプとキャビネット、マイクの選択について考える必要があります。リアンプは現場でのレコーディングに代わるもので、リモートでできます。チューブ・アンプ、ギター・マルチエフェクト・プロセッサー、さらにはアンプ・シミュレーターを介してリアンプするためには、クライアントはクリーンなギターレコーディング、もしくはベースのDIレコーディングを送る必要があります。コピーしたファイルをクライアントに返すこともできますが、オンラインコラボレーションセッションにドロップすることもできます。ドラマーやキーボードプレーヤーにMIDIインストゥルメントでそのパートを演奏させて、スタジオでバーチャル楽器をトリガーすることも考えていいでしょう。そうすると、実際に一緒に演奏する必要がなくなります。

 

ボーカルはリモートレコーディングに最適です。シンガーは自身のパートを録音し、そのトラックをあなたと共有し、クリーンアップしてミックスに合うように処理することができます。

ボーカルや楽器のマイクの選択は、どのようなスタジオでも一般的には同じです。しかし、予算に合わせて選択しないといけないので、過去に使ってみてよかったものを選びましょう。レコーディングしているミュージシャンの数によって、ヘッドフォンアンプ出力とキューモニター用ヘッドフォンが複数必要となるかもしれません。

 

音響処理されたホーム・スタジオ・システムを整えると、モニタリングが正確になります。部屋によって異なるため、マイクの測定やキャリブレーション ソフトウェア(calibration software)を利用してフリークエンシー(周波数)の問題を検出し、それに応じて部屋を整えましょう。新しいコントロールルームを扱うとき、 Sound On Soundのページでは、リスニングポジションの周囲で数回測定を行い、最終的には測定値にとらわれずに自身の耳を信じるべきだと提案しています。

 

不可欠なもの

自宅でトラッキングするのも、外出先でも、大容量のトラックを記録して、同時に複数のソースを録音できる容量がある処理能力の高いコンピューターが必要です。アップグレードを軽視しないでください。CPUの仕様を確認し、さらにプロセッシングが必要かどうかを決めます。メモリーは別の要素です。RAMは比較的手頃な値段で簡単にアップグレードができます。64GBがお勧めです。(バーチャルインストゥルメントは特に大容量のRAMを必要とします。)最高のパフォーマンスを確保するために、必須のオーディオと通信アプリのみをインストールして、システムがすっきりとした状態を保ちましょう。

 

オンボードDSPを備えたハイブリッド ハードウェアもしくはソフトウェア装置では、コンピューターの処理負荷の一部を軽くし、さらにサウンドを形作るオプションが増えます。処理できるトラック数が増えることは、あなたとあなたのクライアントの両方にとってメリットがあるでしょう。ハードウェア処理装置のプラグイン・エミュレーションはバンクを使わずに、いくつかの多機能性を加えることもできます。追加のボーナスとして、録音が必要などんな場所でも簡単に使用できます。

 

信頼性がある高速インターネット接続も必須です。コラボレーションする相手がそれぞれ異なる場所にいる場合、ビデオ会議を介して滞りなくデジタル・オーディオファイルとプロジェクトを受け取り、転送する必要があります。頻繁にファイルを送受信する場合、支払える範囲内の高データ許容量または無制限のプランを取り扱う最高速度のインターネットサービスを利用してください。

 

パワー調整装置はホーム・スタジオ・システムでの電気とノイズ問題を排除するのに役立ちます。さらに、他の場所で、品質がわからない電気配線を使用するとき、ギアを守ることにもなります。電源サージや停電が起きた場合でも、しばらくの間電源が維持されるように、無停電電源装置(UPS)を接続したままにしましょう。

 

人間工学に基づいた椅子やデスクなどの設備も忘れないでください。腰のサポートと調節可能なアームレストを備えた椅子があると、作業中に集中できます。インターフェースとハードウェアに簡単に手が届くラックマウントが付いた、ミュージシャン向けに特別にデザインされたデスクもあります。ホームスタジオ設備が整ったら、そこで多くの時間を費やすことになるので、快適で、機能的で、良い雰囲気のものにしましょう。

 

ホーム・スタジオ・システムを作るというのは、一度きりで終わることではありません。製品やソフトウェアは、その時々によって入手可能なものが異なるため、継続的にアップグレードしながら設備を整えていきましょう。まずは、今すでに持っているものから確認しましょう。どのような作業をするか、制作過程でどんな人とコラボレーションするかを考えましょう。適切な準備と設備があれば、プロフェッショナルで多用途なホームスタジオを手に入れることができます。

 

どのようにホーム・ミュージック・スタジオを作るのでしょうか?

独自のモジュール、カスタマイズ可能なPro Toolsシステムを構築して、どんな場所で作成しても、最高設備のスタジオのような高品質な音楽を制作する方法を学びましょう。

 

Your Studio Anywhere – どんな場所もプロフェッショナル・スタジオへ

 

Your Studio Anywhere

ハイパフォーマンスなスタジオをどこででも!美しく構築された設備やDIYで作った部屋、マンションの一室、予備の会議室でも。Pro Toolsシステムを使用する事で、どんな場所もプロフェッショナル・スタジオへと変貌します。




HDX用ハイブリッド・エンジンについて

6月、ハイブリッド・エンジン機能がHDXに搭載されます。このインテリジェントなハードウエアとソフトウエアの統合技術は、Pro Tools | Carbon に最初に搭載され、ボタン一つでDSPとネイティブ・プロセッシングをシームレスに切り替えることを可能にしました。このハイブリッド・エンジンがHDXシステムに搭載されるということは、いったいどのような意味を持つのか、どういった使い方をしているHDXユーザーに必要なものなのか、ここで解説していきましょう。

Pro Toolsパフォーマンスの最大化

ハイブリッド・エンジン無しの場合、HDXはCPUパワーで動作するネイティブ・プラグインの動作以外の、ミキサー機能や録音/再生に必要なDSPタスクのすべてを、カードに搭載された18基のDSPチップと高性能FPGAチップでハンドリングしています。

このHDXのパワーにより、録音時のレーテンシーを常に1ms以下に保ちながらも、決定論(ディターミニズム)に基づいた確実で安定したパフォーマンスを実現しています。これ以上のシステムは、現状、地上には存在しません。しかし、この決定論は同時に、ハードウエアの仕様によってボイス数の限界が決まっているという意味でもあり、使用しているカードの枚数により、使用可能なセッション・サイズが制限されるというケースも出てきます。Dolby Atmosミックス時のように、大規模セッション上で多くのトラック数や重量級のプラグインを数多く使用したいシステムを数多く用意する必要のあるユーザーにとっては、これをコスト的な負担と感じるケースもあるでしょう。また、HDX上でネイティブとDSPプラグインを同一トラックに実行した場合、DSPプラグイン後に実行するネイティブ・プラグインが、HDXとホスト・コンピューターの間を行き来することで引き起こす、ボイス数の浪費も気になる部分かもしれません。

それに対して、ハイブリッド・エンジンは、DSPとネイティブ・ミックス・エンジンを分割して処理する仕組みになっています。ホスト・コンピューター上でセッションを走らせ、その強力なコンピューター・パワーの利点を最大限に活用できます。その上で、CPUに対する補助的な役割として、または、録音時のニア・ゼロ・レーテンシーを実現する為に、HDX上のオンボードDSPに素早くアクセス可能です。これにより、得られるパフォーマンスの可能性が劇的に向上します。ハイブリッド・エンジンは、ネイティブとDSPの特徴を効率よく活用できる為、大規模なセッションでの作業がよりスムーズになります。また、両エンジンを分割して管理する仕組みとなるため、ネイティブとDSPプラグインを一つのトラック上に同時実行した際に生じていたラウンド・トリップもなくなり、システム全体のディレイやコントロール・サーフェス上のフェーダーやノブの反応も改善されます。これらのパワフルで新たに加わるキャパシティーの増加により、コンピューターをアップグレードした際、そのパワーアップをより実感しやすくなり、その上でHDX独自のメリットもそのまま活用しながら作業が行えるようになるのです。

1枚のHDXカードで、より広がる可能性

ハイブリッド・エンジンを使用しない場合、HDXのカード一枚のボイス数は最大256です。広大なミックスを必要とするオーディオ・ポスト・プロダクションにおいては、十分な数とは言えないかもしれません。HDXは、最大3枚までカードを拡張することができますので、その場合は最大768ボイスとなりますが、その全てが、何百ものモノトラック、サラウンドトラック、そしてプラグイン等を司るDSPヘッドルームに負荷をかけることになります。

ハイブリッド・エンジンは、ネイティブ・パワーによるボイス管理を行えるようになり、HDXのオンボードDSPがボイス管理を行っていた際の負荷を軽減させることで、この大きなチャレンジを克服しています。2021年6月にリリースされるPro Tools | Ultimateでは、ネイティブ・パワーでのボイス管理を行う際、全てのサンプルレートで最大2048ボイスまで実行可能となります。HDXシングル・カードのシステムを含む全てのHDXコンフィグレーション、例えば HDX Thunderbolt 3 MTRX Studio Bundleであっても、最大ボイス数を2048へと拡張しながらも、カード上のDSPを録音/再生時のプラグイン実行に割り当ることができるのです。これにより、より大規模なセッションをより管理しやすくなります。また、ホーム・スタジオでは対応可能な作業が増え、業務用スタジオにおいても、より低いコストで多様化するクライアント・ニーズに応えるシステム構築がしやすくなることでしょう。

ボタン一つで実行可能なニア・ゼロ・レーテンシー

録音時のレーテンシーの克服は、どのような分野においても大きな課題です。アーティストにとっては、クリエイティブな閃きを阻害される要因となり、またエンジニアにとってもレコーディング・プロセスを台無しにする大きな原因でもあります。

ハイブリッド・エンジンは、ボタンのクリックひとつで、このレーテンシーという録音/ミックス作業やクリエイティビティーへの大きな阻害要因を取り除いてくれます。任意のトラックをDSPモードにすることで、そのトラックに関連するすべてのシグナルチェーンが、HDXカード上で直接実行可能なAAX DSP互換プラグインでプロセスするモードに切り替わります。その際でも、再生機能やそのトラックおよびシグナルチェーン以外の残りのミックスは、ホスト・コンピューターがハンドリングします。また、DSPモードをもう一度クリックするだけで、元のネイティブ・モードへと簡単に切り替えることができます。このインテリジェントな統合機能がPro Toolsに搭載されることで、レーテンシーに煩わされることなく、レコーディングやミキシングといった作業が効率よく実行可能となるのです。

Pro Toolsで成功する

業界トップのツールを使って、サウンドをパワーアップ。映画/テレビ用の音楽やサウンドの制作から、世界中のアーティスト、プロデューサー、ミキサーとのコラボレーションまで自由自在。




Pro Tools | Carbon 導入事例 #4:レコーディング/ミキシング・エンジニア – グレゴリ・ジェルメン氏(Gregory Germain)

 

グレゴリ・ジェルメン氏は、ポップス、ダンスミュージック分野を中心にレコーディング/ミキシング・エンジニアとして活躍しています。2019年には、AvidのPro Toolsセミナーに登場、Pro Tools マスタークラス・セミナー「グレゴリ・ジェルメンが語る最新R&Bサウンド・ミキシング・テクニック」レポート~リズム&ベース編として、さまざまなミキシング・テクニックを披露していただきました。

 

そんなグレゴリ氏ですが、2020年末に自宅システムとしてPro Tools | Carbonを導入しました。

きっかけは、「自宅にシステムを組もうとしていて、良いものを探していたタイミングでPro Tools | Carbonがリリースされました。DSPも組み込まれたオーディオ・インターフェースとしての規模感が用途にちょうど良いと感じたから。」とのこと。

自宅のCarbonラックマウント

実際に使ってみての感想は、「メイン・ルームで使っているMTRXと比べても、遜色のないサウンド。この金額でDSPも付いていて、音もメチャメチャ良くて、今までのAvidの中でも一番良い製品だなと思います!」と大絶賛していただきました!

Pro Tools|Carbonの実際の使用方法は、以下の『Pro Tools|Carbonで実践!R&Bボーカルの上手な聴かせ方』 by グレゴリ・ジェルメン(サンレコ クリエイティブ・ラウンジvol.1 2021年3月21日)をご覧ください。

グレゴリ氏は、Pro Tools | CarbonとともにAvid S1コントロール・サーフェスも導入しました。以下は、その最新セットアップとなります。

グレゴリ・ジェルメン氏 プロフィール

フランス生まれ、パリ育ち。20歳で来日し、レコーディング・エンジニアを目指す。スタジオ・グリーンバードを経て2011年Digz, inc Groupに入社。2021年からフリーランスに。ポップス、ダンスミュージックを中心にエンジニアとして活躍する。https://www.gregory-germain.com/

Pro Tools | Carbon

アーティスト、バンド、プロデューサーに最適な高品位オーディオ・インターフェースです。




Pro Tools | Carbon 導入事例 #3:Kim Studio – 伊藤 圭一氏

Kim Studioの伊藤 圭一氏は、Pro Tools誕生時からのヘビー・ユーザーです。

楽曲制作のみならず、コンサート/イベントの演出美術館など空間音楽の演出Netflixアニメ音響制作等、あらゆる分野のサウンド・クリエイションに造詣の深い伊藤氏からのフィードバックは、当時のDigidesign、そして今のAvidにとっても非常に重要で、幾つかのPro Toolsの機能に対しても影響を与えています。

 

そんな伊藤氏が、この度、自身のモバイル用システムとしてPro Tools | Carbonを導入しました!

早速、その感想を伺ってみましょう。

 

「 Carbon 素晴らしいです!!
私の旅のお供になっています。
新幹線の中でも、仕事ができますよ!」

「CPUパワーのプラグインだけに頼らずミックスができますし、出先でそのまま、収録やバックトラックの再生に、ストレスなく使えてしまうので、本当に助かります。

 

毎日、Avidと共に生きている感じですね!

一時期、色んなことに挑戦し、色んなモノを使ってきましたが、結局ここに辿り着くんですね。Avidは仕事のパートナーです。」

 

伊藤氏の著書である『歌は録音でキマる!音の魔術師が明かす ボーカルレコーディングの秘密』(刊:リットーミュージック)は、昨今のリモート録音や巣篭もり事情を反映してか、2年程まえにリリースしたにもかかわらず、最近もまた Amazonカテゴリー 1位に輝き、これで合計3部門での1位を獲得しました。

『歌は録音でキマる!音の魔術師が明かす ボーカルレコーディングの秘密』は、こちら(リットーミュージックWebサイト)より、冒頭部分が無料で読めますので、ぜひご覧ください!

伊藤氏は、こうも続けてくれました。

「この本を読んでくださったような方々をはじめ、沢山のミュージシャンにとってCarbon は、まさに最適な製品じゃないですか? 自宅でも、遅延なくモニタリングできることは、演奏家やボーカリストにとって、最高の贈り物です。」

伊藤 圭一 氏 プロフィール

 株式会社ケイ・アイ・エム 代表取締役
ソフトとハードの両面からトータルに音楽制作するKim Studio主宰

 

サウンドプロデューサー・エンジニア、音響監督。
ヤマハ、ローランド、ソニー、ビクター、Avid、シュアーなど国内外の音響機器メーカーへ技術提供、現代のデジタルによる音楽制作スタイルを牽引してきた。

多くの専門誌へ技術的な寄稿をし、音楽大学で教鞭を執るなど、若手への輩出や技術の発展に貢献している。声優、歌手、アーティストの個々の持つ個性あふれる音の波動にこだわり、印象的な作品を、数多く世にお送り出し続けている。

番組出演は、自らDJ、選曲、シナリオ、収録から編集までをKim Studioで一貫しておこなったラジオNIKKEI『伊藤圭一のサウンドクオリア』

著書に『歌は録音でキマる!音の魔術師が明かす ボーカルレコーディングの秘密』(刊:リットーミュージック)がある。

公益財団法人かけはし芸術文化振興財団  理事
洗足学園音楽大学・大学院  教授
東京コミックコンベンション(略称:東京コミコン)初代 統括プロデューサー

 

関連リンク:
VENUE | S6L導入事例 #03:Artware hub

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Pro Tools | Carbon 導入事例 #2:Fairaria

Pro Tools | Carbonは、そのオールインワン・システムとしての万能性から、様々な用途で活用されています。今回、ご紹介するClassical Crossover Music Unit “Fairaria”様では、音楽制作の他、オンライン・レッスン用のオーディオ・インターフェースとしても活用いただいています。

 

「Pro Tools | Carbonは、オンライン・レッスンでのオーディオ・インターフェースとして利用しています。レッスンごとにセッティングをテンプレート化しておけば機械にあまり詳しくない先生方でも簡単に操作ができることなども含め、I/F、マイクプリ、プロセッサー、再生機、DAWのオールインワン・デジタルミキサーとして大変重宝しております。」

 

「オンラインアプリは、Syncroom、Zoom、Lineを使って行っています。特に生徒さんがパソコンやオーディオ・インターフェースをお持ちでネット環境が良い場合は、Syncroomを使って、楽器アンサンブルや、あらかじめPro Toolsに仕込んだオケを使ってのうたレッスンを行っています。

CarbonのInputは以下の通りです。

 

Input 1    Line-Loop Back L

Input 2    Line-Loop Back R

Input 3    Mic-Pf L

Input 4    Mic-Pf R

Input 5    Mic-Vo/Harp

Input 6    Mic-Headset

Input 7    line-iPhone L(効果音)

Input 8    line-iPhone R(効果音)

 

プラグインは、楽器音源、コンプとリバーブを使用しています。
レッスンごとにPro Toolsのセッティングを保存して運用しています。」

レッスン内容:ピアノ/ハープ/うた
講師:横岳京子

お問い合わせ先: https://fairaria.com/#contact

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アーティスト、バンド、プロデューサーに最適な高品位オーディオ・インターフェースです。




Pro Tools | Carbon 導入事例 #1:音楽クリエイター・イロハ氏

イロハ氏 プロフィール

洗足学園音楽大学大学院卒業。バンド「さらばルバート」のVo,Gtとして活躍する一方で、作曲~録音まで1人で行う音楽クリエイターとしてもマルチに活躍。テレビ朝日「musicるTV」のコーナーに作曲家として出演するなど、今注目の若手音楽家。

YouTubeチャンネル
Twitter

音楽クリエイター・イロハ氏は、日本国内におけるPro Tools | Carbonユーザー第一号です。Pro Tools | Carbonリリース以降、Avidではイロハ氏にPro Tools | Carbonの魅力をアピールするための楽曲制作やセミナーをお願いして来ました。

イロハ氏は、Pro Tools | Carbonに関して、最近掲載された音楽クリエイター向けの情報サイトICONのインタビューでは以下のようにコメントしています。

 

「Pro Tools | Carbonは、めちゃくちゃ音が良くて、今市場に出回っているオーディオ・インターフェースの中では最高峰なんじゃないかなと思います。導入して1年も経っていませんが、今ではこれ無しでの作業は考えられません。Pro Tools | Carbonで一番気に入っているのが、ヘッドアンプの音質です。」

 

Pro Tools | Carbon の特長でもあるHybrid Engineやモニター/コミュニケーション機能も自身のバンド・レコーディング等で活用しています。

 

「Pro Tools | Carbonですと、プラグインを通しても内蔵DSPを使えばレーテンシーが無いですし、ドラムやボーカルにコンプ、EQをかけて録れるのでストレス・フリーで作業ができています。それと気に入っているのが、ヘッドフォン出力が4系統備わっていて、トークバックが付いていたり、モニター/コミュニケーション機能が充実しているところ。ヘッドフォン出力が4系統備わっているのは、バンド・メンバーと一緒に作業するときにとても便利ですね。オーディオ・インターフェースとしては、かなり高額だと思いますけど、その音質と機能を考えればコスト・パフォーマンスは相当高いと思います。」

 

Avidが、イロハ氏にお願いして、Pro Tools | Carbonのプロモーション用に制作していただいた楽曲は二曲あります。

一曲は、その製品の特長を最大限生かしたバンドサウンドが印象的な「Do Not Yet ?」です。

この曲の制作の様子を解説したセミナー・ビデオは以下でご覧いただけます。

セミナー・ビデオをご覧いただければわかるように、この曲では、作曲段階からPro Toolsを使用し、Pro Tools | Carbonの主だった機能や製品に付属しているAAX DSPプラグインを使った制作および、そのノウハウを中心にセミナーを行っていただきました。

 

二曲目は、アグレッシブなバンドサウンドに見事に融合したスタジオ収録のストリングス・サウンドが特徴的な「Only for C」です。

この楽曲制作の過程は以下の4本のビデオで解説されています。

ここでのテーマは、『Pro Tools | Carbonを使った曲作りのワークフローを解説』です。今回はイロハ氏が普段行っている楽曲制作方法、そして気に入って使っているツールやプラグインを中心に、Pro Tools | Carbonの機能の説明だけではなく、クリエイティブ面でのノウハウも含めて制作していただきました。

ここでは、イロハ氏がビデオで説明している内容の一部に関する、幾つかの技術情報を補足したいと思います。

 

Logic Pro XとPro Tools | Carbon

今回、イロハ氏はApple Logic ProをPro Tools | Carbon上で利用しながら作曲とアレンジを行っています。Apple Logic Pro を初めとするApple Core Audio対応アプリケーションでは、Pro Tools | Carbon搭載のDSPを利用することはできませんが、所謂、通常の高品位オーディオ・インターフェースとしての利用が可能です。

Pro Tools | CarbonはAVBバスで内部オーディオ・ルーティングを行っています。

Pro Tools | CarbonでPro Toolsを使用した場合と、その他のCore Audio対応アプリケーションを使用した場合の主な違いは以下となります。

 

Pro Tools 使用時

  • AVB装置名:Pro Tools | Carbon: Reserved for Pro Tools
  • 最大56 入力/84 出力チャンネル
  • 32-bitストリーミング
  • DSP使用可能
  • 専用モニター設定有り

 

その他のCore Audioアプリケーション使用時

  • AVB装置名:Pro Tools | Carbon
  • 最大28 入出力チャンネル
  • 24-bitストリーミング
  • DSP使用不可
  • 専用モニター設定無し

 

AVD装置Pro Tools | Carbon: Reserved for Pro Tools上で、AVB チャンネル設定28×42 (44.1–192 kHz)を選択した場合、Pro Tools | CarbonのAVBチャンネルに対する物理I/Oアサインは以下の表のようになります。

Logic Pro等のCore Audioアプリケーションを使用する場合は、基本的には上記のアサイン情報に基づき、内部ルーティングを行うことが可能です。

ご注意:Pro Tools側でのAVBチャンネル設定を優先する場合、Core Audioアプリケーション上では、必ずしも上記のアサインが実現できない場合もあります。詳しくはPro Tools | Carbonユーザーガイドをご覧ください。

また、Pro Tools | Carbonのモニター設定のいくつかは、Pro Tools上で設定したものがCore Audioアプリケーション使用時にも、そのまま反映されます。例えば、4つのヘッドフォン出力であるHP1、HP2、HP3、HP4のいくつかまたは全てをPro Tools上でMainにアサインすると、それらのヘッドフォン出力からは、Core Audioアプリケーションの1-2から出力されるサウンドが再生されます。これらの設定を変更したい場合はPro Tools上またはPro Tools | Carbon本体でそれを行う必要があります。逆に言うと、(Pro Tools | Carbonに標準で付属する)Pro ToolsをCore Audioアプリケーション使用時の「モニター・セクション設定」用で利用することが可能となるのです。

Pro Tools上でのモニター設定(例) – ここでは4つのヘッドフォン出力を全てメイン出力(1-2)にミラーリングする形でアサインしています。

イロハ氏のビデオでは、Logic Proを作曲用として、楽曲制作の初期段階でMIDIシーケンス機能を中心に利用しています。この段階では、まだCPU負荷も少ないため、Hybrid Engineを利用しなくてもLogic Proのバッファー・サイズを最小化することで、Pro Tools | Carbonの高品位なマイクプリを通じて、限定的なオーディオ・トラック(ガイドとなるギターやベース等)のレコーディングも可能となるでしょう。

Pro Toolsも近年は、MIDI機能やその他のクリエイティブ機能が強化されてきていますが、クリエイターの方々にとって、特に曲のアイディアを練るための作曲やアレンジ段階では、自分の使い慣れたツールを使うのが最もストレスのない方法です。Pro Tools | Carbonは、そういったニーズに対しても、他の通常のオーディオ・インターフェースと同様の使い方を行い、さらに秀でた音質でご利用いただけるよう設計されています。

 

8ch以上の同時録音の実行

セミナービデオ第三章では、Pro Tools | Carbonを、優れたルーム・アンビエンスで伝説的な存在ともなっている音響ハウス・第二スタジオに持ち込み、ストリングスとドラムのレコーディングを行いました。

Pro Tools | Carbonに搭載されているアナログ入力は8chです。ビデオをご覧いただくとおわかりのように、マイク・セッティングの関係で8ch以上の同時レコーディングも行ったため、追加入力に関しては、Pro Tools | Carbon に搭載のADAT入力(8ch x 2系統合計16ch @48kHz)を使用して収録しています。

今回は、全てのサウンドをPro Tools | Carbon搭載のマイクプリで収録するため、このADAT入力に送るサウンドも、もう一台のPro Tools | Carbonのマイクプリ経由で送り出しています(タックシステムの協力の元、もう一台のMacとPro Tools | Carbonを用意しました)が、勿論、その他のADATオプティカル出力を備えたサードパーティー製のマイクプリを使うことも可能です。

 

Pro Tools | Carbonは、このようにADAT入力を外部マイクプリ用として使用することで、48kHz時で最大24ch同時のレコーディングも可能となります。

ADATオプティカルのオーディオ・ストリームは24bitで、サンプルレートによって使用可能なチャンネル数も変わってきます。今回の楽曲”Only for C”はサンプルレート96kHzでしたので、Pro Tools | Carbon本体のマイクプリ/アナログ入力8chに加えて、一系統のADAT入力経由の外部マイクプリ4chを追加し、合計12chが利用可能な状態でストリングスおよびドラムのレコーディングが行われています。

 

上記の他にも、このセミナー・ビデオ・シリーズには、Pro ToolsおよびPro Tools | Carbonを使う上で、有意義なノウハウが詰まっています。

楽曲試聴とともに、是非、これらのセミナー・ビデオ・シリーズもご覧になってください。

 

関連リンク:

 

Pro Tools | Carbon

アーティスト、バンド、プロデューサーに最適な高品位オーディオ・インターフェースです。