「Avid Sibelius」 :シームレスな移行で、ストレスのない楽譜作成ライフを実現!

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ミュージシャン Rie Tsuji(辻 利恵)氏に訊く

現在、マレーシアのクアラルンプールに拠点を置いて活躍するミュージシャン Rie Tsuji氏。

自身のスタジオRMP Productionでは、Avidの楽譜作成ソフト 「Sibelius」 と音楽制作ソフト 「Pro Tools」 が採用されている。現在に至るまでのドラマティックな経験やミュージシャン活動、活用いただいているSibeliusについてお話を伺いました。

音楽をはじめたきっかけを教えてください

 「母親が音楽の先生で、父親がバイオリンを趣味で弾き、兄弟もピアノやエレクトーンを習っており小さい頃から常に触れていたため、何の違和感もなく気づいたらピアノを弾いていました。幼少期はクラシックピアノを弾いていましたが、通っていたヤマハピアノ教室での自由なピアノ表現をする教育方法もあり、伴奏付けや作曲も行っていました。CMソングを耳コピすることもあり、絶対音感も身につき耳も鍛えられたので、楽譜を見て演奏するクラシックのスタイルと、自由に演奏したり即興したりするジャズのスタイルの2本立てでの音楽を確立していったのは、自然な流れでした。

 

高校3年生の時、1ヵ月弱の東ヨーロッパでの短期ピアノ夏季講習経験が大きな変化点となりました。今までのレッスンのためだけの練習ではなく、同年代の子の奏でる豊かな表現力や演奏力に圧倒され、音楽への向き合い方が大きく変わり、今の自分へと繋がっているように思います。

 

中学生のころ、父の影響もありハリウッド映画を多く鑑賞していて、アメリカへの憧れを持ち始めましたが、両親の導きにより、高校卒業後は東京音楽大学へ進学。卒業後は留学の夢を叶える準備をスタートし、アメリカボストンにあるバークリー音楽大学 パフォーマンス科へ留学をしました。その後、プロフェッショナル・ミュージックへメジャー変更。約2年半のバークリー学生時代が、まさにジャズピアノの実践の場であり、昼間は学校、夜は練習を行う多忙な毎日でした。

 

卒業後は、プラクティカル・トレーニングビザで、昼間は同校のボーカル・デパートメントで伴奏のバイトをしながら(その後は、Boston Arts Academyで昼間は働く)、夜はローカル・ギグを続け、更にアーティストビザを取得し実践を積み続けました。ジャズとR&Bが半々の生活になっていました」

運命の出会い 

「2005年にリアル・ソウルの伝道者と言われるエリック・ベネイとの不思議な運命とも言える出会いにより、彼のバンドオーディションを受けることとなり、2006年全米ツアーへ参加。実践への歩みがスタートしました。その後、2006年にビヨンセのバンドオーディションの話を受け、見事オーディションに合格し、ファースト・キーボーディストとして活躍。すべては、出会いとタイミング、積み上げてきた経験や実績すべてがおりなすものでした。きっと、すべてのことがパズルのピースとして必要だったのだと思います」

 

ビヨンセのオーディションでは、映画のワンシーンのようなストーリーだったかと思いますが、改めて簡単に教えていただけますか。

 

「ボストンからバスで、NYでのオーディションへ向かったのですが、バスを1本逃してしまったことで、受付終了ギリギリに到着、間一髪で申込みを終えました。タイミングが良く、キーボード審査の一番最後の枠にポッと入れてオーディションを受けられました。無事、その審査は合格しましたが、実はファイナル・オーディションの際も、10時~21時まで行っているということで、会場に15~16時頃到着したのですが、恐らくみんな朝から受付を済ませて待っていたと思います。ちょうど受付を終えたタイミングで、スタッフの方に“アジアの子が1人いたと思ったんだよ”って探されていて、すぐにキーボード審査に入ることができ、無事ファイナル審査も合格できました。すべてのタイミングが本当に良かったのだと思います!

 

オーディション合格の秘訣もよく聞かれました。ビヨンセのオーディションで、ソロで何か弾いてくださいという課題がありましたが、過去の経験を活かして、例えば自由曲の選曲もゴスペル調にしたり、ジャズやゴスペルで学んだテンションコードでハーモニーの理解力を示したり、速弾きの技術を披露するよりも良いだろうといった、柔軟な判断も功を奏したのだと思います」

Sibeliusを使いはじめたのはいつですか?

 「Avid Sibeliusのことは、ローザン・ラズマン(旦那さま)が使っていたので以前から知っていて、自身が使うのは自然な流れでした。ビヨンセライブ以降でアーティスト活動を開始したのは、2010年。地元で自身の初ライブを行うために、Sibelius5を、旦那さんに教えてもらったのがきっかけで使いはじめました」

 

以前は、楽譜を書くことはどのくらいありましたか?

 

「正直言うと、2010年までは楽譜を書くことは余りなかったです。ビヨンセやR&Bやポップスのキャンプは、みんな耳で進行するのが普通で、チャートやコード進行、譜割や尺も全く書きませんでした。恐らく、アメリカと日本とでシステムが少し違うと思います。ビヨンセのツアーに参加していたときは、アレンジやMD(音楽監督)を担当していましたが、ストリングスアレンジも耳で行っていました。会場入りのタイミングで、ストリングスを付けていこうと思うけど・・と言われて、その場でアレンジする環境でした。カルテットをやっている時は、さすがにアレンジの楽譜を演奏者に渡すために、手書きの楽譜を渡しましたが・・・あの時ほど、Sibeliusを使っていたらなと、未だに思います。かろうじてコンサートキーで譜読みできるメンバーだったので、まだ助かってましたけどね。そんな経験もあり、Sibeliusを使いはじめたときは、本当に目からうろこでしたし、何の違和感もなくスムーズに使いはじめられました。ちなみに楽譜作成ソフトではSibelius以外は使ったことがありません!」

Sibeliusの主な使いかたを教えてください

「特に特殊な使いかたはしていないと思います。基本的には、音符はキーボードで入力しています。デュレーション(音価)を選んでからキーボードで音を入力した後にコピー&ペーストを凄く良く使います。

 

ストリングス・カルテット、バイオンリン、ビオラなど違う音でも、1から入力せず、同じようなフレーズやリズムのものはコピー&ペーストしてから、音を変更して作業して、ハーモニーを作ったりすることもあります。作業ごとに再生して、入力後に変更したりしていますね」

 

良い使い方ですね!楽譜作成ソフトの利点を有効的に使っていただけていると思います。

いま具体化しているプロジェクト内容を教えてください

 「いま進めているプロジェクトは、3つあります。全てストリングス・カルテットで、マレーシアでのプロジェクトになります。1つ目は、マレーシアのレジェンド・ロックバンドのカムバックソング。2つ目は、R&Bシンガー(2022年5月頃)。3つ目は、映画のサウンドトラックのストリングス・カルテットです。まだ進行中なので、追って詳しくご紹介できると思います。Sibeliusを使うのは、基本ストリングスアレンジが多いです。今のところ、ストリングス・カルテットの世界では、印刷した楽譜を演奏者に渡して、その後に音符直す機会はないです。MPO(Malaysian Philharmonic Orchestra)のプロフェッショナルな方たちなので、リハもなくぶっつけ本番で行っていることもあり、音符を直すことはありません。自分のライブ用にアレンジを試してリハでやってみて、直すことはあります」

 

いまのところホーンアレンジなどはないですか?管楽器のパートは、コンサートキーで記譜すれば、あとはSibeliusがその楽器にあわせて移調してくれるので楽ですよ!

 

「そうなんですね、では将来的にそういう仕事が来ても安心ですね」

 

スタジオは、ご自身と旦那さまでお持ちとのことですが、どのように使用されていますか?

 

「ローザンはプロデュースやミキシングまで行うため、ほぼメインで使用しています。彼はSibeliusのほかにAvid Pro Toolsも使用しています。私は、キーボードのレコーディングの際に使用しています」

 

昨年リリースしたSibelius for mobileはご存知ですか?

 「友人がストーリーに載せていて存在は知っていました。さらに使いやすくなるのだろうなと思っています。色々チェックしてみます!」

 

ストリングスのカルテットということなので、自身で作編曲まで行って、移動中にiPad、iPhoneにメモ書きしておき、後ほどPCで本スコアに追加する等、色々役立つ使いかたがあると思います。今はMacBook Proをご使用とのことですが、今後は、iPad版だけで完結されることもあると思います。Webページに、Sibelius for mobileの動画もたくさんアップしているので、是非ご覧ください!

Sibeliusの魅力やご要望があれば教えてください

「まさに、かゆいところに手が届く!ソフトウェアです。使っていて、気持ち良いなと思っています。Sibeliusは、構成の変更が無限にできるので、本当に気持ちが良くて、それが好きです!未だに手書きをされている方やチャートを見たときに、とても尊敬に値するけれど、きっかけさえあればもっと簡単にSibeliusでできるのになぁ・・・と思ってしまいます。ちょっとしたメモ書きや走り書きですら、手書きより早いのでは?と思ってしまうくらい無くてはならない存在で、もう手書きの時代に戻れません。操作内容としては、途中小節追加、コピー&ペースト、リピート(シングルショートカット=R)、レイアウト変更、何をとっても凄く時間短縮になるので、使っていて嫌だと思うことがありません。小節の挿入・削除などの自由度も高いので、手書きでの楽譜作成経験者としては、本当に有難いソフトウェアで、もう手放すことは考えられません。しかも記譜したら再生してサウンドやハーモニーも確認できるので、耳で聞いて手直ししたり、間違いがないですよね。今のところ要望は特にありませんが、何か気になることがでてきたら、ぜひご相談させてください」

【Ree-A (辻利恵)プロフィール】

幼少の頃からピアノを始め、ヤマハを通じて6歳の時に作曲を始める。東京音楽大学器楽科卒業後、渡米。バークリー音楽大学でジャズを学び、プロフェッショナル・ミュージック科を卒業。その後、Boston Arts Academyにて指導をしつつ、セッションプレイヤーとしての実績を積む。

2006年、エリック・ベネイの全米ツアーに参加。同年6月に全米5都市によって開催されたビヨンセのワールドツアー・オーディションに合格。以来Asst MD/MD/ミュージカルアレンジャー/キーボーディストのポジションで彼女のアレンジに携わる。2009年のラスベガスで行なわれた “I am Yours” ショーが、代表的なストリングスアレンジメント。2010年米GRMMY®(グラミー賞)で、彼女の演目のアレンジに携わり、出演も果たす。オバマ大統領主催のホワイトハウスで2度に渡る演奏/アレンジ/ストリングスセクションの指揮、2013年スーパーボウルでのハーフタイム演奏、アレンジ/演奏で参加したBeyonce Experienceツアーのライブバージョン 『Me Myself and I』 が2009年のGRMMY®にノミネートされるなど、ビヨンセの活動を大きくサポート。

代表的な日本の活動は、アニメ 『血界戦線』 の導入歌、テレビドラマ 『かもしれない女優たち』 のエンディングソングのプロデュースなど。韓国でのワークショップなど、国際的な活動も積極的に行っている。

2011年に佐賀銀行文化財団新人賞受賞。歴史的なショーになったと言われる2018年のビヨンセのコーチェラ・ライブでもアレンジ・演奏で加わり、2019年よりそのライブドキュメント 『Home Coming』 がNetflixにて配信されている。

共演したアーティストには、エリック・ベネイ、ビヨンセを始め、モニカ、デスティニーズ・チャイルド、ジェイ・Z、ジョージ・マイケル、カニエ・ウェスト、ニッキー・ミナージュ、ザ・ルーツ等がいる。

インスタグラム rietsuji0730

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