レコーディングエンジニアがホーム・ミュージック・プロダクション・システムへ移行する方法

By in Pro Mixing, オーディオ, 音楽制作

昨今の人々を取り巻く状況の変化により「ベッドからホームオフィスへ流れるように移動する」という在宅ワークをライフスタイルにするというニーズが増えています。レコーディングエンジニアという仕事は、比較的それを実現しやすい職業であるといえるでしょう。レコーディング・テクノロジーが、リモート需要に適合し始めたことにより、より多くの人が外での作業を諦め、自宅で行えるホームレコーディング設備を作ることの必要性を感じ始めています。

 

リモートも可能なレコーディングエンジニアとして仕事をする場合、ホーム・スタジオ・システムでクライアントと作業をしたり、アーティストのいる場所へ出向いたり、リモートでコラボレーションを行ったり、もしくはその3つ全てをこなすという必要があるかもしれません。アーティスト、プロデューサー、ミキシング・マスタリングエンジニアとのコラボレーションを可能にするために、フレキシブルなスタジオ設備が必要になるでしょう。

 

理想的なのは、所属している会社が、長期的に見てクライアント獲得の為の有効な手段だと理解し、リモート設備の補助をしてくれることです。しかし実際には、あなた自身もある程度の出費が必要になるかもしれないので、その計算はしておく必要があります。業界では、モジュール式で規模の拡大に対応できるシステムがトレンドですので、そういったシステムを採用する場合は、予算とスペースが許す範囲で少しずつスタジオに追加していくことができます。もしかしたらすでに、良いギアが家にあるかもしれませんが、今こそ、将来のために、今後何年にも渡って使用できることが保証されるセットアップを検討する時です。

DAW

スムースなコラボレーションを検討する際、リモート作業によって生じる可能性がある問題は、DAWによって解決されるべきです。リモートでプロジェクトのコラボレーションをする可能性が高いため、トラック、プロジェクト、ファイルの交換に関して簡単な構成や管理ができるD A Wが良いでしょう。オンライン・コラボレーションを使うと、リモートでアーティストや他のエンジニアと作業をすることが楽になります。クラウド上でプロジェクトを共有したり、他の人を招待して、どこからでも自分のトラックを追加したり、単にフィードバックを取り入れたりして参加することができます。

もし使用しているDAWにこのような機能がない場合は、リモート作業が簡単になるオプションについて、スタジオオーナーもしくはプロダクションマネジャーに相談する必要があります。もしかしたらリモート機能に焦点を当てた2つ目のレコーディングプログラムに投資する予算があるかもしれません。多くのエンジニアは、所有する複数のDAWから顧客との互換性を考えて使用しています。さらに、一部のDAWはサブスクリプション・ベースでの動作が可能ですので、本格購入する前に試すことができます。

 

オーディオ・インターフェース

ホーム・スタジオ・システムを作る際、オーディオ・インターフェースは重要となってきます。さまざまなモニタールーティンを設定し、アウトボードギアに接続でき、複数のソースをレコーディングできる多くの入力と出力を備えた、高品質で超低レイテンシー・インターフェースが必要になります。最高品質のAD/DAコンバーターを持つインターフェースがあれば、サンプルレートの値に関係なく、最高品質のオーディオを録音することができます。これにより、レコーディングスタジオで使用していたのと同様の適応性と録音の忠実度を維持できます。

一部のインターフェースでは、作業工程に合わせてI/Oオプションをカスタマイズできます。ラックマウントはモバイルレコーディングの場合、簡単に移動できるため、リモート設備には最適です。コンピューターもですが、インターフェースも最も重要なレコーディング設備の一つです。将来のニーズを念頭において賢明に投資しましょう。I/Oオプションは、多すぎる方が少なすぎるよりも良いでしょう。

 

セッション・コントロール

フェーダー、ポット、トランスポート・コントロールを備えたコントロール・サーフェスは、ミックスとレコーディング作業のスピードを早め、スタジオコンソールの触覚的なアプローチをホームスタジオにもたらすことができるうえに、かなり手頃な予算です。一部のハードウェア・コントロール・ユニットはタブレットを組み込み、複数のユニットを一緒にリンクし、ニーズ(および予算)に合わせて選択でき、小規模もしくは大規模の機器構成で実践的にコントロールができます。一部のDAWはタブレットやスマートフォン向けのワイヤレス・ミキシング・コントロールができるアプリをリリースしており、外出先でのレコーディングもしくはホーム・スタジオ・システムに最適です。

 

レコーディング設備とワークフロー

ギターやドラム、ボーカルのトラッキングを専門としますか。それともご自分の思い通りにレコーディングをしますか?

例えば、ドラムをレコーディングするとき、部屋はサウンドにとって重要な意味を持つので、優れた音響効果を備えたスペースが必要となります。そのためには家を改造する必要があるかもしれません。それが不可能な場合は、音を形作るために少なくとも仕切りやバッフルを用意してください。もし広いレコーディングルームがある場合は、バッフルとマイクの配置を色々試して、どのように部屋がさまざまな音と互いに影響し合うのかわかれば、レコーディングの音色を操ることができます。

 

ギターやベースのレコーディングでは、アンプとキャビネット、マイクの選択について考える必要があります。リアンプは現場でのレコーディングに代わるもので、リモートでできます。チューブ・アンプ、ギター・マルチエフェクト・プロセッサー、さらにはアンプ・シミュレーターを介してリアンプするためには、クライアントはクリーンなギターレコーディング、もしくはベースのDIレコーディングを送る必要があります。コピーしたファイルをクライアントに返すこともできますが、オンラインコラボレーションセッションにドロップすることもできます。ドラマーやキーボードプレーヤーにMIDIインストゥルメントでそのパートを演奏させて、スタジオでバーチャル楽器をトリガーすることも考えていいでしょう。そうすると、実際に一緒に演奏する必要がなくなります。

 

ボーカルはリモートレコーディングに最適です。シンガーは自身のパートを録音し、そのトラックをあなたと共有し、クリーンアップしてミックスに合うように処理することができます。

ボーカルや楽器のマイクの選択は、どのようなスタジオでも一般的には同じです。しかし、予算に合わせて選択しないといけないので、過去に使ってみてよかったものを選びましょう。レコーディングしているミュージシャンの数によって、ヘッドフォンアンプ出力とキューモニター用ヘッドフォンが複数必要となるかもしれません。

 

音響処理されたホーム・スタジオ・システムを整えると、モニタリングが正確になります。部屋によって異なるため、マイクの測定やキャリブレーション ソフトウェア(calibration software)を利用してフリークエンシー(周波数)の問題を検出し、それに応じて部屋を整えましょう。新しいコントロールルームを扱うとき、 Sound On Soundのページでは、リスニングポジションの周囲で数回測定を行い、最終的には測定値にとらわれずに自身の耳を信じるべきだと提案しています。

 

不可欠なもの

自宅でトラッキングするのも、外出先でも、大容量のトラックを記録して、同時に複数のソースを録音できる容量がある処理能力の高いコンピューターが必要です。アップグレードを軽視しないでください。CPUの仕様を確認し、さらにプロセッシングが必要かどうかを決めます。メモリーは別の要素です。RAMは比較的手頃な値段で簡単にアップグレードができます。64GBがお勧めです。(バーチャルインストゥルメントは特に大容量のRAMを必要とします。)最高のパフォーマンスを確保するために、必須のオーディオと通信アプリのみをインストールして、システムがすっきりとした状態を保ちましょう。

 

オンボードDSPを備えたハイブリッド ハードウェアもしくはソフトウェア装置では、コンピューターの処理負荷の一部を軽くし、さらにサウンドを形作るオプションが増えます。処理できるトラック数が増えることは、あなたとあなたのクライアントの両方にとってメリットがあるでしょう。ハードウェア処理装置のプラグイン・エミュレーションはバンクを使わずに、いくつかの多機能性を加えることもできます。追加のボーナスとして、録音が必要などんな場所でも簡単に使用できます。

 

信頼性がある高速インターネット接続も必須です。コラボレーションする相手がそれぞれ異なる場所にいる場合、ビデオ会議を介して滞りなくデジタル・オーディオファイルとプロジェクトを受け取り、転送する必要があります。頻繁にファイルを送受信する場合、支払える範囲内の高データ許容量または無制限のプランを取り扱う最高速度のインターネットサービスを利用してください。

 

パワー調整装置はホーム・スタジオ・システムでの電気とノイズ問題を排除するのに役立ちます。さらに、他の場所で、品質がわからない電気配線を使用するとき、ギアを守ることにもなります。電源サージや停電が起きた場合でも、しばらくの間電源が維持されるように、無停電電源装置(UPS)を接続したままにしましょう。

 

人間工学に基づいた椅子やデスクなどの設備も忘れないでください。腰のサポートと調節可能なアームレストを備えた椅子があると、作業中に集中できます。インターフェースとハードウェアに簡単に手が届くラックマウントが付いた、ミュージシャン向けに特別にデザインされたデスクもあります。ホームスタジオ設備が整ったら、そこで多くの時間を費やすことになるので、快適で、機能的で、良い雰囲気のものにしましょう。

 

ホーム・スタジオ・システムを作るというのは、一度きりで終わることではありません。製品やソフトウェアは、その時々によって入手可能なものが異なるため、継続的にアップグレードしながら設備を整えていきましょう。まずは、今すでに持っているものから確認しましょう。どのような作業をするか、制作過程でどんな人とコラボレーションするかを考えましょう。適切な準備と設備があれば、プロフェッショナルで多用途なホームスタジオを手に入れることができます。

 

どのようにホーム・ミュージック・スタジオを作るのでしょうか?

独自のモジュール、カスタマイズ可能なPro Toolsシステムを構築して、どんな場所で作成しても、最高設備のスタジオのような高品質な音楽を制作する方法を学びましょう。

 

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A musician and graphic designer, James freelances from his home studio on a range of audio and creative projects.