Pro Tools | S6導入事例 #9:讀賣テレビ放送(大阪・中央区)

By in Pro Mixing, オーディオ

本投稿は旧Avid Blogにて、2016年10月3日に公開された記事の再投稿です。

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大阪・中央区城見に本社を置く讀賣テレビ放送株式会社(以下、讀賣テレビ)は、日本テレビ系列(NNN/NNS)の準キー局です。関西圏では“ytv”の愛称で親しまれている同局は、『情報ライブ ミヤネ屋』や『ダウンタウンDX』など、自社制作の人気番組を数多く抱えていることでも知られています。

そんな讀賣テレビは先頃、本社の社屋内にある第1MA室をリニューアル。音響面のチューニングを行うのと同時に、約13年前に導入されたデジタル・コンソールを更新し、Pro Tools | S6システムを導入しました。讀賣テレビ技術局(制作技術担当)の沖田一剛氏は、Pro Tools | S6システムの選定について、「これまでのワーク・フローを継承しながら、Pro Toolsミキサーの機能をフルに活かせる点が導入の決め手になった」と語ります。

「今回のリニューアルは、これまでどおりミキシング・コンソール中心のワーク・フローを継承するか、あるいはミキシング・コンソールを導入せず、Pro Tools中心の新しいワーク・フローに移行するかの二択だったんです。現場のスタッフに話を訊くと、最近はPro Tools内で作業が完結してしまうことがほとんどで、ミキシング・コンソールはモニター周りしか使っていないということでしたからね。とはいえ、第1MA室は弊社の中では最も大きなMAルームですから、ミキシング・コンソールを無くしてしまうのもどうだろうと。かなり悩んだんですが、最終的にこれまでのワーク・フローを継承しながら、Pro Toolsミキサーの機能を活かすことができるPro Tools | S6システムを導入することにしました。第2MA室ではICONシステムを使用していますので、システム構成をほぼ揃えることができるというのもポイントになりましたね」(沖田氏)

読売テレビ 第1MA室に導入されたPro Tools | S6システム

読売テレビ 第1MA室に導入されたPro Tools | S6システムは、24フェーダー/5ノブ仕様のM40で、ノブ/プロセス/ディスプレイの各モジュールは3基ずつ搭載。左に16フェーダー、右に8フェーダーとマスター・モジュールというレイアウトで、中央にはマスター・ジョイスティック・モジュールとモニター・コントロール用のタックシステム VMC-102も搭載されています。実際にオペレーションを手がける株式会社ytv NextryAVセンターMA部部長の中澤哲矢氏は、「コンパクトさを重視した結果、最終的にこの構成になった」と語ります。

「最初はフェーダー数が48本の大規模なシステムも検討していたんですが、番組よっては10人程度部屋に入ることもありますので、コンパクトさを重視することにしました。実作業としては、フェーダー数は16本程度あれば問題ないんですが、Pro Tools | S6システムはサーフェースの各部位がモジュール化されているため、故障時のバックアップとしても使えるんですよ。ですのでメンテナンスを考慮し、最終的に24フェーダーという構成にしました」(中澤氏)

Pro Tools | S6システムの大きな特徴であるモジュール式のコントロール・サーフェースについては、沖田氏も高く評価しています。

「最終的に5ノブという構成にしたわけですが、フレームは9ノブにも対応するものにしてあるんです。ですので将来、“やっぱり9ノブ欲しい”となった場合は、ブランク部分にモジュールを追加することで拡張できる。しばらく使ってみて、このモジュールはこっちにあった方が使いやすいというのも出てくるでしょうし、フレキシブルにレイアウトを変更できるのはPro Tools | S6システムの大きな利点なのではないかと思います」(沖田氏)

Pro Tools | S6システム

Pro Toolsは、Pro Tools | S6システムの導入に合わせて、2システム体制に移行。HDXカード2枚のメイン・マシン、HDXカード1枚の音効用マシンと2台のPro Tools | HDXシステムが稼働しています。オーディオ・インターフェースは、Pro Tools | HD MADIとDirectOut Technologies ANDIAMOの組み合わせで、映像再生用システムとしてPro Tools | Video Satelliteも導入されています。

「今回のリニューアルで工夫したのがタイムコードの表示です。ワークのビデオがファイル・ベースになっていくのに伴い、タイムコードをどうやって表示するのかが課題になっていたんですが、今回のリニューアルでは複数の表示方法を用意したんです。具体的には外部のLEDに表示したり、タイムコード・バーナーでHD-SDIに直接乗せたり、好みの表示方法でタイムコードを確認することが可能になっています」(中澤氏)

リニューアル工事完了後、休むことなく運用されている読売テレビの第1MA室。沖田氏はPro Tools | S6システムについて、「フェーダーやノブの感触が、従来のコンソールに非常に近い」とその操作感を高く評価しています。

「私は生放送のオペレーションをすることが多いんですが、とても直感的に扱えるコンソールだなという印象です。ICONシステムには無かったマクロ機能も便利そうで、日々の作業で発生するルーチン・ワークのマクロ化はこれから活躍してくれそうです」(沖田氏)

またytv Nextry AVセンターMA部主任の堀内孝太郎氏は、サーフェースのビジュアル・フィードバックの豊富さを評価しています。

「何よりディスプレイ・モジュールに波形が流れるのがいいですね。正面に波形が表示されると、次の音のきっかけが視覚的に把握できるのがいいんです。クリップ・ゲインにも波形の大きさが追従されるので、整音作業にも便利。でも、まだPro Tools | S6システムのすべての機能を使い切れているとは言えないので、これからじっくり活用していきたいですね」(堀内氏)

Pro Tools | S6

Avid Pro Tools | S6は、モジュール式設計であり、構成されたシステムを選択するか、または独自のシステムを構築することが可能です。

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