Pro Tools | S6 導入事例:HALF H・P STUDIO

By in Pro Mixing, オーディオ

株式会社HALF H・P STUDIOは、アニメーション作品や外国映画の日本語版制作を中心に業務を行っているポストプロダクション・カンパニーです。東京・富ヶ谷に本社ビル(BOF2)とスタジオ(BOF1)、東京・幡ヶ谷にスタジオ(BOF3)を構え、日夜さまざまなコンテンツ制作を手がけています。

そんな同社は2015年8月、BOF3の開設10周年を機にアフレコ・スタジオのStage 6をリニューアル。開設以来使用されてきたコンソール・スタイルのDAW専用機を、Pro Tools | S6システムに更新しました。HALF H・P STUDIO所属のエンジニアである新井保雄氏は、「Pro Toolsにデジタル・コンソールを組み合わせるという選択肢は最初からなく、特段迷わずにPro Tools | S6システムへの更新を決めました」と語ります。

「どうせPro Tools内でミックスするわけですから、“In-The-Box”ミックスのワークフローに合ったコンソールを導入したかったんです。そして新機材を検討し始めたちょうどいいタイミングで発表されたのが、Pro Tools | S6システムでした。このビルの他の部屋ではICON D-Controlシステムを使用していますし、特に悩むことなくPro Tools | S6システムに決まった感じです。最初に実機を見たときに感じたのは、想像以上にサイズがコンパクトだなということ。フェーダーの間隔が狭めで、収録時のオペレーションがやりやすそうだなと思いました。それとICON D-Controlシステムも良く出来たコンソールだと思っているのですが、自分が中心に座ったときにフェーダーの位置がセンターから外れるのが気になっていたんです。その点Pro Tools | S6システムは、モジュールを自由に配置できるのもいいなと思いました」(新井氏)

HALF H・P STUDIO BOF3 Stage 6

同じくHALF H・P STUDIO所属のエンジニアである中西一仁氏は、Pro Tools | S6システムのビジュアル・フィードバックの多さが気に入ったと語ります。

「最初見たとき、とにかく見た目が派手だなと思いました(笑)。ディスプレイ・モジュールに波形が流れるように表示されるのもそうですし、視覚的な情報量の多さは個人的にとても良いなと感じました。総じてICON D-Controlシステムよりも使いやすそうな印象を受けました」(中西氏)

HALF H・P STUDIOが導入したPro Tools | S6システムはM40で、フェーダー・モジュールは4基(計32フェーダー)、プロセス/ノブ/ディスプレイ・モジュールはそれぞれ3基搭載(5ノブ仕様)。マスター・モジュールは、センターよりもやや右側に寄せたレイアウトになっています。核となるPro Tools | HDXシステムは、HDXカード1枚のミニマムな構成で、オーディオ・インターフェースはPro Tools | HD MADIとDirectOut Technologies ANDIAMO 2.XT SRCを組み合わせて使用。その他にはシンクロナイザーのPro Tools | SYNC HDとモニター・コントローラーのタックシステム VMC-102が設置され、映像はPro Toolsのビデオ・トラックで再生しているとのこと。外国作品を数多く手がけているHALF H・P STUDIOですが、海外のプロダクションとのファイルのやり取りはPro Toolsセッションで行っているとのことです。

「チャンネル・フォーマットはいろいろですが、オーディオ・データに関してはほぼ24bit/48kHzで、Pro Toolsセッションのバージョンに関する取り決めは特にありません。それでも互換性の問題が生じないのがPro Toolsの凄いところだと思っています。ファイルのやり取りは、以前はDVDなどの物理メディアでやり取りしていたのですが、最近はほぼインターネット経由でのやり取りになったので、凄くラクになりました」(中西氏)

HALF H・P STUDIO BOF3 Stage 6に導入されたPro Tools | S6

訪問時、Pro Tools | S6システムのPro Toolsはバージョン11が使用されていましたが、社内のその他のスタジオはバージョン10で統一されているとのこと。プラグインは、Waves Platinum Bundle、McDSP FilterBank、iZotope RX、Nugenのラウドネス系ツールがインストールされているとのことです。

導入から1年以上が経過し、毎日の仕事でフル活用されているHALF H・P STUDIOのPro Tools | S6システム。同社所属のエンジニアである手塚孝太郎氏は、ICON D-Controlシステムと比較して操作感が格段に向上していると語ります。

「何よりフェーダーの感触が良くなりました。あとは各種スイッチがマスター・モジュールに集約されているので、ワンマンでの作業も非常にやりやすいです。プラグインのパラメーターは、ICON D-Controlシステムでもノブを使って操作することができましたが、何のパラメーターが割り当てられているか、少々分かりにくかったんです。その点Pro Tools | S6システムは、プラグインのオペレーションに関してもかなり改善されています。トラックにプラグインをインサートして、パラメーターを操作しながら録音するという作業がとてもやりやすくなりました」(手塚氏)

技術部チーフ・エンジニアの新井保雄氏

また新井氏は、期待していたビジュアル・フィードバックの多さが想像以上だったと語ります。

「マスター・モジュールのタッチ・スクリーンに、プラグインのパラメーター値がしっかり表示されるのがいいですね。ICON D-Controlシステムですと、ノブ脇のディスプレイに一瞬表示されるだけでしたから。結局はPro Toolsのディスプレイを見なければならなかったんですが、Pro Tools | S6システムではサーフェース上でパラメーター値を確認できるので、作業に集中できるんです。それとここで作業するのはダイアログだけなんですが、他のスタッフは皆、音楽は何色、SEは何色とセッションを色分けしているので、それがサーフェース上に反映されるのも便利ですね。ディスプレイ・モジュールの波形表示も、台詞のタイミングがPro Toolsのディスプレイを見なくても分かるのでとても気に入っています」(新井氏)

手前左から技術部チーフ・エンジニアの新井保雄氏、技術部エンジニアの手塚孝太郎氏、奥左から技術部エンジニアの中西一仁氏、幡ヶ谷スタジオ デスクの小川理恵子氏

ミキシング再定義

モジュラー式Pro Tools | S6なら、ビジネスニーズやワークフローに合わせてサーフェスを自由にカスタマイズできます。

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