ハードウェアのパワーアップ:DSPアクセラレーションによるレコーディングのレイテンシーの調整

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レコーディング時、レイテンシーが生じていない時は、おそらく一切そのことなど気にする事はないでしょう。しかし、それがひとたび問題になると、他のことは考えられなくなります。レイテンシーは、レコーディング中の深刻な妨げとなり、折角のセッションの良いバイブに影響を与えます。

Ledger Noteでは、サウンドの制作から再生または録音までの時間的な遅れを「レコーディング・レイテンシー」と呼んでおり、これは通常、2つの原因のうち何れかに起因しています。1つ目は、ハードウェアでモニターされたオーディオのタイミングと、それに付随するソフトウェアで制作されたオーディオとの間の同期が取れていないことです。もう一つは、オーディオ録音のタイミングとDAWマルチ・トラック上での表示の不一致です。コンプレッサーやリミッターの中には、ルック・ヘッドと呼ばれる技術に依存しているものがあり、これはオーディオの入力ストリームをストールさせる効果があります。遅延は、プロジェクトで使用されているDSPやプラグイン間のオーディオ・データのバッファリングに起因する可能性があります。

プラグインは、演奏者のモニター体験を向上させたり、個々の演奏者に対して合わせるための一般的な選択肢ですが、その処理におけるモニター遅延がボーカルや楽器のテイクにどのような影響を与えるかを理解するのは難しいことではありません。サックス奏者やギタリストが演奏に乗ってソロを始めようとしているときに遅延に気づかないと思いますか?彼らが遅延に気付いて慌ててしまうと、せっかくの素晴らしいテイクを台無しにしてしまう危険性があります。

ちょっとした配慮と統合されたソリューションを使えば、エンジニアはレイテンシーを最小限に抑え、ミュージシャンが素晴らしいパフォーマンスを達成するための邪魔を排除することができます。

統合ソリューションのためのディッチ・ワーク・アラウンド

レコーディングのレイテンシーに対処するための試みは、長年に渡って数多く行われてきました。これらの回避策には、直接入力のモニタリング、ホスト・システムのRAMの拡張、レコーディング・トラックのプラグインなしでのレコーディング/トラッキングなどがあります。これらの方法は、アーティストがタイミングを合わせることを容易にしますが、パフォーマーの好みの再生方法の選択肢が制限されるなど、限界があります。一方で、ホスト・システムの拡張は高価になり、ダウンタイムが必要になることがあります。

この背景により、ハードウェアのDSPアクセラレータを介してプラグインを処理するという最近の傾向は理にかなっています。トリートメントやエフェクトを適用したい場合は、これらのソリューションを組み合わせることで、オーディオを異なるシステムやプラットフォームにルーティングする必要がなくなります。この分岐がなければ、レイテンシーを実質的にゼロにすることができ、そこからアーティストが演奏するためのオーダーメイドのキューミックスを作成することができます。

実質的に可聴レイテンシーのほとんどないハードウェアの強力なパワーを持つDSPアクセラレータは、エンジニアにテープに直接録音するアナログ・セッションに最も近い環境を提供します。

 

DSPアクセラレーション・ハードウェアによるレコーディング・レイテンシーとの競合

DSPアクセラレーションの利点は、演奏者の視点から理解するのが最も簡単です。トラックのゆっくりとしたフェードで雄弁なソロが必要な場合、プロデューサーと一緒にスター・セッション・ギタリストが参加して、然るべきパートを作成することがあります。通常、それらのソロをキャプチャーするのに1~2時間しかかかりませんが、エンジニアは複数テイクをコンプしなければならず、それにより作業がスローダウンしないのが理想です。DSPアクセラレーションにより、エンジニアは繊細な調整が必要なキュー・ミックスをレイテンシーなしで提供することができます。これにより完璧なテイクを録れる可能性が大幅に向上します。

また、別の意味でタイミングも重要です。レコーディングの予算は10年前や15年前に比べて、一般的にははるかに低くなっています。商業施設でセッションが行われる場合は、非常に圧縮された時間枠の中でスケジュールが組まれている可能性が高く、ミスをする余地はありません。プロジェクトやホームスタジオで作業している場合でも、時間はお金になります。堅実なソリューションがあれば、エンジニアはワークフローに忠実でよく貴重な時間を失うことはありません。

保証された結果と使いやすさを考えると、統合DSPアクセラレーション・ソリューションがほとんどのプロジェクトに最適なアプローチとなります。レイテンシーは獣のようなものですが、それは飼いならすことができます。

輝きを捉えるための新たなツール

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David Davies is a journalist, editor, and copywriter specializing in audio and broadcast technology, music production, and professional AV.