VENUE | S6L でのWaves SoundGridプラグインの活用

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VENUE | S6L用Avid VENUE 5.3アップデートは、単なるソフトウェア・アップデートではありません。S6LのE6Lエンジンが、チャンネル数の多いVENUE MADI-192 MADIオプション・カードをサポートするようになりました。MADI-192は、S6LとMADIオーディオ・デバイス間で1カードごとに最大64チャンネルのオーディオ送受信を可能にします。4基のBNCコネクタは、2つの96 kHz MADIストリームのVENUE | S6Lシステムへの出入力を可能にします。これらのストリームは100%フレキシブルで、入力、出力、ハードウェア・インサートとしてパッチングが可能です。この柔軟性により、S6Lは、MADI経由でWaves SoundGridシステムに完全統合し、システムと通信することができます。

それでは、この統合のためのシステム要件と、セットアップ方法について見ていきましょう。

VENUE | S6L側では、E6L EngineにMADI-192 MADIオプション・カードが装備されている必要があります。S6Lとの統合に準拠するWaves SoundGridシステムを実行するには、以下のコンポーネントが必要です。

Waves SoundGridサーバー

Wavesは現在選択肢として3種類のSoundGridサーバーを提供しています。Extreme Server、Server One、Impact Serverです。Wavesウェブサイトに比較表がありますのでここでは各システムの違いについて詳しく説明はしませんが、基本的に、違いは処理能力と各サーバー上で実行可能なプラグイン数になります。

DigiGrid MGB

DigiGrid MGBは、SoundGridサーバーとVENUE MADI-192オプション・カード間でのMADIストリームの送受信を可能にするMADIインターフェースです。Digigrid MGBは4系統のBNC接続を使用して64チャンネルのMADI @ 96 KHzストリームを可能にします。

Waves MultiRackソフトウェアを実行するコンピューター

MacでもPCでも構いません。コンピューター要件はWavesウェブサイトに記載されています。このコンピューターは、Wavesプラグインのユーザー・インターフェースまたはGUIとして機能します。

SoundGrid Switch

SoundGrid SwitchはEthernetスイッチです。SoundGridシステム・コンポーネントはEthernet経由で通信するため、SoundGrid Server、DigiGrid MGB、Waves MultiRackソフトウェアを実行するコンピューターはこのEthernetスイッチを介して互いに通信します。

セットアップ

Waves MultiRackソフトウェアをコンピューター上でセットアップする方法について詳しく見ていきましょう。図のような接続で、SoundGridシステムをセットアップしたら、最初にWaves Central (以下のリンクからダウンロード)をコンピューターにインストールします。

http://www.waves.com/downloads/central

  1. Wavesアカウントにログインし、Waves Centralのホーム・メニューで[Install Products](製品をインストール)を選択します。
  2. S[Products to Install](インストールする製品)セクションで以下のコンポーネントを選択します。
    • MultiRackソフトウェア
    • SoundGrid MGBドライバ
    • Wavesプラグイン・バンドル
  3. インストール処理を実行します。

Waves CentralでもWavesライセンスを管理できます。ライセンスを複数の異なるコンピューター間で動かせるようUSBキーをオーソライズすることも、MultiRackを実行しているコンピューターのハードディスクをオーソライズすることもできます。ワークフローに合わせて都合の良い方法を選択してください。

全てのソフトウェア・コンポーネントをインストールおよびオーソライズし、全てのハードウェア・コンポーネントをSoundGridシステム図に従って接続したら、次はWaves MultiRackアプリケーションを起動します。

Waves MultiRackアプリケーション

  1. [Preferences](環境設定)の[MultiRack]ウィンドウを開き、[General](一般)セクションで[Local LAN]ポートがコンピューターをSoundGrid Switchにつないでいる物理Ethernetポートと通信状態であることを確認します。[Local LAN port]ドロップダウン・メニューのネットワーク・アダプターは、MACアドレスとポート名で表示されます。適切なポートを選択すると、「SoundGrid network found」(SoundGridネットワークが見つかりました)というメッセージが表示されます。
  2. [Preferences]の[MultiRack]で、[Plug-in Manager](プラグイン・マネージャ)タブをチェックし、ご使用のプラグイン・バンドルが記載されておりアクティブであることを確認します。
  3. 該当する場合、リモート・コントロールを設定し、MIDI構成をセットアップすることもできます。

SoundGrid Networkとプラグインの標準設定が完了したら、システムの残りを設定します。

 

The SoundGrid Inventory

[SoundGrid Inventory]ウィンドウは、[Edit](編集)メニューの[SoundGrid Inventory]を選択すると開きます。

Waves SoundGrid Inventoryウィンドウ

SoundGridの[Inventory]ウィンドウには次の3項目がリストされているはずです。

  • SoundGridドライバ
  • The MultiRack
  • MGB IOデバイス

[settings](設定)をクリックしてMGB IOデバイスのコントロール・パネルを開きます。

MGB IOコントロール・パネル・ウィンドウ

以下のMGB IOデバイス設定を確認します。

Clock Settings(クロック設定)

  • Source(ソース):ご使用のクロック設定スキームに応じて[Internal]、[External]または[Digital]を選択
  • Sample Rate(サンプル・レート):96 kHz
  • Sample Rate Mode(サンプル・レート・モード):88.2 / 96 Hi Speed
  • Status(ステータス)が[Sync OK]であること

Avidでは、E6Lの[Word Clock OUT]コネクターまたはMADI-192オプション・カードの[WC OUT]コネクターをMGBの[WC IN]コネクターに接続して、MGBを外部同期することを推奨しています。

 

MADI Options Page(MADIオプション・ページ):

  • MADI Port 1とMADI Port 2設定が64/32チャンネル・フォーマットに設定されていることを確認します。

SoundGridの[Inventoryウィンドウを閉じ、[Edit]メニューを開いて[SoundGrid Connections](SoundGrid接続)メニュー項目を選択します。

SoundGrid Connectionsウィンドウ

SoundGrid Connections]ウィンドウでは、送信元と送信先の信号を定義します。このセットアップでは、MGB MADI IOデバイスとMultiRack間の双方向通信が必要なため、2つの64チャンネル接続(または、S6LシステムとSoundGridシステム間に希望する任意のチャンネル数)を作成する必要があります。

  • 接続1は、Source(送信元):MGB、Destination(送信先):MultiRackで、チャンネル範囲は両端で1~64です。これはMADI経由のMGB/S6LからMultiRackへの入力です。
  • 接続2は、Source(送信元):MultiRack、Destination(送信先):MGBで、チャンネル範囲は両端で1~64です。これはMADI経由のMGB/S6Lに戻る出力です。

SoundGrid Connections]ウィンドウを閉じます。

 

MultiRackプラグインを使用する

MultiRack Sessionはラックのコレクションです。それぞれのラックには1つまたは複数(1チェーンに最大8つ)のプラグインが含まれており、MADI-192オプション・カードを通じてVENUE | S6Lと通信します。

  1. クリックしてラックを追加します。
  2. ラックの種類を指定します:[Mono – Stereo]または[Mono to Stereo
  3. MGB入力ソース(左側)とMGB出力ソース(右側)を設定します。
  4. ラック・ウィンドウ内の[+]をクリックしてプラグインをラックに追加します。

プラグイン・ウィンドウを表示したMultiRack

VENUEソフトウェアを設定する

Waves SoundGridシステム上でのセットアップが完了したら、MADI-192オプション・カードを介してWavesプラグインをVENUE | S6Lシステムで使用できるようになります。プラグインは、[Hardware Insert](ハードウェア・インサート)パス経由でVENUEプロセッシング・チャンネル上に直接インサートできます。また、典型的なセンド/リターン(バス供給)・タイプの接続を設定することもできます。

ハードウェア・インサート経由:

  • 選択されている入力または出力プロセッシング・チャンネルに対してVENUEパッチベイでハードウェア・インサート・パスを設定します。

VENUEパッチベイMADIインサート・タブ

  • VENUEプロセッシング・チャンネルのハードウェア・インサートをアクティブにします。

VENUEチャンネル・インサート

センド/リターン・パス経由:

  • VENUEの[Patchbay](パッチベイ)>Outputs](出力)タブで、VENUE出力チャンネルからの[MADI SEND / output]パスまたはWaves SoundGridサーバーへの信号の送信に使用されているダイレクト出力を選択します。
  • VENUEの[Patchbay>INPUTS](入力)タブで、Waves SoundGridサーバーからの処理済み信号を戻すVENUE入力チャンネルへの[MADI RETURN / input]パスを選択します。

 

これで設定は完了です。Wavesプラグインを使用したプロセッシングをお楽しみください!

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エンジニアとして20年以上の経験を持つ、Avidのライブ・サウンド活用スペシャリスト。一番の関心は、カスタマーの業務において最も重要なタスク(オーディエンスにとって最高のリスニング体験へとつながる優れたサウンド・コンテンツを生み出すこと)の達成を可能にするワークフローをセットアップできるようカスタマーを支援すること。