相互運用可能なマスターフォーマットとは何ですか?IMFを詳しく見る

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オンライン・プラットフォームとデジタル表示デバイスにおけるコンテンツ需要は増え続けており、複雑な配信プロセス、コストの増加、長期制作タイムラインに、チームは直面し続けています。相互運用可能なマスターフォーマット(IMF)は、さまざまな対象者向けに同じコンテンツのさまざまにカスタマイズされたバージョン作成を簡素化する、標準パッケージを提供することにより、これらの課題に取り組んでいます。

IMFは数年前から存在しており、編集ツールが増えたことで、IMF配信の仕様を満たすために、フッテージを簡単にエクスポートできるようになりました。それでも、業界内ではまだ考慮すべき混乱があります。このガイドでは、IMFの仕組みの概要と、IMFを必要とする業界固有の課題についてご説明します。

相互運用可能なマスターフォーマットの定義

IMFは、SMPTE(Society of Motion Picture and Television Engineers)が標準2067-2として掲げている、ファイルベースのフレームワークです。また、配布用の単一マスターファイルを作成することにより、ファイルの交換プロセスを簡素化するように設計されています。すなわち、企業間でのコンテンツのやりとりを意図したものであり、消費者に直接配信するためのものではありません。

IMFは、実際にはデジタル・シネマ・パッケージ(Digital Cinema Package=DCP)の進化形であり、2012年から劇場コンテンツを配信するための標準フォーマットとなっています。過去数年間、IMFは放送およびオンライン配信の特定の課題に併せて適応してきました。具体的には、飛行機上映版用の編集、特別版、言語、地域のコンプライアンスなどに合わせて、映画やプロモーションの複数のバージョンを管理および処理することが簡単になります。

IMFは、QC、マスタリング、プロダクションのバージョン管理に取り組む際に、チームがさまざまな拠点にいたとしても、一貫性を保つために堅実なワークフローを提供します。

IMFの仕組み

プログラムの特定バージョンを保持する単一マスターファイルの代わりに、IMFパッケージには、コンテンツに関連するすべてのエッセンス(オーディオとビデオ)とメタデータ(字幕とキャプション含)が含まれています。これらは、個別のアセットとして扱われます。

これらのアセットをさまざまな方法で組み合わせると、中国での上映用や飛行機上映用の編集のようなコンポジション内のさまざまなバージョンのコンテンツが作成されます。コンポジション・プレイリスト(Composition Playlist=CPL)は、コンポジションの再生タイムラインを定義します。Prime Focus Technologiesは、優れたアナロジーを使用しています。もしアセットが材料だとしたら、CPLがレシピになります。IMFには無制限のCPLsを含めることができます。それぞれが、プログラムのさまざまなカットのようなパッケージに含まれるファイルのユニークな組み合わせを表します。CPLは、メディア自体を含むようには設計されていないため、実際のエッセンスを含む外部トラックファイルを参照します。この構造により、共通のエッセンスファイルを複製することなく、複数のコンポジションを管理することができます。

IMFは、同じ構成から多くの異なる配布フォーマットを作成する支援をするため、すべてを整然と保つための一連の技術的な指示が必要です。それが出力プロファイルリスト(Output Profile List=OPL)です。出力プロファイルリストは、CPLの処理およびトランスコーディング指示を明確にして、サイズ設定、オーディオ、チャンネル・ミキシングなどの追加変更を組み込んで完成品を作成します。

IMFが違いを生む理由

IMFは、配信ワークフローを簡素化し、コストと市場投入までの時間の両方を削減します。タイトルのスタンドアロンバージョンが数百パターンもない場合は、アセットの管理と追跡が簡単になります。

IMFの主要なアーキテクトの1つであるNetflixにとっての主な利点は、最も手間のかかるコンテンツ・トラッキング問題のいくつか、つまり、幾つもの異なったバージョンの追跡やグローバルマーケットへ複数バージョンを提供するプロセスの複雑さに関連する問題を軽減することです。

 

たとえば、Netflixは、吹き替えの音声と字幕を同期しようとすると、問題が頻繁に発生することを説明していました。オリジナルのクリエイティブな意図を維持するために、Netflixは、ネイティブのアスペクト比とフレームレートを含むオリジナルのフォーマットでコンテンツを要求します。IMFフォーマットが導入される前、Netflixは長編映画のビデオの24fps劇場版を受け取ることが多かったと考えられますが、吹き替え音声と字幕が29.97fpsバージョンまたは別のバージョンから作成された場合、両者が一致しないことになるため、インターナショナル配信用に再編集されていました。これは、まさにIMFが取り組むことを意味したアセット管理のフラストレーションの一種で、最終的には、コンプライアンス用に取得したコンテンツ処理と、販売用の発信プログラミングをはるかに簡単にします。設備の観点からみるIMFは、個々の編集をまとめて各マーケットに出荷する必要性を回避します。たとえば、特定のメディアファイルをイタリアに発送するのではなく、一つの施設が編集リストを検証して、それを地域に送信するだけです。そこで、適切なバージョンがマスターメディアファイルからレンダリングされます。

これは、データ転送が大幅に少なくなるだけでなく、関連するプロセス、チーム内での作業重複、さまざまなファイルフォーマットで作成する必要があるファイル数を削減します。

 

IMFデリバリー機能を制作過程に取り込めるよう施設内に整備することには、他にも利点があります。ディストリビューターは、高品質のIMFマスターに直接アクセスできるためビデオ品質を向上させることができます。また、メタデータは物理的なアセットと一緒にそのままの状態を保持されるため、いつでも追跡および同期できるので、人的エラーの可能性を減らす方法でもあります。さらに、IMFは、新しいロゴやコンテンツの改訂のような段階的な変更を行うために、合理化されたアプローチを提供します。

前進するIMFを確認

放送およびオンライン用のIMFは、2018年にSMPTEによって承認され、標準化され今もなお改善されています。

2020年6月に、初期段階で派生した問題に直面したユーザーのフィードバックに基づいて改訂が行われました。たとえば、改訂版は、さまざまな規定間の矛盾に取り組み、エンドユーザー向けに一貫性を改善し、IMFシステムに追加機能を導入しています。

SMPTEの副社長であるブルース・デブリン氏は、改訂版について以下のように述べています。
「劇場および放送コミュニティ全体の運用を行うことで、元の規定に加え、そこから学んで得た知見の採用も行い、より実用的なものへと反映しされています。」

 

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Adrian Pennington is a journalist, editor, commentator, and copywriter on film and TV production. Follow him on Twitter: @Pennington1.